Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

妖夢「雪月花」

2009/02/28 14:46:03
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1

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※あとがきまでが本編です
※先に謝っておきます、ごめんなさい


 ↓
















 言葉など、出なかった。
 否、そんなものでは追い付かなかっただけ。
 言葉で表現することなど到底出来ない程に美しすぎるその光景に、私はただ、見惚れることしか出来なかったのだ。

 満月の雪の夜、狂気の満月の光に照らされた雪は紅に染まり、自身達が降り積もる枝を飾り立てる。
 生命の熱を奪う雪の冷気と、精神を狂わせる月の狂気が、永遠に咲く事がないであろう花の代役を果たす。

 それは、雪と月によって咲いた花。
 鮮血のように紅い、ヒトを死へと誘う紅い花。

 今この瞬間、確かに、私の目の前には、満開の西行妖が咲き誇っていた。

 ――私は、この光景を知っている。

 紅雪の花が咲き誇るこの光景を、私は桜の花が咲き誇る本来の光景と瓜二つである事を無意識の内に認識していたのだから。
 永遠に咲く事が無い筈の桜の花を、私は実際に見た事がある筈なのだ。

 ――一体いつ、何処で?

 そこまでは思い出せない。
 記憶の中で舞い散る桜の花弁が私を包み込んで視界を遮り、そして思考を遮ってしまうから。

 思考は、桜の花弁の洪水に流されてゆく。
 もう戻ることが出来なくなってしまうくらいに深い、記憶の底へ。
 堤防すらをも破壊し、桜は流れ続ける。

 ――何故こんなにも、この桜は紅い?

 聞いた事がある。
 紅い桜の下には、死体があるのだと。
 人間の血を養分にするから、血のように紅い花が咲くのだと。

 ――ならば、この桜の下に眠るのは、一体誰?

 知っている、この桜の下に眠っているのは、

 ――パリン

 何かが割れる音を、私は最後に聞いた。


  ***


「怖い夢を見たのよ。
 内容は覚えてないけど、とても怖い夢。
 自分が自分でなくなって、そのまま消えてしまうような夢」

「縁起でも無いことを言わないで下さいよ、幽々子様。
 今はお花見を楽しみましょう」

「・・・ええ、妖夢の言う通りね。
 折角のお花見の席だもの、楽しまなきゃ損だわ」

「はい、そうですよ。
 お団子も沢山用意してありますから」

「お酒もありますかしら?」

「みょん!?」

「あら、紫。
 あんまり妖夢を驚かせないで頂戴。
 貴女もお花見?」

「ええ、私達も混ぜて下さいな」

「・・・お久し振りです、幽々子様」

「あらあら、随分と懐かしい顔が出てきたわ」


 春の麗らかな陽気の下、四人は、真新しい切り株に腰掛ける。

 周囲には、満開の薄紅の桜。

 絶好の、花見日和。




 雪月花が魅せた妖の夢は、忘却の彼方へ。
以下、ソードマスター妖夢


  ↓


「どうやら、封印が解かれようとしているようですわね・・・
 けれど、桜ごときに私の親友を渡す訳には参りませんわ」

 親友の危機に駆けつける八雲紫。

「余計な真似はしないで頂こう、八雲殿。
 封印が解かれる以上、それが何を意味するかを一番良く知っているのは、封印を施したそなた自身ではないか」

 同じく白玉楼へと舞い戻って来た、老剣士。

「そんな事は分かってるわよ!
 だったら一体、他にどうしろって言うの!?」

 普段の余裕に満ちた彼女からは想像もつかない程に、紫は焦っていた。

「知れたこと。
 我等に残された道は、西行寺が覚醒する前に斬る一点のみ。
 それが、魂魄家に課せられた使命。
 ――西行寺幽々子を斬れ、妖夢。
 お前に出来ぬのなら、俺が斬る」

 忠臣として西行寺との盟約を果たす為に、老剣士は再び楼観剣を握る。

「・・・師よ、貴方の言葉といえど、それを認める訳にはいきません。
 ――私は、幽々子様を守る為の刃だから!」

 迷いを断ち斬る白楼剣を握り締め、妖夢はかつての師と対峙する。

「でりゃああああっ!」

「ぐはぁああっ!」

 激闘の末に、妖夢は妖忌に討ち勝った。

「・・・強くなったな、妖夢よ。
 だが、それでどうする?
 封印は解かれた以上、幽々子様はもう元には戻れん。
 いいや、元に戻ったというべきか。
 生命を死へと誘う西行妖の写し鏡を、お前はどうやって救うと言うのだ!?」

 師を越えた弟子に称賛と難題を贈る師。
 それに対し、妖夢は自身が出せる最善の答えを返す。

「斬れば分かると言ったのは、貴方だ。
 迷いを断ち切る白楼剣、妖怪が鍛えし楼観剣。
 二振り併せれば、斬れぬものなど何も無い!」

 二対の刀を構え、妖夢は裂帛の気合を込めて、叫ぶ。

「鏡の中に囚われた虚像を、私が救い出す!!」


  ↓


 そして夢オチへ

 戦闘描写難しすぎて書けないよ!
 なので今更ながら、いいや今更だからこそソードマスター妖夢

 もう一回謝っておきます、ごめんなさい
純砂糖
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
これはひょっとしてギャグでやっているのか!?

なんか吹いたw