Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

きせきミラクルサイエンスかがく

2009/03/02 01:10:46
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 * * * * *





「オアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
「えええええ」


 咆哮! 私はそれを魂の雄叫びであると思いました。

 命あるものその原初より、心と声なるものが存在しているならば根源的な感情を身に宿した折に叫ぶことも多いと聞き及んでおります。声帯があればですよ? そうでもなければそれはまさしくホラーにしかなりえませんそうに違いありません。

 声にも成らない、というシチュエーションも成る程多々見受けられましょう。しかしながら、震える心の裡を外に出さなければ、心を宿す身体など容易に壊れます。真に抑えられないような、無意識の内に駄々漏れる声はさながら血の色を呈しているのでありまして、命を絞り切ることにも似ている、つまりこれはそういう類の叫び。我慢はあんまり良くないことですから出すもの出していかねばなりませんね!

 この現状として喜びとか愉しみとかいうポジティブな色彩は全く以てその叫びに含まれていないのでしょうけれど、とりもあえず私はその心の振動を受け止めようとしました。受け止め切れなかった部分は驚きの反応として私の声が駄々漏れました。えええええー。

 ふらふらするんです。油断すると身体が前後に揺れます。その辺りはあれです近場にえいやと置いといて、ともかく誰かが雄叫びをあげるためには必ずその原因が必要なんですよ! とりもあえず私は落ち着いているのだよしよしと一人頷きます。世界が揺れてます。

 このような思考が出来るのも、とある場にて吹っ切れた誰かが現れると、周囲はそれの間逆を行くように冷静になるという空気の法則に則っている為です。私を含めこの場に居合わせた方々も勿論、その例外になることは出来ませんでした。一様にして神妙っぽいような顔を浮かべるばかり。有体に言うと「うわっ……うへぇ……」という感じが滲み出ているのです。しかもすごい泣きそうな表情で。かくいう私も今涙が零れ落ちるのを我慢しているありさまですけれども。

 ああ開け放たれた障子の外を見やれば雀がちゅんちゅん鳴いております。夜明けのテンションというやつでしょうか? ひとの気も知らずに雀はかくも元気なご様子。遠くの空はといえば雲ひとつない青を映し出し、今日も晴天みんな元気に過ごしましょうとばかりに春の香りをふりまきながら語りかけようとしてきます。
 しかしそれも若干今の空気には染み込んでくれそうにもありません。いかな爽やかな青とて「ブルーな雰囲気ですね……」と呼んでしまえば身も蓋もなく何ともつめたい様を醸し出してしまう、そんなもの。なんと儚き様でしょう、生とはまこと無常なるものです。

 いったいぜんたい何故にしてこのような残念な事態になったのか。
 それを説明するためには、幾許かの時を遡る必要があります。






 * * *





「あっつ、あっついですから! そこじゃないですってばにとりさん!」
「ええー? だって見えないから仕方ないじゃんか。ううん上手くいかない、ここらへんー?」
「いえいえですからいーやーあっついってか痛いですからー!」
「ちょっと早苗暴れないでよー!」

 流石に耐えられなくなった私はにとりさんを背中からひっぺ返します。がばちょーという擬音が相応しいかと思われました。奇跡の力でぶっ飛ばした方が早かったのかもしれませんが、にとりさんは私の大切な友人。そういう乱暴なことはいたしませんゆえ。

 でも、それとこれとはお話が別なのです。

「こんなのいくらなんでも無理ですよ!」
「いやいや、なんとかなるって。奇跡と科学のコラボレーションを見せ付けてやろうよ」

 何がどうコラボってるのかは理解が追いつきませんでしたが、とりもあえず私たちがしていたのは宴会芸の練習です。

 麓の博麗神社ではそれはもう何度も何度も何度も何度も人妖入り乱れながらの酒宴が繰り広げられるわけですが、そこでは毎回ちょっとした宴会芸なんかがとり行われたりします。
 宴、広がる芸はいとしめやかに、となれば少しは趣もあるんではないかと若干考えます。若干、というのは、結局それは有り得ないことで、それ以上思考のリソースを広げても意味が無いことを知っているから。何事もほどほどがいちばんでして、考えるのもそれに伴ってほどほどでいいんじゃないかと思うようになってきました。そうでないとこの世界は色々と苦しいことがあるのです、稀に。たまに。や、しばしば?

 以前私は宴会芸にて海を割ろうとしたのですが、そもそもこの幻想郷に海が無いという総突っ込みを受けて涙眼になっていたところ、もう大分酔っ払って顔を真っ赤にしていたにとりさんに肩を叩かれたのです。


『次は……奇跡ミラクルサイエンス科学だよ!』


 とりあえず落ち着いてくださいと私は言ったのだと思います。
 ですがその情熱に押され、私は結局にとりさんと宴会芸の練習を励むことになりました。だって眼が輝きすぎてましたし。

「だからって何でおでんなんですか!」
「ほら、あれじゃない? 二人羽織とか定番じゃない? そこに新しい風を吹かすのよ! 早苗は奇跡の力であつあつおでんの入った鍋を空中固定! それを私が科学の力で早苗に食べさせるって寸法」

 すごいでしょこれ、という自信に満ち溢れた顔が言っています。眼は口ほどに物を言うって本当のことなんですね。小奇跡を用いて私はお鍋を空中に浮かせ、にとりさんは背負ったリュックからにゅっと伸び出るアームでお箸を掴んだのち、大体私の頬とかおでことかにおでんをぺちぺち当てるばっかりでちっとも口へ入れてくれません。いや、お箸掴めるだけで相当すごいなとは思うんでけれど、大根とかの具材を掴んだときに限って「げげっ、滑った」って絶対わざとですよ! こんにゃくを胸元に放り込まれた私はひーやーと情けない悲鳴を挙げる他ないありませんでした。ひりひりするんですけどこれ。

「いい考えだと思ったんだけどなあ」

 そしてなにゆえ。なにゆえ今練習するんですか。もっと前にやっておけば良かったのです。今はもう宴の後なのですから。
 いや、それが無理だってのもわかってはいるんです。だって、今回の宴会は異例の早さ、前回から数えてお天道様は一度しか顔を見せていないうちに開かれました。即ち昨日の今日。奇跡と科学のコラボレーションが追いつく筈もないわけでして、今回の私は為す統べなく他の方が繰り広げる芸を見学する側に回ろうとしました。


『いちばん博麗霊夢ー。もうお酒呑みまーすとかでいい?』
『にばーん! 霧雨魔理沙ぁ! 酒呑むぜー!』
『さんばん東風谷早苗、奇跡的にお酒呑みます!』


 のっかりました。のりきりました。
 そして何故か残りのみなさまもそれに乗っかり、今回は揃いも揃って呑んだくれのありさま。

「もっと別のにしませんか……?」
「言いだしっぺの法則。じゃあ早苗がアイディア出してよー」

 ぐむ、と私は怯みます。成る程確かにそれも一理。暫くうんうん頭を捻ってみることにしました。
 にとりさんは奇跡と科学のコラボレーションというキーワードを提示してくれましたが、それがかえって私の思考を縛ります。そしてもっと私の思考を妨げているのは、「宴会芸は勢いだよ!」というにとりさんの意見もまた「もっともですね!」と頷いてしまったために口にした更なるお酒のせいです。一理積もって二理とか三理とかになっても碌な事にならない典型だと思います。塵が積もっても早々山は出来ませんゆえ。やけのやんぱちとも呼ばれますよ。
 酔っ払いながらおでんのやりとりをするなんて正気の沙汰ではありません。おでんのやりとりってなんでしょうね? とりあえず危険であるということを私は理解します。それ以上のことに頭を働かせるつもりはありません。

「あっ」
「どしたの?」

 悩みぬいた果てに、私はひとつのアイテムを取り出します。背中から。

「ああ、早苗の背中でごつごつしてたのってそれ? 何その鉄のぼ」
「いけませんっ!」
「ええっ」
「これは奇跡のアイテムです」
「いや、でもそれ」
「駄目です。この名前を特定しては駄目なんです。神性が失われてしまいます」

 と、諏訪子さまは仰っていました。なのでそれは疑いようも無いことなのです。ええもう、そうに違いありませんとも。



 *



『早苗に足りないパラメタは力かな!』

 と、諏訪子さまは仰いました。その目線の先にはやけに薄暗い画面、映るは恐ろしげな怪物たち、響くはどしゅーずばーというおよそ日常生活では聞けないような音ばかりです。天井から生える棘なんかに一度触れたら下着一枚ほぼまるはだか、更に一度触れたら骨になります。正気の類と思えません。

『えと、その、諏訪子さま。力、とは?』
『いやいやそのまんま。ちからちから、パワーだよ。もっと強引に押し切っていこう。多分あの時もさ、海が割れないから神社かち割ってやりますって言い切ればなんとかなったかもしれないよ』
『それ普通にまずいのでは』
『それはそれ、あれもそれ。とりもあえず、早苗の力をアップさせるために私の神具を貸してあげよう。ひょっとしたら素早さとか運のよさもあがるかもしれない。今やってるゲームとは関係ないけど……ああだから何でお前はそんなに紅いんだー! 逃げるなよう!』

 とりあえず私の眼を見て言ってくださいませんか、と私が言葉を発することはありません。その辺り空気など読んでいきたいところ。
 神具。諏訪子さまは、鉄が神具を自在に操り、かつて八坂さまと争ったとききます。
 私との会話中に幾度と無く骨にされたり穴へとまっさかさまに落ちていったりした諏訪子さまは、コントローラなるものを投げ出しつつお話の続きを語ります。

『駄目か……もうやめようこんなの無理だよ。ああ、ほらさあ、やっぱり巫女っていったら道具ぐらい持ってないと』
『祭具の類のことを仰っていますか?』
『そうそう、例えば! ……たとえば……お、あったこれだこれ」

 諏訪子さまは今しがたやっていたピコピコゲームをいったんとりやめ、薄っぺらいケースを取り出しました。ぽちりとボタンを押すと、でーれーれーでれれでーれれーれーでれれでーでーでーでーれれー、という音が響きます。なんで覚えてるんでしょうか。耳に残るんですよあれ。なんとも珍妙な装置、もといデバイス(そう呼ぶとある意味でかっこいいから、とにとりさんに教えていただきました)であるなあと常日頃思ってます。ぴぽぴっ。

『フロッピーですか』

 私だってかつては外の世界で生活せしもの、なんとなくそれっぽいものだとはわかりました。

『んー、名前は知らない。とりあえず見た方が早いかなあ』

 諏訪子さまは臙脂色の四角デバイスに黄色いフロッピーを差込みました。画面は切り替わり、がーががっがーというなんとも不穏かつ無機質な音が部屋に響きます。

『裏面にするのがめんどくさいんだよねえ』

 言ってることがよくわかりませんでした。

『そう、これこれ!』
『あ、巫女ですね?』

 画面の中には巫女さんがちょこんと佇んでおります。
 諏訪子さまの操作の元、四方を区切られた画面内を動き回ります。

『あ、なんか出てきましたよ』
『大丈夫大丈夫、こんな木端に負けるもんかぶっ飛ばしてやる! それゆけ小夜ちゃん!』

 諏訪子さまの応援を受けてああなんてうらやましい私も応援してくださいよ、小夜ちゃんなるキャラクタは手にもった御祓い棒、詳しくいうところの御幣、を振り回しお化けたちをぶっ飛ばしていきます。強いですね小夜ちゃん。

『いやでも、現実問題として御幣でぶっ飛ばすのは容易ではないのでは……』

 耐久度の面とか。

『だからこいつの出番なんだってば』

 ゲーム進行を一時停止したのち、諏訪子さまは背中からにゅっと何かを取り出しました。
 この振りのためにわざわざデバイスを起動したのですか、という突っ込みをやはり私はしません。

『なんですかその鉄のぼ』
『駄目だ早苗危険だ!』
『ええっ』

 諏訪子様は言いながら、居住まいをぴしりと正します。ぴりぴりとした空気に、思わず私の背筋もしゃんとなります。

『バールのようなもの、と呼ぶが良い』
『ばーる……』
『否。バールのようなもの、と呼ぶが良い』
『ばーる、のようなもの』
『是。これこそは神の奇跡が宿りし神具。遠い昔、かつての我がこれを手にしていたならば、神奈子に遅れをとることもなかったであろう』
『そ、そんな、すごいものを』
『この凄まじい神具にある弱点は、ただひとつ。今眼の前のあるものの、名前を特定してはいけないこと』
『なにゆえ、なにゆえですか』
『実にこの神具に宿る神性は、存在の曖昧さにあるのだよ、早苗。成る程確かに鉄と呼べなくもあるまい材質見たまま手触りだって鉄だよってかぶっちゃければ鉄っぽい感じがしないでもない。けどそれだと浪漫とかなくない?』

 口調が戻りました。

『ああもうめんどくさいとりあえずこれあれば万能なの! 力任せにぶん回すも良し、宝箱をこじ開けるも良し、何でもござれなの! そして証拠として残らない! はず』

 そう言いきり、私が辛うじて「はい」と返事をしたのを見届けて諏訪子さまはうんうんと頷きます。そしてそのまま手元の盃に手を伸ばすのです。

『いやー、美味しいね甘酒。ふふふ、これでもう下戸なんて呼ばせないんだからー。呑みすぎちゃってお腹ぽんぽんだよほら。叩いてみる? あ、それ使うのやめてね。割ける』
『い、いえ』
『よきかなよきかな。早苗が困ったとき、それきっと助けになるよ』
『す、諏訪子さま』
『かち割れ早苗!』

 諏訪子さまは、既にあまいお酒にて存分に酔っ払いの諏訪子さまは、ぽんぽこお腹を叩いてみせたのち七福神を助け出すべく小夜ちゃんを動かし始めるのでした。



 *



「仕方ないでしょう! 諏訪子さまがそう仰ったんです!」
「何で泣くのさ早苗」
「ああもう、もう一杯くださいもう」

 そうでないと私の心が挫けそうです。これ、先日の日中のお話ですよ。信じられますか? 私は信じたくありません。それで信仰がちょこっとばかし減ることになったとしても。

「おお、いける口だね早苗! ようしこの調子でどんどんいこう。それにしても今日はするする呑めるなあ」

 言いながら、にとりさんも盃を傾けます。勢い良く飲み干したあとは、ぷっはーと満面の笑みを浮かべ、私もそのご相判に預かりつつくぴりくぴりとお酒を口にするのです。おいしいおいしい、ああおいしい。かくもお酒の美味なるありさま! 嗅ぎては芳醇、呑みてはそれをしあわせな味と私は呼ぶでしょう。奇跡ですか? なんらかの奇跡ですか!

 ……何か、おかしいです。でも、そのおかしい点の捉えどころがありませんでした。点じゃないから駄目なのかもしれません。

「ちょっとあんたら、何でそんなに元気なのよ……ってか、宴会のあとに宴会芸の練習しないでよ。みんな死んじゃってるっての随分ねえ。そのおでん私も食べていい?」
「どうぞどうぞ」
「おお、あっつあつ……あらおいしい、いい出汁とってるじゃない。誰作ったのこれ」

 私です。実の処、今回の宴会で振舞おうかと思って仕込んでた出汁なのですが、それの残りにありあわせの具材をぽいぽい放り込んで煮込みました。

「うちの食材使ったの!? ああ、私も作ろうと思ってたのにおでん、味噌煮込みとかさあ、美味しいとかって言うからさあ、せっかく、せっかく準備してたのに! ああなんてこと、なんてことなの」

 どうりであまりにも相応しい食材がお台所に揃い過ぎてると思いました。足りないものもありましたけど。
 大根を頬張りながら、この宴会場の主、霊夢さんは少しだけかなしそうな顔をしました。でもその直ぐあと、「まあいいか別に」と言って箸を動かし続けます。切り替え早いって素敵です。

「それにしたってなんだって、もうちょっとで朝よ朝。どうなのこれ。いつもなら適当な頃合で皆帰るってのに、珍しい面子が残ったもんね」

 死屍累々。その表現が相応しいかと思われます。
 でもその顔はどこか穏やかで、みなさま満足気に眠っておられます。
 生き残ってるのは、私、にとりさん、霊夢さんを含め若干名。

 宴会明けの風景、というものを私はよく知りません。何故なら私はいっつも少量お酒を呑むと頭の痛みが酷くなり、あるいはかなり酔っ払ってしまって私が与り知らないうちに家に連れて帰られたりするから。ごめんなさい八坂さま、諏訪子さま……おふたりもやはり眠りこけておられます。とても貴重なものを見た気分です。写真に撮って私の秘密のアルバムに永久保存したい寝顔です。

「まあ、今回はみんな馬鹿に付き合ってやったんでしょ。前もやらかしたから知ってるやつは知ってるしね。次は無い、次は。神奈子と諏訪子は……あれねえ。信用したのかしらね、早苗のこと」
「え?」
「馬鹿とはなんだよ馬鹿とはー。みんないい顔して寝てるじゃないか。珍しいよ? 宴会終わった後で清々しい顔出来るって」
「さらっと生々しいこと言うんじゃない」

 萃香さんです。瓢箪に直接口をつけてお酒を呑み、ふらふらになりながら私たちの会話に混ざってきます。
 萃香さんといえば、それはそれはもうこの幻想郷においても随一にお酒の強い方だと聞き及んでおりまして、実際その噂が間違いではないことも私は目の当たりにしています。恐らく酒呑み比べで萃香さんの右に出るものはあんまりいないのでしょう。まして私がその右に出ようとも思えませんけれど、左側にひっそり佇んで次々注がれては消えていくお酒のありさまをずっと眺めていたいと感じるくらいに惚れ惚れする呑みっぷりなのです。

「で。流石にあれよ、昨日の今日で宴会開いたりして。呑みたい理由でもあったっての?」
「いやあ、酒は毎日呑んでもいいじゃない。久々にみんな萃めてみたら、結構のりのりだったしねえ」
「基本のりがいいからねえ。でもなんだろ。さっき霊夢も言ってたけど、この面子が残ってるのって珍しいよねえ。私は芸の練習できるからいいけど」

 にとりさんがおでんを頬張りながら言います。それは私にとっても違和感として残っていることで、おかげで珍しいものが見られて結構しあわせ気分なのですが、やっぱり何処かおかしいのです。

「ランダムで残した」
「はい?」
「や、だからランダムで残った、が正解か。眠ってる連中には存分に酔気を混ぜて置いたから、さぞかし酔っ払うの早かったと思うけど」

 ……言ってることがよくわかりません。

「場の空気に酔う、という言葉をご存知かしら? 早苗さん」
「え、え」

 紫さんです。実の処先ほどから少し離れたところでひとり座って盃を傾け続けていたのですが、とても酔ってるとは思えないような足取りでこちらに近付いてきます。

「そこな鬼は、酔いの雰囲気の密度を変えていたのです。途中から座の端で佇んでいたあなたがたは巻き込まれなかったでしょうけれど」
「ええー……」
「それで、今のあなたは散々呑んでも大丈夫な塩梅になってはいませんか? あ、どうぞ一献」
「あ、はい、いただきます」
「うん。今は調整してる。普段あんまり顔つき合わせてじっくり呑む機会もないからさあ、あんたから酔気をちょこっとずつ抜いてるんだ。河童は元々酒強いし、霊夢とスキマはまあ……」
「なんか言った?」
「なんか言った?」
「別になんも。まあ呑め呑め、今日も爽やかな一日が始まるじゃないか、こういうのもまた一興」

 すぱーんと障子を開け放ちながら萃香さんは言うのです。些か乱暴な言葉を交わしながらも凡そ剣呑からは遠く離れた雰囲気で、私たちはまた乾杯します。お酒に強いひとの感覚とは、こういうものなのでしょうか。朝の起き抜けのまどろみにも似た、やわっこい空気が私の頭を包んでいます。

 酔気、というものがあるそうです。その密と疎を操れば、普段酒に強い方はぶっつぶれ、弱い方はほどほどに呑み続けることが出来るのだとか。私はもっと、お酒に酔うのは生体化学的なものが作用していると思っていたのですけれど。

「まあぶっちゃけた話、昨日の宴会で酔気抜くの忘れてたんだけど」
「……だから諏訪子さまが日中珍しくお酒を呑まれていたということですか」
「いんや? 二柱が酔気如きに惑わされてどうする。吹っ飛ばそうと思えば吹っ飛ばせる類だって。他のやつらも、まあそうかな。それにしたって、何か良いことあったから酔いどれていたかったんじゃないかねえ」

 良いこと、についての想像は結局私には追いつきませんでしたが、とりもあえずあんまり毎日続けるわけでも無ければ、実害はなさそうに思います。

「私は私のペースでお酒を愉しみたいものですわ。あんまりおいたが過ぎるようなら、こらしめなければ」

 威厳たっぷりに紫さんは言います。このカリスマ的なオーラは、一体何処から溢れているのでしょうか?

「そうそう、早苗さんに河童のにとりさん。奇跡と科学のコラボレーションですって? 私良い考えがあるのですけど」
「え、なんでしょうか」
「良い考え?」
「ええ、ええ。もうここは早苗さんの奇跡をにとりさんの科学力でパッケージングしてですね、幻想郷にマーチャンダイズしたところそれが大ウケ! そして調子に乗ったあなた方の手によって幻想郷が俄かに混乱に巻き込まれたころ、楽園の巫女私の博麗霊夢がずばーんと登場、しかし増長した早苗さんの奇跡とにとりさんの科学によってなす術もなく霊夢の巫女服は破れさっていく……ふふ……完璧だわ」

 駄目でした。正気の沙汰じゃありませんでした。

「馬鹿は放っとこう」
「そうね。馬鹿ね」
「ばか! ばかっていった! なんなのそれ酷い言い草! ばかっていったやつがばーか! いーじゃないの乙女の柔肌とか! 同人誌(※除;R-18)の売り上げは表紙の肌色面積に比例するという仮説もあるのよ!?」

 非常に平和なやりとりを私とにとりさんが見守ります。

「……私は早苗の奇跡をパッケージングしたりしないからね。なんていうか無理」
「是非ともお願いします……」

 ああ、もう少しで夜が明けるのです。宴会の終わりまで生き残るだなんてどうでもよい感動っぽいものもひとしおなのですが、そろそろお開きの頃合ではないでしょうか?

「あ、時に萃香……んぐんぐ」
「むぐ。あーん?」
「そのさ、酔気……ん……はわかったけど。要は酒振りまいてるようなもんじゃないの?」

 おでんは大量に作ってたのでそうそう無くなりません。ほんとは帆立とかはんぺんとかちくわとかも入れたかったんですけれど、食材自体が無いので手に入りませんでした。霊夢さんのお台所にあったのは、大根人参たまごにこんにゃくいとこんあぶらげ(きんちゃくにしました)椎茸鳥肉つみれ牛すじなるもの。一応おでん的な体裁は整います。椎茸と人参を入れるか入れるか入れないかで議論を始めると最終戦争が起きそうなので私は突っ込みませんでした。空気読みます。
 お酒呑み終わったあとってお腹空くんですね。しょっぱいもの食べたいというか、なんというか。初めて知りました。今は生き残りの五名、めいめいおでん鍋をつついております。

「ああ、んぐ。大根美味いなー……ああ、ちょっと違うな、酒まいてるわけじゃなくて。こいつこいつ」

 先ほど口をつけていた瓢箪を萃香さんは差し出しました。

「この中に酒虫ってのが入ってるんだけど、そっからちょっとずつ酔気を振りまいてた。便利便利、ほんとうにさあ。私はこいつがあれば酒に困らない。水を萃めれば、勝手に酒にしてくれるからねえ、しかも本当に美味いのが出来るんだ。おまけに瓢箪は大層丈夫、酒虫は逃げられない。これからもずぅっと私に付き合ってもらうね」
「酒虫も逃げ出したいんじゃないかしらね」
「ふふん、なんとでも言え霊夢。私とこいつは一連托生、助け出したかったら瓢箪割ってみろ」
「いいわよ面倒くさい」
「言うと思った。まあこの瓢箪が丈夫ってのは本当だって。お、こいつで試してみるか」

 やおら萃香さんは立ち上がり、先ほどから私の傍らに置いてあったものを手にとります。

「あっ、それは」
「いけるいける、軽くこづいても、ほらこの通り」


 コーン。






















 ぱかん。






















『あっ』





















「わっ」
「われましたね」
「弱いじゃん、強度ないじゃん」
「あら、中から何か」

 萃香さんがバールのようなもで瓢箪を軽くこづくと、小気味良い音の後にぱっくり割れてしまいました。中に入っていたらしいお酒がだばあと床に零れました。その中から、もぞもぞ動く虫のようなものが顔を出します。

「あ、これが酒虫?」

 にとりさんが虫らしきものをつんつんつつきます。一口で表現するとその虫らしきものは毛虫っぽい何かだったのですけれど、じれったく動くさまはどこか愛らしさも感じさせます。実のところ、私はそれほど虫が嫌いなわけではありません。声を出すわけでもありませんしね。ばたばた飛翔して勢い良く顔面に向かってくる黒光りするあいつみたいなのとか、何もしてないのに足がぽろりと取れるようなマダラカマドウマ的なあいつみたいな類は嫌ですが、毛虫や芋虫の類はあんまり。だってこれらはいずれ羽化し綺麗な羽を持った成虫へと変化してゆ『オアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア』



「ひいぃー!?」
「どしたの早苗」
「しゃべっ、このむししゃべっ」
「ええっ? なんも聴こえなかったけど」
「幻聴じゃない?」
「酔いすぎなのですね、早苗さん」

 ば、ばばばばかなばかな。私はついに狂ってしまったとでも?

「んー、どうしたの萃香」
「……」

 萃香さんは眼をまんまるくしたまま、割れてしまった瓢箪とうねうね動く酒虫を凝視しています。というか、身体がふるふる震えております。まじかまじかまじでいってんのかこれ、という表現が相応しいと思われます。

「いやまあ、しょうがないって。また別な瓢箪作れば」
「オ」
「お?」



「オアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」







 * * *





 過去とか大過去とかにまみれながらやっとこ現在に帰還しました。まるで夢を見ているような心地でした。夢なら覚めてほしいと思いました。

「おああ、おっ、おおあ、ひょうたん、わたしのひょうたんがあ」

 萃香さんは魂の咆哮をあげたのち、がっくりと膝をついてわんわん泣きながらぼろぼろ涙を零しています。
 いかな自業自得とはいえ、これには流石に私たちも微妙、もとい神妙な表情を浮かべます。なんというか酔いとかさめました。

「これは……ちょっとねえ」
「ねえ、瓢箪ならまた造れるじゃない。また新しいのに入れ替えればいいのよ酒虫」
「うあー、こいつは私の相棒だったんだよう。ずっとずっと使ってきてさあ、壊れることもなくさあ、ずっと持ってて……うううう」

 うわーん、とまた萃香さんが泣きます。あんまりです、あんまりなありさまです。
 まさか私の持ってきた神具が萃香さんの瓢箪をかち割ってしまうとは。
 酔いはさめていましたが、萃香さんを除く四名が、若干貰い泣きの様相を呈してきております。

「早苗……」
「なんですか……にとりさん」
「なおそう」
「えっ?」
「萃香の瓢箪をなおすんだ! 私の科学力! 早苗の奇跡力! 今こそ特訓の成果を見せるとき! 元通りとまではいかなくても、なんとかしてやろうじゃない!」
「に、にとりさん!」

 先ほどまで行っていた宴会芸の練習が役に立つとは微塵も思えませんでしたが、そんなことは問題ではありません!

「成る程、そういう手もあるわけね……早苗さん、にとりさん、私も知恵を貸しましょう」
「紫さん……」
「私もなんか考えてみるか。なんかこう、わんわん泣かれても調子狂うのよね」
「霊夢さんっ」

 三人集まっても文殊の知恵足りえるのです、それに更にひとり加わったのならば……いけるはず!

「これは綺麗な断面。流石は神具、バールのようなものによる一撃」
「紫さんも知ってるんですかこれ!?」
「ぱっかりふたつに割れたありさま。ならばこれをぴったりくっつけてしまえば良いのでは」

 ……流されました。

「あー。糊があればねえ。瞬間的にくっつくようなの」
「あっ」
「どうしましたか? にとりさん」
「糊だ、糊。ねえ早苗、お米出せない? お米」
「えっ? お米ですか……」
「成る程、米。家の梁をつなぎとめるのにも使われるあれを、試そうというのですね? 米とはまこと素晴らしきもの、いつのまにか服にくっついてかぴかぴになってしまったあれの強度は金剛石よりも硬い。体感として」
「え、え」

 や、お米……というか米粒は出せますけど。大量に。

「でも、あれ出すとき手加減出来ないというか、調整が効かないというか……」
「テンション上がること言うわね。今の私に早苗の弾幕が当たるとでも?」
「私も同感ですわ」
「水臭いこと言うな盟友。私はそんなにやわじゃない!」
「み、みなさん……」

 紫さんが、おあーおああーと泣いている萃香さんと酒虫、あと眠っているみなさんをぽいぽいっとスキマの中に一時避難させます。なんですかこのテンションとか私は突っ込みませんよ!
 ぎり、と、私はバールのようなもの、を手にとります。其処から溢れ出る神の力が私の身体に流れ込むのです! 諏訪子さま、八坂さま、早苗はやります!


「手加減無しですゆえ!」
「どんと来いったら」
「当ててからいってくださいな?」
「まーかせとけー!」



 そこまで言われたら、



「五穀、」



 信じるのみであると、



「豊穣、」



 思いますれば!



「ライスッ、シャワァァァァア――――ッ!!」

























 * * *



「よーし、よしよし。死ぬかと思った」
「早苗、あんたの認識を改めるわ……」
「私は余裕でしたけれど?」


 私の全力を避けきったのち、三人は方で息をしながら声を出します。なんというか、紫さんがいちばん息が荒いのは気のせいでしょうか。
 ざんざらざんざらお米を振りまいた結果、今や博麗神社が本殿は大量のお米粒で溢れかえっております。勿論本物のお米ではないんですけれど。なんというか、奇跡米です。奇跡米。下手に触ると爆発しますよ。
 紫さんがスキマからいろいろとぬるんぬるんと引っ張り出すのを手伝いました。どんなに引っ張っても目覚めないみなさまは相当深い眠りに落ちているのでしょう。

「というかこれ、私が別場に赴いて発動させればよかったのでは?」
「あー、言われてみれば」
「テンション上がりすぎてた」
「言わないで。私も避けてる最中気付いたのです」

 深く考えないとこういうこともあるのですね。私の認識を改めねばなりません。
 とりもあえず、床にばらまかれた米粒をそれぞれ拾い集めます。萃香さんは大分落ち着いたようでしたが、まだ目じりには涙が浮かんでいますし、その眼がもう真っ赤です。

「じゃあ、私の出番だね!」

 にとりさんがリュックから某かを取り出します。それはかつての私が常日頃眼にしていたもの。

「これがねえ……凄いもの造っちゃったよ我ながら。これさえあれば釜戸に付きっ切りでなくてもご飯が愉しめるってんだから。見てよこの近代的なフォルム」

 見た目、炊飯器です。見慣れていた筈のそれが、随分と懐かしく感じます。

「え、でも……その動力はなんなのですか」
「その辺は、頑張るしかない」

 頑張る、という言葉は如何なるものでしょう……と思ったのですが。にとりさんは、霊夢さんと紫さんに眼を向けて「あとはわかってるね?」と言うばかりです。

「霊力変換ですか? ここにはまだ電気が引かれてませんからね」
「あー、そういうこと。仕方ないわねえ」

 霊夢さんと紫さんが、奇跡米の納められた炊飯器に手を添えます。
 するとどうでしょう、噴出口はみるまに美味しそうな香りとともにぴーと湯気を蒸気しているのです!

「ちょっ、にとりさん、これ凄い疲れるんですけれど」
「えっ、さっき避けてる方がまだ楽じゃない、これどういうこと」
「あー、色々調整の余地ありかー」



 * * *



 「……あの石組み込んだのがいけなかったか」というにとりさんの台詞を聞いて紫さんが若干青くなってましたが、なんとかかんとか奇跡のご飯が炊き上がります。

「うわー、美味しそうですねえ」
「はぁ、はぁ……ああ、本当に美味しそうねえ……ぴかぴか光ってるじゃないの……奇跡的なご飯ね……」
「……もう、これ……おでんの汁ぶっかけて食べたいわ」

 その言葉の誘惑に気持ちが揺らぎましたが、今はそれが第一目標ではありません。
 あとはこの炊き立てご飯を、どうするかが問題なのです。

 にとりさんが先ほど思いついたのは、米糊という名前がついたものです。お米とは大層粘着力に優れていて、紫さんの言っていた通り、家を組み立てるのにも使われているだとか。
 
 練って練って練りに練らないとそれは出来上がらないらしいのですが、にとりさんの道具を用いてそれも容易く成し遂げます。科学力すごいです。

「よし、あとはこの酒虫を放り込んで」
『オアアアアアアアアアアアアアアア』

 やっぱり喋ってますってこの虫!

「気のせい」
「気のせいだって」
「気のせいですよ早苗さん」

 気のせい。幻聴、幻聴か。そうですよね。
 満遍なく瓢箪の断面に米糊を塗りたくったのち、ぴったりと割れたふたつを合わせました。

「萃香、おおい萃香」
「おお、お、おう……おん?」
「大丈夫大丈夫、乱暴に扱わなければ、これでくっつくよ、萃香の瓢箪は。一日くらいは放っておけば、元通り。見た目が気になるなら、私のところに気なよ。割れ目がわからない程度の塗装はしてやれるから」
「え、え……そんな……」

 そう言って、萃香さんはまたうわーんと泣くのでした。
 但し今度は、悲しみに打ちひしがれたそれではなく。ありがとう、という言葉と共に涙を零しているのです。私たちも、頑張った甲斐があったというもの。またしても一同、もらい泣きしてしまいます。奇跡と科学のコラボレーションは、今ここにかたちを成したのです!

 めでたい、なんてめでたいことでしょう。
 こうして、私たちの素晴らしい一日が始まっていくのです。

「そうだよ早苗」
「ありがとう早苗」
「早苗と協力できて良かったよ」
「あなたが居てこそよ、早苗さん」

 そんな、私なんかが、こちらこそ……



































 * * * * *




 さなえ。


 さなえ、起きなよう。


 そろそろ……








「えっ」


 がばっ、と私は起き上がります。
 眠気まなこで辺りを見渡せば、見慣れた私の部屋。

「昨日の今日でまた宴会なんてねえ、好き物が揃ってるってのはこのことよねえ」
「まあまあ、いいんじゃない? めでたいこともあったことだしさあ」
「ああ、そうか。本当にめでたい。酒に付き合ってもいいかくらいには、思ってやるかー」
「え? え?」

 私の部屋に、諏訪子さまと八坂さまがいらっしゃいます。

「さあ行くよ早苗、折角お呼ばれしてるんだからねえ」
「そうそう、博麗神社に行ってやろうじゃないの早苗。呑みたい輩がいっぱい揃ってるってさあ。あ、今日の早苗の芸には期待してるからね。河童と協力してやるんだろう? ほら」

 諏訪子さまが、私に紙を差し出します。
 ……なんですかこれ。

「本日の演目。パンフレット」

 眼をこすりながら、私はそれを読んでみます。


『演目一、現人神と河童のミラクルサイエンスのマーチャンダイズ! 幻想郷に科学的な奇跡をお届けします!』


「いやー、何が起きるか楽しみだ」
「ほんとよねえ。期待してるからね、早苗」
「かち割れ早苗!」


 過去とか大過去とか夢とかにまみれながらやっとこ現在に帰還したのです。まるで夢を見ているような心地でしたというかやけに生々しい夢でした。覚めてほしいと思いました。

「あれはそれ、これもそれ」

 ぽんと私の肩に手を置きながら、諏訪子さまが仰います。もう呑みすぎてませんか? 素面ですか? お腹ぽんぽんになってませんか?

 私は寝床に置いてあったバールのようなもの、を背中に差し込みます。ひやりとした鉄っぽい感触にぞくりとしますが、平気です。これはきっと、私の力になってくれます。惨事を引き起こしそうな気もしますが気のせいです。誰の頭をかち割るわけでも無いのですから。かち割りたい頭があるだなんてそんな。いやいやそんな。いやいやいや。

「さあ、今日は色々早苗のことを祝って呑むよ!」
「よし、出発ー!」

 私たちは三人揃って、空を飛び立ちます。まだまだ冷たい風を受けながら、袂には宴会で振舞おうと思っているおでんの出汁を。きっとみなさん、喜んでくれるに違いありません。

 そして、宴会場にたどり着いたら。
 いのいちばんに紫さんをとっ捕まえて、これどういうことですかと問い詰めるつもりです。

 今日の私は早々に潰れてしまえばよいと思うのです。




 しかしまた本当に、夢よりもっと酷い事態になるだなんて、このときの私が予想出来るはずがありましょうか?


 その辺りは、私の気力が残っていれば、また別の機会に。
二柱がめでたいといったらすべてめでたいのです。
少しおそいですが自機昇格早苗さんおめでとう!








「オアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
※意訳
『誤字を含め一部修正しました……すみません』
いこの
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コメント



1.名前が無い程度の能力削除
なんかもう、すごいとしか言いようがない。
今月で一番笑った。
2.名前が無い程度の能力削除
小夜ちゃん懐かしすぎるだろうw
東方初めて見たときあれの続編かとおもったなそう言えばw
3.名前が無い程度の能力削除
なんというかこれはw
4.名前が無い程度の能力削除
どいつもこいつもだめだこいつらwww
5.名前が無い程度の能力削除
なんて奇跡的なテンションだww
6.名前が無い程度の能力削除
上手いすなあ。
凄い文章だと思います。
7.mizuame削除
ちくせう!
いこのさんのことだから、きっとしっとり穏やかあめの日にせつせつと読むと心地よいSSだと期待したのに!
騙された!
もうお酒呑むしかねぇ!

破壊的に面白かったです。
ごちそうさまでした