Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

一輪の花

2009/05/11 00:44:56
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寺子屋の横にある、大きな木下に一人の少女が足を投げ出し、ふとももの上に箒を
乗せて、木にもたれながら、春の陽だまりを独り占めにしていた。
少女は何をするでもなく、ただ、遠い空を眺めていた。急に周りが騒がしくなり
少女はけだるげに顔を寺子屋の方に向けた。手習いが終わったのか、
子供達は「慧音先生さょうなら」と言って麓の方に向かって歩き出した。
子供達の手には皆一輪の花が握られていた。男の子は花を刀に見立てて、
「エィ、ヤァ~」と、女の子はお互いの花の色を綺麗だね~と、褒めあっている。
そんな子供達を眺めていた少女は箒に跨り森の方に飛んでいった。
花畑に降り立つと、少女は花畑の花を見て回りだした。

「また、花でも盗るつもりか?」

急に声をかけられて、少女は「ギクリ」とした。この少女を知っている人から
見ると、その態度に疑問をもつだろう、妖怪さえ近付くことが困難な少女に、
何ゆえ、こんなに隙だらけなのか?こんな少女を見たことが無いからだ。
少女は如何したものか……迷っている様子だ。

「私が言うのもなんだが盗るつもりは無い、そんな汚れた花なら今日はいらないぜ」

盗人が~、「汚れた花なら今日はいらないぜ」と言われた幽香は、

「どうしたんだ?熱でもあるのか?」

「ね~幽香、見ただけで汚れもない清潔に見える花はないかな~」

「ないこともない。黄色にピンク、白に赤、紫色などあるけど、どんな色が
良いのかな?」

「ピンクがいいかな」

幽香はピンクの花が咲いている、畑の中ほどから一本の花を切り取り少女に渡した。
白と黒の服にピンクの花がよく似合っている。

「幽香これまだ完全に開いてないけど?」

「そうだよ、まだ七分ぐらいかな、それでいいんだよ」

「どうして?」

「それはね、今子供が汚れも知らず清潔で一生懸命に成長している時と同じだから、開いてしまうと
酸いも甘いもかみ分けた、大人と同じだからそれくらいが一番いいよ」

少女は「そうなんだ」といって幽香に有り難うといい、箒に乗って麓の方に飛んでいった。
どうしたんだ、あいつは?いつもの横着さがない。
幽香は少女が消えた空を眺めてポカンとしていた。少女は麓の、とある一軒の庭に立っていた。
庭には大きな柿木が一本と古い井戸があり。
少女は小さいころに、よくこの木に登り柿を取っていたのを思い出していた。
縁側の障子の奥に二つの影が見える、もう周りは暗くなっていた。
少女は縁側の戸袋の側に立ち,夫婦の会話を聞くとはなしに聞いていた。

「あの子は、どうしているんでしょうね、食事はまともに摂っているのかしら?」

「そうだな~……あいつが居るから心配いらないさ」

「もう、内の弟子ではないんですよ、何時までも頼りにしては申し訳なくて」

「な~に、あいつは変わり者だか、義理堅くて思いやりもあるから、だからあんな、不良娘でも心配しなくておれるんだよ」

「商売の邪魔でもしてないと、いいけれど」

「あ、はっは、あいつの商売は趣味か道楽みたいなものさ、だから内が潰れないのさ」

「ま~貴方ったら……時には顔でも見せるといいのに、誰に似たのか意地っ張りな子、だから」

男は照れくさそうにニャリとして、湯呑みに残ってる酒を「グッ」と飲み干し?
「さて寝るとするか」といった。女は布団をしき、男が布団に入ると縁側に向かった。
少女は急いで井戸の脇に隠れた。女は縁側に来ると「まぁ~綺麗なお月様だこと」といって月に向かって手を合わせ
「霖之助さん娘を宜しくお願いします」といって雨戸を閉めた。
少女は暫くそこで俯いていたが井戸の側に行き、静かに釣瓶を井戸の中に入れて、
そこに着くのを確かめ釣瓶の紐を横に振った。手に水のはいった感触が伝わってきた。
音がしないように静かに釣瓶を引き上げ井戸の蓋の上に釣瓶を置き一輪の花を釣瓶にいれた。
暫く眺めていたが、少女はカーネーションにそっと口付けして箒に跨り森の方に向かった。
朝、母が顔でも見せていけばいいのに、どこまで意地っ張りな子だ、といってる姿が浮かんだ。
                                                                                 
初投稿です、誤字脱字ならびにご指導宜しくお願いします。
母の日をテーマに書いて見ましたけど宜しくお願いします。
源 五郎
[email protected]
コメント



1.ティファーリア削除
…?登場人物像をぼかしすぎてしまって、良く分からない仕様になっている気が…
もうちょっと掘り下げてみたほうが良いかもしれませんね。

書く量はプチなので、とやかく言いませんが。
初投稿でコレなら期待しますよ。たくさん書いて、いっぱい投稿してくださいね。
2.源 五郎削除
魔理沙の名前を出そうか、迷ったまま最後まで隠した事をきにしていました。
気になる所は素直に考え直すべきだと、きずかせていただき、有り難う御座います。
もっと勉強しなければと思っています、今後ともご指摘ご指導宜しくお願いします。
有り難う御座いました。(感謝)
3.名前が無い程度の能力削除
面白かったですよ。

次も期待してますね。
4.名前が無い程度の能力削除
>誉めあっている→褒めあっている
や、常用外なだけで間違いではないのですが。気になったので一応。
>近ずく→近づく、近付く
近くに付く、です。
>盗人に「汚れた花なら今日はいらないぜ」?……と言われた幽香は、
盗人が~、で……以下を消すか、?……を削除したほうが、しっくりくるかもしれません。
自分の押し付けかもしれませんが。
>ないこともないが、
ないこともない。で一度区切ったほうが、後の文との繋がりが好いかもしれません。
>もう回りは暗くなっていた→もう周りは暗くなっていた
周囲、という意味ですので。
>残ってる酒を「グット」飲み干し→残っている酒を「グッ」と飲み干し?
>そっと口ずけして→そっと口付けして
口をつける、ですからね。

素直でない魔理沙がとても可愛かったです。作品も、ほのぼのとしていて。
ただ、それだけに上記の点が残念でした。時折改行が不自然な点もあったりして、せっかくいい雰囲気なのに浸りきれなかった感じです。
これを糧に、これからも頑張ってください。長文失礼しました。
5.源 五郎削除
3>方
ありがとうございます。
4>方
いろいろご指導有難うございます。修正しました。投稿もですが、SSも初めてなので、
何がなんだかわからないままに書きました。もっと勉強しますのでご指導宜しくお願いします.書くことの難しさを初めて経験しました。有難うございました。