天災革命３

レ｢本気でお久しぶり」
フ｢凄まじく久方ぶりの投下だよ」
レ｢さて、現在漫画化されてるお話の続編よ」
フ｢っていっても少なめだけどね」
レ｢それじゃあ始まり始まりー」













どうも、骨の髄まで健康マニア。
図太く長く、が信念の因幡てゐです。
最近面白いノートを手に入れちゃいました。
『⑨でも解る体ノート』とか表紙に書いてあって中には既に複数の人の名前が書いてあるんですよこれが。

「ちょっとてゐ、あんた何掃除サボってんのよー」
「うげ、鈴仙」
「何よその反応」
「い、いやなんでもないよー」
「??」
「掃除するからあっち行って頂戴」
「あ、こら、押さないでよー」

はあ、鈴仙にバレたら即焼却炉に入れられかねない。
こちとら命を張ってあの風見幽香の家からパクって来たんだから。
盗難届けが出されてたら困るから暫く隠し持っていた苦労をここでパーにしたくない。
でもあの風見幽香が極秘裏に処分しようとしていたノートだ、何か重大な秘密があるのかもしれない。
上手くいけば強請れるかもね、うさうさ。



『きゃざみ　ゆぅーか　　　　ぢ』



……………見なかった事にしよう。
これはＰ○Ｄとか『聞いて向日葵』の次元じゃない。
女として、生き物として致命的だ。
同じ女として黙っておこう、自分の明日の為に。

「しっかし書けば効果が出るってか、誰で試そうかなー」

紅魔館に鰤が降って来たとか、白玉楼の姫様がワッフルと結婚しかけただとか変な記事が出回ってたけどこれが原因だったとは。
全部これに書いてあることだよ。

「よし、鈴仙で行くか」

って書くものないや。
仕方ない、ここから一番部屋が近いマチョリーに借りるか。



「マチョリー、何か書く物貸してー」
「あらてゐ」

上半身裸でダンベルを軽々と持ち上げる変態を即座に視界から外し冷静にペンへ視線を向ける。
机の上にあるあれはどう見てもペンだ。
This is a pen.
トムでなくても解るよ。

「って重っ」
「私の握力に耐えれるように特注で作ってもらった鋼鉄のペンよ。重量五キロ」
「う、腕が……」
「まったく軟弱な体でねぇ、そんなんじゃ生きてけないわよ??」
「そ、そこまで鍛えんでも生きてけるわよ」
「で、なんて書きたいの??」

それを聞くか。
ってか普通のペンは無いのか??

「私が代わりに書いてあげるわよ」
「えーと、ここに『鈴仙・優曇華院・イナバ　　ようじょ』」
「何の意味があるのかは解んないけど、解ったわ」

さらさらとあのクソ重たいペンを軽やかに走らせると、異常な達筆で書いてくれた。
私より綺麗な字というのが腹が立つ。
見た目と反して変なとこだけハイスペックだな。

「これでいいのね??」
「そうそう」
「はい」
「ありがと」

よし、それじゃあ効果を見に行くとするか。
さぞかし面白い事になっているだろうからね。


「我がマイジャスティスッ」
「し、師匠が壊れたー」
「早く、早く鈴仙様を確保っ、このままじゃお持ち帰りされちゃう」
「誰か増援をっ、これ以上押さえられないっ」
「誰でもいいからマチョリーよんでこーーーい」

そこは戦場だった。
脅えて泣くちっこい鈴仙。
興奮しまくってぶっ壊れた師匠。
必死に押しとどめるウサギ達。
一歩間違えばこの話はＲ指定だろう。

「このノートの効果は凄いな………、よし、もういっちょいって見るか」


『八意　永琳　　覚醒』



「何故かしら、急に世界平和について実に的確な意見を述べられそうな気分になったわ」
「じゃあ世界平和の前に落ち着いてくださいっ」
「ふふ、ゴンザレス。目の前に私の理想が居るのにどうして落ち着けるの??」
「ああ駄目だこの人」


ホントに駄目だこの師匠。
別の方向に覚醒しちゃってるよ。

「みんなー、何を騒いでるの??」
「おー姫様」
「てゐ、この騒ぎは何??」
「んー、師匠が発狂した」
「え??」

私が指差すと、姫様をそっちを向きそして真っ青になった。

「えーりん、だめぇーーーーー」
「http.tottemoannsinn.ygokoro.co.jp」

姫様の捨て身タックル。
SMAAAAAAAAAAAAAAAAAASH!!
師匠に9999ポイントのダメージ。
師匠は意識を失った。

「あ、あわびゅっ」
「ああ、永琳っ」

さて、押し付けておいてなんだけど、どうしたものか。

「永琳から変な汁が出てるし、こっちのちっちゃい子は鈴仙みたいだし」
「姫様、落ち着いてください」
「で、でも、でも」
「大丈夫です、師匠はほって置いても復活するじゃないですか」
「そ、それもそうよね」

ナイスゴンザレス。
とりあえずこの字を消せば効果が切れるかな??
…………やべえ、インクだからまったく消えないじゃないか。
しかも物凄く濃く書かれてるし。
クソッ、重さ五キロのペンで書かすんじゃなかったっ。

「って今更後悔しても遅いっ」

何か、何か方法が書かれていないのか??
えーと、えーと前のページには……………。
『解除』
これか、これなんだな。

「チャップリン、書く物借りるよっ」
「へ??」

近くのチャップリンの部屋に駆け込み鉛筆を手に取る。
背後でなにやら殺気を感じるが、無視。

『解除』

終わった。
そとで鈴仙の声もしだしたし、師匠も正気に戻ったのだろう。

「ねえ」
「んー??」
「さっき私の名前、呼んだよね??」
「あ」

















「どうしたの、そんなボロボロで」
「うるさいマチョリー、黙って埋めるの手伝え」
「はいはい」

今ならわかる、これは碌な品物じゃないと。
風見幽香が焼却しようとした理由も解った。
でも少し勿体無い気もするので箱に入れて地中奥深くに埋めておこう。

「願わくば、誰も見つけませんように」

ところで、このノート作ったのって誰なんだ??










「へっくし」
「どうしたのレミィ」
「いや、誰か私の噂してるわね」
「あなたの??」
「何よその目は」
「別に、なんでもないわ」
「ところでパチェ、あのノートどうなったかしら??」
「さぁ、もう処分されてるんじゃない??」
「結構いいできだったんだけどなぁ、運命改変能力持ちのノート」
「イタズラ、にしては上出来だったわよね」
「「はっはっはっ」」


「ほう、あのノートを作ったヤツを探して数週間、とうとう見つけたわよ」


「「か、風見幽香……」」
「絶対に許さない、許しはしないわ。おっと、ここから先は自主規制よ??」
「た、助けてさくや～」
「こ、こあくま～」
「それじゃあ始めましょうか♪」


完

まず最初にお久しぶりです。
皆様覚えておいででしょうか??
まずお知らせがあります。
pixivにて熊猫氏が私の作品を四コマ化してくれました。
『天災革命』で出てきますので是非。

では、また会いましょう。