Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

大と小の掛け合い

2009/03/01 11:51:00
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1

きっかけはチルノの一言だった。
「大ちゃん、あたい、本が読みたい!」
急に立ち上がり大妖精に訴えかける、
「いいけど、どこで読むの?香霖堂?魔理沙のところ?」
いつものことと大妖精は普通に対応する、しかしチルノが指さした場所は、
「なんでそんな遠い所まで行くの?すぐそこにあるじゃん!」
紅魔館だった、これには大妖精も思わずにはいられなかった、この子はバカかと、
紅魔館と言えば悪名高い吸血鬼レミリア・スカーレットのいる館、吸血鬼だけあってその力はたかが一妖精の自分では足元にすら及ばない、そればかりかその周りにも相当な力を持った者たちがいる、わざわざそんな所に行くのは自殺行為でしかない、しかしチルノは、
「大丈夫だよ大ちゃん!だってあたい達ご近所さんだもん!」
とさっさと紅魔館目指して行ってしまう。
「ちょっとチルノちゃん待って、危ないから!」
大妖精もすぐにチルノを追いかけた。


「メイリーン!」
「チルノちゃんじゃないですか、どうしました?」
手を振りながらチルノは一人で紅魔館の門まで来た、美鈴もいつものように遊びに来たものだと思っていた、
「あたい、本が読みたい、だから紅魔館に入れて!」
「えっ、紅魔館にですか!?」
「うん、いいでしょ~」
美鈴は門番だ、門番というのは館に害をなすものを通さないことである、チルノを通せばおそらく中で暴れるだろう、そうすると通した自分が罰を受ける、
(でもなぁ、せっかく自分から学ぼうとしてるのに…)
どうするか悩んでいると
「チルノちゃん速いよ~」
「大ちゃん遅いよ~」
と大妖精がやってきた、チルノも早く早くと手をこまねく。
「あれ、大妖精さんも一緒ですか?」
「うん!大ちゃんも一緒だよ!」
ふむ、と美鈴は考える、いつもは抑えが利かないチルノも、大妖精と一緒ならば大概は大丈夫というところを美鈴は結構見てきた、現にチルノが大妖精とではなく、他の誰かと一緒な時は、結構無茶をしている。間違いなく大妖精はチルノのストッパーなのだ。
「そうですね、大妖精さんが一緒なら構いませんよ」
「ホント?やったー!」
「ちょ、美鈴さん!」
喜ぶチルノとは逆に、大妖精はひどく困惑していた、そんな大妖精の事など構わず、チルノは大妖精の手を引いて紅魔館の中へと入って行った。


門を開け中に入るとすぐに、
「あなた達、何してるの、美鈴はどうしたの?」
と声をかけられる、チルノはスッと、大妖精は恐る恐るといった感じで声のしたほうを向く。
「あっ、咲夜だ、あたい達本を読みに来たんだ、で美鈴からは大ちゃんが一緒ならいいって」
「そう、美鈴が…」
咲夜は大妖精を見る、オドオドとしてはいるが中々真面目そうな妖精だ、それに美鈴は門番であるので人を見る目はある、この場合は妖精だが…、
「そう、わかったわ、ならついてらっしゃい」
そう言うと咲夜はスタスタと図書館目指して歩いて行き、その後をチルノと大妖精はついて行った。


「失礼しますパチュリー様」
図書館の扉を開けるとそこには見渡し限りの本が並んでいた。その本の多さに二人は驚いていると奥の方から、
「どうしたの咲夜、掃除ならもう…その妖精は?」
パチュリーがチルノと大妖精に気づくが、チルノはすでに中に入り本を物色し、大妖精はチルノが何かするのではないかとハラハラしながら見ていた。
「はい、なんでも本を読みたいらしくてここに、しかもきちんと美鈴からは許可が出てます」
「そう、なら邪魔さえしなければいいわ、小悪魔―!」
使い魔である小悪魔を呼ぶと、すぐに視線を本に戻した。


チルノは適当に本を選ぶと、そばにいた妖精メイドに読んでもらっていた、何故か読んでいる妖精メイドはチルノがニコニコするのを見てハァハァ言っていたが…
大妖精はチルノを妖精メイドに任せて、自分も本を選ぶことにした、
何を読むかうろうろとしていると真っ黒な本棚を見つけた、背表紙も真っ黒で題名も書いてない、
(なんの本なんだろう)
ゆっくりとその本に手を伸ばし、一冊の本を取ろうとしたとき
「その本に触ってはいけません!」
と止められた、声のしたほうを見るとそこには、黒いワンピースに赤い髪、そして黒い羽が生えた女の子だった。
「あの、あなたは…」
「申し遅れました、私はこのヴワル魔法図書館の主であるパチュリー様の使い魔の小悪魔です」
ぺこりとお辞儀をする小悪魔につられ、大妖精も慌ててお辞儀をする。
「わ、私はえ~と、その…大妖精です」
「では大妖精様、お茶にしませんか?先ほど紅茶とケーキを用意しましたので」
どうぞ、と言われテーブルへと連れて行かれる、テーブルでは既にチルノが先ほど本を読んでもらっていた妖精メイドにケーキを食べさせてもらっていた。大妖精も椅子に座ってケーキを食べだす、
「ん~、美味しいですねこのケーキ、どこかで買ってきたんですか?」
「そのケーキは私が作ったんですよ~」
「これ小悪魔さんの手作りなんですか!?すごいですね!」
「いやいや、それほどでもないですよ~」
と言いつつも嬉しそうに小悪魔は笑う、大妖精も小悪魔のおかげで慣れてきたのか、最初のようなオドオドした感じはなくなっていた。
ケーキを食べ終え、大妖精は小悪魔と一緒に読む本を探していた、そして大妖精が選んだのは「銀田一少女の事件簿」というシリーズ物の推理小説だった。
「それ選んだんだ~、でもそれ面白いんだよ、犯人が誰なのか最後まで全く分からないんだもん」
「そうなの?ならこれにしようかな」
と選んだ本を持って椅子へと戻っていく、チルノはと言えば、本を読むことに疲れたのか妖精メイドの膝枕で眠っていて、その周りをたくさんのメイドが囲んでいた。
チルノを妖精メイドに任せ、自分は選んだ本を読んでいる、読みながらもたまに小悪魔と話したりして、それをパチュリーは少し嬉しそうにして見ていた。


そうこうしているうちに日も暮れてきて、そろそろお暇することになった。
「じゃあ、すみません私たちはこれで、チルノちゃん起きて」
チルノを起こし、読んでいた本を返そうとすると、
「その本は持って行って読んでいいわよ」
とパチュリーに言われた、そんなことできません、と返そうとするがパチュリーは
「まあ貴女ならどこぞの黒白と違ってちゃんと返してくれそうだし、汚さなければ私は構わないから」
と言われたので、それでは、と大妖精は「銀田一少女の事件簿」を借りることになった。
パチュリーと小悪魔にあいさつをし、紅魔館を出て行った。この一日で大妖精の紅魔館に対する認識はだいぶ変わった。
久しぶりです般若です。
今回は小悪魔×大妖精になる物を書きました、ちなみにこれはプレゼントと少しつながっています。
しかしこういった脇役はどんな話し方なんだろう、これでいいのかな…


誤字・脱字の方ありましたら連絡ください。
般若
コメント



1.脇役削除
脇役と呼ばれてやってきましたw
本編で会話が無いのなら、自分の中で伽羅を作って
それに合った話方をさせればいいんですよ
小悪魔と大妖精の組み合わせ…是非続きを期待したいです
2.名前が無い程度の能力削除
小悪魔さん×大ちゃんとは…
僕の大好きな二人じゃないですか…
これはぜひとも続きが読みたいです
3.名前が無い程度の能力削除
こぁと大ちゃんか……これは期待できそうですね。是非とも続きを!!

あと、小悪魔が図書館の名称を「ヴアル図書館」と呼称していますが、これはどうなんでしょうか?
やっぱり細かすぎる指摘になっちゃうのかな……?
神経質すぎたならごめんなさい。