風の音、森のざわめき。
自然界の音だけが支配する夜。
「さすがに夜は冷えますねぇ……」
最近ようやく冬の妖怪が春眠に入り、春妖精が幻想郷中を飛び回るようになった。
とはいえ、まだまだ夜は冷える。
そんな寒さに耐えるように、美鈴はひとりごちながら手をこすり合わせていた。
ふと、後ろに建つ赤い館を見やる。
きっと今も忙しそうに駆け回っているであろう彼女の顔が目に浮かぶ。
今日も一日どのくらい働いたのだろうか?
そのうち倒れでもするんではないだろうかと心配になった。
あと数時間で、今日の終わりと共に私の業務も終わる。
そして彼女の業務も終わる。
今日は二人ともシフトが重なる滅多にない日。
いつもはどちらかが夜勤だったり、主達に付き合わされたりでゆっくりと話をすることさえ出来ない私達にとってやっと来た機会だ。
久々だなぁ……。
気を抜けば、自然と顔がニヤける。
だって、楽しみで仕方ない。
彼女とゆっくり話が出来るのは一体いつ以来だろう?
今日が終わるまであと数時間。
紅魔館の門番は数時間後に過ごす楽しい時に思いを馳せた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ふぅ……」
今日最後の書類に目を通し終わり、咲夜は息を吐く。
今日一日の作業のチェックも済んだし、明日の一日の作業の確認も済んだ。
あとは最後にお嬢様に終業の挨拶をして、今日の業務は終了。
今日も良く働いた。多分30時間くらいわ。
ふと、今も門の前に立つであろう赤い髪の彼女が目に浮かんだ。
いくら春になったとはいえ、まだまだ夜は冷え込む。
寒い寒いと言っているであろう彼女の声が聞こえたような気がして、今更ではあるが今度マフラーでも送ろうかと思った。
あと少しで今日一日も終わる。
そうすれば私達の今日の業務も終了だ。
久々に重なったシフトに心が躍ったのは多分私だけ。
今日仕事が終わったら久々に話そうと誘った時、彼女が即答で了承してくれた時は本当に嬉しかった。
あの時の私の顔は変ではなかっただろうか?
今日は何を話そうか……。
そう考えると、自然とまた頬が緩んだ。
だって、嬉しい。
彼女とゆっくり話が出来るのはもう半年ぶりくらいだ。
今日が終わるまであと数分。
咲夜は終業の挨拶をするために主の下へと向かった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ねぇ、今メイド長がすごい笑顔でお嬢様の部屋に向かって行ったんだけど。怖かったわ」
「私は門番長が百面相してるの見たわ。あれもある意味サボりなんじゃないかしら?」
「あの二人ってわかりやすいよね」
「というか門番長が鈍すぎるだけでしょ?」
妖精メイド達がそんな話をしている事を二人は知らない。
いいめーさくでした。
お嬢様、邪魔しないであげてww
今度は甘甘な二人の会話をお願いします!!
小悪魔かと
これはいいめーさくですねw
よし。俺は邪魔s(殺人ドール