Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

その出会いは偶然か、或いは必然か

2009/03/25 00:49:52
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長らくお待たせいたしました。



・待ってないor初めて見るという人
それは良かった。本作は「流行り病」の続編となっておりますのでそちらの方をお先に。




・一秒でも待ってしまった人


…ふふふ、悪いがこの回避不能の弾幕をくらってもらうぜ!



「謝符 スライディング土下座」

すみませええええええぇぇぇええぇぇぇぇぇえぇぇぇええええええええええぇぇぇぇぇえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇええぇぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇええぇぇぇぇええええええええぇぇぇぇえぇええぇえぇぇえうえぇええうえぇうえぇぇぇぇぇえええぇぇえええええええええええぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええぇぇぇぇえぇぇぇぇぇええぇぇぇぇぇん!!!!!!!!!!!!!













~0.1秒でわかるあらすじ~

・小二病

~あらすじ 終~


↓以下本編





















「さて、とりあえずは里に行ってみようかしらね」
「うさ」
「っていうかなんでついてくるの?」
「鈴仙と一緒に遊びたいからうさ」
「…あ、そう」


  *  *  *


時をほんの一時間ほど遡る。

「ウドンゲ、わかっていると思うけど」
朝一で永琳に呼び出された。
鈴仙は頷く。
「はい。小二病のことですよね」
昨日のてゐの件は片がついた。
だが、その原因はいまだにわからずじまいだし、里の方での詳しい状況も把握できていない。
つまり、調査に向かえということだ。
「OK。今日のところは情報収集をメインでやって頂戴。私はいろいろ調べてみるから」
「わかりました」
鈴仙は頷き、踵を返した。
かつかつ靴を鳴らしてと歩いていき、戸に手をかける。
「じゃ、行ってきます」
「うん、頼んだわ。期待してるからね」
一度振り向いて挨拶。
応える永琳はしっかりと頷いた。



「さーて…どうしようかなーっと。…んぅー」
鈴仙は玄関に向かいながらぐっと体を伸ばした。
とそこへ。

「うっさー!」
どす。
「わひゃぁ!?」

突然飛び出してきたてゐに脇腹を突かれた。
「なにすんのよ!」
にやにや笑うてゐを涙目で睨みつける。
それをてゐは毛ほども気に留めず、暢気に頭の後ろで手を組んでいた。

「なぁなぁ鈴仙、どこ行くうさ?」
座り込み革靴を履く鈴仙の顔を興味深そうに覗き込む。
鈴仙はムスッとしたまま答えない。
「れーいせーん、どぉーこ、いく、うさぁー」
…うぜぇ。
このままほっといたらいつまでも続きそうだったので、仕方なくてゐの方を向いた。

「里よ里。変な流行病のこと調べに行くの。あんただって昨日罹ってたでしょう」
「うさ?」
「昨日よ昨日!覚えてないの!?」
「何のことうさ?」
てゐは本気で首をかしげていた。
「…」
…どういうこと?
見た感じしらばっくれている様子はない。
「てゐ、正直に答えなさい。昨日あったこと、何も覚えてないの?スカートめくったりとか、私に怒られたりとか」
そう聞くと、てゐは意味がわからないとでも言いたそうな顔をする。
「昨日のことぐらい覚えてるに決まってるうさ。何言ってるうさ?」
「…?」
いけない。何かが違う。
話がかみ合っていない気がしてならない。
混乱しだした頭をなんとか落ち着け、言葉を変えてもう一度てゐに訊ねた。
「てゐ、あなたはね、昨日、小二病っていう変な精神病にかかっていたの。その病気に罹ると子どもみたいな精神状態になってしまうの。
今はもう治ったけど、あなたは昨日その状態だったのよ。そのこと、覚えてないの?」
「そうなのかうさ?」
「そうなのよ」
てゐはうーんと唸ると、人指し指でこめかみをこつこつと叩いた。
「そう言われれば昨日はちょっとハイになってたかも知れんうさ」
「…」
つまりはほぼ自覚症状がない、ということか。
もともと悪戯好きだからかもしれないが。


そして冒頭へと至る。


竹林を突っ切り、里の方へと真っすぐに飛んでいく。
時々振り返ってはてゐがちゃんと後についてきているか確認。
うん、大丈夫。
後ろへ後ろへと流れていく景色を見ながら、鈴仙はてゐに声をかけた。
「ねぇ、昨日何か変わったことはなかった?」
耳をパタパタさせながらてゐは首を振った。
「竹林のほうに行って他の因幡と遊んでたうさ。リアルムシキングで」
「ふーん」
「てゐのはでっかいカブトで、最強だったうさ」
「へぇー」
「昨日鈴仙のスカートめくるまではずっとそれで遊んでたうさ」
「…そう」
…そのまま遊んでればよかったのに。
鈴仙はてゐに聞こえないように呟いた。

そうこうしているうちに人間の里にたどり着く。飛んでくればそこまで時間はかからない。



どこから調べようかとあたりを見回すまでもなく鈴仙たちの目に飛び込んできた光景。

「これはひどいwww」
里の様子は散々な有様だった。

大の大人たちが子供と一緒にそこら中を走り回り、
「はいお前しんだー」
「ちょ、お前もだろ!」
「おれバリアしたしー」
「はぁ?ふざけんなし」
とか。
「くらえ、干将莫邪!(木の棒×2)」
「なにおー!?ならこっちは約束された勝利の剣だ!(丸めた文々。新聞)」
「「どーん!」」
とか。
大人がやっていることを除けば、まるで寺子屋の休憩時間を見ているようだった。

「まさかこんなに酷いとは」
開いた口が塞がらない。鈴仙は嘆息を漏らした。
「暑さで頭やられたうさ」
てゐも呆れた目で騒ぎ立てる大人たちを見ている。
そんな人事みたいな顔をしているてゐに、
「言っとくけど。あんたも昨日、これとおんなじだったのよ?」
「…!(な、なん、だと…!?)」
鈴仙が告げると、少なからずショックを受けたらしい。
しばし動きを止めて、ぽつり。

「もう、イタズラやめるうさ…」

と漏らした。

めでたしめでたし。
















じゃなくて。
「それはいい心がけね」
思わぬ影響に、鈴仙は満足そうに頷く。
…もっとも、明日になれば忘れているのだろうが。

微妙にテンションを落としたてゐを引っ張って、鈴仙はよく買い物をする店へと入った。
とりあえず話を聞こう、と思ったからだ。
「すいませーん」
ここは先日盲腸で運び込まれたマサさんちの八百屋だ。
通りに面した一角で、町を見渡せる場所にあるため、一体何が起こっているのか教えてもらえるだろうと踏んでいた。
「おかみさーん、いますかー?」
「はいよー、あぁ、鈴仙ちゃん。そっちの子は?」
初めて見る鈴仙以外の兎に、それほど驚くこともなく。
笑うおかみに、てゐは営業用のスマイルで答えた。
「てゐだうさ。鈴仙の友達うさ」
さっきまで沈んでいたとは思わせないような天使の笑みできゃっちゆあはーと。
「かわいい子だねぇ。ウサギさんみたいだから、ニンジンでもあげようか」
「わーい(計画通り…!(ニヤリ))」
ン百年生き抜いてきた老獪さで今日のおやつをゲットした。

「すいません」
「いいのいいの。あ、そうだ。鈴仙ちゃん、うちの父ちゃんの具合はどうなんだい?」
頭を下げる鈴仙に、さして心配している風でもなく問いかける。
気にはしても心配はしないという辺り、マサさんの家での境遇がしのばれた。
「あぁ、盲腸だったので師匠がぱぱっと手術しちゃいました。もう少ししたら家に帰れると思いますよ」
たいしたことはなかったと、身振り手振りで伝えると。
おかみは申し訳なさそうな顔をして、
「悪かったねぇ、面倒かけて。こんどからあたしが捌くから」
と言った。
マサさんに病気=死亡フラグが立った瞬間である。

「そうそう、おかみさん。聞きたいことがあるんですよ」

かくかくしかじかと手短に説明する。
「へぇ、小二病?聞いたこと無いね」
「そうなんですけど…これ、いつ頃からなんですか?」
目の前の通りで繰り広げられる百鬼夜行を指差して問う。
おかみは渋い顔をすると、静かに目を閉じてため息をついた。

「初めは一週間ぐらい前さ。ここから右に二件奥に三件くるっとまわって西向いてワンして左にある家を飛び越していった先の佐々木さんちを通り越した先にある空き地を横目で見ながら左に四回曲がったところにある家の二十歳近い兄さんがさ、こうなった最初の人らしい。
なんでも弟さんを連れて森まで虫取りに行ったら、これがなかなか帰ってこない。心配になった親父さんが迎えに行ったら、兄弟そろって森からグリコしながら家に向かっている途中だったらしいよ」

「へぇ…?」
鈴仙はふと、妙な違和感を覚えた。
(なんだろ、この感じ)
もやもやと心の中が曇り出す。
…なにか、何か引っかかる。
(この答えを、私は知っている?)
鈴仙は記憶の糸を手繰り始める。

(「竹林のほうに行って他の因幡と遊んでたうさ。リアルムシキングで」)
(「てゐのはでっかいカブトで、最強だったうさ」)
(「昨日鈴仙のスカートめくるまではずっとそれで遊んでたうさ」)
そう、てゐはこう言っていて。

(「なんでも弟さんを連れて森まで虫取りに行ったら、これがなかなか帰ってこない。心配になった親父さんが迎えに行ったら、兄弟そろって森からグリコしながら家に向かっている途中だったらしいよ」)
おかみさんはこう言った。

(何か…なにか!)

必死に頭を回転させる。

だが無情にも、その答えは形を持たなかった。
「まだ、情報が足りない…か」



鈴仙はおかみに礼と別れを告げ、ニンジンを齧り続けるてゐの耳を引っ張り「痛いうさ!」その場を後にした。
「今度は何か買ってっとくれねー」
という声を聞きながら、ひとまず里の出口へと向かう。

耳を引っ張ったせいでむくれているてゐ。
「酷いうさ!動物虐待で行列に訴えてやるうさ!」
などとぎゃあぎゃあ叫ぶが、なんかもうめんどくさかったので相手をせずにすたすた歩いていた。
相手をしなければ静かになると思ったから。

そろそろ里の出口かというところで、突然声をかけられた。
「…あれ、貴女」
金髪の華奢な女の子。
「?あれ、アリス、だっけ?」
七色の人形遣い、アリス・マーガトロイドであった。


この出会いが、調査を一気に進める一因となる。


「どうしたの?こんな処に」
手近な茶屋に入り、団子一本とお茶をそれぞれ手にして話をする。
アリスは珍しそうな目で鈴仙を見ていた。
薬を売りに来ることもあるし買い物にだって来るので、別に鈴仙を里で見かけることはそう珍しいことではないのだが。
「ちょっとね、情報収集」
「情報収集?」
「うん、小二病の」
「小二病??」
見るからに?マークを頭に浮かべるアリスにちょっと滑稽なものを感じて、でも顔には出さないでおいた。
鈴仙はアリスに仔細を話した。
ほんの少しでも情報がもらえれば儲けものだったから。



「ってことなんだけど」
昨日のてゐのこと、町の惨状のこと、おかみの話のこと。
全て細かく説明し終わると、アリスは顎に人差し指を当てた。
「ふーん?なんか、酷く思い当たる節があるわね」
「うそっ!?」
「ほんと。あぁ、そういうことだったのね。だから…」
「ちょ、ちょっと、その話聞かせて頂戴!」
鈴仙が飛びつくように肩を掴むと、アリスは驚いて体をびくりとさせた。
「わ、話すから!ちょっと落ち着きなさいよ!」
「あ、ごめんなさい…」
「もう、びっくりさせないでよ…」
申し訳なさそうに鈴仙が手を離すと、アリスはストールのしわを直し、コホンと一つ咳払いをする。
「ちょっと長くなるかもしれないけど」
「いいわ、少しでも情報が欲しいの」


  *  *  *


昨日のことなんだけど。

私が上海たちの繕いをしていたら魔理沙が家に飛び込んできたの。
そりゃあもうすごい勢いで、ほんと何事かと思ったわよ。
で、結局何だったと思う?
「アリス!見てくれこれ!でっかいだろ!」
って。
突き出してきたから何かと思えば
黒くて、
うごうごしていて、
つやつやしていて、
ぱっと見アレに見えたから。
思わず
「…き」
「き?」

「きゃぁぁああぁぁぁああぁぁ!!!???!?!?」

って叫んじゃったわよ。
だってのに魔理沙ったら
「…耳がキンキンするぜー」
なんて暢気なこと言うのよ!
「ままままま魔理沙!なん、なんでそんなの」
「おぉ、かっこいいだろ!カブトムシつかまえたから、アリスに見せに来たんだ!」
「…カブトムシ?」
言われてよく見たら立派な角のカブトムシだったわ。
でも、あんなのいきなり突き付けられたら驚くでしょ!?

「で、なんで私に見せに来たわけ?」

カブトムシは適当にこしらえた虫かごに入れて。
話を聞くから紅茶を淹れてやったんだけど。
ちょっと腹が立ったからいつも五つ入れる角砂糖、四つにしてやったわ。
案の定
「なぁなぁ、いつもよりちょっと苦くないか?」
って言ってたわ。いい気味!と思ったんだけど…

「うん?だって、アリスに見せたかったからな!」
「う…」
なんか、いつもより素直ね…。ちょっとどきっとしてしまったわ。
とか油断してたら
「それよりさ、はらへったのぜ!なんか作ってくれ!」
「…」
傍若無人というか。いやまぁこっちの都合を考えてくれないのはいつもの事なんだけど。
確かにちょうど夕食時だったのよ。
「はぁ、わかったわよ。何か食べたいものあるの?」
一人前増えるぐらい大したことじゃないし。第一よくご飯たかりに来るし。
いつも肉じゃがだ味噌汁だって騒ぐから、昨日もそんなのかなって思ったの。
でも、
「カレー!カレー食べたい!」
「…珍しい」
辛いのは好きじゃないって、よっぽどじゃないと食べたいなんて言わないのに。
「甘口な!でも王子様は駄目だぜ!」
「はいはい」
みたいな感じで。
二人でカレーを作ったの。

作ったのは甘口だったけど、よそった後に私の方だけスパイスを足したのよ。
流石に甘口じゃ物足りないからね。
それを見てた魔理沙がいきなり
「…ちょっとくれよ」
なんて言い出して。
「いいけど…辛いわよ?」
「いいからくれって」
「別にあげないわけじゃないんだから睨まないでよ」
「むー」
とか言いながらあーんってするから、フーフーして冷ましてから口に入れてやったわ。
魔理沙ったら猫舌なのよ。いろいろ猫っぽいしね。
…可愛いわ。
じゃなくて。
「…ひゃらひ!」
「やっぱり…ほら、水飲みなさい」
「あう」
予想通り涙目になってたわ。手渡した水を必死に飲みほして。
…可愛いわ。
じゃなくて。
「何でこんなの食えるんだ?うー、まだ口ん中辛い」
「いや、これ標準だと思うわ」
だって中辛と辛口の中間ぐらいだもの。一般的でしょ?
そんなこんなしながら食事を終えて。

一緒にお風呂に入って。

一緒にベッドに入って。

「ってなんで!?」
「すーすー」
「もう寝てるし…」
気付いた時には遅かったわ。完全に魔理沙の思う壺よ。なんか違うけど。
でも気持ちよさそうに寝息を立てる顔を見ていたら、どうでもよくなっちゃっていたわ。
…可愛かったし。
じゃなくて。
「むにゃ…ありすぅ」
「ぶっ(鼻血)」
寝言で私の名前を呼んだのよ!?
もう我慢の限界だったわ。色々な意味で。

…その後?ご想像にお任せするわ。


  *  *  *


「って感じだったんだけど。ちなみに今夜のメニューはハンバーグをオーダーされたわ」
長々話し終わったアリスが鈴仙の方を向く。

「ぐーぐー」

「寝てる!?」

「あ、終わった?ノロケになったあたりで寝ちゃったわ」
大きな声に反応して眠そうに目をこすりながら答える鈴仙。
膝ではいつの間にかてゐが丸まっている。
「聞きたいって言ったのは貴女なのに」
「いや予想外に重要なことは聞けたんだけど。最初の方だけだったから」
「それでも聞くのが礼儀というものでしょう」
「そうですか」
正直聞くに堪えなかったのだが。

「で、今の話で何かわかったわけ?」
すっかり冷めてしまったお茶をすすりながらアリスが問いかけてくる。
鈴仙は頷く。

「少なくともてゐと魔理沙と八百屋から右に二件奥に三件くるっとまわって西向いてワンして左にある家を飛び越していった先の佐々木さんちを通り越した先にある空き地を横目で見ながら左に四回曲がったところにある家の二十歳近いお兄さんの共通点は見つけたわ」
















To be continued…
小二病症例(追加)
・給食のリクエストはいつでもカレー
・その次がハンバーグ
・食べられないとわかっていて食べたがる

ちょっと間が空きました。
まぁいろいろありまして…。

さて、まぁ言うまでもありませんが…。

Next YAMADA's Hint!
ぷぴーぷぴーぷぴー

「カブトムシ」

次で決着がつく!かもしれない!
YAMADA
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
「バリア!」
「バリアブレイク!!」
「はあ!?俺のバリアそんな簡単に壊れねえし!死ね!」
「何だとこのウンコ!!」
「「どぅくし、どぅくし!!」」

似たような事をやったことがある方は直ぐに永遠亭に行きましょう。
私はちょっくら逝って来ます。
2.謳魚削除
ぐふぉっ!
…………良い、土下座(スペル)だ…………っ!
次回も必ずお待ちしてやるんだからっ!
3.奇声を発する程度の能力削除
カブトムシ!!!!!!!!!
>Next YAMADA`s Hint!
見た目は子供、頭脳は大人?
4.YAMADA削除
>>1様
はーい逝ってきまーす。

>>謳魚様
申し訳ない気持ちを身に纏い、全力で体当たりしつつすみませんをばらまく。
それが
「謝符 スライディング土下座」
なのです。

>>奇声を発する程度の能力様
見た目は大人、頭脳は子供。