Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

雇用中の永琳

2009/02/26 20:17:15
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永遠亭某日

医師 八意永琳
患者 四季映姫・ヤマザナドゥ



四季様が


足の骨を折って


入院したそうな



「ですから、あなたに出来る善行と言うのは……」
「閻魔様~?」
「それを毎日積み重ねて行く事により……」
「はいはい閻魔様~? 閻魔様~~?」
「そうです、継続は力なりと申しまして……」
「閻魔様!!」
「わぁ!?」
「駄目ですよ!同じ病室の人にお説教しちゃ!このエリンギ・マイタケ・ヤマザナドゥ!!」
「す、すいません……」
永琳に杓を取り上げられてしまった。
「マナー違反!こんなところでお仕事をしないで下さい!」
「ですが……」
「『ですが』じゃありませんよ、閻魔様がお説教ばかりするから小町さんがお見舞いに来ないんですよ!」
「ほ、放っておいてください!」
確かに小町は全然お見舞いに来ない。
しかし、その代わりと言っては何だがここの主である蓬莱山輝夜が何故か毎日顔を出しに来てくれる。
「それに折角ゆっくり出来るチャンスじゃないですか、入院生活を少しは楽しんで下さいよ」
「いや、楽しめる類のモノじゃないでしょう?」
「むぅ……こうなったら」
そう言うと永琳は手を上げて指をパチンと鳴らした。

ガララッ!

「あ、元気そうね」
「誰!?」
扉が開いて入ってきたのは、八雲藍だった。
しかも何故か私の仕事着と同じ格好をしている。
ぱっつんぱっつんだった。
少し腹が立った。
「な、何ですかあなたは!」
「よかった~、とりあえずは元気そうね」
とまどう私を放置し、話を続ける八雲藍。
「あ、そうそうコレ皆からのお見舞い」
ずいっと突き出されたお見舞い。
「ついでだから落書きさせてね」
「ちょ、な、何やってんですか!!!」
そう言って彼女は私のギプスに落書きを始めた。
「痛たたた!!ふ、不審者ですよ!!って何笑ってるんですか!?」
ニヤニヤしている永琳。
「これでよし…っと、まぁ後の事は私がやっとくから、ゆっくりしときなさいよ?」
「だからさっきから何を言ってるんですかアナタは!」
「それじゃぁね~」
私の質問には一つも答えずに、八雲藍は手を振りながら部屋から出て行った。
完全に置いてけぼりにされた私。
「今のは…?」
と、今の騒動で何一つ助けてくれなかった永琳に質問をぶつけた。
「いやねせっかくウチに入院してくれた患者さんが、『ウチの病院はつまらない』なんて思われたら寂しいじゃないですか
 そうならない為にね、患者さんが入院生活楽しんで頂けるためのサービスを考えたんですよ!」
「努力の方向を完全に間違えてるじゃないですか!」
「ちなみに今のは来訪者、同僚バージョンです」
「同僚バージョン!? いやそれ以上に何故八雲藍が!?」
「ああ、最近バイトで雇ったんですよ」
「バイト!?」
ちょっと驚いた。
「でも……そんなサービスには及びませんよ、私はこうして患者さんと話してるだけで…」
「駄目です」
永琳はきっぱりと言った。
「ウチが閻魔様のせいで寂しい病院だなんてウワサが立ったらどうするんですか!このエノキダケ!!」
「いや、だからなんでさっきから私はキノコ扱いなんですか!?」
「まだまだ行きますよ!」

永琳は再び指を鳴らした。

ガララッ!

「あ、四季ねーちゃん起きてたー!!」
また来た。
今度の八雲藍は自分の式の格好をしている。
「ねねね、四季ねーちゃん!あそぼあそぼ」
「いや、色々と無理がありすぎでしょお!?」
「わー、落書きされてるー! お友達が書いていったの?」
「さっきあなたが書いていったんじゃないですか!」
何故これをチョイスした。
「こらこら藍ちゃん、お薬はどうしたの?」
「あれ苦いからキライ!」
「ちゃんと飲まないと元気になれないのよ?それに閻魔様は足を怪我してて、まだ動いちゃいけないの」
「うっさいこのおばちゃん!あたしはねーちゃんと遊ぶんだ!」
「だ、誰がおばちゃんよ!!」
そう言うと永琳は八雲藍のほっぺを両手でつねった。
「いた、いたたた!!何すんのよ!! そんなんだから結婚出来ないんだ!!」
「だ、誰が行き遅れよー!!」
「うわぁ!鬼ババが怒った!! にっげろぉ~!」
永琳の手を振り切って逃げる八雲藍。
「まったく……子供ってのは難儀なものですね、まぁそこが可愛いんですけど」
困ったような、くすぐったいような表情をして永琳は私のほうを見た。
「…何で笑顔なんですか?それに今のは……」
「今のは隣の病室の女の子が遊びに来る・前編です」
「後編があるんですか!?」
「まだまだ続きますよ!」

ガララッ!

「ああ!あなたは!」
わざとらしく驚く永琳。
「オッス、オラ○空!」
「ちょっと待てぃ!!!」
山吹色の胴着に金髪の狐女が立っていた。
「た、大変です閻魔様!あの有名な孫○空さんがわざわざお見舞いに来て下さいました!」
いや、突っ込むところはそこだけじゃない。
まず金髪になってるなら一人称は「オレ」だ。目は緑。
そして何故胴着の○の中が「紫」なんだ。
後この時期になって何故か如○棒を背負っているのはおかしい。
どう考えてもコイツでは筋○雲に乗れそうに無い。
「おめえ手術するの怖がってんだってな」
「うん、本気で怒っていいですか?」
実の事を言うと、私はこの方のファンである。
昔同僚の閻魔に頼みこんで写真とサインを頂いた事もあったりする。
既婚で子持ちと知ったのがかなりのショックだった事は、今でも忘れられない。
「すごいじゃないですか閻魔様!わざわざ大スターが閻魔様を励ましにやってきて下さったんですよ!」
「まぁ何とかなるって!これやっから元気出せよ!」
と狐女は如○棒を渡してきた。
おい、この場合は豆だろう。
と言うより、何故それを私に渡すんだ。
本来大事なものだろうに。
「じゃあな!」
そう言うと狐女は口笛を吹きながら出て行った。

「いやぁ~びっくりしましたね」
「そりゃびっくりしますよ!クオリティの低さに!!」
「こりゃあ頑張らないといけませんね」
「いや、あの方をアピールしてる割には帰りの口笛が思いっきり少女幻葬だったじゃないですか!!!」
「まぁそうカリカリしないで下さい、もう少し続きがあるんですから」
「もう充分ですよ!いい加減に……」

ガララッ

「四季ねーちゃん!!」
「後編きたー!?」
橙スタイルの八雲藍が再び帰ってきた。
「こらこら藍ちゃん、お薬は飲んだの?」
「だからキライだって言ってんじゃない!」
「仕方ないわねぇ、これから取ってくるからここでおとなしく待ってるのよ」
「うるさい行かず後家!」
「もう!いい加減にしないと先生も怒るわよ!!」
「へーん、怖くないもーん」
「さっきから何やってるんですか!もういい加減にしなさい、ここは病室ですよ!!!」
思わず大きい声で怒鳴ってしまった。
「やーいセンセも怒られた!」
「あらら?まるであっちが先生みたいね」
あははと笑い出す二人。
「……こんな茶番を見せられて、私はどう思ったらいいんですか!?
 それに先生もさっさと薬取りに行ったらどうなんですか!」
「じゃあ取ってくるわ、おとなしくしてるのよ?」
そして永琳は部屋から出て行った。
「あれ?四季ねーちゃんその棒は?」
「あなたがさっき渡したのでしょう!?」
「それってもしかして、あの孫○空さんの如○棒!? 貸して貸して!!」
「……どうぞ」
棒を渡すと八雲藍はそれを持って振り回し始めた。
「私ね、元気になったらいつかは孫○空さんみたいに強いヤツらと戦ってみたいんだ!!」
「自分で言ってて恥ずかしくないですか?」
「ううん、私は絶対元気になってみせる!」
「あの藍さん、ウチの手伝いをやりません?ここよりいい待遇を考えますから……」
この狐には、もう怒りを通り越して哀れみを覚える。
「だから……ごほっ!がはっ!」
ばたっ!
突然倒れる藍。
「ぜぃ……ぜぃ……ごほっ!」
「どうしたんですか急に!?」
「藍ちゃ~ん、おくす……ってどうしたの!?」
何故かいいタイミングで帰ってきた永琳、手に持っていた薬の袋を放り投げて八雲藍に擦り寄る。
「藍ちゃん!藍ちゃんしっかり!!何があったの!?」
「お、おねぇちゃんと……ぜぇ…遊んで……ごほっ!!」
「え、閻魔様!あなたは…あなたはなんて事を……!!」
どんっ!
「痛ぁっ!!」
永琳に思いっきり突き飛ばされた。
「アンタ一体何考えてんのよ!!!」
「け、怪我人を突き飛ばしといてあなたこそ何を考えているんですか!」
「この娘はね、体が弱くて激しい運動をさせちゃいけないのよ!!」
「そんな大事な設定、初めに言っておいて下さいよ!」
「この病院ってトコはね……!!」
「ぜぃ…ぜぃ……ごほっ…」
「自分勝手な優しさが、命取りになることだってあるのよー!!」
「すごい良いセリフですけど、いいかげん私との温度差を感じて下さい!!」

「以上で全サービスを終了しました!」
「ありがとうございました!」
「さ、さっきより痛くて立てないんですけど……」
ベットから突き落とされ、戻れない私。
「じゃあ次の患者さんは302号室のパチュリーさん」
「わ、私は放ったらかしですか!?」
「動物の毛は……まぁいけるでしょう!」
「医学的見地はー!!?」
「それじゃ!」
部屋から出て行こうとする永琳と八雲藍。
しかし八雲藍は扉の前で一旦立ち止まった。



「あ、そう言えば閻魔様」
「な、なんですか?」
「また履歴書を持ってお伺いします」

(終)
元ネタはGAG少年楽団ってトリオさんのネタです。 いつも通りの大幅改造。
何故藍がバイトをしてるのか?と言う方は、作品集38の「調査の永琳」をご覧下さい。
下のタグからもいけますよ~
欠片の屑
コメント



1.喉飴削除
またマイナーなネタをwww
私、お笑いネタなら凄くくいつきますよww
2.時空や空間を翔る程度の能力削除
八雲藍・・・
本当にバイトで来やがったwwwwwww

うん、今すぐ転職しなさい。
あなたのためです。
3.名前が無い程度の能力削除
結局、働いているwww


終始、笑い続けましたw面白かったですw
4.名前が無い程度の能力削除
取り敢えず、同じ病室の人が可哀想ですw
お見舞いとお笑いだと世界第一位の人が思い出されるなぁ
5.名前が無い程度の能力削除
よかった……グランドチャンピオンが出てこなくて本当によかった。