Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

2009/04/06 23:32:04
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本作は残酷描写(笑)を含みます。かなり短いですが拷問(笑)シーンなどがありますのでそういったものに嫌悪感を覚えられる方は戻る、苦手だという方はそのままお進みください。たぶん大丈夫です。かなり痛いですが。いやほんと痛い。



















此処は白玉楼の一室。生活空間だろう其処には、およそ必要だろうものが全て整えられていた。
四肢を札で封じられ、身じろぎすら許されぬ姿で妖夢と幽々子は無造作に畳の上に転がされていた。
憎々しげに唇をかむ妖夢と、対照的に何処か諦観したような表情の幽々子。
そして二人をつまらなそうに見下ろしているのは幻想の巫女、博麗霊夢である。
「ねぇ、面倒起こしてくれちゃって」
わざとらしくため息をつき、卓袱台の上にどっかと腰を下ろす。
「大人しく只の花見で盛り上がっていればよかったのに」
西行妖とかいう桜を満開に咲かせるつもりだったと言うが、霊夢には知ったことではない。
問題は、冬が終わらなかったということ。
「私、寒いのは嫌いなの。春はいいわよね、長閑で過ごしやすくって」
かつかつと卓袱台を爪で鳴らし、いかに自分が不機嫌であるかを言葉より明確に表す。
「そう思わないかしら?亡霊の姫君」

「春ね、ええ。春は好きよ。よく眠れるもの。今だって気を抜いたら眠ってしまいそう」
視線だけを霊夢に遣ると、暢気に冗談を言ってのけた。
その様子を見て、霊夢は唇の左端だけを吊り上げた歪な笑みを浮かべる。
「あら、そう。じゃあ目が覚めるようなお仕置きをしてあげるわ」
凶悪とも思えるその笑みを目の当たりにして、妖夢は背筋に怖気が走るのを抑える事が出来なかった。
こわい。怖い。恐い。
この巫女は異変を起こした自分たちを許さないのだろう。
妖夢は震える体を必死に押さえつけ、なんとか声を絞り出す。
「くっ…、私達はお前に負けた。もう春度を集めたりしない。それでいいだろう!」
最後は自棄の様に叫ぶが、もちろん巫女は聞く耳を持ちはしない。
くつくつと喉を鳴らし立ち上がると、妖夢の目の前まで殊更ゆっくりと歩みより、音もなくしゃがみ込む。
「子供の喧嘩じゃないのよ?貴方達は異変を起こしたの。そして私に負けた。だったらそれ相応の罰を受けるのは当然のことじゃないの?」
眼前でにたりと笑うその顔はあまりにも恐ろしかった。
妖夢は顔を反らし、恐怖に飲み込まれないようにきつく瞼を閉じる事しか出来なかった。
だがそれすら気にかけることはなく、霊夢は謳うように言葉を紡いでいく。
「興味本位でも正義感でもないのよ、私が此処にいるのは。悪いことをする妖怪をとっちめるのが私の仕事なの。オ・シ・ゴ・ト」
繰り返すその「仕事」という言葉に霊夢は異様な重みを込めた。
その意図を読むのは難しくはない。幽々子はゆっくりと口を開く。
「…本意ではないとでも言いたいのかしら」
「当然じゃない。私は優しいのよ?仕事でなければこんなことできないわ」
貼り付けた様な笑顔に、生理的な嫌悪感を催す。
最早妖夢は恐怖に中てられ、見ていて可哀想なほどにがちがちと歯を鳴らしている。
幽々子も額に嫌な汗が流れていくのを感じながら、しかし冷静に思考を巡らせた。
(たかが人間の巫女が、これ程の気迫…。せめて…)

「わかったわ。何をするつもりなのか知らないけど。ただし…妖夢には手を出さないで」
「へぇ…?」
「ゆ、ゆこ…さま」
面白そうに笑う霊夢と、主の言葉にぐしゃぐしゃになった顔をあげて眼を見開く妖夢。
「妖夢は私の我儘に付き合せただけ。何の責任もないわ」
「ふーん、主従愛ってやつ。いいわよ、別に」
言うなり幽々子の四肢に張られた札をはがし、新たに一枚、何かを呟きながら胸元に張り付ける。
瞬間、幽々子の身体がびくりと跳ね上がる。
自身の変化に戸惑い、目を白黒させる幽々子。
「な…何を、したの」
「私の言うことを聞きたくなるお札を張っただけよ。さ、立ちなさい」
少し距離をとり事も無げにそう言うと、幽々子の意思とは関係なく勝手に身体が起き上った。
「な…!?」
「はいはい、こっちいらっしゃいな」
のたのたと霊夢の方へ歩いて行く。…もちろん、幽々子の意思ではない。
「ゆゆこ、さまぁ」
不安げな声を上げる妖夢に、言うことを聞かない体を無理やりに動かし、精一杯の笑顔で振り返る。

「大丈夫。大丈夫だから。貴女は目を閉じていなさい妖夢」

自由を奪われ、これから何をされるのか。わからない、故に恐ろしい。
だけれど。
(あなたは、貴女だけは守ってみせる)
悲壮なその決意は誰に知られることもなく。

「さぁ、ショータイムよ」
霊夢は幽々子の耳元に唇を寄せた。









それは、刹那の出来事。



コッ、という小さな音が聞こえた。そして倒れ込む音。



妖夢は目を閉じ、身を竦ませた。



怖くて、怖くて。そこで何が起きているのか、知りたくない。



でもそこで苦しんでいるだろう人は自分を守ってくれた主で。



いつもは横暴で、自分の言うことなんて一つも聞いてくれないのに。



身を呈して私を庇ってくれた。大丈夫だと言って笑ってくれた。



その主が。



ゆっくりと目を開けた妖夢の目の前に、うずくまって倒れている。
「幽々子様っ!?」
幽々子は右足を抱えて声もなくびくびくと痙攣していた。
何が起きたか、妖夢はようやく悟る。
「幽々子様っ、幽々子様っ!」
今すぐ駆け寄って抱き起こしたいのに、体は芋虫ほどにも動いてはくれない。
「幽々子様ぁっ!」
妖夢にできるのは、泣きながら主の名を呼び続けることだけ。
そして。
「貴様…」
薄笑いしながら二人を見下ろす霊夢を睨みつけ咆哮することだけ。
「よくも…よくもこんなことを…これが人間の所業か!」
並の妖怪ならばそれだけで霧散しそうなほどの殺気をうけ、なお平然と笑いを浮かべている。
「ふふ…亡霊の癖に、足なんか生やしているのがいけなかったわね」
あまつさえ侮辱の言葉を投げつけてくる霊夢に、妖夢はあらん限りの怒りを籠め、叫ぶ。












「ふざけるな!たんすの角に小指をぶつけさせるなんて!お前は悪魔だ!!」



白玉楼に霊夢の哄笑が響き渡っていた。
「~~~~~~~~~っっっ!!!(涙目)」

らーらーらー、ららぁーらー
ことばぁーにー、できなぁーい
YAMADA
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
いいえ、Sです。(題名的な意味で)www
2.暴走猫車削除
まさかのオチw吹いたwww
タグ見ないで読んだ結果がこれだよ!!

箪笥の角に小指ぶつけた事あるからよーく判るその気持ちww
3.YAMADA削除
>>1様
いいえ、Aです。(全年齢対象的な意味で)www
タイトル変えてしまいましたが、元は「これは「A」だな」でした。

>>暴走猫車様
鬼畜(笑)ですからwww
4.名前が無い程度の能力削除
痛いよこれはwww
生きてるうちに何度かやるよねこれ。
ちなみに私は一週間ぐらい前に冷蔵庫でこれやったw
マジでwww
声が出なかった。
ついでに爪も中途半端にはげました…orz
取り合えず医者に麻酔打たれて剥がされましたけどwww
マジでこれ読んだとき、俺じゃんとかオモタwww
5.名前が無い程度の能力削除
何ということだ…あの札の力によって
幽々子様は意識しながらあの痛みを受けざるを得なかった…
何という恐怖!
何という凶行!
これが、博麗の巫女…!えーりん異変起こしちゃ駄目ぇ!
6.謳魚削除
直撃した直後のヘコんだ感じに不安が煽られます。
後の宴会騒動の『辻斬りっ★妖夢さん!』の根幹と成った出来事ですね分かります。
見える、見えるぞ!
妖夢さんが萃夢の宴にて霊夢さんに「勝った方の言う事一つだけ絶対服従」と条件付けて見事打ち負かし
「私の嫁にしてやるわ!(こんなちんちくりんの嫁だなんて屈辱でしょう霊夢!ふふふふふ……あーっはっはっはぁ!!)」
「……ぅん、良いよ……あなた(はぁと)」
「へっ?(何、その反応)」
「あの時から……初めて白玉楼を訪れた時からずっと、好きだったの……」
「何そのトンデモ展開ッ!?じゃああの『オシオキ』は!!?」
「あれは、その、恥かしくてつい……」
「(まさか照れ隠しだったと言うのかっ!だとしたら何という危険な巫女……!!これは私が生涯懸けて更生させねば!!!)」
翌日、幻想郷にまた幸せな夫婦が増えたのでした。
『気をつけろ フラグは(本人の)知らぬ トコに立つ そういうモノさ 「エゴだよそれはっ!」』
字余り。
7.名前が無い程度の能力削除
オチよりむしろ妖夢をかばうゆゆ様に萌えました
8.名前が無い程度の能力削除
れみりゃ達はどんな目に遭ったんだろうw
でもマジレスすると、アレは意識してない状態で来るから余計に痛いのではないかと。
9.奇声を発する程度の能力削除
あれは痛いwwwww
10.名前が無い程度の能力削除
>>8
意識はあるのに勝手に身体が動いてぶつけるのも痛怖いと思うw
11.名前が無い程度の能力削除
くそ、なんだよこの外道霊夢はって文句言ってやろうと思って読み進めてたら最後で和んでしまったじゃないかwww
12.名前が無い程度の能力削除
幽々子様…幽々子様ぁ~!
13.名前が無い程度の能力削除
これで小指折った時の痛い記憶がががががががが
14.名前が無い程度の能力削除
あれは痛い
15.名前が無い程度の能力削除
言葉にできねえww
16.名前が無い程度の能力削除
恐ろしいwww
17.名前が無い程度の能力削除
なんという鬼畜……!
18.ルル削除
まさに外道(笑)

なんで小指ってあんなにぶつけやすいんだろう?
意識してても偶にぶつけちゃうんだよね。あれ私だけ?
19.名前がない程度の能力削除
まさしく外道w 良いオチでした。
(できることならオチの前の改行をもっと増やして欲しかったかなぁ。)
20.名前が無い程度の能力削除
本文よりも>>4のが読んでて痛くなった
やめてー痛いからやめてー
21.名前が無い程度の能力削除
良いオチでした。ありがとwww