Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

美鈴を強くしてみた。

2009/04/18 22:43:08
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 とある日。
 その日の紅魔館が門番。紅 美鈴は何処か違って見えた。
 風体は、いつも通りのはずなのに、その存在感が大きく見える。
 と、言ったのは、美鈴と同じく門番を勤める妖精の一人。

 また昼寝をしていないかと様子を見に来たメイド長十六夜 咲夜も、
 そんな美鈴に驚きを隠せない様で、驚きの表情を隠すことなく露わにしていた。
 メイド長曰くその日の美鈴の背中は、大きく頼りがいのある背中だったと、コメント。

 珍しく日が昇っている時に起床していた紅魔館の主レミリア・スカーレットは、
 窓から見える外の風景にある違和感に気づき、違和感の方を見やれば。
 其処には、長い年月紅魔館の門番として仕えている美鈴の後姿。
 そんな後姿を見てカリスマが……などと呟いたとかどうとか。

 そして、そんなレミリアと紅茶を共にしていた紅魔館の動かない図書館パチュリー・ノーレッジも
 美鈴の後姿に、何処か遥か昔に忘れてきた何かを思い出していたりもした。
 いったいその遥か昔に忘れた何かとは、何なのか? と、首を傾げて考えたが思いつかないまま。

 所変わって紅魔館の地下室。紅魔館の主が妹フランドール・スカーレットは、丁度門の方角の方へと視線を向けていた。
 しばらくジッと視線を向けていたのだが、ニンマリと笑うとそのままベットにほふんと横になる。



 さて、どこかなにか違うだろう紅 美鈴は、珍しく昼寝をする訳でもなくただ腕を組み門の前に立ち尽くしていた。
 そんな美鈴につられてか門番を勤める妖精たちも、ビシッと各々の武器を構えて各々の持ち場に立つ。
 その状態で、一日という時間が過ぎていく中。

 青い空に一つの黒い点が不意に現れる。
 その黒い点は、だんだんと大きくなり……目の良い者ならそれが、紅魔館の図書館を暴く暴徒であると気づく。
 全員が、身構え暴徒……霧雨 魔理沙を迎え撃つ準備をいつも以上に早く整える。

 だが、美鈴は、相変わらずうでを組んだままで、魔理沙が箒に乗って向かってくるのを見ている。

「わるいな! 通らせてもらうぜ!」

 魔理沙は、懐から一枚のスペルカードを取り出す。
 そのスペルカードは、魔理沙の十八番。数多の弾幕合戦で使い続けてきた魔法。

【恋符「マスタースパーク」】

 それは、相手の弾幕を飲み込み突き進む大火力。
 単純にして強力な魔法。
 マスタースパークが、美鈴に直撃しいつも通りの光景が広がるものだと魔理沙は思っていた。

 無論、窓から外を覗いていたレミリア、パチュリーそして紅茶を注ぎにきた咲夜も
 各々の持ち場で待機していた門番の妖精たちもそう思っていた。

 しかし、マスタースパークは……

「気合が!! 足りないぃいい!!!」

 腕を組んだままの美鈴は、そう大声を張り上げた。
 ただ、大声を張り上げただけ。そう、それだけなのに、まるでその一喝にマスタースパークは散った。
 美鈴が、何か弾幕を使った様子は無い。寧ろ、美鈴が弾幕を使ったとしてもマスタースパークを散らす事は出来ない。

 ゆえに、今目の前で起こった事を目の当たりにした者達は、数十秒間ほど呆けてしまった。
 一番最初にそれから覚醒したのは、散らされたマスタースパークを撃ち放った魔理沙。
 ありえないぜ。と、帽子の位置を直しながらに言う。

「気合が、気迫が、気力が、たりなぁああいいいい!!!」

 その言葉と共に美鈴を中心として立ち上る不可視の威圧感。
 あまりの威圧感に、魔理沙はおろか見ていたレミリア達ですらピクリとも動けなくなる。

「スペルカードルールにより! 何時でも何処でも容易に仕える技に慣れきったその性根! 叩きなおしてあげましょう!!!」

 目をコレでもかと言う位に見開きそう告げると、美鈴は大地を蹴り跳び上がる。
 凄まじい砂埃と、ひび割れた大地。そのひび割れの中心には美鈴の足跡が残る。
 一陣の紅い弾丸となった美鈴をその視野に確認した時、魔理沙は、空から落ちていた。

 大地に落ちた魔理沙は、お尻を打ちつけたのか、イテテ。とお尻を擦りながらふと空を見上げた。
 黒い点が、空から段々と凄まじい速度で己に迫り来るのを認識すると、慌てて横に飛ぶ。
 横に飛んだ瞬間。ありえない様な轟音と衝撃に振動。その衝撃と振動に、大地が揺れる。

 具体的に言うと、紅魔館の一部がちょっと崩壊した。

「お、お嬢様ぁ!?」
「……咲夜。私が、死んだら……次の当主は、フランに……」
「お嬢様ぁあ!?」

 その一部崩壊した場所でそんな会話が成されていたり居なかったり。



 あわわわわ。と、魔理沙は顔を青くしながその原因を見やる。
 何故か、体から湯気の様なモノを出しプシュー。と、どう考えてもおかしい呼吸音と共に砂埃を振り払って出てくる美鈴。

「さぁ。私が、鍛えてあげましょう!!」
「え、遠慮したいですのぜ!」
「遠慮なんて要らないです。寧ろ、遠慮しないで鍛えさせろ」

 いつの間にか魔理沙の目の前に居た美鈴は、そのまま魔理沙の肩をぐわし。と、
 つかむとそのまま担いで何処かへと向かって歩き始めはじめる。
 離せ! やだ! もう中国って言わないから! などと、魔理沙が暴れながらに言うが……
 それは、まったくの無駄な努力になってしまうのであった。



 その後、約半年に渡って魔理沙が紅魔館に襲撃してくる事はなくなった。

「めーりんこわいこわいよめーりん。めーりんいやだ。むりだよ。くまぁああ!!」

 と、当時の事を魔理沙に尋ねるとその出来事がトラウマになったのが、美鈴に何をされたのか一切わからないのであった。
「あれ? 紫。スキマ覗いてなにニヤニヤしてるのよ? 覗き?」
「ちょっと、面白半分に境界をいじったのを観察してただけよ」
「何の境界をいじったのよ?」
「怠けと熱血の境界線を熱血に限界突破気味にいじっただけよ」
「ふぅん……覗きじゃなかったんだ」
「……やけに覗きに突っかかるわね?」
「この前私が、着替えてる時に視線を感じたのだけど?」
「………私じゃないわよ? ほら、あの火焔猫とか………」
「猫は、その日実家に里帰り」
「…………私じゃぁないわよ?」
「そう。そういえば、紫」
「なに?」
「私のサラシしらない?」
「あぁ、それなら私がもって………あ」
「………ちょっと、肉体言語でお話しようか?」

そうだ。気合が足りないんだ。と、考えながら書いてみたら……
訳のわからないのが、再び出来上がってしまったしだいです。
黒百合/S.A.
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
ファンタジーとダイナミック(プロ)の境界を弄くっても強くなれそうですね。
ニヤリが似合う凄みのある絵柄になりそうだけど。
2.謳魚削除
ザ・劇画調美鈴隊長ですね分k(ry
3.名前が無い程度の能力削除
せがたさんしろうみたいな美鈴を想像しましたw
4.名前が無い程度の能力削除
なまけを熱血にしただけでこれとは
美鈴恐るべし