Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

でもさぁ

2006/02/14 14:30:48
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 幻想郷の気候は日本の平均的なソレと同じだろう。
 年が開けてから幾日も経ったが寒い時期は寒い。
 人間のように僅かな寿命を持つ種族には時間が過ぎるのも惜しいものだろうが、妖怪にしてみればどうか。
 長く怠惰なその生をどれだけ暇潰しに費やせるか、だろう。極論すれば。

 時にそれは人間を弄ぶ事に始まり、軽い弾幕戦から幻想郷中を巻き込む異変を起こすに至るまで。
 妖怪とはそういったもので。

 ただ、そんな彼女らも苦手な時間、つまらない時間は長く感じる。
 そして今の時期は寒い。
 寒い。
 何でも良いので寒い。
 冬が妙に長く続いたという異変もあった気がするが今はそんな事は関係ない。

 外が雨だ。そして時間は夕方だ。

 そして鈴仙は寒いのが苦手だ。兎の癖に。兎の癖にというのも語弊があるがとにかく苦手なのだ。そして苦手な時間は早く過ぎて欲しいと逸る気持ちに反比例して長い。
 雨のおかげで極端に気温の下がった永遠亭の一角の一室の角っちょで蹲りながら鈴仙は凍えていた。針が刺さるような感触になんとか耐える。

 ちなみに冷える元凶であるミニスカートは信条なので着替える事は許されない。主に永琳が許さない。てゐも許さない。
 そしててゐは何故あんな薄着なのか小一時間問い詰めたい。

 あーもう寒い
 寒い
  さ
   む
    い
     !

 寒いと口に出すのも億劫です!
 寒すぎて鈴仙はある生理現象の発生に気づいた。寒い時には腹が冷えるのでトイレへ行きたくなるものだ。
 仕方が無いので月の兎は頭から毛布を被る。動きたくないとせがむ脚を無理やり奮い立たせて、長い廊下を走り出す。
 『トイレへ行くときは今現在の位置から最も遠い場所を利用しさい』という永琳直々の教えに素直に従い、広い永遠亭にいくつも配置トイレの内、奥まった位置にあるものを探す。
 ―――なんで遠い場所なんだろう。 当時の鈴仙には聞き返せなかった。

 白い息に視界を遮られながらも無意味なことを考えていた鈴仙は、気付いた頃には目的地の扉の前に着いていた。
 特に急ぐほどのものでもないし、と。落ち着いて戸を引いた兎は毛布の下の顔を驚愕に引きつらせた。そこでは

禁忌「ノーペーパー」

 なるものが発動していた。使いきった兎は新しいトイレットペーパーをセットしてから出るものです。これは禁忌だ。
 冷気を放つタイルの壁と紙の無い洋式便座。洋式なのは仕様。
 誰がセットを怠ったのか、と考えている場合ではない。
 鈴仙を襲った不幸はそこじゃなく、トイレの前で「やっと入れる」と、下腹部を緩めてしまった現実だった。一気に危機感に苛まれた鈴仙の脳裏に選択肢が浮かぶ。

1・別の場所で用を足す
2・むしろ紙を使わない。自然乾燥。
3・幽々子の鎖骨

 一つ目は無理だ。私の部屋から最も遠い場所であるここは、永遠亭の中でも屈指の辺境。どう見ても嫌がらせです。
 他の場所まで走るほどの余裕は無いよ。

 二つ目は……ウォシュレットなる便利道具があるとはいえ、そのままでは無理。下着が危い。へたするとてゐに指摘される。

 三つ目。鎖こtおっと私は何を!

 鈴仙は考えた。脳裏に浮かぶ鎖骨という単語を必死にかなぐり捨てて、
「あれだ!」
 遂にある案へと至った。

 
 そして鈴仙がたどり着いたのは大浴場だった。ここまでは何とか我慢できた。
 時間的にはまだ誰もいないはず、なので、プライドを捨ててここで用を足すしかないのだ。タオルもあるし、ついでに一風呂浴びて身体を暖めてしまえば一石二鳥。
 ガラっと曇りガラスの張られた引き戸を思い切り開ける。瞬間、密室に響く水音を鈴仙は聞きつけた。まさか先客が!?

 そして鈴仙の眼の先では、鴉らしき妖怪が湯船に張られた水で溺れていた。

「あぁ、ごぼっすいませnちょっと場所を間違えたみたいで! げふんっ! 白玉楼への道を忘れてしま、しまいまして!!」

 いつぞやの新聞記者だった。どういう間違え方だ。
 ――――あー、さっきから幽々子の事が頭に浮かぶのはこいつのせいか。
 鈴仙は無言で引き戸を閉めた。鴉の行水なので放ってていいや。 しかし新聞記者の乱れたブラウスから覗く、自己主張の薄い鎖骨の影に魅力を感じてしまったのは別の話。
 
 二段階にトイレの邪魔をされた鈴仙。結局彼女は、考える事を放棄した。

 ――――あぁ、幽々子の頭の後ろについてる白いアレって……トイレットペーパーに似てるよね――――
  





 この件以降、永遠亭の鈴仙・優曇華院・イナバという兎には、脱走兵という不名誉にプラスαで不名誉なレッテルが付いたらしい。


オチの方向性が全く別のベクトルに至った件について。
シュキバリアン
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コメント



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1.無評価月影蓮哉 削除
面白すぎ
2.無評価煌庫 削除
何故鎖骨かと小一時間問い詰めたい!しかし、その禁忌は恐ろしすぎる!
3.無評価閻魔のお婿さん 削除
鎖骨……それは襟元まで衣服に包まれた者どもが跋扈する幻想郷において
乳や尻ほどではないにしろ、ある意味幻想。いやむしろ手が届く位置にあ
るが故に決して届くことのない理想郷。
我らが求めるのは、天の頂に届く塔を建てるが如き愚考なのか。
それとも気が付けば、家の中にいる青い鳥を探していたに過ぎないのか。
鎖骨……あぁ、それにしても何故にこうも心乱されるのだろうか。
僕たちは求め続ける。解なき解を……便所を求めるイナバのように……
4.無評価丼 削除
続いてたーーーー!!!www
5.無評価ゆ 削除
待て落ち着くんだ、風呂場を出てはならないっ!
溺れる文の鎖骨をじっくりと観察した後、あわよくば人工呼ky(ギャストリドリーム)
6.無評価名無し妖怪 削除
ゆゆこ様の後ろのアレかよ!
7.無評価MIM.E 削除
新聞記者の鎖骨にため息一つ
8.無評価吸 削除
なんで風呂に迷い込んで溺れるんだwwww
しかし鈴仙はどこまでも不幸ですね。
9.無評価名無し妖怪 削除
鎖骨か腋か。あなたならどっち?
10.無評価名前が溶解 削除
しかしそこまで切羽詰る前に厠へ行けやというのは無粋ですかそうですね。