※ 霊夢は傍若無人じゃなきゃヤダ!!!って方には、合わないかもしれません。
「じゃあな!次は、出涸らしじゃないお茶をたのむぜ!」
「二度と来なくていいわよ。」
いつものように、無駄に元気良く帰ってゆく魔理沙を見送り、
「…………はぁ…」
そして見えなくなってから、いつものように、そっと溜息をついた。
いつからだろうか、
一人で過ごす夜を、『寂しい』と感じるようになったのは。
「静かね…」
夕餉をすませ、食後のお茶を啜りながら、つぶやく。
元々、この神社は、少女ひとりで住むには広すぎる。
主に境内を使っているとはいえ、毎度宴会の会場に使われるのには、そういった事情もあるのだ。
ある意味では贅沢ともいえる状況だが、
今は、それが切なかった。
「何でかなぁ…。一人なのが、『いつも通り』の筈なんだけどなぁ…。」
物心つく前から、この神社で一人暮らしていた。
魔理沙という親友はいたが、自分の家を持ち自立している彼女が、夜までいる事は稀だった。
今のように、多くの人妖が集うようになったのは、本当に最近になってからなのだ。
「まぁ、騒がしいのも嫌だし。静かで良いかな。」
言い訳のようにつぶやき、
しかし、内心では、それが強がりである事を認めている。
そんな自分に軽い苛立ちをおぼえるが、だからといってどうする事も出来ない。
「本当、どうしちゃったのかな。私…。」
自身の思考を省みて、
とりあえず、湯浴みに向かうことにした。
それが気分を変えるためか、或いは逃避であったのかは、わからなかったが。
湯浴みを終え ―誰かが来ていることを期待し、冬に出来た露天風呂に入った。結局、誰もいなかったが…― 寝巻きに着替えて、布団に入る。
が、
「眠れない…」
これも、ここ最近はいつもの事だった。
一人布団にいると、何故か訳も無くネガティブな気分になってしまう。
いっそのこと、泣いてしまえば楽になる。とさえ思うのだが、一人寂しく泣き寝入るなど、どうしても自尊心が許してはくれなかった。
とは言え、寝付けないのは、別に寂寥感の性だけではないのかも知れない。
基本的に、神社を離れる事は無いし、最近はバカな妖怪も出てこない。
疲労すること自体が少ないのかもしれない。
そういえば、今日は魔理沙が来る前に昼寝もしたっけ。
(…だから、大丈夫。私は弱くなった訳じゃない…)
そんなことを考えながら、ひとりの夜はふけていった。
「…あれ?…朝?」
差し込む朝日で目を覚ます。
何時の間にやら眠っていたらしい。
何だかんだでも、寝不足を感じないあたり、やはり自分は図太いのかも知れない。
そんな考えに、自然と笑みが浮かぶ。
これもいつも通りだが、朝になると『寂しさ』は完全に消えていた。
まぁ、お天道様の下でまでウダウダ言っているようでは、博麗の巫女はやってられない。
「さて…。今日もうるさい連中が来るでしょうし、とりあえず朝餉と、掃除……は別にいいか」
後、そろそろお茶の葉を取り替えよう。そんなことを思いながら、彼女の一日は始まった。
「じゃあな!次は、出涸らしじゃないお茶をたのむぜ!」
「二度と来なくていいわよ。」
いつものように、無駄に元気良く帰ってゆく魔理沙を見送り、
「…………はぁ…」
そして見えなくなってから、いつものように、そっと溜息をついた。
いつからだろうか、
一人で過ごす夜を、『寂しい』と感じるようになったのは。
「静かね…」
夕餉をすませ、食後のお茶を啜りながら、つぶやく。
元々、この神社は、少女ひとりで住むには広すぎる。
主に境内を使っているとはいえ、毎度宴会の会場に使われるのには、そういった事情もあるのだ。
ある意味では贅沢ともいえる状況だが、
今は、それが切なかった。
「何でかなぁ…。一人なのが、『いつも通り』の筈なんだけどなぁ…。」
物心つく前から、この神社で一人暮らしていた。
魔理沙という親友はいたが、自分の家を持ち自立している彼女が、夜までいる事は稀だった。
今のように、多くの人妖が集うようになったのは、本当に最近になってからなのだ。
「まぁ、騒がしいのも嫌だし。静かで良いかな。」
言い訳のようにつぶやき、
しかし、内心では、それが強がりである事を認めている。
そんな自分に軽い苛立ちをおぼえるが、だからといってどうする事も出来ない。
「本当、どうしちゃったのかな。私…。」
自身の思考を省みて、
とりあえず、湯浴みに向かうことにした。
それが気分を変えるためか、或いは逃避であったのかは、わからなかったが。
湯浴みを終え ―誰かが来ていることを期待し、冬に出来た露天風呂に入った。結局、誰もいなかったが…― 寝巻きに着替えて、布団に入る。
が、
「眠れない…」
これも、ここ最近はいつもの事だった。
一人布団にいると、何故か訳も無くネガティブな気分になってしまう。
いっそのこと、泣いてしまえば楽になる。とさえ思うのだが、一人寂しく泣き寝入るなど、どうしても自尊心が許してはくれなかった。
とは言え、寝付けないのは、別に寂寥感の性だけではないのかも知れない。
基本的に、神社を離れる事は無いし、最近はバカな妖怪も出てこない。
疲労すること自体が少ないのかもしれない。
そういえば、今日は魔理沙が来る前に昼寝もしたっけ。
(…だから、大丈夫。私は弱くなった訳じゃない…)
そんなことを考えながら、ひとりの夜はふけていった。
「…あれ?…朝?」
差し込む朝日で目を覚ます。
何時の間にやら眠っていたらしい。
何だかんだでも、寝不足を感じないあたり、やはり自分は図太いのかも知れない。
そんな考えに、自然と笑みが浮かぶ。
これもいつも通りだが、朝になると『寂しさ』は完全に消えていた。
まぁ、お天道様の下でまでウダウダ言っているようでは、博麗の巫女はやってられない。
「さて…。今日もうるさい連中が来るでしょうし、とりあえず朝餉と、掃除……は別にいいか」
後、そろそろお茶の葉を取り替えよう。そんなことを思いながら、彼女の一日は始まった。
良い作品と思います。
流石に、一時間ちょいじゃ突っ走りすぎたか…。
実は魔理沙編も書いたのですが、もう少し推敲してみます。
でも朝になると元気になる……そんな誰にでもありそうな経験がリアルに書かれていて、わかりやすかったです。