某日 プリズムバーハウス
─ ルナサ・プリズムバーの場合 ─
体内時計の通りに起床。私の体内時計が正しければ今は早朝の4時のはず
正直な話、非常に起きるのが辛い。何故なら低血圧だから
騒霊に血が通っているのか?と言うのは野暮だ、忘れていもらいたい
とりあえず体を起こし、頭が完全に目覚めるまでボーっとするのが私の日課になっている
それでは早速始めよう
ボー・・・
ボー・・・
ボー・・・
よし、たっぷり1時間はボーっとした。満足満足
頭も働き始めた所で、寝巻きから普段着に着替える
勿論細かい描写なんてするはずもない。アナタ達の心の中で存分に覗いてくれ
愛用のバイオリンを手に持ち、朝の軽い練習をす・・・
・・・
・・・何だろう、バイオリンが妙に変わった形に変形してしまっている
あの鮮やかな曲線が見る影も無く、変わりに流線型の鋭い形になってしまった
更に今更気付いたが、いつの間にか黒くて大きい箱が部屋を占領している
はてさて、どうしたものか。このバイオリン・・・いや、バイオリンに見えないからバイオリンもどきか
兎に角いつも使っているバイオリンが見当たらない。これは由々しき事態だ。今日はコンサートもあると言うのに
もし見つからなければゲストに呼んだミスティアに申し訳ない事になってしまう
しかし待てよ、確かにバイオリンでは無いが弦楽器には変わりないはず
・・・弾いてみようか
よし、そうと決まれば・・・どうやって持つのかしらこれは
こうでもない・・・ああでもない・・・ああそうか、この紐で首から掛けるのか
弓は・・・見当たらない。ふと、近くに鉄の欠片の様な物を発見。とりあえずこれで弾いてみよう
せーの
ドゴーン
─ メルラン・プリズムバーの場合 ─
「ファープルスコファー、ファープルスコファー」
目覚ましの音で起床。現在早朝の4時。うん、今日もテンション絶好調
とりあえず目覚ましを止めよう。そぉい!
「モルスァ」
ん、相変わらずよく飛ぶ目覚ましね。さて、とりあえず着替えますか
勿論細かい描写はしないわ。自分で想像するから価値が上がるものなのよ。・・・って言っておきなさいって姉さんが言ってた
それにしてもまた胸が重くなったわね。その内あの死神を超えるんじゃ・・・ゴメンナサイ調子こきました
さてさて、いっつもなら外に出て朝の練習をするわけなのですが・・・
・・・私の愛用のトランペットは何処に?むしろ楽器全般が何処に行ったのかと
変わりに置かれていたのは一つのオカリナと数枚の楽譜
いや確かに吹奏楽器全般得意ですけど、私にオカリナでどないせーと
今の時間帯だと姉さんは意識飛んでるだろうし、リリカは寝てるだろうし
・・・まいっか、細かいことは気にしちゃいけないわ
せっかくだから吹いてから考えましょ。えーと、この楽譜の曲でいいかな
ぽぺぴー ぽぺぴー ぽぺぴぺぽー ぽぺぴぷぷー ぽぺぽぽー
「○ンク、呼んだ?」
へ?どちらさまですか
「あれ?おかしいな、呼ばれた気がしたのに」
いや、だからどちらさまでしょうか。オカリナの精ってわけじゃないでしょうに
「へ?私?私はサ○アって言うの。で、こっちも聞くけどあなた誰?」
私の名前はメルランって言うの。・・・じゃなくて、どうなってるのこれ
「どうなってると言われても・・・強いて言うならオカリナの力と私の歌の魔力?」
疑問系ですか
「ところで、何であなたがそのオカリナを持っているの?」
こっちが聞きたいわ。何で私の部屋にこんなオカリナが・・・
ドゴーン
─ リリカ・プリズムバーの場合 ─
・・・
フガ・・・
・・・
ルナ姉どいて!そいつ殺せない!
・・・スカー・・・
・・・
全テハ塵ト化ス・・・
・・・
ドゴーン
─ 三姉妹が揃った場合 ─
ここはプリズムリバー邸があった場所
そう、我らがプリズムリバー邸は欠陥住宅の倒壊よろしく見るも無残な瓦礫と変化している
その瓦礫の一部が動き始める
モゾモゾ・・・ボゴォッ!
「ぶはぁー、はぁー、一体何なによー・・・」
そこから出てきた上半身は白の塊。もとい、メルランだった
手に握られていたのは例のオカリナと楽譜である
と、今度は違う場所で瓦礫が動き始める
モゾモゾ・・・ボゴォ!
「く、苦しい・・・」
そこから出てきたのは赤い塊。もといリリカ
瓦礫の中がどうなっているのか分からないが、何故か頭と両手両足だけがちょこんと出ている
更に違う場所で瓦礫が動き始める
モゾモゾ・・・ボゴォ!
「・・・!!」
そこから出てきたのは・・・足。素敵なくらいに美しく、引き締まった足。思わず頬ずりしたくなる太股
そもそもどういう原理で下半身だけが出てくるのか、悲しいことに誰も聞くことはできなかった
暫く暴れるおみ足を眺めていたメルランとリリカだったが、どうかしようとは思わなかった
何と言ったって自分も動けないのだから仕方が無い
なので
「ねえ、リリカ。やっぱり姉さんには黒の派手なのが似合うと思うんだけど」
「いやいやメル姉。服が黒ければやっぱり純白が映えるわ」
「なるほど、それは盲点だったわねぇ」
こんな流れや
「ところでメル姉、ルナ姉の足ってなんであんなに美脚なの?」
「姉さんの事だから何もしてないでしょうねぇ。天性の才能じゃないかしら?」
こんな流れになってしまうのも仕方の無い事なのだ
その後、何時まで経ってもコンサート会場に現れない三姉妹にネタの臭いを感じ取り様子を見に来た天狗が
足談義を続けていた二人の話の輪に加わり、三時間ほど論争を繰り広げ
結果、ルナサが救出されたのは埋もれてから約8時間ほど経ってからだったそうな