現世から隔離された幻想郷の、深い竹林の奥、人が住むには少しみすぼらしいとも言える、住むに最小限の機能しかないような庵の中で、私は天井の木目をぼんやりとながめている。
木目ってのはなんで怨霊じみた顔とかに見えるんだろうとか。
あそこにねずみのかじったような穴があるなあとか。
今日の晩御飯どうしようとか。
たけのこがそろそろ良い季節だなあとか。
どうでもいいことを考えていた。
いや晩御飯の献立は大事な悩みだが。
悩みか。思えば最近は昔ほど悩むことがなくなったなあと思う。
この特殊な身体になって…何年経つっけな。忘れた。ええと、平安から、鎌倉戦国江戸…江戸が250年くらいか?300年か?
まあいいや何年でも。
少なくともそこいらの妖怪でも大分後輩になるだろうさ。私より長く生きてるやつを数えたほうが早そうだ。
一番悩んだのは不老不死になってすぐだったか?いやあのころは復讐心で心がいっぱいだったから、悩む暇もなかったっけ。
まあだいたい復讐心が落ち着いたあたり、あいつをどんだけ探し回っても見つからないあたりからだんだん復讐も燃料不足でくすぶってきた。そうなるとだんだんと冷静になってきて、この身体で人里で住むのが難しいってのがわかってきて。
野宿の仕方が最大の悩みになったっけ。
なかなか食べれるものの見分けが難しかった。
まあ食べてみて死んだら毒なんともなけりゃ食べ物、っていう無理やりな判別法があるけどさ。
どれにあたったのか突き詰めるのが面倒くさいのが難点だ。
大体死なないったって痛くないわけじゃないし。
でもさすがにこんだけ生きてりゃ見ただけで食えるかどうかはすぐわかるようになったなあ。
たまに間違えて苦しい思いするけど。
ドクゼリとセリは専門家でも難易度高いらしいから、しょうがない。
しょうがないんだって。
ああ、そうか。野宿の悩みが解決したあたりからだんだん悩み事がなくなってきたような気がするよ。
結局『人間』の悩みなんてもんは時間をかければ解決するか忘れるもんなんだなって。
でも普通の『人間』は時間が有限かつ短いもんだから、時間様が解決してくださるのを待ってると、悩みどころか人生まで解決しちまうってこった。
でも私にはいくらでも待つ時間がある。そしたらどんな悩みも本気で解決する気にはなれない。それが『人間』と『それ以外』の違いなのかもね。
『それ以外』の私だけど、もとは『人間』だからか、一応は悩みが沸いてくるんだ。ぽこんと。
でも悩みは時間が解決するってしってる『それ以外』だから深刻に考えない。てかけっこう忘れてる。
適度に悩むのは脳に良い刺激をくれる。らしい。何か不便だったり不満だったりそういう負の感情が、負ってのは言い過ぎか?まあそんな感情が悩みを生む、その悩みが解決するってことは不満だったりしたものが改善されてるか、あきらめられたってことで。
解決するかあきらめるまでは改善方法を考えてるってことで。脳には良い運動になる。って慧音が言ってったっけ。
その悩みが他人にも共有できる内容ならなお良い。一人当たりの人生の時間は短くても誰かが悩みを引き継いでいけば、大きな視線で人はその悩みを解決することができる。そうやって技術とか文化を高めるもんだとしたら、幻想郷と外の世界で生活レベルに格差があるのは当然かもね。
幻想郷では皆楽しく刺激的に過ごしてるから、そういった負の感情とは外の世界と比べて縁遠いから…かも。現状に満足してりゃそりゃ発展することもなさそうだし。ま、それが幻想郷の魅力でもあるんだがね。
ん?すると幻想郷と外を分ける結界の話と矛盾するか?外で幻想になったものがこっちに流れ着くんだっけか?霊夢がそんなこと言ってたな。
霊夢もそんな言葉信じてるのかなあ?だってどうせあの隙間妖怪が言ったんだろうなあ。あいつの言うこと鵜呑みにしていいのかしら?
ようするにあれだ。妖怪に関しては幻想になって流れ着くは嘘じゃないけど、人里の生活レベルってか発展に関しては単純にそこに住んでる人間が問題なんじゃないかなあ。
ま、外の世界がどんなことになってるか知らないから、単なる推測だけど。
何考えてたっけ…?
ああそうそう、悩みね。ようするにだ。私は悩みがないわけじゃないが深刻に考える気もなくて、脳には適度に刺激があって、うん。生きてるって素晴らしい。
でも今はそうでもないかもしれない。ちょっと悩んでることがある…んだよなあ。悩みというほどでもないけど。
どうせそのうち忘れるのは明白なんだけど、面に向かって言われると…腹が立つし、どうにかしてやろうと思うわ。
なんだかんだ言っても私は『それ以外』じゃなくて『不老不死なだけの人間』なのかも。
そんな『不老不死なだけの人間』を『蓬莱人』とか言うのかも。昔の人はいちいち言うことが深いね。
わたしも昔の人か?いやいやわたしは永遠の10代。なんてね。
自分で考えててサムくなったわ。別に年齢なんてどうでもいいわ。人間てのは二つ三つから多くても10とかそのぐらいの差で変化が激しいから年齢をぐだぐだ気にするんだよなあ。100とか桁が違うとどうでもよくなるわ。
不老不死ってのもいまいちよくわかんないなあ。
腹は減る。食わなきゃ空腹で動けなくなる。ほっときゃ死ぬ。
身体も傷つきゃ血が出る。ほっときゃ死ぬ。
眠気もある。眠らないと死ぬのかな?でもつらいことには違いない。
てか頭が胴と泣き分かれでもすりゃ死ぬ。
でも死なない。
歳はとらない。
でも年月は重なっていく。
確実に最初のころの私と今の私は違う。
これで不老って言っていいのか?
身体は確かに変わってないね。あのころのまんまだわ。
あのころのままだから今悩んでるんだけど。
悩むったってむしろ普通は悩みにはならないような内容なのに。
やれやれだ。いやいいことだ。人間らしくて。でもやれやれだ。
悩みってか怒りかも。怒りほどでもないけど。あいつめ。
いくら私が勝ちそうだからってあんなこと言いやがって。くそう。腹が立ってきた。
だいたいリザレクションしたり、弾がかすったりしたら、意図しなくても見えることもあるってのに。そんなふうに言われたら意識しちまう。
服だって能力的にこの格好が一番楽なんだよな。羽だしたら邪魔くさいから上着なんてもっての他だ。
それを意識して反応を鈍くしたり、動揺をさそうって作戦は見事に成功だよ。戦闘中のみならず今でも気になってしょうがないよ。
やめた。輝夜をぶちのめしに行こう。今度は何言われても気にしない。気にしないように努めよう。
それともむしろ開き直って、やつと同じ作戦使うか。
なんせ服の上からでもやつの小ささは良くわかる。
しかし私の胸は大きいほうなのかな?
でも大きいからってエロ呼ばわりは非道くないか?
まあでもこんなアホなことで悩める私もずいぶんと幸せもんだよ。
木目ってのはなんで怨霊じみた顔とかに見えるんだろうとか。
あそこにねずみのかじったような穴があるなあとか。
今日の晩御飯どうしようとか。
たけのこがそろそろ良い季節だなあとか。
どうでもいいことを考えていた。
いや晩御飯の献立は大事な悩みだが。
悩みか。思えば最近は昔ほど悩むことがなくなったなあと思う。
この特殊な身体になって…何年経つっけな。忘れた。ええと、平安から、鎌倉戦国江戸…江戸が250年くらいか?300年か?
まあいいや何年でも。
少なくともそこいらの妖怪でも大分後輩になるだろうさ。私より長く生きてるやつを数えたほうが早そうだ。
一番悩んだのは不老不死になってすぐだったか?いやあのころは復讐心で心がいっぱいだったから、悩む暇もなかったっけ。
まあだいたい復讐心が落ち着いたあたり、あいつをどんだけ探し回っても見つからないあたりからだんだん復讐も燃料不足でくすぶってきた。そうなるとだんだんと冷静になってきて、この身体で人里で住むのが難しいってのがわかってきて。
野宿の仕方が最大の悩みになったっけ。
なかなか食べれるものの見分けが難しかった。
まあ食べてみて死んだら毒なんともなけりゃ食べ物、っていう無理やりな判別法があるけどさ。
どれにあたったのか突き詰めるのが面倒くさいのが難点だ。
大体死なないったって痛くないわけじゃないし。
でもさすがにこんだけ生きてりゃ見ただけで食えるかどうかはすぐわかるようになったなあ。
たまに間違えて苦しい思いするけど。
ドクゼリとセリは専門家でも難易度高いらしいから、しょうがない。
しょうがないんだって。
ああ、そうか。野宿の悩みが解決したあたりからだんだん悩み事がなくなってきたような気がするよ。
結局『人間』の悩みなんてもんは時間をかければ解決するか忘れるもんなんだなって。
でも普通の『人間』は時間が有限かつ短いもんだから、時間様が解決してくださるのを待ってると、悩みどころか人生まで解決しちまうってこった。
でも私にはいくらでも待つ時間がある。そしたらどんな悩みも本気で解決する気にはなれない。それが『人間』と『それ以外』の違いなのかもね。
『それ以外』の私だけど、もとは『人間』だからか、一応は悩みが沸いてくるんだ。ぽこんと。
でも悩みは時間が解決するってしってる『それ以外』だから深刻に考えない。てかけっこう忘れてる。
適度に悩むのは脳に良い刺激をくれる。らしい。何か不便だったり不満だったりそういう負の感情が、負ってのは言い過ぎか?まあそんな感情が悩みを生む、その悩みが解決するってことは不満だったりしたものが改善されてるか、あきらめられたってことで。
解決するかあきらめるまでは改善方法を考えてるってことで。脳には良い運動になる。って慧音が言ってったっけ。
その悩みが他人にも共有できる内容ならなお良い。一人当たりの人生の時間は短くても誰かが悩みを引き継いでいけば、大きな視線で人はその悩みを解決することができる。そうやって技術とか文化を高めるもんだとしたら、幻想郷と外の世界で生活レベルに格差があるのは当然かもね。
幻想郷では皆楽しく刺激的に過ごしてるから、そういった負の感情とは外の世界と比べて縁遠いから…かも。現状に満足してりゃそりゃ発展することもなさそうだし。ま、それが幻想郷の魅力でもあるんだがね。
ん?すると幻想郷と外を分ける結界の話と矛盾するか?外で幻想になったものがこっちに流れ着くんだっけか?霊夢がそんなこと言ってたな。
霊夢もそんな言葉信じてるのかなあ?だってどうせあの隙間妖怪が言ったんだろうなあ。あいつの言うこと鵜呑みにしていいのかしら?
ようするにあれだ。妖怪に関しては幻想になって流れ着くは嘘じゃないけど、人里の生活レベルってか発展に関しては単純にそこに住んでる人間が問題なんじゃないかなあ。
ま、外の世界がどんなことになってるか知らないから、単なる推測だけど。
何考えてたっけ…?
ああそうそう、悩みね。ようするにだ。私は悩みがないわけじゃないが深刻に考える気もなくて、脳には適度に刺激があって、うん。生きてるって素晴らしい。
でも今はそうでもないかもしれない。ちょっと悩んでることがある…んだよなあ。悩みというほどでもないけど。
どうせそのうち忘れるのは明白なんだけど、面に向かって言われると…腹が立つし、どうにかしてやろうと思うわ。
なんだかんだ言っても私は『それ以外』じゃなくて『不老不死なだけの人間』なのかも。
そんな『不老不死なだけの人間』を『蓬莱人』とか言うのかも。昔の人はいちいち言うことが深いね。
わたしも昔の人か?いやいやわたしは永遠の10代。なんてね。
自分で考えててサムくなったわ。別に年齢なんてどうでもいいわ。人間てのは二つ三つから多くても10とかそのぐらいの差で変化が激しいから年齢をぐだぐだ気にするんだよなあ。100とか桁が違うとどうでもよくなるわ。
不老不死ってのもいまいちよくわかんないなあ。
腹は減る。食わなきゃ空腹で動けなくなる。ほっときゃ死ぬ。
身体も傷つきゃ血が出る。ほっときゃ死ぬ。
眠気もある。眠らないと死ぬのかな?でもつらいことには違いない。
てか頭が胴と泣き分かれでもすりゃ死ぬ。
でも死なない。
歳はとらない。
でも年月は重なっていく。
確実に最初のころの私と今の私は違う。
これで不老って言っていいのか?
身体は確かに変わってないね。あのころのまんまだわ。
あのころのままだから今悩んでるんだけど。
悩むったってむしろ普通は悩みにはならないような内容なのに。
やれやれだ。いやいいことだ。人間らしくて。でもやれやれだ。
悩みってか怒りかも。怒りほどでもないけど。あいつめ。
いくら私が勝ちそうだからってあんなこと言いやがって。くそう。腹が立ってきた。
だいたいリザレクションしたり、弾がかすったりしたら、意図しなくても見えることもあるってのに。そんなふうに言われたら意識しちまう。
服だって能力的にこの格好が一番楽なんだよな。羽だしたら邪魔くさいから上着なんてもっての他だ。
それを意識して反応を鈍くしたり、動揺をさそうって作戦は見事に成功だよ。戦闘中のみならず今でも気になってしょうがないよ。
やめた。輝夜をぶちのめしに行こう。今度は何言われても気にしない。気にしないように努めよう。
それともむしろ開き直って、やつと同じ作戦使うか。
なんせ服の上からでもやつの小ささは良くわかる。
しかし私の胸は大きいほうなのかな?
でも大きいからってエロ呼ばわりは非道くないか?
まあでもこんなアホなことで悩める私もずいぶんと幸せもんだよ。
その谷間に飛び込みてぇ!!!
いや・・・見た目は間違ってないような・・・
幸せな生き方・・・なのか?