私のお姉ちゃんを紹介します。作者: yu

どうも皆さんこんにちは。
勇儀さんのおでこから生えてるクラッカーの
ヒモを引っ張ってみたい千の技を持つ天才、古明地こいしです。
私のお姉ちゃんは私たちが住んでいる地霊殿の当主で、さとりっていいます。
地霊殿の古明地さとりと言えば地底一のお金持ちで、
ほとんどの地底の住民が逆らうことの出来ない権力者・・・ってお姉ちゃんが言ってました。
事務所の公表しているプロフィールに載っているスリーサイズは86・・・・
・・・おいおいそんな馬鹿な話があるわけ無いじゃない。
私より10以上でかいとかどう考えてもおかしいわ。
事実に反するので匿名で抗議の電話をかけてみました。
『これが現実なんですよ妹さん』
何故か妹ってばれてた。

今日はお姉ちゃん椅子に座って本を読んでいました。
暇なときはよくこうして本を読んでます。
読んでいる本は料理の本が多いです。ていうかほぼ料理本です。
そのため私を新しい料理の実験台にします。でも失敗はほぼありません。
お姉ちゃんはすっかり料理が得意になってしまい、
逆に1番に新作を食べられることを楽しみにしています。
たまに嫌いな物入れてきますがその時は無意識に袖の中に隠します。
でも後でバレます。洗濯をするのがお姉ちゃんだからです。
そんな感じでお姉ちゃんは結構たくさん本を持ってます。
前に私も読んでみたいと思ってお姉ちゃんの部屋に忍び込んでみてビックリ。
なんと本棚、鍵付きです。
下着とかの入っているタンスは普通に開くのに。
その下着を売ってお小遣い稼ぎしたことがあるのは秘密です。
あ、これ読んだ方はお姉ちゃんに会わないでくださいね。バレるので。

今日はお姉ちゃんが私たちにバレンタインチョコを作ってくれました。
さすがお姉ちゃんレシピを読みあさっているだけあります。何処のパティシエですかあんたは。
お姉ちゃんのチョコを頬張りながら自分の作った無意識チョコ（試作品）を
近くにいたお燐にあげてみました。お燐は人型に変化して私のチョコを食べてくれました。
どうしてチョコを食べるときはいつも変化するのか聞いてみると、
猫状態でチョコを食べると倒れてしまうんだそうです。
人状態で食べても倒れてしまったんですが。今。
どうやら失敗作だったようです。ベータ76は失敗っと。

「お姉ちゃんって毎年私たちにチョコくれるけど男の人にはあげないの？」
「ええ。特にいないわね」
「ふぅん、お姉ちゃんももっとアタックして行かなきゃ！　
　私なんて今年は5人に本命チョコあげるんだからっ！」
「振られる確率100％」
「何でそんなこと言うかな！？　これだから心を読めるお姉ちゃんがいると嫌なのよ！！
　将来お姉ちゃんに恋人が出来たらその男と不倫関係になってやるー！！」

ビリッ

「・・・殺すわよ？」

それは本気の目でした。私はそれ以上何も言えません。
だって金属のふちの付いたハードカバーの本が真っ二つになってるんですもの。

予言通りのバレンタイン5連敗で不貞寝してた私は
お姉ちゃんにあるところに連れてこられました。
地上の広い草原です。

「思ったの・・・ペットは増え続け放置状態。このままではかわいそうだって」
「今頃？」
「食費もかさむしおやつを買ってあげることも出来ない」
「お金持ちって言ってなかったっけ？」
「そこで私は考えたわ」
「保健所？」
「この地上の広大な土地を購入し日光のもと農場と牧場を作ります！！」
「ふ～ん」
「食糧不足からペット達にはその辺の霊などを食べさせていたけど
　やっぱりもっとちゃんとした物を食べさせてあげたいの」
「別に無くてもいいわよ野菜なんて」
「と言うわけでこいしにも手伝いをして貰います」
「え～」

と言うことで完全に強制的に農場と牧場造りの手伝いをやらされる羽目になりました。

かわいいです。いろんなペットがいてとてもかわいいです。
野菜も順調に育ってます。
最初の頃は病気や猪に手を焼きましたが二人で協力して何とかここまで来ました。

「この牛ちゃんももうこんなに大きくなっちゃったね」
「ええ、体調も良好だわ」
「これ絶対おいしいよね！」
「！？」

突然お姉ちゃんが固まりました。

「やめて！！　そんな心で私を見ないで！！　私たちに感謝しないで！！」

お姉ちゃんが乱心したようです。
しばらく悶え喘ぎぬいたら何とか冷静さを取り戻し、

「・・・やめた」
「へ？」
「こんな純粋な心を持った仔たちを食べられるものですか！！」

きっと活け作りや躍り食いとかも出来ないんだろうなー・・・
と言うわけで食肉はやめました。
一部のペットは残念がってましたが仕方がないね。

「こいし、これ見て」

お姉ちゃんが持ってきたのは青っぽい色でまだら模様の大きな卵です。

「何これ？」
「ペットが産んだ卵よ。貴重な物なんだけど無精卵だし食べてみない？」

その日食べたスクランブルエッグは食べ慣れたニワトリの卵と違って独特な味がしました。

そんなこんなで1年が経ち、姉妹で経営しとても美しい妹のいる古明地ファームは
すっかり有名になっていました。
今日も働きました。おなかがすいたのでキスメ急行便に乗って地霊殿へ帰ります。

「ところでおくうってさー、卵産めるのｋぐふぉ！！？」
「そんなことを言うのはこの口か！？　ぁあ！？」
「ごほっ・・・何すんのさいきなり」
「見せたじゃん！　去年！
　お燐が今のと全く同じこと言ってきたから私何とかがんばって1個産んだのよ！？
　それで少しした後見あたらなくなって、孵ることもないからって諦めてたら
　さとり様よりまさかのカミングアウト！！
　『お燐が食べた』
　あああああ！！」
「あ、あたいは食べてないよ！」
「認めなさいよ！　さとり様の能力からは逃れられないわよ！」
「ちょっ危なっ！？　あんた親友に向かって撃つかい！？」
「うるさい焼けてしまえー！！」

今日もお姉ちゃんは本を読んでます。
牧場を経営している分どこかの引きこもり魔女とは同類にされることは無さそうです。
よかったね、お姉ちゃん！
ところで今日はやけに上の階が賑やかです。サバイバルでもしているんでしょうか？
と思ったら天井に亀裂が走り崩れてきました。瓦礫が振ってきます。
・・・さようなら人生・・・こんな終わりだなんて・・・私そんな悪い子でしたか？

「何か言うことは？」
「・・・」
「・・・」

お姉ちゃんが座っている前にお燐とおくうが正座させられています。
私は幸い軽傷で済みましたがお姉ちゃんは包帯ぐるぐるのミイラ女状態です。
第3の目も包帯ぐるぐるです。たぶんこれだと心は読めないと思います。
手当をしたお燐とおくうの気持ちは確かにわかります。

「なるほど、謝罪すらありませんか。
　では罰として二人とも中庭第4コースを裸足で100周して貰います」
「「！！」」

中庭第4コースとは非常に高温な紅い石が敷き詰められたコースで、
熱に強いお燐やおくうでも火傷を負っちゃう感じです。

「ちょっと待ってください！！
　悪いのはおくうです！！
　あたい何もしてないのにいきなり殴ってきたり爆発起こしてきたんですから！
　罰はおくう200周にしてあたいは無しにするべきです！！！！」
「ちょっと！
　お燐が白切るからでしょ！！」
「だからあたいは食べてないってば！」
「わ～ん私の卵返せーーー！！！」

卵？

「え、卵ってもしかして前にお姉ちゃんと食べたあれ？」
「「！」」

お姉ちゃんは変わらず足を組んで椅子に座っています。
包帯の色が変わってきました。
どう見ても冷や汗です。本当にありがとうございました。

「さ、さぁ早く中庭第4コースｎ・・・」
「「だが断る」」

スーパー下克上タイム☆はじまるよー！

私のお姉ちゃんを紹介します。

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