妖夢~?
ご飯は出来たかしら~?
あらあら、ちゃんと出来てるじゃないの、どうして声をかけてくれないの?
今日は凄いわね、ご飯が、とっても山盛りじゃないの~。
……いやいや、妖夢。
これは山盛りとかそういう次元を越えてると思う。
高すぎる。
幾ら私が大食いでも、これは少しどころじゃなくて、多いわ。
だって妖夢より高いじゃないの。
どうなってるのよ。
それでまたどうして貴女は、がばがばと容赦なくご飯を追加していくのよ。
止めなさいって、もういいから。
何、これ。
何時覚えたの、そんな嫌がらせ。
妖夢、妖夢、いいから、ちょっと手を止めて見上げてごらんなさい。
ほら、何処の山よ?
思わずHOLLYWOODとか書きたくなるわよ、いや、書かなくていいわよ!
何で張り付ける海苔まで用意してるのよ、先読みしないで。
なんていうか、もう山盛りっていうか既にロケットでしょ、この造形は。
何処まで飛ばしたいの貴女は?
違うの、是非、鈴仙を乗せてあげましょう、とかそう言う事は問題にしてないから。
そうじゃないって、ロケットから離れなさい。
……HOLLYWOODからも離れなさい。
こらっ、いい加減にして。
ちょっとそこに座りなさい、妖夢。
……ここで、ご飯の上に座るのは流れ的におかしいと思う。
器用ね、ほんと器用ね、だけど止めなさい。ね?
そう、いい子よ。
だー、盛るなって。座るか盛るかどっちかにし、ごめん、盛らないで。お願いします。
涙、出てきた。
もう盛っててもいいから、とにかく私の声を訊きなさい。
違うでしょう?
何も違うでしょう?
これが正しい食卓のあり方ですか?
主を迎える食卓のあり方ですか?
よーく、考えてみなさいよ~。
お茶碗としゃもじ持って「あなた、今日はご飯、何mくらいにします?」とか輝かしい笑顔で尋ねる家庭があるかしら?
普通の家庭はご飯を前にして、標高何mとか呼び方しないわよね?
そうよ、お米の単位は何合よ。
メートル法では計らないし、ご飯の上に登っても空気が薄くなったりしない。
まあ、山の方でも何合目とか呼び方するけれどね……何、あー上手い事いわれちゃった、って悔し顔になっちゃうのよ。
悔しがらなくていいのよ、そこは。
正解を言いますよ?
正解は、これ、この形。
御椀に対して、上に丸くこんもりこのくらいの形、これが正しい盛りよ。
解ったら、その甲斐甲斐しく盛りまくる手を止めなさい。
まだ、盛るか。
もしかして、妖夢は怒ってるの?
この間、妖夢のおやつ間違って食べちゃったうえに「半霊でも食ってろみょん!」とか逆ギレしちゃったのが駄目だったの?
違うの? そうじゃないの?
あら、違うのね。
じゃあ、どうしてこんなことするのよ。
いやいや、妖夢。
もう、塔になっちゃった。バベルの塔も真っ青。
この高さったら、49階辺りにラスボスが待っていても不思議じゃない雰囲気醸し出し過ぎで嫌。
訂正はいらないわよ、解ってて言ってるのよ。
ちょっと、ほんと、やめ……あー、さすがの私も怒ったわよ。
見てなさい。
大地震の刑しちゃうんだから。
そーれ、そーれ、卓袱台の揺れは果てしなく加速するわよ~。
あははっ、あなたのライスタワーには耐震構造的欠陥があるようね!
問題物件ね! 返金ものね!
ほらほら、どうしたの、妖夢、何とかしてごらんな――
……いたっ!
何!? さっき何出した!? 胡瓜!?
投げつけないでよ、こんなの!
痛いわよ、妙にでこぼこして! こんなの持ち歩くか普通、この、いやしんぼう! 庭がっぱ! えろみょん!
……あ、これ私が前に漬物作りかけた時の奴じゃないの。
もしかして、妖夢はあの時の事をまだ怒ってるのかしら?
違うの? そうじゃないの?
あら、そうなの。
じゃあ、なんだっていうのよ。
ふん、いいわ、そのまま盛っていってごらんなさい。
どうせ、後少しで止まるのだから。
ほら、見たこと、もう手が止まったわよ。
あらあら、天井だけは、さすがのみょんもどうしようもないみたいね~。
まさか、突き破るわけにも行かないでしょう?
泣いて謝るなら今のうちよ。
今なら許してあげるわよ。
さあ、私の胸に飛び込んできなさい!
あの~、諦めましょう?
何で目が生き生きしちゃうのよ。
逆境に強い子って素敵だけど、無理し過ぎなのは良くないと思うの幽々子。
あなたは、頑張ったわ。ここで立ち止まったとしても誰もが賞賛する。
むしろ、立ち止まれ。
……あーきーらーめーろー!
――ぎゅぅっ!
なっ!? ご飯が縮んだ!?
凄っ!
上から均等な力で押さえつけることで、極限までの圧縮に成功したのね!
そのためのしゃもじニ刀流! そのための妖夢!
気付かなかったわー!
……。
……馬鹿。
ありえないわよ。
頑張りすぎよ。
本気にならないでよ、いやよ、もう、勘弁してよ。
未来永劫斬出す時だって、そこまで必死の顔にならないでしょうが、あなた。
見てよ、アイアンライスじゃないの。
かっちかちじゃないの。
その塊に何カロリーつまってるのよ。
しかも、横から食み出過ぎでしょう?
なんか、テンガロンハットみたいな形になっちゃってるし。
どうして、こいつらは下に零れないのよ。
物理的におかしいわよ、で、横はどうす……わー、横も圧縮かけちゃうんだ。
ドッヂボールみたいになった!
うん、満足?
さすがに、もう満足よね?
満足してよ! やめてよ! もう盛らないでっ!
これ以上何を目指すって言うの!?
ええ!? 次圧縮したらアイアンどころじゃないわよ!?
スチールボールになるわよ? ご飯がよ!?
え? 望むところなの?
こやつめ、ははは。
何が、はははだ!
…………。
………。
……。
もう……いいかな?
うん……。
あのね、言いたい事はたくさんあるんだけどね。
おめでとう、オリハルコンライス。
硬いわ。すっごい硬いわ。
伝説の勇者がこれを拾ったら、迷わず武器に使うと思う、はかいのてっきゅう、とか言っちゃって。
つまり、これを人間に食べろというのは、死ねというのに等しいのよ。
消化しないのだもの。
どうぞ、とか言いつつ半泣きで勧めるのは止めて。
嬉しいのか悲しいのかすら解らないから、あなたの今の顔。
だから、本当に無理だから~、食べられませんー!
嗚呼、何でこんな――。
あ、解った。
あれでしょう?
この前、卓袱台返ししちゃったからでしょう?
それが「この卓袱台を卓袱台返ししたのは、卓袱台を返したかったから」なんて理由だったから怒ってるのではなくて?
うん、雄山でもしないよね。ごめん。
さすがの幽々子も猛省。二度としません。
だから、許して。ね?
違うの?
これも違うの?
もうっ! さすがにそろそろ心当たりが無くなって来たわよ!
大人しい私でも、怒る時は怒るし死に誘うわよ!?
ラストワード行ってみる!?
涅槃見てくる!?
嫌でしょう!?
だったら理由を言いなさいよ、然るべき理由があるなら許してあげなくもないから!
何で私に言わせようとするのよ! 心当たりがないって言ってるじゃないの!
えーと、うーんと……!
ダイエットする~とか言って五秒で止めた事?
あなたが掃除中に私がお茶を五杯も引っくり返した事?
ミスティアを美味しく育てようとして、逆に食費がかかりすぎて採算が合わなかった事?
妖夢のドロワーズのゴムに「みょんむー」とか書いちゃったこと?
あれ、ラクガキじゃなくてあなたの名前なのよ、判別しやすくしただけだから罪は無い。
あとは、そうねー、うっかり間違えて、妖夢のスポーツブラを私が付けちゃったこととか?
それ!?
来たわ! どれよ!? みょんむー? 違う? ラスト?
……ブラ?
何よ、下着くらいで。
そんな事気にしなくていいじゃないの~。
何年一緒に住んでるのよ私達、うん……うん……。
サイズ?
ああ、それは合わないわ。
仕方ないじゃない? そもそもが間違っていたのだから。
そこで落ち込む理由が、私にはまるで解らないのだけど。
女心?
だから、下着一つが、何でそんなに恥ずかしいわけ?……その後?
うーん? 私ってば、何か迂闊な発言をしたかしら?
まさか、ぺたんこって言ったから怒ってるわけじゃないでしょう?
――ごんっ。
~西行寺無余御飯~
妖夢の最大奥義、幽々子の死。
妖夢の手を離れ、究極鉱物と化したご飯が全てを粉砕する。
別名、アダマンタイ米。
ご飯は出来たかしら~?
あらあら、ちゃんと出来てるじゃないの、どうして声をかけてくれないの?
今日は凄いわね、ご飯が、とっても山盛りじゃないの~。
……いやいや、妖夢。
これは山盛りとかそういう次元を越えてると思う。
高すぎる。
幾ら私が大食いでも、これは少しどころじゃなくて、多いわ。
だって妖夢より高いじゃないの。
どうなってるのよ。
それでまたどうして貴女は、がばがばと容赦なくご飯を追加していくのよ。
止めなさいって、もういいから。
何、これ。
何時覚えたの、そんな嫌がらせ。
妖夢、妖夢、いいから、ちょっと手を止めて見上げてごらんなさい。
ほら、何処の山よ?
思わずHOLLYWOODとか書きたくなるわよ、いや、書かなくていいわよ!
何で張り付ける海苔まで用意してるのよ、先読みしないで。
なんていうか、もう山盛りっていうか既にロケットでしょ、この造形は。
何処まで飛ばしたいの貴女は?
違うの、是非、鈴仙を乗せてあげましょう、とかそう言う事は問題にしてないから。
そうじゃないって、ロケットから離れなさい。
……HOLLYWOODからも離れなさい。
こらっ、いい加減にして。
ちょっとそこに座りなさい、妖夢。
……ここで、ご飯の上に座るのは流れ的におかしいと思う。
器用ね、ほんと器用ね、だけど止めなさい。ね?
そう、いい子よ。
だー、盛るなって。座るか盛るかどっちかにし、ごめん、盛らないで。お願いします。
涙、出てきた。
もう盛っててもいいから、とにかく私の声を訊きなさい。
違うでしょう?
何も違うでしょう?
これが正しい食卓のあり方ですか?
主を迎える食卓のあり方ですか?
よーく、考えてみなさいよ~。
お茶碗としゃもじ持って「あなた、今日はご飯、何mくらいにします?」とか輝かしい笑顔で尋ねる家庭があるかしら?
普通の家庭はご飯を前にして、標高何mとか呼び方しないわよね?
そうよ、お米の単位は何合よ。
メートル法では計らないし、ご飯の上に登っても空気が薄くなったりしない。
まあ、山の方でも何合目とか呼び方するけれどね……何、あー上手い事いわれちゃった、って悔し顔になっちゃうのよ。
悔しがらなくていいのよ、そこは。
正解を言いますよ?
正解は、これ、この形。
御椀に対して、上に丸くこんもりこのくらいの形、これが正しい盛りよ。
解ったら、その甲斐甲斐しく盛りまくる手を止めなさい。
まだ、盛るか。
もしかして、妖夢は怒ってるの?
この間、妖夢のおやつ間違って食べちゃったうえに「半霊でも食ってろみょん!」とか逆ギレしちゃったのが駄目だったの?
違うの? そうじゃないの?
あら、違うのね。
じゃあ、どうしてこんなことするのよ。
いやいや、妖夢。
もう、塔になっちゃった。バベルの塔も真っ青。
この高さったら、49階辺りにラスボスが待っていても不思議じゃない雰囲気醸し出し過ぎで嫌。
訂正はいらないわよ、解ってて言ってるのよ。
ちょっと、ほんと、やめ……あー、さすがの私も怒ったわよ。
見てなさい。
大地震の刑しちゃうんだから。
そーれ、そーれ、卓袱台の揺れは果てしなく加速するわよ~。
あははっ、あなたのライスタワーには耐震構造的欠陥があるようね!
問題物件ね! 返金ものね!
ほらほら、どうしたの、妖夢、何とかしてごらんな――
……いたっ!
何!? さっき何出した!? 胡瓜!?
投げつけないでよ、こんなの!
痛いわよ、妙にでこぼこして! こんなの持ち歩くか普通、この、いやしんぼう! 庭がっぱ! えろみょん!
……あ、これ私が前に漬物作りかけた時の奴じゃないの。
もしかして、妖夢はあの時の事をまだ怒ってるのかしら?
違うの? そうじゃないの?
あら、そうなの。
じゃあ、なんだっていうのよ。
ふん、いいわ、そのまま盛っていってごらんなさい。
どうせ、後少しで止まるのだから。
ほら、見たこと、もう手が止まったわよ。
あらあら、天井だけは、さすがのみょんもどうしようもないみたいね~。
まさか、突き破るわけにも行かないでしょう?
泣いて謝るなら今のうちよ。
今なら許してあげるわよ。
さあ、私の胸に飛び込んできなさい!
あの~、諦めましょう?
何で目が生き生きしちゃうのよ。
逆境に強い子って素敵だけど、無理し過ぎなのは良くないと思うの幽々子。
あなたは、頑張ったわ。ここで立ち止まったとしても誰もが賞賛する。
むしろ、立ち止まれ。
……あーきーらーめーろー!
――ぎゅぅっ!
なっ!? ご飯が縮んだ!?
凄っ!
上から均等な力で押さえつけることで、極限までの圧縮に成功したのね!
そのためのしゃもじニ刀流! そのための妖夢!
気付かなかったわー!
……。
……馬鹿。
ありえないわよ。
頑張りすぎよ。
本気にならないでよ、いやよ、もう、勘弁してよ。
未来永劫斬出す時だって、そこまで必死の顔にならないでしょうが、あなた。
見てよ、アイアンライスじゃないの。
かっちかちじゃないの。
その塊に何カロリーつまってるのよ。
しかも、横から食み出過ぎでしょう?
なんか、テンガロンハットみたいな形になっちゃってるし。
どうして、こいつらは下に零れないのよ。
物理的におかしいわよ、で、横はどうす……わー、横も圧縮かけちゃうんだ。
ドッヂボールみたいになった!
うん、満足?
さすがに、もう満足よね?
満足してよ! やめてよ! もう盛らないでっ!
これ以上何を目指すって言うの!?
ええ!? 次圧縮したらアイアンどころじゃないわよ!?
スチールボールになるわよ? ご飯がよ!?
え? 望むところなの?
こやつめ、ははは。
何が、はははだ!
…………。
………。
……。
もう……いいかな?
うん……。
あのね、言いたい事はたくさんあるんだけどね。
おめでとう、オリハルコンライス。
硬いわ。すっごい硬いわ。
伝説の勇者がこれを拾ったら、迷わず武器に使うと思う、はかいのてっきゅう、とか言っちゃって。
つまり、これを人間に食べろというのは、死ねというのに等しいのよ。
消化しないのだもの。
どうぞ、とか言いつつ半泣きで勧めるのは止めて。
嬉しいのか悲しいのかすら解らないから、あなたの今の顔。
だから、本当に無理だから~、食べられませんー!
嗚呼、何でこんな――。
あ、解った。
あれでしょう?
この前、卓袱台返ししちゃったからでしょう?
それが「この卓袱台を卓袱台返ししたのは、卓袱台を返したかったから」なんて理由だったから怒ってるのではなくて?
うん、雄山でもしないよね。ごめん。
さすがの幽々子も猛省。二度としません。
だから、許して。ね?
違うの?
これも違うの?
もうっ! さすがにそろそろ心当たりが無くなって来たわよ!
大人しい私でも、怒る時は怒るし死に誘うわよ!?
ラストワード行ってみる!?
涅槃見てくる!?
嫌でしょう!?
だったら理由を言いなさいよ、然るべき理由があるなら許してあげなくもないから!
何で私に言わせようとするのよ! 心当たりがないって言ってるじゃないの!
えーと、うーんと……!
ダイエットする~とか言って五秒で止めた事?
あなたが掃除中に私がお茶を五杯も引っくり返した事?
ミスティアを美味しく育てようとして、逆に食費がかかりすぎて採算が合わなかった事?
妖夢のドロワーズのゴムに「みょんむー」とか書いちゃったこと?
あれ、ラクガキじゃなくてあなたの名前なのよ、判別しやすくしただけだから罪は無い。
あとは、そうねー、うっかり間違えて、妖夢のスポーツブラを私が付けちゃったこととか?
それ!?
来たわ! どれよ!? みょんむー? 違う? ラスト?
……ブラ?
何よ、下着くらいで。
そんな事気にしなくていいじゃないの~。
何年一緒に住んでるのよ私達、うん……うん……。
サイズ?
ああ、それは合わないわ。
仕方ないじゃない? そもそもが間違っていたのだから。
そこで落ち込む理由が、私にはまるで解らないのだけど。
女心?
だから、下着一つが、何でそんなに恥ずかしいわけ?……その後?
うーん? 私ってば、何か迂闊な発言をしたかしら?
まさか、ぺたんこって言ったから怒ってるわけじゃないでしょう?
――ごんっ。
~西行寺無余御飯~
妖夢の最大奥義、幽々子の死。
妖夢の手を離れ、究極鉱物と化したご飯が全てを粉砕する。
別名、アダマンタイ米。
なにこのご飯アタックはw
大きいのは罪だ って映姫さまが言ってた。
噴飯物ってヤツですね!
ちがいますかすみません。
めっ!
ていうか脳内でビジュアル化した際の光景がシュール過ぎます。ものっそい必死な形相で米を押さえつける妖夢……
…は置いといて。
このシュールさに惚れました。
なるほど、「」無しでもここまでの物が創れるのか…。
(中略)
その結果、大量の不純物は無駄とばかりに蒸散され、
其処に残るのは、極限まで押し固められた炭素の固まり、
つまりダイヤモンド!
!?
な、なんだってー!!
ともあれ、いい仕事しますねぇ。
笑いすぎてお腹が…(でもまだ笑う
ありがとうございますー!
ご飯は大切にしますー!
ちくしょう吹いちまったよ・・・・・・