前作の続きです。
少しばかりキャラが壊れてしまっている箇所があるかもしれません。
それでもいいという方だけスクロールしてください。
↓↓↓
―――ミスティアの屋台
「ちん♪今日の鰻は良いのが取れた~♪これでお客も満員だ~♪」
今日もミスティアは屋台の準備。
夜に開業する飲み屋や屋台は、昼の間の仕込みが命である。
仕込みの量を見誤ると、品が余ってしまったり、逆に売り切れて不満が出ることもある。
そのことを知ってか知らずか、ミスティアは毎日必要な分だけ仕込みをしていた。
その事はチルノはもとより、リグルやルーミアといったいわゆる『バカルテット』の面々も知っている。
「みすちー」
「あ♪チルノ~♪どうしたの?今日は大ちゃんはいないの~?」
いつものことだが、チルノには大妖精が付いている。
正確には、暴走気味のチルノを抑える制御の役を大妖精が担っているのだが
「うん、今日はね。なんか様子が違ったから、一人で来たんだ」
「…へ?」
なんとなくチルノの雰囲気からミスティアが感じ取る。
(いつもの…チルノちゃんじゃ……ない?)
「そ、そうなんだー。で?何をしに来たの?」
「ちょっと手伝いに」
「あ、そうなんだ…って、うえぃっ!!?」
「うえぃっ!!?って何?その反応。いつも忙しそうにしてるのを遊びに誘ってるから、悪いと思って。今日はあたいが手伝うよ」
「あ、あはは…あ~、チルノちゃん。気持はうれしいけど、私じゃないとわからないこととか多いと思うからいいよ~」
やや引きつった笑顔でチルノの申し出を断るミスティア。
建て前半分、本音半分。
建て前は、飲み屋で仕込みと言ってもその『屋台の味』を習得、もしくは発現させるには並大抵の努力では無理だから。
一朝一夕で同じレベルに到達するのは難しく、その為に味にムラが出てしまうのを危惧したから。
本音は。
(な、なんか様子が変…これ、本当にチルノちゃんなの?)
「ふーん、まぁ仕込みはわからないから仕方ないか。みすちーも大変なんだね。でも、尊敬するよ」
(!!)
突然の一言に、ミスティアの背中にゾワワッと何かが走る。
(まさか鳥種である自分に鳥肌が立つなんて、二重鳥肌ってなんて新しいっ!…って、そんなバカなー!)
「ち、チルノちゃん?だだだ、大丈夫??どこか頭打ったりしてない?」
もはや聞くしかなかった。
ここまでチルノが通常と変化してしまっていたら、なにかその原因を知りたくなる。
現に、チルノが変貌したのは魔理沙によって撃墜された拍子に、頭を強打したのが直接の原因なのだが。
あいにく、目を回していたチルノにその事は分かるはずもない。
「うーん、コブはないから大丈夫だよ。けどどうしたの?いきなりそんなこと聞いて」
「なんかさ、いつものチルノじゃない気がして」
「いつものあたい?一体何を言っているの?みすちー」
「所々は前のままみたいだけど、なんか…賢くなってない?」
「そうかなー?」
疑問が疑問を呼ぶ。
チルノが賢くなっているようだ。しかし、なぜそうなったかは2人には分からない。
どうすれば治るのか。いやむしろ治すことで以前のようは破天荒さを取り戻すのはどうかとミスティアは思う。
「じゃあ、問題」
「うん、いいよ」
とりあえず、チルノがどれだけ賢くなってしまったかを計るために、問題を出してみることにしたミスティア。
かく言うミスティアも鳥頭な為に、それほど頭がいいとは言えない。
そこで、かつて人里に屋台を構えた時に慧音からもらっていた問題集を引っ張り出してきた。
簡単な計算問題を出そうとした…が
「みすちー、いくらなんでも1+1=っていうのはナシね。」
「ぎくっ!?」
「うわ、口に出して『ぎくっ』って言ったよ。やめてよね、そういうの」
「じ、じゃあさ」
数ページめくると、みたこともないような数式がずらりと並んでいる。
ミスティアにはちんぷんかんぷんだったが、とりあえず問題として出してみることにする。
「え、ええっとね…2x×5x=?」
「んーと、まってね」
そういうと、チルノは何か地面に書き始めた。
どんどん数式が改められていく。その様子をミスティアは眺めることしかできなかった。
(えーと、2×5=10でしょ。で、xは数字じゃないから何乗っていう書き方になる…)
「出来た。『10xの二乗』じゃない?」
「え、ええー!!!合ってる!?」
答えのページを見て、正解を言い当てたチルノに驚愕した。
普通なら「え、1+1=1でしょ。泥団子をぐしゃってすれば1個のままでしょ?」などと、超理論を展開する。
しかし、今度は普通に難しい問題を正解した。
そこへ、突風が吹いたかを思うと、1つの影が舞い降りた。
「毎度おなじみ、射命丸です。…ってあやや、チルノさんも一緒ですか」
「あれ、烏天狗。どうしてこんなところに?」
「あ、文さ~ん、チルノちゃんが~~」
「あや?あやややややや???」
いまいち状況が飲み込めない文。
しかし、一つの違和感を覚えた。
(あのチルノさんが私のことを正確に『烏天狗』だと言った。しかも口調がおとなしい??)
実は、文とミスティアは「働く鳥同盟」の会長と顧問である。
会長は文、顧問がミスティアだ。
そのため、何度かこうして出会って会合と言う名の飲み会(文が一方的に飲んでいるだけだが)を開いている。
今日は、いつもの用事の他に、文の新聞で取り扱う「ミスティアの屋台割り引きクーポン」の割引率について話すつもりでいた。
ところが、そこに居たのが様子のおかしいチルノである。
「チルノさん?どうして私のことを『烏天狗』だと言ったんです?いつものように『てんぐ』って言わないんですか?」
率直な質問。
いま文の頭の中には色んな事が渦巻いていたが、とりあえず目の前の疑問について質問する。
「え、だって文は烏で天狗でしょ?」
「え、えええ?じゃあ、私の名前…正確に言えますか??」
「射命丸 文でしょ?」
「え、ちょっと…本当にどうしちゃったんですか!?」
通常の人や妖怪と会話する分には普通のレベルなのだが、相手がチルノだということから考えると、あまりに高度な受け答え。
しっかりとした発音に、スラスラとした渇舌の良さ。
とてもチルノとは思えない。
「別にどうにもしてないよ。ただ、今までの自分を省みて、悪いと思った事に対して謝ろうと行動を起こしてるとこ」
「へやっ!?」
『あやっ!?』のはずが、驚き具合が大きすぎて某宇宙巨人の登場シーンのような声が出てしまった文。
先ほどのミスティアの反応と全く同じだ。
「こ、これは異変ですねっ!?いいネタになりましたよミスティアさん!!」
「い、異変!?どこどこ?どの辺が異変!?」
「そ、そうですよね文さん!これは異変って言ってもいいですよねっ!!」
「で、では早速号外を発行して配りたいと思いますので。失礼しますっ!」
ドキュッ!!
空気が急激に動いたことによる突風と衝撃波。
それぞれが関与し合って、おおよそ爆発音に似た音を発しながら離陸する文。
いや、離陸というよりは緊急発進と言うべきか。
アッと言う間に文の影は見えなくなっていた。
「ねぇ、みすちー。なにが異変なの?」
「え、えと…強いて言えば、私の目の前が異変……かな?」
「???」
少しばかりキャラが壊れてしまっている箇所があるかもしれません。
それでもいいという方だけスクロールしてください。
↓↓↓
―――ミスティアの屋台
「ちん♪今日の鰻は良いのが取れた~♪これでお客も満員だ~♪」
今日もミスティアは屋台の準備。
夜に開業する飲み屋や屋台は、昼の間の仕込みが命である。
仕込みの量を見誤ると、品が余ってしまったり、逆に売り切れて不満が出ることもある。
そのことを知ってか知らずか、ミスティアは毎日必要な分だけ仕込みをしていた。
その事はチルノはもとより、リグルやルーミアといったいわゆる『バカルテット』の面々も知っている。
「みすちー」
「あ♪チルノ~♪どうしたの?今日は大ちゃんはいないの~?」
いつものことだが、チルノには大妖精が付いている。
正確には、暴走気味のチルノを抑える制御の役を大妖精が担っているのだが
「うん、今日はね。なんか様子が違ったから、一人で来たんだ」
「…へ?」
なんとなくチルノの雰囲気からミスティアが感じ取る。
(いつもの…チルノちゃんじゃ……ない?)
「そ、そうなんだー。で?何をしに来たの?」
「ちょっと手伝いに」
「あ、そうなんだ…って、うえぃっ!!?」
「うえぃっ!!?って何?その反応。いつも忙しそうにしてるのを遊びに誘ってるから、悪いと思って。今日はあたいが手伝うよ」
「あ、あはは…あ~、チルノちゃん。気持はうれしいけど、私じゃないとわからないこととか多いと思うからいいよ~」
やや引きつった笑顔でチルノの申し出を断るミスティア。
建て前半分、本音半分。
建て前は、飲み屋で仕込みと言ってもその『屋台の味』を習得、もしくは発現させるには並大抵の努力では無理だから。
一朝一夕で同じレベルに到達するのは難しく、その為に味にムラが出てしまうのを危惧したから。
本音は。
(な、なんか様子が変…これ、本当にチルノちゃんなの?)
「ふーん、まぁ仕込みはわからないから仕方ないか。みすちーも大変なんだね。でも、尊敬するよ」
(!!)
突然の一言に、ミスティアの背中にゾワワッと何かが走る。
(まさか鳥種である自分に鳥肌が立つなんて、二重鳥肌ってなんて新しいっ!…って、そんなバカなー!)
「ち、チルノちゃん?だだだ、大丈夫??どこか頭打ったりしてない?」
もはや聞くしかなかった。
ここまでチルノが通常と変化してしまっていたら、なにかその原因を知りたくなる。
現に、チルノが変貌したのは魔理沙によって撃墜された拍子に、頭を強打したのが直接の原因なのだが。
あいにく、目を回していたチルノにその事は分かるはずもない。
「うーん、コブはないから大丈夫だよ。けどどうしたの?いきなりそんなこと聞いて」
「なんかさ、いつものチルノじゃない気がして」
「いつものあたい?一体何を言っているの?みすちー」
「所々は前のままみたいだけど、なんか…賢くなってない?」
「そうかなー?」
疑問が疑問を呼ぶ。
チルノが賢くなっているようだ。しかし、なぜそうなったかは2人には分からない。
どうすれば治るのか。いやむしろ治すことで以前のようは破天荒さを取り戻すのはどうかとミスティアは思う。
「じゃあ、問題」
「うん、いいよ」
とりあえず、チルノがどれだけ賢くなってしまったかを計るために、問題を出してみることにしたミスティア。
かく言うミスティアも鳥頭な為に、それほど頭がいいとは言えない。
そこで、かつて人里に屋台を構えた時に慧音からもらっていた問題集を引っ張り出してきた。
簡単な計算問題を出そうとした…が
「みすちー、いくらなんでも1+1=っていうのはナシね。」
「ぎくっ!?」
「うわ、口に出して『ぎくっ』って言ったよ。やめてよね、そういうの」
「じ、じゃあさ」
数ページめくると、みたこともないような数式がずらりと並んでいる。
ミスティアにはちんぷんかんぷんだったが、とりあえず問題として出してみることにする。
「え、ええっとね…2x×5x=?」
「んーと、まってね」
そういうと、チルノは何か地面に書き始めた。
どんどん数式が改められていく。その様子をミスティアは眺めることしかできなかった。
(えーと、2×5=10でしょ。で、xは数字じゃないから何乗っていう書き方になる…)
「出来た。『10xの二乗』じゃない?」
「え、ええー!!!合ってる!?」
答えのページを見て、正解を言い当てたチルノに驚愕した。
普通なら「え、1+1=1でしょ。泥団子をぐしゃってすれば1個のままでしょ?」などと、超理論を展開する。
しかし、今度は普通に難しい問題を正解した。
そこへ、突風が吹いたかを思うと、1つの影が舞い降りた。
「毎度おなじみ、射命丸です。…ってあやや、チルノさんも一緒ですか」
「あれ、烏天狗。どうしてこんなところに?」
「あ、文さ~ん、チルノちゃんが~~」
「あや?あやややややや???」
いまいち状況が飲み込めない文。
しかし、一つの違和感を覚えた。
(あのチルノさんが私のことを正確に『烏天狗』だと言った。しかも口調がおとなしい??)
実は、文とミスティアは「働く鳥同盟」の会長と顧問である。
会長は文、顧問がミスティアだ。
そのため、何度かこうして出会って会合と言う名の飲み会(文が一方的に飲んでいるだけだが)を開いている。
今日は、いつもの用事の他に、文の新聞で取り扱う「ミスティアの屋台割り引きクーポン」の割引率について話すつもりでいた。
ところが、そこに居たのが様子のおかしいチルノである。
「チルノさん?どうして私のことを『烏天狗』だと言ったんです?いつものように『てんぐ』って言わないんですか?」
率直な質問。
いま文の頭の中には色んな事が渦巻いていたが、とりあえず目の前の疑問について質問する。
「え、だって文は烏で天狗でしょ?」
「え、えええ?じゃあ、私の名前…正確に言えますか??」
「射命丸 文でしょ?」
「え、ちょっと…本当にどうしちゃったんですか!?」
通常の人や妖怪と会話する分には普通のレベルなのだが、相手がチルノだということから考えると、あまりに高度な受け答え。
しっかりとした発音に、スラスラとした渇舌の良さ。
とてもチルノとは思えない。
「別にどうにもしてないよ。ただ、今までの自分を省みて、悪いと思った事に対して謝ろうと行動を起こしてるとこ」
「へやっ!?」
『あやっ!?』のはずが、驚き具合が大きすぎて某宇宙巨人の登場シーンのような声が出てしまった文。
先ほどのミスティアの反応と全く同じだ。
「こ、これは異変ですねっ!?いいネタになりましたよミスティアさん!!」
「い、異変!?どこどこ?どの辺が異変!?」
「そ、そうですよね文さん!これは異変って言ってもいいですよねっ!!」
「で、では早速号外を発行して配りたいと思いますので。失礼しますっ!」
ドキュッ!!
空気が急激に動いたことによる突風と衝撃波。
それぞれが関与し合って、おおよそ爆発音に似た音を発しながら離陸する文。
いや、離陸というよりは緊急発進と言うべきか。
アッと言う間に文の影は見えなくなっていた。
「ねぇ、みすちー。なにが異変なの?」
「え、えと…強いて言えば、私の目の前が異変……かな?」
「???」
こうですね、判りますwww
詰め込みすぎはあまりよろしくないかと。
そこまで起承転結でなくても良いのでは無いでしょうかねぇ。
幻想郷では常識に捕らわれてはいけませ・・・おや、誰か来ましたね・・・
あれ?ってことはチルノはある意味異変で構成されていると……
まぁ、常識に捕らわれ過ぎもいけないか…あれ、どちらさま?
2>そこは式を改めない方がいいと思います。
でも、言いえて妙ですね。チルノが天才になっても異変ですし、もっと馬鹿になったらそれも異変ですし。
読んでいただいてありがとうございます