「おまえなんて嫌いだ!」
「って言われた」
「は?」
「特に気にしてたつもりは無いけど、純粋で無垢な子供に言われると傷つくわね」
「ああ………人間の里にでもいったの?………純粋で無垢だから、貴女のことをまったく知らないのにそんなことが言えるのよ、ろくな親じゃないわね」
「ふぅ………」
椅子にもたれかかり、腕を組む。
表情は決して明るくは無く、少なからずまだ引きずっているらしい。
「………」
「………」
しばらく無言でその姿を眺めていたが、少しだけ心が痛んできた。
見に覚えの無い非難を浴びせられれば誰だって思うところはあるだろう。
私は向かい側の咲夜の頭を、椅子から立ってそっと撫でた。
「………なにしてるの?」
「頭を撫でているのよ」
「………アリス」
咲夜が私の手を取り、払うのではなく引っ張り私の上半身を引き寄せた。
咲夜自信も席を立ち、私の顔の前は咲夜の胸の位置に。
「あ、ちょっと」
「ありがとう」
それだけ言うと、ほんの少しだけ触れるように咲夜は私の唇にキスをした。
解放され、呆然と立ち尽くす私を尻目に咲夜は冷静にお茶を淹れ直している。
「………い、いま、今なにした?」
「なにもしてない」
「………なにもって、そんなわけ………ああもう!」
咲夜は取り合う気が無いとわかった、でもこれはデリケートな問題だ。
恥ずかしさとか嬉しさとか、いろいろ混ざって私は軽く暴走した。
「順序が滅茶苦茶じゃない!好きだって言ってからキスするものでしょ!」
「………前にも言ったことあると思うけど」
「言ってない!」
「言ったわよ、私は貴女のこと好きだって、ちゃんと言った」
「私はその返事をしてない!」
「返事しない貴女が悪いんじゃない!」
いつのまにか咲夜まで怒鳴り始めた。
後には引けない、私達はテーブル越しに立ちながら口論をし続けた。
「私の気持も知らないで、勝手にキスするなんて最低!」
「さ、最低って………そんな言い方しなくていいでしょ!」
「貴女とするのがイヤじゃないから最低なのよ!」
「意味わかんないわよ!」
「なんでわかんないのよ!バカ!」」
「じゃあもうキスなんてしない!それでいいでしょ!」
「違うわよ!そうじゃない!そうじゃないの!」
「………!」
あ、私涙ぐんでる。
またこうして、咲夜に気を使わせることになる…
「………じゃあ、私はどうすればいいの?」
「………何もしなくていい、私が、私のほうから貴女に好きだって言うまで、待ってて欲しいの」
「………わかった」
私のこんなワガママを受け入れて、咲夜は静かにうなずいた。
そして、私の隣に来て、優しく抱きしめてくれた。
「わかったから、泣かないで、アリス」
「ごめん………」
「謝らないでいいから」
「ごめん………」
「………謝らないでよ、バカ」
「………ごめんね」
謝らずにはいられなかった、私の数限りないワガママを全て受け入れて、それでも怒らずに私を抱きしめてくれる咲夜に申し訳が無くて。
「泊まってく?」
「………うん」
「わかった」
咲夜は軽く額にキスをして、私を離した。
入り口のドアに手をかける。
「今日の仕事終わらせてくるわ」
「うん」
また少しだけ、私は自分のことが嫌いになった。
.
「って言われた」
「は?」
「特に気にしてたつもりは無いけど、純粋で無垢な子供に言われると傷つくわね」
「ああ………人間の里にでもいったの?………純粋で無垢だから、貴女のことをまったく知らないのにそんなことが言えるのよ、ろくな親じゃないわね」
「ふぅ………」
椅子にもたれかかり、腕を組む。
表情は決して明るくは無く、少なからずまだ引きずっているらしい。
「………」
「………」
しばらく無言でその姿を眺めていたが、少しだけ心が痛んできた。
見に覚えの無い非難を浴びせられれば誰だって思うところはあるだろう。
私は向かい側の咲夜の頭を、椅子から立ってそっと撫でた。
「………なにしてるの?」
「頭を撫でているのよ」
「………アリス」
咲夜が私の手を取り、払うのではなく引っ張り私の上半身を引き寄せた。
咲夜自信も席を立ち、私の顔の前は咲夜の胸の位置に。
「あ、ちょっと」
「ありがとう」
それだけ言うと、ほんの少しだけ触れるように咲夜は私の唇にキスをした。
解放され、呆然と立ち尽くす私を尻目に咲夜は冷静にお茶を淹れ直している。
「………い、いま、今なにした?」
「なにもしてない」
「………なにもって、そんなわけ………ああもう!」
咲夜は取り合う気が無いとわかった、でもこれはデリケートな問題だ。
恥ずかしさとか嬉しさとか、いろいろ混ざって私は軽く暴走した。
「順序が滅茶苦茶じゃない!好きだって言ってからキスするものでしょ!」
「………前にも言ったことあると思うけど」
「言ってない!」
「言ったわよ、私は貴女のこと好きだって、ちゃんと言った」
「私はその返事をしてない!」
「返事しない貴女が悪いんじゃない!」
いつのまにか咲夜まで怒鳴り始めた。
後には引けない、私達はテーブル越しに立ちながら口論をし続けた。
「私の気持も知らないで、勝手にキスするなんて最低!」
「さ、最低って………そんな言い方しなくていいでしょ!」
「貴女とするのがイヤじゃないから最低なのよ!」
「意味わかんないわよ!」
「なんでわかんないのよ!バカ!」」
「じゃあもうキスなんてしない!それでいいでしょ!」
「違うわよ!そうじゃない!そうじゃないの!」
「………!」
あ、私涙ぐんでる。
またこうして、咲夜に気を使わせることになる…
「………じゃあ、私はどうすればいいの?」
「………何もしなくていい、私が、私のほうから貴女に好きだって言うまで、待ってて欲しいの」
「………わかった」
私のこんなワガママを受け入れて、咲夜は静かにうなずいた。
そして、私の隣に来て、優しく抱きしめてくれた。
「わかったから、泣かないで、アリス」
「ごめん………」
「謝らないでいいから」
「ごめん………」
「………謝らないでよ、バカ」
「………ごめんね」
謝らずにはいられなかった、私の数限りないワガママを全て受け入れて、それでも怒らずに私を抱きしめてくれる咲夜に申し訳が無くて。
「泊まってく?」
「………うん」
「わかった」
咲夜は軽く額にキスをして、私を離した。
入り口のドアに手をかける。
「今日の仕事終わらせてくるわ」
「うん」
また少しだけ、私は自分のことが嫌いになった。
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咲夜さんは「意味わかんないわよ!」と言いつつ内心ニヤニヤしてるのか、それとも本当にわかってないのかw
いつもの賢者の賢明な判断に敬礼せざるを得ない。
咲アリ最高!!!!!
>咲夜さんはさしずめナイトですな。
そしてタイトル通りアリスがプリンセスっ!!!!!
とにかく甘い、ニヤニヤするような話はなかなか難しい……
皆さん感想ありがとうございます