霧の深い朝のホーム。
そこに一台の電車が止まっていた。
小さく、所々が老朽化したホームに人の姿は無く、ただ静かに朝の光が差し込んでいた。
半刻後、ホームに足音が入ってくる。
正確なリズムが改札口に方から響いてきた。
八雲紫であった。
紫は背筋を真っ直ぐに伸ばしホームに入ると脇目も振らず、開きっぱなしのドアから電車へと乗り込んでいった。
途端、無人の電車内に灯りが付き、目玉が光る。
紫はただ真っ直ぐに運転室を目指した。
無人の車内には淋しく二列の吊革がぶら下がっている。
彼女が近づくと運転室へ続くドアが自然に開き、また閉まった。
運転室はしばらく放置されていたとも思えぬ清潔さで、埃の一つもない。
古ぼけたホームとは対照的な色合いを放っていた。
紫は朝の運転室で背伸びをすると突如、服を脱ぎ出した。
傘を立てかけ、法衣を乱雑に放り投げる。
恥ずかしげもなく下着姿になり、隣に掛けてあった制服へと手を伸ばす。
真っ白のブラウスに上着を羽織り、ズボンのベルトを締める。
仕上げに制帽をかぶって長髪を束ねた紫は手鏡で自分の姿を確認し、「よし」とポーズを取った。
えへへへへ。
えへへへへ。
しばらく、気味の悪い笑いが響いていたが、やがて紫が「出発進行っ」と声を上げると電車は静かに動き出した。
「ゴー、ゴー」
紫の手拍子とかけ声に合わせて、三両きりの無人電車はゆっくりと廃ホームを出発した。
電車は間もなく大きく右に逸れ、線路を離れて走り始めた。
紫は胸元のホイッスルを吹いた。
どんどんスピードは増し、景色が飛んでいく。
景色とはいっても、畑や森や畦道ばかりで遙か前方に大きな山々が霞んでいるばかりだ。
気分が良い。
紫は意味も無く、敬礼した。
電車は畦道の上を走っていく。
振動は大方感じられない。
紫ははしゃいでいたが、その内真剣な表情をして咳払い、手元のスイッチを押した。
キーン、と耳障りなスピーカーの音が続く。
「ご、ごじょう」
噛んだ。
再び咳払い。
「ご乗車ありがとうございます、この列車はスキマ発博麗神社行き。運転手は八雲紫」
紫は高笑いし、計器類を叩いた。
「八雲紫です。ご覧ください、前方に見えますのが妖怪の山。あちら側は竹林です。今日はよく晴れております。乗車時間は30分程。ゆっくりご乗車ください」
紫は声色を使って、真面目顔で喋った。
気分は最高に良かった。
しかし、いかんせん5分も話すと内容が無くなる。
どうしたものか。
困った紫は童謡を歌い始めた。
「汽車、汽車、しゅっぽしゅっぽ。しゅっぽしゅっぽしゅっぽっぽ。僕らを乗せて、しゅっぽ、しゅっぽしゅっぽっぽ」
やはり、これも喉が疲れる。
長続きするものではないのだ。
歌い疲れた紫は息を切らして、運転席に深く腰掛けた。
電車は自動で走っているわけであり、特にすることもない。
どうしよう。他に何かすることはなかっただろうか。
紫はすぐに思いつき、「ピン」と指を鳴らした。
途端に表情が明るくなる。
「本日の車掌は八雲紫。八雲紫です。只今より車内を見回ります」
紫は勢いよく立ち上がると、制帽をかぶり直し「よし」と呟いて運転室に背を向けた。
相変わらず、電車は走っている。
ドアがまたもや自然に開き、客席スペースへと紫を招き入れる。
紫は勢いよく敬礼して、頭を下げた。
「これから、車内の見回りをいたしますっ」
顔を上げると、先程まで空席だった所に狐が腰掛け笑っていた。
そこに一台の電車が止まっていた。
小さく、所々が老朽化したホームに人の姿は無く、ただ静かに朝の光が差し込んでいた。
半刻後、ホームに足音が入ってくる。
正確なリズムが改札口に方から響いてきた。
八雲紫であった。
紫は背筋を真っ直ぐに伸ばしホームに入ると脇目も振らず、開きっぱなしのドアから電車へと乗り込んでいった。
途端、無人の電車内に灯りが付き、目玉が光る。
紫はただ真っ直ぐに運転室を目指した。
無人の車内には淋しく二列の吊革がぶら下がっている。
彼女が近づくと運転室へ続くドアが自然に開き、また閉まった。
運転室はしばらく放置されていたとも思えぬ清潔さで、埃の一つもない。
古ぼけたホームとは対照的な色合いを放っていた。
紫は朝の運転室で背伸びをすると突如、服を脱ぎ出した。
傘を立てかけ、法衣を乱雑に放り投げる。
恥ずかしげもなく下着姿になり、隣に掛けてあった制服へと手を伸ばす。
真っ白のブラウスに上着を羽織り、ズボンのベルトを締める。
仕上げに制帽をかぶって長髪を束ねた紫は手鏡で自分の姿を確認し、「よし」とポーズを取った。
えへへへへ。
えへへへへ。
しばらく、気味の悪い笑いが響いていたが、やがて紫が「出発進行っ」と声を上げると電車は静かに動き出した。
「ゴー、ゴー」
紫の手拍子とかけ声に合わせて、三両きりの無人電車はゆっくりと廃ホームを出発した。
電車は間もなく大きく右に逸れ、線路を離れて走り始めた。
紫は胸元のホイッスルを吹いた。
どんどんスピードは増し、景色が飛んでいく。
景色とはいっても、畑や森や畦道ばかりで遙か前方に大きな山々が霞んでいるばかりだ。
気分が良い。
紫は意味も無く、敬礼した。
電車は畦道の上を走っていく。
振動は大方感じられない。
紫ははしゃいでいたが、その内真剣な表情をして咳払い、手元のスイッチを押した。
キーン、と耳障りなスピーカーの音が続く。
「ご、ごじょう」
噛んだ。
再び咳払い。
「ご乗車ありがとうございます、この列車はスキマ発博麗神社行き。運転手は八雲紫」
紫は高笑いし、計器類を叩いた。
「八雲紫です。ご覧ください、前方に見えますのが妖怪の山。あちら側は竹林です。今日はよく晴れております。乗車時間は30分程。ゆっくりご乗車ください」
紫は声色を使って、真面目顔で喋った。
気分は最高に良かった。
しかし、いかんせん5分も話すと内容が無くなる。
どうしたものか。
困った紫は童謡を歌い始めた。
「汽車、汽車、しゅっぽしゅっぽ。しゅっぽしゅっぽしゅっぽっぽ。僕らを乗せて、しゅっぽ、しゅっぽしゅっぽっぽ」
やはり、これも喉が疲れる。
長続きするものではないのだ。
歌い疲れた紫は息を切らして、運転席に深く腰掛けた。
電車は自動で走っているわけであり、特にすることもない。
どうしよう。他に何かすることはなかっただろうか。
紫はすぐに思いつき、「ピン」と指を鳴らした。
途端に表情が明るくなる。
「本日の車掌は八雲紫。八雲紫です。只今より車内を見回ります」
紫は勢いよく立ち上がると、制帽をかぶり直し「よし」と呟いて運転室に背を向けた。
相変わらず、電車は走っている。
ドアがまたもや自然に開き、客席スペースへと紫を招き入れる。
紫は勢いよく敬礼して、頭を下げた。
「これから、車内の見回りをいたしますっ」
顔を上げると、先程まで空席だった所に狐が腰掛け笑っていた。
紫の予想外に秘封倶楽部が乗ってるかと思いましたか゛、狐でしたか
惜しい
しかし聞かれてたのがわかったときの心境はどんなものなんだろうか
あとBLANKEY LOVE!
仕事中何と無く北○の拳の将星の男をモノマネしたら知らない人に聞かれてた事を思い出しました
まあ俺も電車乗るときは運転席の窓をのぞいてるけど
しかしこれは非常に恥ずかしいwwww
の流れだなwww
しかし紫かわいいww
もえころされる!