博麗神社にて
「・・・最近、誰かに見られているような気がするんだ」
「あんたなんかを観察するのは文くらいじゃないの?」
「それは私も考えたんだけど、あいつは最近妖怪の山から出てきてないらしい」
「なんで?」
「なんでも部下に意地悪したら嫌われちゃったんだと。今はその部下のご機嫌取りでいそがしくて外に出る暇がないとか」
「じゃあ誰が?」
「それが知りたいから霊夢の勘を頼ろうと思ったんだが・・・」
「勘でそんなことがわかるのなら私は今頃大金持ちよ」
「それもそうか・・・」
クゥ~キュルル
「お腹減った・・・」
「言っとくけどうちには何もないからね」
「じゃあ妖怪の山にちょっとよってから帰ろうかな」
「またキノコ?よく飽きないわね・・・」
「キノコは私の燃料だからな」
「・・・あのさ、さっきの『誰かに見られてる気がする』って話」
「ん~、自分で調べてみるよ」
「そう・・・。もし困ったことになったら来なさいよ。出来るだけ力を貸すから」
「ありがとう、霊夢」+満面の笑み
ズキューン!
「じゃあな!」
「・・・魔理沙のバカ、ちょっとドキッとしたじゃない・・・」
某所
「・・・できた」
今私が作り終えたものは‘監視カメラ’という外の道具だ。
香霖堂で手に入れたものを複製してみた。
もっとも、動力が電気から妖力に変わっているなど細部は違っているが。
最近は変な虫がうろついているからこういうものを使って見張ってなければいけない。
まったく嫌な世の中だ。
「ただいまー」
「あ、魔理沙お帰りー」
やっと魔理沙が帰ってきた。キノコを両手いっぱいに抱え込んでいる。
「そのキノコ、妖怪の山のやつでしょ。また天狗に怒られてもしらないよ?」
「キノコはおいしいからなー」
「もう・・・しょうがない奴」
いつもキノコ尽くしだからたまにはキノコなしの料理をつくったほうが
いいんじゃないだろうか?というか飽きないのかな?
「なにつくろうかな~。あれがいいかな、きのこの塩焼き」
し、塩?醤油のほうが合うと思うんだけれど・・・。
「やっぱキノコカレーにしよう!」
「うん。私もそれがいいな」
魔理沙は‘つくるぞー’と意気込んで台所に立った。私もついていった。
トントントントン
ジュ~、ジュワ~
グツグツ
・・・魔理沙が料理してる姿って何度見ても飽きないな。
でも、いつまでも見ていると遅れちゃう。
私は後ろ髪を引かれながら作業を再開した。
しばらくするとカレーができた。おいしそうだ。
「やっとできた。さて、食器食器・・・」
魔理沙は食器を取り出すとご飯とカレーを盛った。私もそれに続いた。
「いただきます!」
「いただきます」
私達はカレーを食べ始めた。一口目を食べる。
「あ~うまい!やっぱキノコはなんにでも合うな!」
「キノコ狂いとしか言いようがないね。・・・ちょっとケチャップ入れすぎたかな?」
魔理沙は食べ物をおいしそうに食べるから、同じカレーでも魔理沙が
食べているものの方がおいしそうに見えてしまいそうだ。
実際、私のカレーよりもおいしいのだろうけど。
「あー食べた食べた。腹ごなしに散歩でもしてこよう」
「いってらっしゃい」
魔理沙は出かけてしまった。またあの巫女の所だろうか・・・。
「ふう・・・食べたもの片付けようかな」
そう言って食器を手に持ったとき、さっき作った監視カメラが視界に入った。
「これ、取り付けなきゃ」
私は見取り図をポケットから取り出す。
えっと、まだ取り付けてないところは・・・厠か。
私は厠のどこにどういう角度で取り付けようかと考えながら魔理沙の家へと向かった。
にとり怖ぇぇwww