Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

紅魔裏舞闘

2009/03/03 23:35:29
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 紅魔館の門の前で門番である美鈴が立っていたら

「…見つけました」

 かなりの力がありそうな妖怪が現われてキッと美鈴を睨みつけてきた

「え、えっと…誰ですか?」

 その表情に少し引きながらも門番としての責任感から

 目の前の強そうな妖怪に声をかける

「問答無用!覚悟しなさい!」

「えっ!?ちょ、ま、待ってください!」

 美鈴のかけ声を無視してその妖怪が突っ込んでくる

(くっ!こうなったら気絶させて落ち着かせましょう)

 いきなり襲ってこられて驚いていた美鈴であるが

 数秒で落ち着く真っ直ぐ突っ込んできたその妖怪に

 カウンターを狙って右手の拳を突き出す

(これを避ける事は…)

 完全なタイミングで放たれた拳は目の前の妖怪に…
 

「…右手ですね?」

(か、避された!?)

 当たらずに空振りする

(く!ならば次は左の…)

 避けられたコンマ数秒で次の考えを美鈴が実行しようとして

「貫手ですね…」

 目の前の妖怪に左手の手首をつかまれる

(また!?…ま、まさか…私の考えを…)

 美鈴がそこまで頭の中でそこまで思いついたが…

「こいしの仇!覚悟」

「がぐっ!?」

 思いっきり顎の先端を拳で掠められて

 前のめりに倒れ気絶する事になった










 私の名前は古明地さとり…

 地霊殿の主である私がこの赤い屋敷にやってきたのは

 私の可愛い妹である『こいし』を倒した相手を制裁する為…
 
 …とは言え、私の相手の考えている事が

 わかる能力には勝てなかったみたいですね 

 一撃で終ってしまいました…ですがこれでは許しません

 こいしはあの後、3日間頬の擦り傷が治らなかったんですから

 さあ…目の前で気絶している門番のトラウマを思い出させて上げましょう 
 


 …え?…こんなのがトラウマ?

 …まあいいです…延々と倒れている耳元で呟いてあげます

「中国中国中国中国中国!」

(ピクッ!) 

 おや?完全に気絶しているはずですけど…体が動きましたね

「……っ…」

 しかも何か呟いています…

 ちょっと聞き耳を立ててみましょうか?

「…私の名前を…言って…みろ…」 

 門番が無言のまま門の前に立ち上がった







  

(お、起き上がった!?…で、ですけどまだ気絶しているままです)

 起き上がった門番にさとりが少しだけ動揺するが

 気絶している人が起き上がっただけと思い

(もう一度攻撃を加えて、寝てもらうまで!)

 再び起き上がった門番に向かって攻撃を開始する

(…一切の反応無し、ただ立ち上がっただけね)

 目の前の門番に攻撃を当てる瞬間まで心を読み続けるが動きは見られない 

 そしてさとりの飛び蹴りが決まったと思われた時

(スカッ!)

「えっ?」

 触れたと思われる門番に当たった感触が一切なかった

(よ、避けられた?そんなまさか!)

 そう思ってさとりが振り返るがあたり中何処を探しても

 消えた門番の姿が見られない

「ど、何処に!?」

 目の前に居たものが姿を消し

 しかも心の中まで見抜く事が出来ない

 さとりが恐怖を感じるには十分だった

(ど、何処!?)

 今度はさとりが怯える番だった

「何処に行った!?」

 肩で息をしながらそうやって頭を抱えるように手を耳に当てた瞬間

「いっ!?」 

 耳に置いたはずの手に激痛が走る 

 その手を見てみると何者かの指が自分の手の平を貫通していた

「ひっ!?」

 そして目の前に居たのは気絶しているはずの門番

「…私の名前は…」

 その門番が焦点の会わない目で…

「中国ではない!」  

 さとりを睨みつけると同時にその体からどす黒いオーラを放った







(な、なに?…も、もしかして…これがこいしが言っていた…)

 豹変した目の前の門番の姿を見てさとりは妹の言葉を思い出す

『無意識で門を守っていた門番』

 無意識を操るこいしが負けた相手…

(だけど…心が読めれば…)

 さとりが心を読もうとした瞬間

 目の前の門番が攻撃を宣言してきた


 『羅漢符』 紅魔羅漢撃

(さあ、始めに来る攻撃は!?)

 さとりが落ち着きを取り戻して

 歩み寄ってくる門番の攻撃を見極めようとした瞬間

(カスン!)

「ひっ!?」

 さとりの頬の傍を鋭い貫手がかすめる

 思わず後ろに下がったさとりの頬に手を当てて

「えっ…血?」

 自分の頬が傷つけられた事に気がつく    

 その事実にさとりの表情が青冷める

(よ、読めない!?心が読めない!)

 このような経験は自分の可愛い妹以外に見た事はない
 
 そこで、一つの可能性にさとりが気がつく

(も、もしかして…気絶したまま戦ってるの!?)

 気絶していれば心は読めない

 その代わり身体は動くはずがない…

「私の名前を言ってみろ…」

「ひゃあ!?」

 だが目の前の門番はどうだ

 気絶していようともその技は一切の濁りはない

 それどころか更に切れが増している

(に、逃げましょう!)

 さとりが自分の愚策に気がついたのはその後 
 逃げようとしたが、逃げれないのだ

(は、背後向いたら…背中からやられる!?)
 普通の状態の門番なら逃げる相手を襲う事は無い

「私の名を…言ってみろ!」

 だが、今目の前に居るのは
 穏やかな心を持ちながら渾名を呼ばれて目覚めた名も無き化け物だ

(き、気絶が覚めるまで耐えるしか生き残る道はありません)



 こうして、古明地さとりの命を賭けた戦いが始まったのだ

『拳符』「ノーザンライトのハンドウォール」
 
 技の宣言と共に目の前の門番の腕に妖気が集まる

(これは…近距離の技?…)
 
 さとりが大急ぎで門番から離れようと下がった瞬間

「はあぁぁぁ!……百烈拳!」 

 人の手の放つ早さを馬鹿にしたような光景が繰り広げられる 

 一言で言うなら『拳の壁』

 それが宣言どおりに壁のような密度に匹敵するほどの連撃を持って放たれ

「は、はわわわわ…」
 さとりの目の前ギリギリの所に対して放たれる 
 もし、下がっていなかったらそれこそ粉々に砕かれていたかもしれない 
 攻撃をする隙すらも致命的になりかねないじょうたいであった

(む、無理!絶対に無理!)

 涙目になりながらも、生き残る為に門番の攻撃を避け続けるさとり


『拳皇』「天を払う覇者の拳圧」


 百烈拳を避けられたことで、次の技を繰り出そうとする
 次は片手に妖気を思いっきり溜め込んでいる
(…遠距離技?…いけない!)
 さとりが必死で行動に移した次の瞬間 

「剛掌波あぁ~!」

 門番が片手から妖気を放った瞬間
 凄まじい威力の闘気の塊が放たれる
 それはさとりには当たらずに湖に向かって放たれる
 少ししてとんでもない轟音が鳴り響き
 その場でしゃがみ込んださとりが泣きながら後ろの光景を見つめる

(う、嘘ですよね?)

 その先には真っ二つに別れた湖の姿が見られて
 その間にも門番が片手に力を籠め始める
「~~っ~!?」
 言葉にならない声を上げながらさとりが再び逃げ惑う
 
 


「はぁ…はぁ…はぁ…も、もう無理…」

 いくつの攻撃を避けたか分からない
 腕が金色に輝いて空間ごと切り裂いてきた事もあった
 どす黒いオーラによって平衡感覚が狂わされた事もあった

 その度に無理やり避けて、こけて、膝小僧を擦りむいた
 既にさとりの体力は限界を超えていた
「私の名前を言ってみろをぉぉぉ!」
 だが、目の前の門番の攻撃は今だ止まない
 門番が倒れている自分の傍に寄ってきた
(ああ…お燐、空…こいし…私はもう駄目かもしれません) 
 
 走馬灯が見え初めて、地霊殿であった楽しい思い出が頭をめぐり始めた時


「右に避けなさい」
「えっ?」
 何者かに声をかけられる

 驚きながらも言われたとおりにその場から右に転がる
「それでいいわ」
 それと同時に声をかけてきた人物がさとりを抱えて下がる
「…よく此処まで避けれたわね」
「え~と…どちら様でしょうか?」
 抱えられた相手に声をかけられたので
 さとりが名前を聞き返すと、その人物が堂々と答えた


「この屋敷の主よ?」
 目の前の吸血鬼は傘を差しながらそう答えた
「…とりあえず、家の門番を止めないといけないわね」
「あ、あれを止めれるんですか?」
 さとりが指差した先には

「私の名前を言ってみろをぉぉぉ!」
 恐ろしい妖気をばら撒きながら吼えている暴走している門番が
「…流石に倒すのは骨が折れそうね」

 屋敷の主も額に汗を掻いてそう呟く
「でも、あれを止める事は出来るわよ」
「ど、どうやって?」
 抱きかかえられたさとりを無視して門番の真正面に向かう

「ちょ、ちょっと待ってください!?」
「大丈夫!」
 さとりが屋敷の主である吸血鬼に抱きかかえられたまま
 門番の真正面に向かう
 
「私の名前をぉぉ!」
 それに呼応するように門番が腕を振り上げる
 思わずさとりが目を瞑る
 その時、自分の隣の人物が優しい声で呪文を唱えた

「…美鈴」
 
 その言葉によって目の前の門番の腕が止まる
「…貴方の名前は紅美鈴よ…紅魔館の赤い門番」
「ぁぁ…嗚呼…」
 それと同時に門番からどす黒いオーラは消え去っていく
 そしてその場に門番が泣き崩れる

「…はぁ…美鈴もトラウマも困ったものね」
「どういう事ですか?」
 さとりの質問に吸血鬼が答える

「今から少しだけ前にね…」

 それは、門番の…美鈴と呼ばれた人物にとっての苦痛の記憶

 それまで進入者を通す事がない、不敗の門番と呼ばれ
 この屋敷の中でも信頼されていたのだが
 博麗の巫女がやってきた際に敗北してしまう

 その際、一緒にやって来た魔法使いに負け癖が着いてしまい
『不敗の門番』と呼ばれたのが『ザル門番』と呼ばれるようになり
 その魔法使いに「中国」と呼ばれたのが辺り中に広まり 
 周り中から「中国」「中国」と呼ばれ続けたのだ
 毎回毎回、負けた事で屋敷の中の者に馬鹿にされ
 外から来る者にも馬鹿にされる
 これほどの屈辱はないはずだ

 特に妖怪である美鈴には特に効いたはずだろう

「…だからその中傷は…美鈴のトラウマなのよ」 
 悲しい瞳で目の前の吸血鬼が泣き崩れる門番を見つめる
(…悪い事をしました…)
 さとりも、自分がどれだけ酷い事をしたのかようやく理解した
 
「…私も…名前を呼んで良いですか?」
「ええ、此処まで暴走した美鈴の攻撃を堪えた貴方にはその権利があるわ」
 屋敷の主と言う屋敷の主が笑顔で許可を出してくれた
 
「…ごめんなさい…紅美鈴さん貴方のトラウマを思い出させて」
 さとりが頭を下げる…
 その言葉に美鈴が無言で起き上がると
 笑顔で最後の攻撃をしてきた



『慈愛』「紅魔有情慈愛拳」


 
 気がついたらさとりは屋敷の主と一緒に美鈴に抱きしめられていた
 避けようがない、一ミリもの隙間がない攻撃であった
(…読めませんでした…無意識の抱擁なんて…)









 門番がそのまま泣き崩れて眠ったのを確認してから
 目の前の屋敷の主であるはずの吸血鬼に声をかけられた

「…ところで、お互いに名前を聞いてなかったわね」
「そういえばそうですね…始めまして…
 地霊殿の主をしている古明地さとりと…」


 
 これが…『妹可愛がり主同盟』の初コンタクトになると同時に
「…また、遊びに来ても良いですか?」
「今度は此方から遊びに行かせて貰うわ」
 さとりとレミリアが付き合う事になる切欠となった





 終劇
 どうも脇役です

 紅魔演舞の続きで
『さとり様がこいしちゃんの敵討ち』
 のはずが、いつの間にか
『レミ×さと』フラグになってしまいました

 何処で間違えたんだろう?
 この後、二人とも問題児の妹の話で意気投合して
 次の日、さとり様が朝帰りをしてしまいました
(単に二人とも眠ってしまっただけ)
脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
あいかわらず、美鈴お母さんの抱擁にはだれも勝てないwww

これは良いフラグですwww
面白かったですwまた、食べにきますねw
2.名前が無い程度の能力削除
>(よ、読めない!?心が読めない!)
美鈴はコントローラーを2P側に差し込んでプレイしていたんですねわかりますw
3.お前はときメモ(スキマ削除
>美鈴はコントローラー
クラスメイトの前でメモカの中身を暴露された俺が来ましたよっと。

>『妹可愛がり主同盟』
続きうp!
4.ネタを読みきる程度の能力削除
>私の名前を言ってみろをぉぉぉ!
>『羅漢符』 紅魔羅漢撃

某拳法の3男ですね、わかります。

>『拳符』「ノーザンライトのハンドウォール」

大熊座を胸に持っている某末弟の得意技ですね、わかります。

>『拳皇』「天を払う覇者の拳圧」

長男ですね、わかります。

ところどころのネタがおもしろかったけど、1種類だけじゃなくてもうちょっと手広くてもよかったかも。
5.名前が無い程度の能力削除
そういえばこいしちゃんが撃退されたこともあったかwww
しかしまぁ無意識とはいえ強い美鈴が書かれるのは好きです
6.名前が無い程度の能力削除
皇拳や琉拳も会得しているなんて…凄い女だ

こう言うバトル系の方が好きですね、頑張って下さい!
7.名前が無い程度の能力削除
くぅ、ネタの範囲が広すぎて私には掌握しきれなかったっorz
でも描写でどんな感じかはつかめたので、楽しめました。
さとりが完璧にワンピ○スのマント☆もしくはどこぞの焼き鳥に出てきそうな読心術者みたいで、
嬉しかったです(その能力が好きなので

さと×レミも・・・いやなんでもない
8.名前が無い程度の能力削除
めーりんにジ○ギ様が乗り移るとこうなるんですねわかりましたwww