Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

デートに誘おう

2009/04/18 01:18:26
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「会いたくて」の続きです。



深夜の香霖堂にて霖之助と紫はちゃぶ台を挟んで向かい合って座っていた、台の上にはそれぞれの湯呑が乗っている。
((……困った))
紫は霖之助にあいさつしただけでそれから何も話していない、というよりも今の紫に自分から話しかけることなどできない、笑って声をかけれただけでも十分なのだ。
対する霖之助も、この静寂が嫌なのか必死で何か会話をしようとするのだが、何も浮かばない、辺りを見渡すが会話になりそうなものが何もない、どうしたものかとため息をついたとき、ふとある事を思い出した。
「そ、そういえば紫」
「は、はい!」
急に呼びかけられ、少し裏返った声で返事をする紫、
「明日から三日間、里の方で祭りがあるみたいなんだ、それで、その……良ければなんだが、一緒に、行かないかい?」
と霖之助が紫を誘う、しかし紫はこの言葉を理解するのに若干の時間を要した。
(……ん?今のってあれよれ、俗に言うデートってやつよね、そっか~私が霖之助さんとデートか~、いいな~、あれ?霖之助さんが私をデートに誘ってる!?と言うことは私が霖之助さんとででででデート!?ど、どうしよう、手とか握ったりするのかしら、い、いえとにかく何か返さなきゃ!とにかく落ち着いて)
といったん深呼吸をして口を開いた、しかしあまりにも緊張していたのか出てきた言葉は
「ええ、行ってあげてもいいわよ」
という高圧的なものだった、これには紫も心の中で己を殴った。
(なんて言い方なのよバカ!これで霖之助さんに嫌われたらどうするのよ!)
といささか紫は落ち込んでいた、対する霖之助はと言うと、
(よかった、断られないということは嫌われてないのだな)
と気にした様子もなかった。
「そ、それで、いつ祭に行こうか?」
「そ、そうね、最近は忙しくはないから明日でも構わない……ですわよ?」
「わかった、なら明日の昼、ここに来てくれるかな?」
ホントは霖之助が出向いた方がいいのだろうが、なにせ紫がいるのはマヨヒガ、滅多なことではたどり着けない、それに紫ならスキマを使えば一瞬である。それには紫も賛成する。
「ええ、それでいいですわ、なら今日はもう遅いですし、明日……といっても今日ね、もう早いですのでこの辺で」
「ああ、おやすみ紫」
「ええ、お休みなさい霖之助さん」
スキマを開き、紫はマヨヒガへと帰って行った。

「ふぅー」
紫が帰った後、霖之助は大きなため息をついた。
(よかった、取り合えず誘う事には成功したぞ)
平静を装っていても、内心緊張しっぱなしだった霖之助、断られたらどうしようかと気が気ではなかった。
(明日は少しでも楽しんでもらわなくては!)
そう意気込み、霖之助は寝ることにした。


一方マヨヒガではスキマで帰ってきた紫を藍が迎えた。
「おかえりなさいませ紫様」
「聞いてよ藍!私霖之助さんにで、デートに誘われちゃったの!」
「良かったじゃないですか紫様、それでいつなんですか?」
「今日の昼よ!」
「きょ、今日の昼!?ってホントですか!?ならこんなとこで話してないで早く寝て下さい、寝不足で寝坊してはいけません!昼にきちんと私が起こしますから」
「え、ええお願いね藍!」
そう言って紫はすぐさま布団にもぐりこんだ、しかし緊張しすぎて結局寝たのは外が白み始めたころだった。


朝、霖之助は服を手に鏡の前に立っていた。
「どれを着ていけばいいんだ?」
とりあえず着てみることにする、ちなみに服は無縁塚で拾った物だが、何気に綺麗だったので洗って商品棚に置いておいた。今日はそれを持ってきたのだ、着てみたところで魔理沙がやってきた。
「おーっす香り……どうしたんだ?」
魔理沙が見たものは、藍色のジーパンに、白の長そでシャツ、さらに黒の革ジャンを着た霖之助だった。
「いらっしゃい魔理沙、ところでこの恰好を見てくれ、これをどう思う?」
「すごく……ナウいです………じゃなくて!どうしたんだよ今日は、そんなお洒落して!」
さて、と霖之助は考えた。素直に言えばきっと冷やかしに着いて来る、どうしてもそれは避けたかった。
「ああ、無縁塚で拾ってね、どんな感じか確かめたかったんだよ」
「ふーん、てっきり私は誰かとデートかと思ったぜ」
魔理沙の言葉にドキッとする、しかし努めて冷静に返す。
「……ほぉ、それは何故だい?」
「うーん、何となくだな、女の感ってやつだ」
魔理沙はケラケラ笑うが霖之助にとっては厄介なものでしかなかった。
「まぁ、香霖が誰とナニしようが勝手だが、あんまり格好つけすぎると相手も疲れるぞ、
自然でいいんだよ自然で、いつも通りで」
「(いつも通りか)わかった、貴重な意見ありがとう、さあ着替えるから出てってくれ」
「なんだよ~、今来たばっかじゃんかよー!」
「どうせ用なんて無いんだろう?」
「チェッ、わかったよ、しゃーないアリスのとこでも行くか!」
箒に跨ると魔理沙は上空へと消えていった。残された霖之助は、
「さて、着替えるとするか」
といつもの服に着替え財布などを準備、他にいる物を確認し、後は待つのみ。
「……今日は少しでも楽しんでもらえればそれでいい」
目標を口にし、ゆっくりと椅子に腰かけた。


藍に起こされ、あれこれと何を着ていこうか迷っている紫
「どれを着ていけばいいのかしら~、これ?それともこれ?」
「紫様、何をそんなに悩んでおられるのですか?」
起きはしたが部屋から出てこない紫を心配して藍が入ってきた。
「藍、霖之助さんとの服をどうしようか迷ってるのよ、藍はどれがいいと思う?」
と手にやたら胸元が開いた服や、物凄いミニスカートを持って紫が尋ねた。
「(あんなの着て行ったら絶対引くな)いつもの格好でいいと思いますが、
他には少し香水つける程度や、口紅でいいと思いますよ?」
「でも……せっかくのデートなのにお洒落しないのは……」
「変に着飾ると相手が緊張してしまうかもしれませんよ?自然でいいんです!」
「そう?……わかったわ、いつもの服にしましょう」
いそいそといつもの道士服を着る、それから一回だけ香水を吹きかける。
鏡の前でクルリと回り、変なところがないか最終確認、
「……よし、バッチリね!」
胸に手を当て、大きく深呼吸をする。あとはスキマを開いて香霖堂に行くだけ。
(今日は一日楽しめますように!)
強く心で願って、紫は香霖堂へと通じるスキマを開いた。
紫霖の続きものです、ファッションセンス無くてゴメンなさい。
次は里でのデート編なのですが、続きを書ける気がしません……案が浮かばない
案が浮かんだら書きますので、気長にお待ちくださるとありがたいです。
違う案は浮かんでいるのでそちらも書いていこうと思います。
般若
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
ここで終わり…だと…?早く続きをををを
2.名前が無い程度の能力削除
何とも乙女な紫だw
しかしどうしても各少女達に祭りで邪魔をされる絵しか思い浮かばないのは何故だろうw
3.名前が無い程度の能力削除
紫って表記がなければ誰だか気付かないとこでした。
4.名前が無い程度の能力削除
なんという純情乙女ゆかりんw
祭り中ぎこちないながらもゆかりんをリードするこーりんが頭に浮かぶのぜ・・・
5.Jupiter削除
この紫は見てて面白いw
祭りでは霖之助の取り合いになって弾幕ごっこがはじまりそう・・・w

早く続きをお願いします!