Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

八本の足の山

2006/02/15 01:58:18
最終更新
サイズ
4.36KB
ページ数
1



 十六夜咲夜がそれを見つけたのは人里の市場であった。
 幻想郷においては非常に珍しいソレ。興味を引かれ思わず買ってしまった。
 そうして今、まな板の上のそれと睨めっこをしているのである。
「買ってきたのはいいけれど、どうやって調理するのかしら」
 不敵にまな板の上でうねうねと蠢くソレ。
「パチュリー様のとこになにかあるかしら」
 とりあえず図書館で調べる事にした。




 再び厨房の扉が開かれたのはそれからわずか5分後。
「咲夜? いるの?」
 扉を開けたのはレミリア。なにかおやつが無いかと探しに来たのだろう。
 そして、まな板の上のソレに気づく。
「なにかしら、これ……」
 テラテラと光る大きな頭。突き出た目玉らしきもの。
 円状の何かが沢山ついている脚が8本。
 蛸と呼ばれるソレをレミリアは知らなかった。
「うわ、気持ち悪。もしかしてこれ今晩のおかずじゃないでしょうね」
 まな板の上にのっているあたり非常に怪しい。
 よし、今晩のおかずは食べないことにしよう。
「さて、それよりも何か食べるものは無いかしら」
 キッチンの下の戸棚を物色する。が、なかなか出てこない。
 戸棚から突き出た尻が揺れるのは見る人が見れば鼻血物であろう。
「おのれ咲夜。隠し場所を変えたわね」
 そうやって戸棚に上半身潜りこんで探していると、不意に尻にべちょりと何かが落ちてくる。
「ちょっと咲夜。塗れた手でお尻に触るのはどうかと思……」
 振り返ったレミリアと蛸の視線が交差する。
「……」
うねうねうねうね。
「……」
うねうねうねうね。
「……」
うねうねうねうね。

「いっやぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
 それはレミリアにはまったくの未知の感触。
 蛸の水気を吸って肌に張り付く冷たい下着。その尻の上を這い回る8本の触手。
 慌ててひっぺがそうと蛸の脚を引っ張るが逆に腕が絡め取られる始末。
 しまいには。

 ぶぴゅ。

 墨まで顔射されてしまう。
 渾身の力で蛸に対抗するが、ぬめりぬめりとかわし逆にどんどん体を絡め取られる。
 しかも一本は執拗に鎖骨をまさぐってくる。
 レミリアの鎖骨。
 襟のない何時もの服からちらりと除く鎖骨。
 少女の未発達さを残したそれは、年老いる事のない少女だけがもつ美しいライン。
 それを今醜い触手が蹂躙している。
 おやつをつまみ食いしようとした罰なのか。いや罰にしてはこれは酷すぎる。
 ギリギリと締め上げてくる蛸にレミリアは失神寸前であった。
「さくやああああ~~~!」









「ふう、意外に時間がかかったわね」
 図書館に調べに行ったはいいものの、さすがに魔道書が9割を占める図書館で調理法など見つかるはずもなく。
 ダメもとで美鈴に聞いてやっと調理法が判明したのである。
「ほんとにおいしいのかしらねぇ」
 美鈴に聞いた調理法は聞く限りではあまり美味しそうに見えなかった。
「いやほんとおいしいですって! 騙されたと思って作ってみてくださいよ!」
 必死で薦めてくるのと、それ以外に調理法が見つからなかったのとで結局作ることにしたのだった。
「捨てるにしても勿体無いしねぇ」
 そうして、厨房の前まで来たところで、中からくぐもった悲鳴が聞こえてくる。
「……この声は!? お嬢様大丈夫ですか!!」
 ドアを開け放った先にあったのは。

「さくやぁぁぁ……ガクリ」

 8本の足によって文字通りのオクトパスホールドを決められ、失神した主人の姿であった。







「う……う~ん……ここ、は……?」
 レミリアが目覚めたのは自室のベッドの上。
「あ、お嬢様。お目覚めになられましたか?」
「咲夜……? どうして私はここに?」
「お嬢様は厨房で御倒れになられてたんですよ。」
 いまいち頭がはっきりしない。厨房に行ったとこまでは覚えているのだが。
「それよりも夕食ができていますよ。お食べになられますか?」
 そういえばお腹が減っているのを思い出す。
「ええ食べるわ。今日のメニューはなにかしら?」
「市場で珍しい食材が手に入ったので調理してみたんです。意外においしいですよ?」
 そういって差し出された皿に乗っているのは、団子のようなものにソースと青海苔がかかったもの。
 フォークで取り上げ、一口食べれば表はさくっと、中はトロリ。それにソースの甘辛が絶妙だ。
 ついついパクパクと全部食べ切ってしまう。
「ふぅ、おいしかったわ咲夜。これはなんという料理?
「ええと、美鈴によればTA-KO-YA-KIというらしいです」
「た……こや……き?」
「ええ、お嬢様に不逞を働くけしからん蛸でしたので切り刻んで料理にと……、お嬢様?」
 レミリアの脳裏に失われていた記憶がフラッシュバック。
「たこ、いやああああああああああああああ!」
 SANチェック失敗。


――不夜城レッド発動。
――スカーレットシュート発動。
――紅色の冥界発動。

 部屋中に紅色の弾幕が充満する。
「お嬢様ー! お気を確かに!!」
「いやー!たこいやなのー!!」
「れみりゃ化!? へぶぅ!!」






 その後れみりゃ化し暴れまくるレミリアを取り押さえ宥めるのに霊夢魔理沙まで呼び出される始末。
 お嬢様が疲れて眠ったのはその5時間後であった。
 以後、紅魔館では蛸やイカといった多足類の水棲生物の話題は厳禁となった。


葛飾北斎が偉大すぎる件について。
シュキバリアン
コメント



1.煌庫削除
ぶっ!何気にエロいでゲスな。更に言えば今後美鈴がたこ焼き食ってそうでなんかその、ともあれおもろかったです。
2.ななし削除
れみりゃはタコが苦手か
ちなみにれみりゃの2つ名はスカーレットデビル
タコは英語でオクトパスのほかにデビルフィッシュというらしい
3.閻魔のお婿さん削除
こーのエッチめ!w
4.名無し妖怪削除
しきりに鎖骨を撫で回すうらやましい触手について子一時間語り合おうか
5.ルドルフ削除
あなたの中の葛飾北斎について一晩語り明かした後マッパで国道をスキップしたい
6.Tao削除
偉大だよねぇ、北斎。
7.名無し妖怪削除
アリキック4発目からのオクトパスホールドはお嬢ちゃんのトラウマになるよ
8.名前が溶解削除
烏賊は手があっても蛸には手がない件について
9.名前が無い程度の能力削除
>ぶぴゅ。
>
>墨まで顔射されてしまう。

フイタwいや抜いた。