「さぁ、始まりました。厄神様ドットこむ」
雛が笑顔で喋り出す。
「メインパーソナリティーは毎度お馴染み私、鍵山雛がお送りします。そして、今日のゲストはこちら。水橋パルスィさんです」
「え? ちょ、何ここ? ていうかあんた誰?」
「鍵山雛、厄神よ。このラジオは毎回ゲストに『厄まみれの残念な子』を無理矢理迎えるの」
「は?」
「良かったわね、パルスィ。あなたゲストに選ばれたのよ」
「何その嬉しくないゲスト!? というか気安く名前を呼ぶな!」
「あら、じゃあ水橋パルスィ略してパィで良いかしら?」
「……パルスィでいい」
「そう。それでは今日も楽しく生きましょう」
「字が違う!?」
『厄神様ドットこむ』は、妖怪の山(株)、お値段微妙にとり(有)、さとり探偵事務所栄養食品(悟)、隙間運搬(21)、慧音の寺小屋(先生)の提供でお送りします。
「では、最初からメインコーナー。厄おたのコーナー!」
「厄おた?」
「皆さんの周りに起きた、『これは厄がついている。不幸な出来事』をたくさん送って貰い、私が厄を吸収するコーナーです」
「ふーん……妬ましいわね」
「何が?」
「そんなに楽しそうに進行していくあんたが、妬ましいわ」
「仕事だもの」
時間が止まったかのように、無言になった。
「え? いいの、それ言っちゃって?」
「何が?」
「いや、今仕事だからだとか……」
「最初のお便りです」
「流された!?」
葉書を一枚、取り出す雛はとっても笑顔。
対するパルスィはうんざりしている。
「ラジオネーム『赤巫女』さんからいただきました。ありがとう」
「葉書送ってくるやついるのね」
『この前、小指の角にタンスをぶつけてしまいました』
「文章いろいろおかしくない?」
「言葉を勉強してからもう一度送ってね。続いてのお便り」
「え!? そんなんで終わり!?」
「ラジオネーム『スカスカレット(姉)』さんからいただきました」
『妹に大嫌いと言われました。妹に可愛い可愛い言い続けていたら、顔を赤くして大嫌いと言われて抱き付かれました』
「妬ましい」
「それ私の台詞!? でも、これは惚気ね。妬ましい」
「うるさい静かにして。ラジオなんだから」
「ゲストなのに何この扱い!? ラジオだからこそ喋らなきゃいけないんじゃないの!?」
「まぁまぁ、そうパルパルしないで」
「今は妬ましいなんて言ってないわよ!」
「続いてのお便り」
「無視するな!」
「ラジオネーム『小さな悪魔』さんからいただきました。いつもありがとう」
「常連なのね」
『最近、パチュリー様との会話が減ってしまってます。私が紅茶を入れても気付いてさえくれません。結局、数時間後に一口も減っていない紅茶を私は静かに後片付けします。その際にも気付いてくれません。寂しいです』
「うわぁ……本当に不幸ね」
「小さい悪魔さん、今日も厄を回収させてもらうわ。あなたに幸せが訪れることを願うわね」
目を閉じて、静かにそう言う雛は、優しくて、綺麗で、先ほどまでのふざけた態度とは違っていた。
思わず、パルスィはその姿に見とれる。
「あんたの真面目な姿、妬ましいわね」
「ん? そうかしら?」
「ええ、妬ましいわ」
「う~ん、そういうの自分じゃ分からないわ」
少し困ったような笑みを浮かべながら、頬を人指し指でかく雛は、どこか可愛らしかった。
その仕草さえも、パルスィは妬ましく思う。
「続いてのお便り――と思いましたが、時間のようね」
「早いわね」
「十分番組だからね。もう少しやりたかった?」
「そんなわけないでしょう」
なんとなく、二人同時にクスッと笑った。
「では今日のゲスト、水橋パルスィさん、感想を」
「え?」
「番組感想」
「いや、特に……まぁあんたが真面目になった時は妬ましく思ったわ」
「そう。あと一つ言いたいのだけど」
「ん?」
雛は、パルスィの唇に人指し指を当てながら、
「私は『あんた』じゃなくて『雛』よ」
少し頬を膨らませて言った。
「え、と……」
「雛」
「う……」
「ひーなっ!」
「あぁ分かったわよ! 雛!」
それを聞いた雛は、満足そうな笑みを浮かべた。
今日初めて見る雛の笑顔に、パルスィは少しドキッとする。
「それでよし! それじゃあ来週のゲストは水橋パルスィさんです!」
「は?」
「ゲストは毎回『一番厄まみれの可哀相すぎてむしろ笑える子』だから」
「ゲスト条件変わってんじゃない!」
「ほら、バリバリ君でも食べて落ち着きなさいよ」
人気アイス、バリバリ君。製作会社チルチルチルノ。
「いらないわよ!」
「はい、それじゃあまた来週! 不幸なお便りは厄神様ドットこむまで!」
「だから無視するなぁ!」
プロデューサー:射命丸文
ディレクター:パチュリー・ノーレッジ
アシスタントディレクター:チルノ
おやつ:梅干し
スペシャルサンクス:鍵山雛
メインパーソナリティー:鍵山雛
脚本:河城にとり
音響:河城にとりん
構成:フランドール・スカーレット
葉書投稿者:レミリアちゃん、小悪魔ちゃん、REIMU
ゲスト:水橋パルスィ
来週のゲスト:水橋パルスィ
再来週のゲスト:水橋パルスィ
来月からのレギュラー:水橋パルスィ
水橋パルスィ:水橋パルスィ
微糖だけどこの後じょじょに距離を狭めていくような内容の続編が見たい!
微ギャグどころかむしろギャグだと思った。
白黒つけなさい!
あれ?ついてる?
すみません。
おもしろかった・・・けど、なんというか・・・パチェとフランのノリだなーと。さらに言えば、魔理沙とアリスのノリも同じ感じが。
個人的には雛パルのホロアマ・・・じゃあ足りねぇな。アマアマが見たいです。よくある組合せなのに、甘いSSは見たことない気がします。もちろん個人的意見で、ギャグが悪いわけじゃないですよ?
しかし、ここまで書いて、あえて言おう!
勇パルはオレの正義
ゲストの扱い酷いwww
>それでは今日も楽しく生きましょう
逝きましょう?
続編待ってます
バリバリ君1つ
当たり棒ならもちろんチルノちゃんつきですよね
とても嬉しいカプです。
でもヤマパルがジャスティス。
REIMUさんだけローマ字なのは隙間運搬の差し金。流石(21)。
スカスカレットに懐かしさを感じてしまいました。
連日投稿、お疲れ様です!
○ギャグ
つ[ハガキ]
「『神様信仰巫女』
最近家の神様が働いてくれません。一人は付属品の柱としめ縄をニヤケ顔で磨き笑っています。もう一人は霧の湖で妖精と毎日ケロケロしています。私一人真面目に働いているのがバカらしく思えてきます。もう、霊夢さんのとこに嫁いでもいいでしょうか?」
なぜかここが一番ツボったwwwww
やっぱり喉飴さんは無限大だぁ
一体何をやっているんだw
脚本と音響の違いも気になります。
このあたりについて突っ込んだ続編を期待します。
・・・・・・はっ!
「ディレクター:パチュリー・ノーレッジ」ってのはまさか・・・w
続編もあったら見たいですね
個人的に突っ走りきれなかったため、微です。楽しんで下さって幸いです!
>>てるる様
もはやレギュラーですw
>>3様
ギャグですかね。自分だとあまり分からないもので。
>>4様
私自身、その点は反省点です。貴重な意見有り難いです。
なら私は雛パルも勇パルもいけます!
>>5様
実際これくらいゲストの扱い酷いラジオありますよねw
>>薬漬様
多分ありませんw
>>7様
当たりがでたらチルノを食べれます。
>>謳魚様
スカスカレットはかなり昔のネタな気がしますw
>>9様
何フラグですかw
>>10様
愛ゆえに、です。多分。
>>岩山更夜様
ろりなのです。
自分でもまさか連続投稿出来るとは思ってませんでした。
>>ふぶき様
雛「嫁ぐべきです」
>>奇声を発する程度の能力様
素朴というかなんというか、そんなギャグを一つは必ず入れます。
>>14様
社長はさとりですが、何をやっているかはこいししか知りません。
>>15様
多分、パーソナリティーを辞めて、作る側に回ったのでしょうw
>>16様
気に入って下さって嬉しいです!
甘さ+ギャグな雛パルorパル雛、書いてみたいものです。
雛可愛いぜ!可愛すぎる!
シリーズ化に期待してもいいですか?
雛のファンより