Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

スカーレット・ファースト・ティータイム

2009/03/19 22:15:56
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私はおじょうさまのお部屋の前に立ち、ノックをしてちょっと待つ、練習した通りにやれば大丈夫! よし!

「おじょうちゃま!こうにゃのお時間です!」

[かたーん]という音が部屋に響き、続いてがたがたと慌てて何かを直す様な気配。おじょうさまから入りなさいと言われたので入り……

「おじょうさま~、お盆が重くてドアが開けられません~」

再び[かたたーん]という音が聞こえて、慌てて何かを直す音、結局おじょうさまにドア
を開けて頂きました。しっかりしないと!

「ず、随分遅かったじゃない。主を待たせるとは良い度胸ね」

「も、もうしわけありません」

おじょうさまはご機嫌ななめ。やっぱり私はまだまだ未熟です。

「まぁいい、紅茶を入れて頂戴」
「は、はいっ!」

今日は暑いからアイスティー。グラスに氷をたくさん入れて、あつあつのポット
を持ってお湯を注ぐ。

「あつくない! あつくない!」

お砂糖を入れて棒でかき混ぜる。慌てて混ぜたらこぼれちゃうからゆっくり、ゆ
っくり。

「そーっと、そーっと」

おじょうさまのお顔をちょっと見ます、ああ! ほっぺがぴくぴくしてる! おじょうさま怒ってるんだ……

「おいしくなーれ! おいしくなーれ!」

やっとできたアイスティーを持っておじょうさまの所に行きます。ドキドキするよぉ。
緊張するよぉ、恐いよぉ……のど乾いたよぉ…



ごくごくごく
ぷはっ


どうしよう? 飲んじゃった!

「咲夜」

ああ、わたしクビだ。今からでてけー! っておじょうさまに言われるんだ。
また、独りぼっちだ……


「まぁ初めてにしては上出来ね。流石に自分で飲んでしまうとは思わなかったけど」
「おじょうさま……わたしクビじゃないんですか?」
「何を怖がっているのかしらねぇ? このおチビちゃんは。ほら、いらっしやい」
「ん……」

「お前は何も心配しなくて良いわ。安心して私への紅茶を飲み干しなさい、熱いポットを私にぶちまけなさい。少しづつでいい。私の、私の為だけの完全で瀟洒な従者になりなさい。お前が笑顔でいられるなら私はいくらでも道化と成れる」

おじょうさまは私を優しく抱っこしてくれた。もうおじょうさまより少し大きくなってしまった私を、軽々と持ち上げて慰めてくれた。

「私はお前を受け入れる、紅魔館はお前の総てを肯定する、お前の居場所は此処だ、従者にして――わが娘よ」




私はあの日、思い切り泣いた。お嬢様の胸に抱かれながら涙が涸れるまで、疲れ果てて眠ってしまうまで泣き続けた。



「妹様、リラックスリラックス。落ち着いて淹れれば大丈夫ですわ」
「う……うん。リラックス、リラックス」

妹様は今日初めて姉であるお嬢様に紅茶をお出しする。あの妹様が緊張してティーセットをカタカタと揺らしている様はまるで昔の自分を見ているようで失礼ながら微笑んでしまう。





「さぁ、トレーは私が支えますからノックをどうぞ」
「のっくのーっく!」


お嬢様はあの時と同じ様に――――――


[かたたーん]





紅魔館当主より、その時の感想を一言


「頬が引き攣っていたのは思わず抱きしめそうになるのを我慢する為、咲夜が自分で飲んでしまった時点で我慢の限界でした」





―おまけ―

「パチュリー様、お茶が入りました」
「ふふふ、料理に洗濯、裁縫にマナー。ここで生きる為の全てを教授したのは美鈴。しかし紅茶の淹れ方を教えたのは……」
「どうしました? パチュリー様」
「なんでもないわ。うん、流石ね、こあ。今日も完璧だわ」
「こあこあ~、恐縮です~」




「私が知っていれば良い事だわ」


「パチュリー様?」
お久しぶりです、万葉でございます。
仕事用と偽って創想話用に購入したPC。本当に仕事が忙しくなりやがり埃を被って幾星霜。
中々手をつける事が出来なかった作品がやっと完成致しました……長かった。
では、忌憚なきご意見をお願いいたします。

3月20日、ちょっと修正致しました。
万葉
コメント



1.sirokuma削除
ようじょさっきゅんに鼻血が出ました。
2.名前が無い程度の能力削除
なんて羨ましいお嬢様だ
最高の紅魔館じゃないか
皆幸せそうだ
3.名前を表示しない程度の能力削除
来た! 四か月以上の時を経てあの万葉氏が帰ってきた! これで勝つるッ!(落ち着け

「かたーん」というのはきっとあまりの可愛さにレミリアが座っていた椅子を倒した音だと予想。
しかしこんな咲夜さん……もとい咲夜ちゃんが目の前にいたら、
きっとレミリアでなくとも頬を引き攣らせるに違いないと思います(「可愛いは正義」的な意味で)
4.ルル削除
万葉さんお帰りなさい!
突然ですがこの咲夜さんをお持ち帰りしてもいいでs(不夜城レッド
5.名前が無い程度の能力削除
パッチェさん役得だな!
しかし教えたのは咲夜さんだけなのか妹様もなのか。ええい羨ましい。
6.謳魚削除
作者様の名前を見た瞬間に「タグ:復活の万葉」と脳裏によぎったのは私だけの筈……!
それはさておき、流石はほのぼの幼女ギャグマスター万葉さんだ、良い仕事をして下さいます。
多分パッチュさんに紅茶のいろはを教えたのは美鈴隊長と予想。
咲夜さんに美鈴隊長が付きっきりなのが面白く無くて「むぅ~私だって紅茶位なら教えられるんだからぁ!」と我が道突き進んだ結果がこれですね分かります(つまり結果オーライ)
パチュめーとかめーこあとかもっと増えると良いよ!
レミリアお嬢様はカリスマが溢れてる筈なのに何故か可愛いとか思っちゃう。おじょうさマジック!
咲夜さんはこの後お嬢様に過去(SS本編)をばらされて反抗期、と。
そして、最後に一つ。
チーちゃんはいずこ…………orz(まぁそんな時もある)(そだな、万葉さんならきっといつか…………!)
7.名前が無い程度の能力削除
お茶を飲むまでの淀みの無い一連の動作にこっちはお茶噴いちまったよ!!
8.名前が無い程度の能力削除
同じくそこでお茶吹いたww
お嬢様より大きくなった私を…で「あれ精神だけ児童退行物?」って…何で思ったんだろ
9.名前が無い程度の能力削除
俺の体が血を求めている!(ダクダク)
10.万葉削除
レス返しを致します。

>>sirokuma 様
お読み頂き有難うございます。鼻血を出して頂けるとはこの上ない幸せ、鼻骨上部を押さえつつ感謝。
いえ、鼻血なんて出てませんよ?

>>2 様
お読み頂き有難うございます。これが我が理想郷です!(別名:妄想)
紅魔館、一文字変えて幸魔館。おそまつ!

>>名前を表示しない程度の能力 様
お読み頂き有難うございます。四か月……やっと帰ってこれた。
「かたーん」は愛情バロメーター。『た』の数が増えれば増える程お嬢様が……怪我をします。
「実は椅子ごと倒れてました。吸血鬼とて勝てないものはある」

>>ルル 様
お読み頂き有難うございます。全てを忘れて戻って参りました。
予期されていた事ですが咲夜さんはあれこの位置だと私も巻き込まれ(追加グングニル

>>5 様
お読み頂き有難うございます。
「ふふふふふふ、それも私だけが知っていれば」
「咲夜さんだけですよ~」
「なっ! 裏切ったわね! 小悪魔! 何故?」
「『何故?』ですか……それは私だけが知っていれば良いことです!」
「小悪魔……貴女泣いて……」
うーん、耽美耽美(違)

>>謳魚 様
お読み頂き有難うございます。何やら凄い字を頂戴致しました。めーこあは良さそう……
可愛くカッコいいのがお嬢様、咲夜さんが過去の自分を暴露されて赤面しつつも抱きついてしまうのは、そんなお嬢様が好きだから。
>「チーちゃんはいずこ……。2009/3/22 14:09:07ちょっとした暗号だと思って頂ければ。ヒント・[お読み頂き有難うございます。]
回りくどいねぇ、あたしゃ。

>>7 様
お読み頂き有難うございます。これがノーレッジ流の紅茶道です。完全で瀟洒なメイド幼は独自のアレンジを加えてお嬢様のハートをキャッチ
致しました。

>>8 様
お読み頂き有難うございます。実はアレンジしなくてもがっちりキャッチしていましたね。
うう、やはりまだ修行が足りないようです。自己分析というのもおこがましいですが言葉が足りなかったのだと思います。
ちょっと修正いたしました。ご理解いただければ幸いです。

>>9 様
お読み頂き有難うございます。血! 血! ティッシュ! ティッシュー!
輸血は永遠亭にて行いまーす!
「回れ! 鈴仙!」
「ぴ、ぴーぽーぴーぽーぴーぽーぴーぽーぺーぽーぺーぽーぽーぽー」
「ええい! いらんとこでドップラー再現すな!」
あのー、てゐさん? 鈴仙さん?
11.謳魚削除
実は幻想郷の実力者達が図書館で覗き見していたり。

藍「昔の紫様と」

妖忌「幽々子様の様ですな、はっはっは」

ゆかゆゆ「あぅ……」

姫「そうねぇ、永琳も月に居た頃勉強は出来るのに家事はからっきしだむがっ!?」

えーりん「ひ、姫!それは言っちゃ駄目ってあれほど……!!」

妹紅「…………出会った頃の慧音の部屋の散らかし様は魔理沙なんか目じゃなかった…………(遠い目)」

慧音「だからそれは忘れろとゆーに!」

大&霊「「いやいやレティと幽香(さん)のクッキングプロトタイプに勝てる存在など…………ハッ!」」

ゆっか&レちィ「「今はちゃんと作れるもん……美味しいおりょーり、作れるもん……(ののじののじ)」」

大ちゃん&霊夢「「ごめんなさいでしたぁぁー!(スライドマーベラス土下座)」」

魅&神「「ウチの弟子(娘)が一番可愛いよ!(泥酔中)」」

ア「……誰よ母さんに呑ませたの」

魔「魅魔様しっかりしてくだ「ん~魔理沙可愛いよ魔理沙ぁ~(ぐりぐり)」ひゃうぅぅ!」

文「もう神社の宴会と変わりませんね~……って椛!何処へ行くんですか!」

椛「え?おつまみが無くなったんでお台所を拝借しようかと」

文「私も手伝「文様お料理出来ないでしょう?注文して頂けたら作って持ってき…「手伝うんですっ!」

椛「(不器用なのに意地張っちゃって……可愛いなぁ)……分かりました、じゃあ手を繋いで行きましょう」

文「し、仕方ありませんね椛は、そこまで言うのでしたら繋いで差し上げます!」

静「神奈ちゃんだいすき~(ほろ酔いCHU)」

神奈様「私も静ねぇ大好き~(上に同じく)」

穣&雛&にと&さな&ケロ『静神奈は私達の風神録』

このままだと収集つかないのでこの辺で。
椛っちゃんは文ちゃんより背が高いのがデフォです。

私も最早コメントになって無いですorz
12.奇声を発する程度の能力削除
何か↑すげえww
幼女咲夜さん堪らん!