Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ひみつ の じゅもん

2009/02/17 22:27:57
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懲りずに投稿するよ!






















日差しを遮る分厚いカーテンの隙間から、それでも仄明るく太陽の光が差し込んでくる紅魔館、当主の間にて。

「っあああぁぁぁあぁぁ!!!いまいましいぃぃい!!!」

発狂したのは深紅の悪魔たるレミリア・スカーレットその人である。
いや、人じゃないけど。

「どうなさったのですか、お嬢様!?」
隣に控えていた咲夜が、いきなり叫びだしたレミリアを
(どうしたのこのひとあたまがいたいひとなのかしら?)
位の勢いで目を白黒させて見ている。
実際あんまりにも突然だったのでアレな人っぽかった。

「なんで!こんなに!天気がいいの!?」
よっぽど鬱憤が溜まっていたのか、一語一語に込められた気迫は尋常なもんじゃない。
レミリアの怒りが有頂天。
そんな言葉がぴったりだ。
「今は梅雨時でしょう!?だのに一滴も雨が降らないだなんて馬鹿なの?死ぬの?」
「落ち着いてください、お嬢様」
「落ち着いてられるかってんだバーろぶぁっ!!??」
「落ち着いてくださいね」
「…はい。」
いま何が起こったかっていうと。
激昂したレミリアが拳を握り締めて立ち上がって(0,3秒)
その拳を振り上げたら(0,5秒)
そこにいた咲夜の顎にクリーンヒットしそうになったので(0,6秒)
もちろんそこで咲夜は時を止めて背後に廻り(0,7秒)
力の限り回し蹴りを放った(ジャスト1,0秒)。
大体こんな感じであるよ。

かりすま?おねーちゃんそこのどぶにおっことしてきちゃった。えへっ。

こほんと咳払いを一つ。
「ま、まあ雨ばかり降られても困るんだけど。どうにかならないものかしら」
瀟洒な後ろ回し蹴りが直撃した後頭部(すっごいイタイ)をさすりながら咲夜の顔を窺った。
メイド長はふむ、と顎に手を当てて
「どうにかする方法なら存じておりますが」
わーさすがさくやん!
そこにしびれるあこがれるぅ!
とかレミリアは考えたけど口には出さないでおいた。
「どうするのよ?」
「説明はめんry…厄介なのですが」
「(おい今コイツめんどいとか言おうとしたぞ…)じゃあやってみせて」
「やってよろしいのですか?」
「ぜひやって頂戴」
「わかりましたわ。…気は進まないのですが」
と言うと、咲夜は一歩レミリアから離れる。

「では…いきますよ?」
すう、と息を吸い込み、秘密の呪文を唱え始めた。

「んゃちこんていたんへもてっと、なきすいだがのるれらめじい!」
「んや…?ってなに?」
レミリアは意味がわからずに首をかしげる。
そんな主人を気にも留めず、咲夜は一気に残りの呪文を叩きつけるように唱える。
「んゃちこんていたんへもてっと、なきすいだがのるれらめじい!
めら!めら!ぉようゃちっなにかばまたあらたれさとこなんそ!」

ZUN!

紅魔館を地響きが襲った。パラパラと天井の欠片が降ってくる。
「な、何事!?あなた一体何をしたの!?」
レミリアはあたふたと辺りを見回した。
対する咲夜は涼しげに。
「ちょっとした召喚術ですわ。霊夢に教わったものなので、効果のほどはわかりかねますが」
「召喚術って…局地的な地震起こしただけじゃない!倒壊したらどうするの!?この館は姉歯建築なのよ!?」
耐震偽装なのかー。
「まぁ大丈夫でしょう。それより、儀式は成功の様ですよお嬢様」
「儀式だったのあれ…?」
なんか違わね?とか思っていると廊下の方からバタバタと慌ただしく足音が聞こえてきた。
足音が部屋の前で止まった瞬間バンっ!と勢いよく扉が開かれた。

「どーいうことなの!?」

誰が想像しただろうか!そこにいるのはっ!
「ドM天人!?」
「誰がドMだっ!!」
青いロン毛の憎いあんチクショウ。
比那名居天子だった。



…少女説明中…



「つまり私の能力で天気を雨に変えて欲しいって訳ね!」
「あんたっていうか剣の力じゃなかった?」
「大体一緒ね!」
違うし。つーか雨じゃなくて曇りにして欲しいんだけど。
もうなんかめんどくさくなったのでちょっと投げやりに言った。
「この!私に!任せなさい!天候なんてチョチョイのチョイで変えてやるわ!」
何このテンション。うざいんだけど。
咲夜は我関せずって感じで紅茶飲んでるし。
ってあれ私のじゃないの?
もうどうでもいいや。

かりすま?おねーちゃんもえないごみといっしょにまちがえてだしちゃった。てへっ。

「っていうか曇天の気を集めないとだから結構時間かかるわよ?」
「はぁ?なにそれ、あんたさっきチョチョイのチョイとかいってじゃない!」
「何事にも準備が必要なのよ!」
「こんな時だけ正論吐くんじゃないわよ!あほ天人が!」
「あほって言うな!」
子供の喧嘩だった。


ぎゃいぎゃい騒ぎまくっている二人を尻目に、瀟洒なメイドは静かに紅茶を飲んでいた。
「いい天気だわ。洗濯物がよく乾いて」

さてそろそろ仕事に戻ろうかしら、と咲夜はさっさと部屋から出て行ってしまったが。

「ドMが!」
「あぁん!もっと!もっと私を罵って!」
ヒートアップした二人は日が暮れるまでそのまま罵り合いを続けていたそうな。




結局そんな騒ぎの次の日から嫌んなるぐらいの大雨が続き、今度は咲夜の機嫌が悪くなっていった。

「さ、咲夜さん。落ち着いてくださいよー…」
「五月蠅いわね!洗濯物が乾かないのよ!」
ひぃ、と息を詰める美鈴。

この後咲夜の憂さ晴らしに美味しく頂かれちゃったのはまた別の話である。
じちょうしなかったらこうなった。いまははんせいしている。
YAMADA
コメント



1.地球人撲滅組合削除
自重。呪文、自重。ww
2.白徒削除
懲りずにって書いてあったから見てみたら。わーい前作と咲夜さん違すぎるー。
ところでさっきから呪文を唱えてるのですが天子はいつ来てくれるんでしょうか。
めら!めら!
3.名前が無い程度の能力削除
いやさ、雨降ったらアウトだろ吸血鬼w
4.YAMADA削除
>>地球人撲滅組合様
なんか急に咲夜さんが唱えだしたんですよ。
やめとけって言ったんですけどね。

>>白徒様
あっちの咲夜さんとこっちの咲夜さんは別人なんだってけーねせんせいが言ってました。
むこうのは紅魔館が好きで、こっちのは仕事が好きなんだと思いますよ。
白徒さんが幻想入りするころには来てくれると思います。

>>3様
むしろ部屋の掃除ができないとかで咲夜さんにどしゃぶりの中に放り出されてそうです。
5.灰華削除
カリスマがないとかそういうのはお嬢様好きとして何か言いたいが、分類にちゃんとノンカリスマと書いてあるので文句は無いてか言えるわけが無い。
しかし、吸血鬼にとって「天気がいい」とは日光が差すような天気でも雨が降っているのでもなくて曇っているのが天気がいいわけで(無論夜は月光が差すような天気がいい天気)、
よって「~天気がいいの!?」って台詞はおかしい。

とりあえず罵り合いっていう割には最後一方的になっていたようなw
6.YAMADA削除
>>灰華様
レミリアのこれは要するに
「ほぉ、仕事中なのに昼寝とはっ!いい御身分だなっ紅美鈴っ!?」
と一緒だと考えてもらえれば。
なんか責められながらこの○○があひぃん!とか言ってたんですよきっと。