その日、二人の恒例とも言える喧嘩は酷かった。
「ああっもう!また書けなかった!」
「永琳の馬鹿!」
二人にとっては既に殺し合いでは無く、ストレス発散の為の戦いと化していた。
妹紅のほうは、手紙で気持ちを伝えようと必死に机(防火性)に向かって書いていたが、
書いていると恥ずかしさのあまり、無意識に燃やしてしまうのを繰り返し、用意した紙を全て灰にした。
《拝啓、慧音様
木々の葉も鮮やかに色づいてきました
いかがお過ごしで・・・。》
「私らしくない!」
《結婚してくれ!》
「ストレート過ぎだ!」
そんなことを繰り返して、用意した紙(100枚入り)を全て灰にしてしまった。
そして、全てを灰にしてしまった所で、ちょうど輝夜から決闘を申しこまれた。
イライラしていたし、ストレス発散にはちょうど良かった。
輝夜のほうは、永琳を何度も呼んでも来ないので、永琳の所に行ってみたら。
「うひょ!!!!!これで慧音と《ねちょ過ぎます!》をやったり、逆に私が《子供は寝なさい!》されたり!」
「えっ、永琳?」
「子供は二人かしら?けどサッカーが出来る人数も捨てがたいわね!」
「もう!永琳たら!!!!!」
永琳は既に理性の限界点を突破しながら、薬を作っていた。
《なにが生える薬》
《これであなたの性欲もバーサークになる薬》
《惚れ薬》etc・・・。
どの薬も、普段の永琳ならば絶対に作るはずの無い薬の数々が作られていた。
さらに酷いことに、
「師匠!もう止めて下さい!もう私が壊れてしまいます!」
「優曇華?次は《体の感度を上げる薬》を試薬するからね?」
ほのかに優曇華が赤みを帯びた頬で、切なそうに喘いでいる。
しかも時折、体が痙攣したように弓なりに反らす。
いつから私は《東方夜伽話》のほうに紛れ込んだのだろうか?
目の前には恐ろしい程にねちょい空間が展開されている。
今、この空間に足を踏み込んだら確実に《東方夜伽話》のほうに投稿しなければならない話になるだろう。
見なかったことにしようと考え、私は永琳の部屋から立ち去ろうとしたのだが、
永琳が私に気づき、確実に切れては行けないものを切れた眼で、
「あら?輝夜もしたいの?」
私は確かに歳だけはとっているが、ねちょいほうは全く無縁にだったので、
こんな事態の対処方法なんて判る筈が無い。
私は全力で逃げていた。
そして、いつの間にか妹紅の家に着いており、ストレス発散の為に決闘を申し込んでいた。
夜空に花火が上がっている。
あれは?竹林の方?また姫と妹紅が戦っているの!?
姫の決闘=慧音が来る!
私の心が有頂天!
私は急いで今まで作っていた薬をバックの中に詰めて決闘の場所に向かった。
やはりそこには妹紅を心配した、慧音が下で心配そうに見守っていた。
~以下脳内妄想~
「慧音?栄養ドリンクでも飲まない?」
「わぁ、ありがとう永琳!」
《ねちょねちょ空間で行われる、ねちょい戦い~ベットが戦場~》
「わぁ、永琳といつの間にか寝てしまった!」
「責任を取るわw結婚しましょう!」
「幸せになりましょう!」
~終了~
完璧だわ!問題点すら見当たらない!
寧ろ完璧すぎて自分の才能が恐ろしく感じてしまうわ!
やはり子供はラグビーが出来る位が一番良いわね!
いいえ!村を作る位に作るわ!
私と慧音の愛の村!
落ち着け!私!Be Cool!
慧音は何時ものように妹紅が竹林で喧嘩を始めて、妹紅が死なないと解りつつも竹林に向かった。
ここ何年かであの二人の喧嘩は、互いのストレス発散の為の喧嘩になっている。
しかし、死なないといえ命を懸けた戦いは良いものではない。
私が思うに、あの二人が心から会話すればきっと一番の親友になれるんじゃないかと推測している。
その為に、輝夜の保護者である永琳とも互いに連絡を取り合って、二人の仲を進展させるように努力している。
私が色々と考えながら二人の戦いを眺めていると、永琳がいつの間にか私の近くに来ていた。
「また、あの二人は戦っているのね(慧音キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!)・・・。」
「ああっ、しかし段々と殺し合いと言うよりかは、互いのストレス発散になっているからいい傾向だろう。」
「巻き込まれるほうは堪ったもんじゃないけれどね(落ち着け私!Be Cool!(;゚∀゚)=3ハァハァ)。」
確かにあの二人の喧嘩は、周りの者にしてみれば堪ったものではない、幻想郷でも強いクラスに入る二人の喧嘩。
しかも、相手を殺す為に力が込められているので威力も普通の弾幕の比では無いほどに強い。
そんな弾幕が人に当たればひとたまりも無いが、幸い二人が戦う場所は人気の無い竹林なので、竹林が被害を受けるだけだ。
「ところで?慧音?疲れているようだけど?栄養ドリンクでも飲まない?」
そう言って、永琳は持ってきた薬を渡そうとしたが、持ってきた筈の薬が何処にも見当たらない。
確かに、永遠亭から出る際に再確認までして持ってきたはずなのに忘れてしまったようだ。
「あら?ごめんなさい、忘れてきてしまったようだわ・・・。(NO━━━━━━(iДi)━━━━━━!!!!!。)」
「そうか、残念だ。」
その頃、少しはなれた竹林で古明地 こいしが永琳印の薬を手に喜びの顔で家路に着いていた。
『この頃なんだか、お姉ちゃん疲れているみたいだから喜ぶだろうなぁ。』
最近、彼女の姉の古明地 さとりは地上との交流が始まったせいで、管理者としてする仕事が増えてしまい少し疲れているようだった。
まぁ、主にペットの二人が地上に遊びによく行くせいで、地下の仕事が放置されていたりするからだが・・・。
さらに加速していくカオスワールド
それと、永遠亭在住の鈴仙・優曇華院・イナバ様、このたびは大変な災難でした。
生きて・・・・・・ますよね?