それはいつもの永遠亭。
「鈴仙、今日は何の日か知ってる?」
「四月一日でしょ。それがどうしたの」
「今日は嘘をついてもいい日なのよ」
「あんたは年がら年中嘘をついてるじゃない」
「そう。だから今日は、普段嘘をつかない奴がつく方が、面白いんじゃないかと思って」
「なにそれ?」
「だからー、鈴仙が嘘をついてみな、ってこと。ほらほら、プロの私が評価してあげるから」
「また変なこと思いつくわねあんたは」
「まあ、鈴仙が思いつく嘘なんて、たかが知れてるけどね~」
「てゐなんて大嫌い」
「え……」
「何驚いてるのよ。嘘つけって言ったのはあんたでしょ」
「あ、あー。何だ嘘か。あはは……びっくりした」
「もう気がすんだ?」
「………………」
「ってなんなのよ、その眼」
「ねぇ、鈴仙。もう一回言って」
「……てゐなんて大嫌い」
「いや、そうじゃなくってー。もう嘘をつかなくてもいいから」
「言わない。私は今日は絶対に嘘をつくことに決めたから」
「何それ!?」
「ふふっ、明日になったら言ってあげる」
「れ、鈴仙の意地悪ー!」
地上の兎は頭から湯気を出しながら、月の兎をぽかぽかと叩く。
月の頭脳とお姫様は、じゃれ合う二人の姿に目を細めつつ、相撲を再開した。
ここをぜひ詳しく!!!!
実は二人とも一人相撲。話がすれ違っていたとか?
そそそんな大人の相撲なんてするわけないでごわすよね?
プロレスっていうんですよ。