私、十六夜咲夜には好きな人がいる。
いつからだろう…自分の気持ちに気付いたのは…
私が始めて館に招き入れられた日、初めてあなたを見た。
あなたの第一印象は、綺麗な人だった。
夕焼けのような朱色の髪、見ているだけで吸い込まれそうな透き通った目、スレンダーなのに出るとこはしっかり出てる体。
どれをとっても完璧。
子供ながらに見惚れてしまったのを今でも覚えてる。
思えばあの頃から私はあなたに夢中だった…
きっと、あの頃からあなたのことが好きだったのね。
でもあの頃は憧れのほうが強かった、今はあなたに対して恋心を抱いてる。
いつごろから変わったのかは覚えてない。
それでも今の私は、あなたと一緒にいたい、あなたに私を見てほしい、あなたに名前を読んでほしい、こんなことばかり考えてる。
女同士でこんなこと考えるなんておかしいかしら?
でも、そんの気にしてられないほどあなたが好き。
この思いを伝えたらあなたはなんて言うかしら?
困った顔をする?
それとも私もあなたが好きでした。って言ってくれる?
でも今の私にこの思いを口にする勇気はない…
そんなことを考えていると、不意に前方から
「咲夜さーん」
廊下に凛とした声が響く。
誰の声なんて確認する必要もない、私が一番好きな人の声。
笑顔でこっちに向かってくるのは、私の最も愛しい人。
「難しい顔してどうしたんですか?」
まったく、人の気も知らないで…
あなたの顔を見たら考えてたことが吹き飛んじゃったじゃない。
「ちょっと考え事をしてたのよ。好きな人についてね」
「え、咲夜さん、好きな人いるんですか…?」
一瞬彼女の目が寂しそうに見えたのは、気のせいかしら?
「私に、どんな人か聞かせてくれますか?」
予想外の質問に一瞬戸惑ったが、
「ええ、いいわよ」
私はそう答えた。
私の中の美鈴のイメージを言葉にしていく。
「その人はね、とっても綺麗で、優しくて、天然で、ちょっとサボり癖があるの。私はその人のことを、小さい頃からずっと見てた。気づいたらいつもあの人のことを考えてる。いつも私の頭の中にはあの人がいる…私の初恋の人」
「そうなんですか…咲夜さんからそんなに思われてるなんて、凄く素敵な方なんでしょうね」
だからあなたのことよ美鈴…この思いを口に出来たら、どんなに楽か…
どれくらい時間がたったのかしら?
ふと時計を見ると、ちょうどおやつの時間。
「私はこれからお嬢様に紅茶を入れてくるわ。あなたも来る?」
「あ、休憩終わっちゃうんで大丈夫ですよ。それじゃ私は仕事に戻ります。また今度誘ってください
「それなら仕方ないわね、仕事頑張ってね」
「はい、では失礼します」
少しずつ小さくなる後姿
それを見つめながら、そっと呟いた言葉
「美鈴、私あなたが好き…」
いつかあなたにちゃんとこの思いを届けてみせる。
だから少し待っててね、美鈴
>これから徐々に上達していきたいと思います。
良き書き手が増えてくれるのは嬉しいのでがんばってくださいませ!
いつか打ち明けられるはずです!
>2さん
小悪魔のはまた別の機会にwww
激励の言葉ありがとうございます!
これからも精進していくのでよろしくお願いします。
>3さん
誤字の指摘ありがとうございます。
これが初SSのようで、同じSS投稿者としてこれからの作品に期待します。
それから…(三点リーダ)は、……のように2つ繋げて使用するのが基本的な使用方法です。