この里に住んでいる全ての男は、必ず一度は失恋を経験すると言われる。
上白沢 慧音に里の男は必ずと言って良いほど、無謀なるチャレンジを繰り返しは敗れる。
「私には、まだそんなことを考える訳にはいかないよ。」
「君が大きくなったら、もう一度考えなさい。」
一度、ある男が断られたときに疑問を投げかけた。
「なぜですか?」
「私はこの里と結婚したつもりでいるから・・・。」
そう言われると返す言葉も無い、確かにこの里は慧音がいないと直ぐに駄目になってしまうだろう。
妖怪からの里の防衛を考えると、まだ街のように防衛が発達しているわけでもないし、
里の長でも判断を決めかねるときは、必ず決まって慧音に相談して決定していた。
そんな慧音がある日、一言こう言った事により今回の騒動は始まった。
「子供欲しいなぁ。」
それは里の飲み会の席で酔った慧音か言った何気ない一言だった。
しかし、それを聞いた男衆は酔ってた勢いで冗談混じりに、
「では自分と!結婚してください!」
「僕なんか如何でしょう?必ず幸せにしますよ?」
「わっ、わしなんかいかがじゃろうか?まだまだせがれも現役ですぞ!」
「慧音先生!この前元服したばかりですが僕なんか好くないですか!」
群がる男衆、既婚者も混じったこの集団は、女性陣からは呆れられ、
既婚者衆はしこたま妻から肉体言語を食らった。
この時はまだ、何時もの日常だったが、
「そろそろ、それも良いかもなぁ。」
その時、時が止まった。
何時もならば断られる話に対して、肯定を見せる一言。
独身の男連中はその言葉を聴いた瞬間、酔いが一気に醒めていた。
翌日から、里の独身の男衆は色気づき始めた。
里のある所では、
「おい次郎?なに洒落っ気つけてるんだ?」
「お前も分かるだろう?っていうかお前も何なんだその沢山の花束は!?」
彼の手には沢山の花が握られており、春の花や夏の花が季節感無しに咲き乱れていた。
しかも、彼が持っている花は全て花言葉で言う、
アイリス=「愛」「あなたを大切にします」
バラ=「私はあなたを愛する」「あなたのすべてはかわいらしい」「愛情」
カトレア=「あなたは美しい」
愛とか、情熱とか熱い花しかなかった。
「熱っ!無理が有りすぎ!と言うか何処で手に入れたんだその花は?」
「そこの花屋で売っていたぞ?」
《風見 幽香の花屋~フラワーマスターの戦い!~》
「なんなんだよ!このいかにも突っ込み対象の店は!?」
「詳しくは知らないが、あの危険と言われた花を操る妖怪が商売を始めたみたいだが?」
「怖っ!なんか毒の花じゃないのかそれ?もしくはパッ○ンフラワーじゃないのかそれ!?」
「ごく普通の花屋だったぞ?」
確かに彼の手に握られている花は普通の花しかなかった。
しかし、風見 幽香と言えば幻想郷でも屈指の妖怪である。
人間なんて一ひねりで倒してしまい、
噂では妖怪の聖人とも互角とか、色々嫌な噂がある妖怪が花屋を営んでいると言われれば驚くのも普通である。
「本当かよ!あとで見に行くかなぁ。」
「そう言う太郎の服もどうしたんだよ?やけにお洒落だなぁ?」
彼の服装は幻想郷でも限られた人しか着ない服装で、作りもかなり精巧だった。
なんでも、外の世界ではギャバジンと言われる生地で、伝説の仕立て屋であるアリスに黒のジャケットと、
綿の生地でシャツを作ってもらい。
香霖堂でジーパンと言われるズボンと、革のベルトを購入していた。
極めつけは、最近商売を始めたリリーホワイト印の春の香りをイメージした香水。
幻想郷でここまでお洒落に気を使うのもどうかと思うが・・・。
「やっぱりお前もか!」
「そうだよ!俺はもうこの熱い気持ちを抑えられないんだ!」
「糞っ!お前とはもう親友でもなんでもない!これからは一人の敵だ!」
「ふっ!慧音様に好かれる男は一人で良いんだ!」
ここに熱き戦いが始まった・・・。
ところ違って、里一番の長者である家では、
「啓介!お前も慧音様に挑戦して来るんだ!」
「俺は行くぜ!じっちゃん!」
広い和室の居間で、家族会議が行われていた。
「啓介!必ず慧音様のハートをキャッチだ!(俺が行きてぇ!!!!!)」
「啓!必ず慧音様を私の娘にしなさいよ!(最高のお嫁さんゲットしてこなきゃ殺るぞゴルァ!)」
「お兄ちゃん!必ず上手くいくよ!!!(慧音様が私の姉、(*´Д`)ハァハァ )」
もちろん家族会議の議題は《上白沢 慧音を啓介の嫁に!!!~最高の嫁を家に~》
長者の息子である啓介は家族会議と言う名の壮行会で、かなりの期待をかけられていたが、
本人自身もそれに答えるように。
「上白沢 慧音は俺の嫁!」だとか、「これは上白沢 慧音=俺の嫁は運命なんだ!」とかを、
大声で魂の底から叫んでいた。
里ではカオスな空間が色んな場所で展開していた。
所変わって、永遠亭の中では八意 永琳が暴走していた。
「慧音が婿探し!?私ですらまだ嫁いでいないのに?」
「師匠落ち着いてください!」
彼女はいつも喧嘩する、二人の保護者の片割れが結婚願望を口に出した事実が書かれた新聞を握りつぶしていた。
仮に彼女が里の男と結婚したとして仮定しよう。
まず、慧音が結婚したとすると藤原 妹紅は悲しみのあまり暴走するだろう。
それだけでも災難だが、さらに彼女に子供が出来たとしたら。
子育ての為に竹林には来なくなり、私一人であの二人の喧嘩を止めないといけなくなる・・・・。
私のストレスがマッハで溜まる!
ただえさえ、二人の喧嘩や姫のニート生活でストレスが溜まるのに、
ストレス解消の時間の一つの同じ知識人との会話すらも無くなるのはつらい。
たしかに優曇華を弄って遊んでストレスは解消するが、同じ知識人である慧音との会話は私の和む時間だ。
もしかして、これって恋?
「もしかして、これって恋?」
「なに言っているんですか!?師匠!」
どうやら口に出していたようだ。
しかし、考えようによっては私は慧音のことが好きなんだろう。
里に下りたときは何時も二人でお茶をして、買い物や料理を作ったりしている。
たまには彼女自身が家に来て、私に里で採れた農作物や工芸品をくれる・・・・。
「フラグ立っとるやんけ!」
「いつもの師匠に戻ってください!」
「そうか!解ったわ!私と慧音が結びつけば問題無し!
子供だって薬を使えば何とでもなるわ!」
「師匠!!!!!」
竹林では藤原 妹紅と上白沢 慧音がお茶を飲んでいた。
「なぁ?慧音?」
「なんだ?妹紅?」
「けっ、蹴鞠は好きか?」
なにを言っているんだ?私は・・・。
ここは一言『結婚しよう!』で済む話なのに、こんなありきたりな話の逸らし方をするなんて・・・。
「ははっ、妹紅はそう言えば平安生まれだったなぁ?蹴鞠はどんなルールだったけ?」
「鞠をけっ、蹴ってetc・・・。」
なんで蹴鞠なんかをやっているんだろうか?本来は何人かでやる遊びなのに今は二人で蹴鞠を楽しんでいる。
あと少しの勇気があれば言えたのに、ただ一言だったのに言えないなんて。
そうだ!手紙を送ろう!
そうすれば恥ずかしく無いし、確実に慧音に伝えられる!
幻想郷はカオスと化していた。
けーねは私の嫁さんだ!
続きを期待したくなりますw
ではアリスは貰っていきますね。
慧音は天然ジゴロですねわかりますw
出来ればもこたんががんばる方向でw
現在必死こいて書いていますので、
ゆっくり待っていてね!!!
慧音は妹紅の嫁にきまっとるだろうが!
でも、そういうところも大好き!!
慧音は誰のものでもない!
(一応言うが、私は女だ)