夜も更けた神々の山。百鬼夜行の闊歩する真の闇。草木も眠る、と言うが神も眠る。それも、高いびき。地鳴りのように響くソレを確認して、早苗はそっと部屋を抜け出し月下へと歩きだした。
巫女に負けた。魔法使いに負けた。自分はもっと強くあらねばならない。自らの敗北は、ひいては神奈子の神格をも貶めるが故。月明かりの下、草原の中心で立ち尽くす。
小さき胸に秘めるは那由他の信仰心。
万感の想いを込めて。
全ては、大好きな二柱の為に。
「ひ、ひぁ……」
唇が乾く、しかし、恥ずかしがってはいられないのだ。紡ぐべきは英雄の言葉。超えるべきは英雄になる試練。
「ひ、ひぁうぃー、ごー!!」
早苗の言霊が、夜風に紛れて消えた。
草葉の陰から二人の神が覗いていたことを早苗は知らない。
「あの娘のカタチから入ろうとする所、諏訪子にそっくりだね」
「あぅ……」
神は、人知れず雫で地面を濡らしたと云う。
◇ ◇ ◇
数ヵ月後、そこには幻想郷の空をフランクに駆け巡る早苗の元気な姿が!
あとがき吹いたwww
そんな早苗さんを見た二柱の心境はまさにマンマミーア。
…あれ、でも霊夢もみんなも空を飛べr(マンマミーア