「今日は白い日らしいわよ!」
天子の言葉に萃香は首を傾げる。
しばらくして、萃香はなんとなくだが、天子の言いたいことが分かったような気がした。
「ホワイトデーのことか?」
「そうそれ! 一体何をする日なの?」
萃香は瓢箪片手になんだかなぁ、と思う。
「天子はバレンタインデーに誰かにチョコあげたの?」
「バレンタインデー? なにそれ?」
「うん、バレンタインデー知らないならホワイトデー知らなくてもいいんだよ」
「へぇ~そうなの」
会話終了。問題解決。
萃香が酒を口に運ぶ。その瞬間、天子が萃香の脇腹をくすぐる。
「私の質問内容に答えてないじゃない!?」
「ちょ、ぶはぁっ!?」
萃香は酒を盛大に吹き出した。その酒を顔面から浴びる天子。
「ちょっと! 何するのよ!」
「こっちの台詞だ! いきなりくすぐるな!」
う~、と唸って睨み合う二人。いつ噛み付いてもおかしくはない雰囲気。
「さぁ萃香、質問内容に答えないと酷い目をみるわよ」
「理不尽だろ!」
「問答無用! 唯我独尊! 快刀乱麻!」
「後半おかしい!」
天子は萃香に飛び掛かる。両手首を抑えて押し倒す。
「鬼の力をなめるなよ! 我侭天人!」
力を込めて、押し倒された状況から楽に脱出しようとする萃香に対して、
「天人のテクニックを甘くみるな! 小鬼めが!」
天子は萃香の首筋に舌を這わす。
萃香は突然の刺激に思わず力が抜けてしまう。
「ひゃぅっ!?」
「ふふふ、私のテクニックは鬼をも翻弄!」
執拗に肩から首筋にかけてを舐める。萃香は抵抗しようにも、身体が痺れたような感覚に陥り、動けない。
「はぁっ、ゃぅ……あくっ……って何のテクニックだよ馬鹿!」
「痛い!」
萃香は、色々とギリギリなトコで何とか堪えた。そして自由がきく脚で、覆い被さる天子の腹部を蹴り上げた。
割と本気の蹴りを受けた天子は、軽く吹っ飛んだ。
「ちょっと結構痛かったんだけど!?」
「お前さんが悪いだろ、明らかに!」
「ならホワイトデーとやらを教えなさいよ?」
「あぁ別に教えてやるさ!」
「やった!」
別に秘密にする必要も無いのだから、しかもまたあんなことをされては困るし、と萃香は思った。
教えてもらえると分かった天子は、無駄に無邪気な笑顔で萃香に近寄る。
「いいか、ホワイトデーっていうのは――」
◇◇◇
「ふぇ~」
萃香が軽くホワイトデーの解説をした後、天子はそんな声をあげた。
ちなみに、ホワイトデーを説明するために欠かせない、バレンタインデーも、萃香は説明してやった。
「う~ん」
「何さ? まだ分かんないことがあるの?」
天子の低い声を上げ、悩んでいる様子を見て、萃香は声を掛ける。
「いやぁ、萃香にチョコあげられなかったなぁって」
「は?」
「あげたかったなぁ、チョコ」
意外にも可愛らしい悩みだった。
少し悲しそうな顔をしている天子。
「そうすればホワイトデーに萃香からお返し貰えたのになぁ」
「え、何? 私からお返しが欲しかったの?」
「うん、萃香からプレゼント欲しいなぁって……」
少し、はにかむ天子。
その態度は、まさにただの可愛らしい少女だった。天人だとか、我侭だとか、そういうものが一切無い、ただの少女だった。
萃香は、少し戸惑う。
「ねぇ、萃香」
「え、あ、な、何?」
「あとで一ヵ月遅れのバレンタインチョコあげるから、今ホワイトデーのお返し貰っていい?」
そんなに萃香からホワイトデーのお返しが欲しかったのか、天子は少し不安な様子を見せながら、上目遣いで萃香に提案した。
「うぁ……えと」
その上目遣いや不安そうな態度といういつもと違うギャップに、可愛さに、抗う術を萃香は持っていなかった。
「ま、まぁいいけど」
「やった! ありがとー萃香!」
「うわっ!?」
嬉しさのあまりに萃香に激しく抱き付く天子。
ここまで喜ばれるのは、萃香にとっても悪い気はしなかった。
だけど、抱き締めている力が地味に強い。
「ちょ、天子、痛い痛い」
「えへ~」
「痛い痛い痛い!」
鬼ほどではないが、天人だって力は強い。
萃香の細く小さい身体が、さらに締め付けられる。
「苦しい苦しい!」
「にへへ~」
――1時間後――
「痛くて、身体が動き難いんだけど」
1時間じっくり抱き締められ続けた萃香は、身体が痛くて横たわったまま動けずにいた。
抜け出そうとしたけれど、意外にも中々しっかりと抱き締められていたため、抜け出せなかったのだ。
「萃香~」
妖しい笑みを浮かべて立っている天子。
萃香は嫌な汗が背中を伝うのが分かった。
「さっきホワイトデーのお返しを先に貰っていいって言ったわよね?」
「あ、あぁ……確かに言ったね」
ジリジリと近寄る天子。
起き上がろうにも痛みで起き上がれない萃香。
「約束通り、貰うわね」
「あ、生憎今は手持ちがお酒しか……」
「私が貰うのは」
天子は萃香に覆い被さる。互いに息がかかるくらいに、近い。
「萃香よ」
「~っ!?」
唇がギリギリ触れ合うか触れ合わないかの距離。
萃香は顔に紅葉を散らす。天子が長く抱き締めたのは、これが目的だったのだろう。
天子は萃香の両頬にそっと手を添える。
「ばっ……やめっ!?」
「ダーメ、約束は守ってね」
「んっ……」
萃香の反論の言葉は、天子の唇に遮られた。
結局、天子が満足するまで、萃香は付き合わされたそうな。
糖分60%じゃないですよ、これ……!
くそっ!また喉飴さんにだまされた!でも、それでもいいや!
女の子同士?うん、なにもおかしなところはないな。
喉飴さんはいい仕事をしたと感心した。
…ぱっ…パチュアリだけは日にちが遅れても良いから書いて欲しいと言わざ得をるないっ!!
てっちんがねっちり付き合わせた結果萃香さんが拗ねてバレンタインチョコを受け取らずマジ凹みしたてっちんを可哀相に思い気を許した隙をしかし不良天人様は見逃さなかった。そんなトコまで幻視しますた。
次はウェディングロードまっしぐら天萃ですね分k(ひゃぁくまんきぃ!やっこぉぉぉぉぉぅっ!
あれ、ホワイトデーSSにはレミフラがくると思ってたのに……
しかし、天子が相変わらず頭が悪いw
というか、恐ろしいまでの攻めですw
ああ、これでまた夜伽が一つ増えたか……
コーヒー久し振りに私も飲みたいですw
あくまでも糖分表記は私基準ですからw
>>2様
違和感は天子がSな部分でしょうかねw
そう言って下さると嬉しいです!
>>白徒様
ホワイトデーパチュアリはとりあえず控えますが、パチュアリ自体は近いうちに書き上げます。品質は保障しませんがw
>>謳魚様
良い幻視ですねw
このまま突っ走ったら凄いことになりそうですw
>>修行様
食べれないとは知りませんでしたZE!
>>無在様
いやはやスランプでして(苦笑)
無在様のレミフラに私は期待してますw
流石にそこまで気力はありませんw
今回も楽しかったですw
レミフラも地味に期待していたいw
パチュアリにも期待しちゃいますよ、自分。
しかし修行完了でレベルアップし終えた喉飴氏のレミフラやパチュアリにも期待せざるを得ない、甘さ的な意味で。
許せるっ!
満足するところを詳しくですね、のどさんお願いしてもいいですk(ry
天子が萃香にテクニックを披露する前なのですが
「問題無用!~」 とあるのですが「問答無用」ではないでしょうか?
あ、でも「質問内容に答えろ」だから答えは無用じゃなくて・・・あれ?w
120%以上は、私自身、書いてて顔が赤くなるほど甘かったため、やめときましたw
>>9様
毎回読んで下さっているようでありがたいです。本当に嬉しいです。
>>10様
また私ですみませんw
>>11様
塩w私はこの程度の甘さなら平気ですので他の皆さんに私の分の塩をお配りしますw
>>12様
期待に添えれるよう、頑張りたいでぃす!
>>NEOVARS様
じゃあちゅっちゅっしてるSS書いちゃいますかねw
>>名前を表示しない程度の能力様
もしかしたらレベルダウンしたかもしれません(ぇ
甘さはもっと甘くしてみますw
>>15様
のどさんと呼ばれるとやっぱり照れると同時に嬉しいですw
そしてすみませんでしたぁ! 誤字には気をつけているのですが……訂正しました。
>>16様
gjありがとうございます!
>8
糖尿病レベルの話じゃなくなるwwww
甘いですかね。
200%は流石にあうとですけどねw