Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

雨が降ったある日の事

2009/04/04 21:39:13
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ふぅ。
昼過ぎになってから雨が急に降り出した。
慌てて洗濯物を取り込み部屋の中に干した。
おかしいなぁ、今日は雨が降る感じはしなかったんだけどなぁ……

どんどんっ!
「大ちゃーん!!」
あ、チルノちゃんだ。
「おーい!」
はいはい、そんなに扉を叩かなくても開けるよ。
がちゃっ
「もー!大ちゃん聞いてよー!!」
入ってくるなり大変機嫌が悪い様子のチルノちゃん。
どうしたんだろ?
「さっきね、みすちーと橙とあたいとで遊んでたの」
あ、いいなぁ。
私も一緒に遊びたかった。
「でね、さっき雨降ってきたじゃん?だからあたいこの空を『ことわざ』で例えて言ってみたんだ」
……えっ?
チルノちゃんがことわざ?
だから雨が降ったの?
いやいや、雨が降ってからことわざを言ったの?
これこそ「鶏が先か卵が先か」ってことよね。
「したらさ、橙もみすちーも大笑いしたんだ! 折角あたいが知的なトコロを見せつけたって言うのに!!」
うん、チルノちゃん。知的って言葉の意味知ってる?
これ以上あなたの口から変な単語が出てくると、今度は空から大根が降ってきそうな気がする。
だから止めよう。

うん、私が止めないと。


「どんなことわざを言ったの?」
「えっとね……『秋の空と乙女の心』!」
「あー早速チョイスが微妙……って、それ秋の神様のスペルカード!」
「え、そーだったの?」
弾幕と言うモノは確かに雨っぽい。
しかしこの間違いは無いだろう。
「まぁ『弘法もすでに謝る』って言うしね!」
「そんなすぐに謝らなきゃいけない程の何をしたの弘法様は!?」
「誰かに悪戯したとか?」
「そこ違うよチルノちゃん!本当は『弘法も筆の誤り』! それにおじさんが悪戯とか言うと意味が変わってくるよ!」
「それじゃあ……」
「ストップ!チルノちゃん!」
「ふぇ?『おっ!とっ!と!』?」
「古いよ!!」
妖精は長生きだ。
「チルノちゃん……ホントにことわざ知ってるの?」
「当然よ!『当たり前田のクラッカー』ってモンよ!」
「あー、今日はそういう路線なんだ……まぁいいや、じゃあ知ってることわざをちょっと言ってみて」
「えっとねぇ……『水を得た早苗のよう』!『立て板に犬』!『ルーミアは……」
「はいはいはいはい、ストップストップ」
「な、何?」
「ごめんね、10個くらい言いたいテンションの中で非常に心苦しいんだけど…
 今、私の中で極楽トンボの大群が飛んでるの」
もうすでに大妖精は疲れていた。

「とりあえず一つづつお願い」
「うん…『水を得た早苗』!」
「早苗さん、気の毒にびしょびしょだよ!それってもしかして溺れてないの!?」
「あ、間違えた!」
「よかった!気づいてくれた!」
「そうそう!『的を得た早苗』!!」
「的外れだよ!大体あの人『常識に囚われてはいけない』とか、かなり的を得ない事を言ってる残念な人よ!?」
落ち着け大妖精、君も結構ひどいことを言っているぞ。
「正しくは『水を得た魚』、自分に合った活躍の場を得て、生き生きとしていること、本当に大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!じゃあ次!『立て板に犬』」
「わんこを立て板にぶつけたら可哀想だよぅ……それこそ水をかけないと」
「びしょ濡れわんこ?そっちのが酷くない?」
「板のほうに!」
「わんこ弾幕で板を割るの!?」
「だから違うって、ちょっとは近づいてよ!板に水を掛けて『立て板に水』すらすらとよくしゃべる事を言うの」
「その下にわんこ?」
「……さっきから何でそんなに水を掛けたがるの?」
「まぁあたいだったら皆凍らせてやるんだけどね」
大迷惑だ。
「次!『ルーミアは友を呼ぶ』!」
「ただの日常の風景だよ?それを言うなら『類は友を呼ぶ』だよ」
「え?類ってヤツ居たっけ?」
「うん、ひょっとしたら次出てくるかもしれないね」
「じゃあ『やっつけ仕事』」
「うんうん、もうすっかり私もそんな感じ……って、あ、合ってる!合ってるよチルノちゃん!」
「へへへっ」
笑いながら鼻の下を指先でこするチルノ。
ちなみにこれはことわざでは無い。
「うん微妙に古いリアクションありがとう、ところで意味は知ってるの?」
「霊夢の事!!」
「怒られるよ!?」
「えー、何で?そのままじゃない?あたいらもやっつけられてる訳だし」
「意味が違うよ!やっつけ仕事って言うのは仕事を適当に表向きや形だけやって終わらせたことを言うんだよ!」
「まさに霊夢!」
「その通りだけど!だからこそ怒られる!!もういいから次行って!!」
「『てゐに師匠無し』」
「『恋に師匠無し』だよ、永琳さん泣くよ!師匠じゃないかも知れないけども、そこはそっとしておこうよ!」
「まぁあたいは恋娘って言われる位だから師匠なんか要らないけどね!」
キラッ!
「うん分かった、ちゃんとしよ?次!」
「『鬼の現物』!」
「萃香さんか勇儀さんだよ!」
「後は橙のスペカで出てくる二人!」
「違うよ念仏!『鬼の念仏』!!真面目にやって!」
「『畳の上のサイレン』!」
「うるさいだけ!!」
「『弁慶の泣きぼくろ』!」
「要らないよそんなセクシー!!」
「『風が吹けばOK!矢鴨狩る!』!」
「なんか気持ち悪いーー!!!」
思わず大きな声が出てしまった大妖精。

「……もうことわざ使うの止めにしない?」
「え~……やっと覚えたと思ったのに」
「チルノちゃん全然言えてなかったよ?それにちゃんと使えてないから」
「うーん……でも大ちゃんもさっきから怒りすぎ!」
「えっ?そ、そうかな……」
「そうそう、ほらよく言うじゃない

 『短気は損気』って」

(終)
こたつをしまうのが早かった気がする今日この頃です。
リリーのレンタルとかしてないかなぁ……
欠片の屑
コメント



1.万葉削除
軽快な掛け合いでしたね、オチも良かったです。それにしてもよくぞ考えました……早苗さん多いなぁ。

私なんざストーブ焚きっぱなしですよ(汗)
2.名前が無い程度の能力削除
空から大根が降ってくるの確定しちまいましたなw
3.名前が無い程度の能力削除
「的外れだよ!」に負けてしまった・・・w
その前の突っ込み集には負けなかったのにー!
4.名前が無い程度の能力削除
>「『弁慶の泣きぼくろ』!」
「要らないよそんなセクシー!!」

見た瞬間に想像してふいたww
5.名前が無い程度の能力削除
特に泣きぼくろと霊夢に吹いた。
>それにおじさんが悪戯とか言うと意味が変わってくるよ
いや、その発言の前までは妖精的な意味での悪戯だったよ。
6.nama-hane削除
>本当は『弘法も筆の誤り』! 
>それじゃあ……
Hなことを考えてしまった・・・orz
7.名前が無い程度の能力削除
大ちゃんのツッコミが素晴らしい!