Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

初詣は歩いていこう

2009/02/12 02:11:02
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※体内時計を元旦まで戻してください。
※作品集67「初詣は神社に行こう」の設定を若干引き継いでいます。
※いつもより暴走しているかもしれません。特に先生。






























「あけましておめでとう! 慧音!」
「ああ、あけましておめでとう、妹紅」
「おせち料理食べていい?」
「ああ、いいぞ」
「やったあ」

新年あけましておめでとう。
私、上白沢慧音は現在自宅で妹紅とまったり年越しを過ごしている。
毎年恒例の大晦日てるもこ合戦を行った後、家に帰っても食糧がないと妹紅が言い出した為、こうして一緒に年を越している。
妹紅がこちらに来なくても、私から行ったのだが。
無論、やましいことを考えて、彼女をここに泊めたり泊まろうと思ったりしている訳ではない。
至って健全な心で彼女に接している。
つもりだ。

「ねーねー、除夜の鐘が鳴っているよ!」
「なんだ? 突きたいのか?」
「い、いやべつに特別突きたいって訳じゃないんだけどさ、ほらあ、なんていうかその・・・・・・わ、笑わないでよね!ちょっとどんなものか気になっただけなんだからね! ほ、本当だってば!」

ああもう、本当は突きたくて突きたくてたまらないって顔しているのに、そんなこと言えずに恥ずかしがっちゃうもこたん萌え萌え!
私が代わりに突いちゃうゾ☆

「けーね? どしたのけーね」

はっ、いかん。
あまりに萌えすぎて正月早々頭がリリーホワイトになっていた。
これはいかん。
なんとか現実に戻らなければ。

「そ、そうだな、今から行くとするか」
「え、べ、別にいいってば」
「そんなこと言って、本当は行きたくて堪らないんだろう」
「う・・・・・・」

あああああ!
図星をつかれて照れちゃうもこたん萌え萌え!
紅くなってるもこたんテラカワユス!
鼻からフジヤマヴォルケイノ!
落ち着け、落ち着くんだ上白沢慧音。決してやましい事など考えてはいないのだ。
教員たるもの、生徒の前では常に健全であるべきなのだ。
現実に戻ろう現実に。

「それでさ、今から行くの?」
「ああ、嫌か?」
「うーん、外寒いよ?」

寒くたって平気である。隣に妹紅がいるだけで、私のハートに血がたぎるのだから。
むしろ今この場所に二人っきりでいると熱くてしょうがない。少し頭を冷やさなくては。






「あ、でも平気だね! 私がけーねを暖めてあげるから」


















ズキュウウウウウウン!!















「どしたの慧音」
「い、いやなんでも」
「具合悪いの?」
「な、なんでもない! なんでもないんだ!」

何今の。
何。
とってもキュンキュンきたよ先生!

「や、やっぱり家に居る?」

ああああやめてくれ!その表情は反則だ!
そんなっ、上目遣いで見てこないでええええ!

「慧音が嫌ならいいけど」
「そんなことはないぞ妹紅! 私は至って健全だ!」
「けんぜん?」
「はっ違うんだ、ここここれは違うんだ妹紅! 決してリリーホワイトではない!」
「な、何が? リリーホワイトなんてどこにも居ないけど」
「は、そ、そうだったな! 先生としたことがテンぱってしまった!」
「本当に大丈夫?」

まずい、まずいよ上白沢慧音! さっきから妹紅は心配そうな顔でこちらを見上げている。
何がまずいって座っている妹紅が立っている私を見上げているこの状況!
今にも鼻血がヴォルケイノしそうなこの状況!
なんとか、なんとか言い訳しなきゃ!

「だから、私はっ! 今年も妹紅にハアハアしたいんだ!」










間。










あれ? 今なんか本音出たよー?
本音出たよー?

「けーね?」
「いいいやここここれは」
「・・・・・・」
「け、決して本音では」
「・・・・・・いいよ」
「へ?」

今なんと言いました?
先生の聞き間違いでなければこれは誘い受け!
間違いなく誘い受け!
でも待って、心の準備が!

「けーねが、それであったまってくれるなら!」
「え、まって、もこ」

がばっ
キャーイクサーン







「はっ、今誰かが私を呼んだような・・・・・・気のせいですかね。それより早く帰らないと総領娘様に怒られますね。テレビが映らないとか言って。私のアンテナ、テレビ用じゃないのですけれどね。ああでも、テレビが映らないとか言って泣き喚いている総領娘様もそそりますね。寧ろ目隠しさせて隣で見るとかいいかもしれませんね。ひっく、ひっく、衣玖のバカ・・・・・・意地悪・・・・・・・とか言ってああああああ本当に総領娘様マジラヴ!!! なんでこんなことするのってわざとに決まっているじゃない!! やっべヨダレが垂れてきた羽衣で拭いとこー」








上白沢慧音である。
今とってもすがすがしい朝を送っている。
ほら、初日の出だよ、妹紅。

「うう、慧音のばか・・・・・・あんなに激しくしなくたって」

すまない、すまないな妹紅。
だってあまりにお前が可愛いものだから。
つい本気を出してしまった。反省はしているが後悔はしていない。

「色んなところが痛いよう」

済まない。
本当に悪いと思っている。
でもあまりにお前が可愛い(ry

「あんなところ、強くしなくたって」

だって、誘ったのはお前なんだから。
先生何してもいいかなって、少し積極的になりすぎてしまったんだ。







でもほら先生、至って健全だから。









「けーねのツボ押しはいつも強すぎるんだよおおお!」

ほらね、健全でしょう。
だって先生、へたれだもん☆
な、泣いてなんかいないぞっ
涙目になって赤くなってるもこたん見れただけで新年早々幸せだもんっ!

「けーねのばかっ! もう触らせないもん!」
「仕方がないだろう、お前が」
「私はやめてって言ったのに、けーねが無理やり」
「う、す、すまない」

昨夜のことを思い出し、ちょっと涙目になるもこたん。
あああああ可愛いよう! 抱きしめたいよう!
触るななんて無理だよう!
はっ、いかんいかん。
新年早々なんと破廉恥なことを考えているんだ私は。
ここは落ち着いて、話題を切り替えよう。
そもそもこの6畳一間の部屋に二人っきりでいることが良くないのだ。もこたんの匂いがこの部屋には充満している。それはとっても私の性徴ホルモンを刺激するのである。
外行こう。

「初詣に行かないか?」
「初詣?」
「そうだ。結局昨日は行かなかったしな」
「んー、どっちの?」

あ、そういえば。
二つになったんだっけ、神社。

「お前の行きたいところでいいぞ」
「んー」

しばし考え込む妹紅。
その仕草ですら、私の性(ry

「こっからだとどっちが近い?」
「おそらくは博麗神社だろうな」
「じゃあそっちで」

なんだか適当な決め方だが、まあいいか。
新年早々、一緒にお参りに行けて、先生とても幸せだ。
張り切って行くとしよう。










神社までの道を二人で歩く。
飛んで行ってもいいのだが、歩くことは健康に良い。
神社に近付くと段々と人が増えてくる。
寺子屋の子供たちは家族連れで。
里の長老達は、何かを話しながら。

「あー、今日はやっぱり人が多いねえ」
「そうだな」

横を見れば田んぼばかりなのに、すれ違う人はいつもよりも多い。
普段家に篭っている人たちも、この日ばかりは外に出るようだった。

「えーりん、えーりん」
「なんですか、姫」

例えばこの、お姫様とか。

「宿敵の匂いがする」



バトルスタート☆






「てええるううよおおおお」
「てるよじゃねーよこのもんぺえええ」
「さっきの借りを今返してやるううう」
「クスクス、昨日の夜はもこたん滑って転んじゃったもんねー。可愛かったわぁあの格好。あのまま覆いかぶさってにゃんにゃんしたいぐらいに」
「てめーはいつもきめえんだよおおお!」

あーあ、始まっちゃった。
これ始まると長いんだよね。

「姫、とってもテラカワユス」

隣の薬師は普段どおりの顔つきなのにカタコトで何か言っているし。
ハアハア言っている姿のどこが可愛いんだ。

「ハアハアハア」

本人までハアハア言い出した。まあ、人のことは言えないんだけどね。
だってもこたんの可愛さといったら、どこかの幽霊の胃の中に納まりきらないぐらいだ。
つまりは宇宙、宇宙なのである。
いけない、いけない。これ以上言うときっと誰もついてきてくれないだろう。
大丈夫。先生ちゃんとわかってる。生徒には常に優しいと評判なのである。

「あー、けいねせんせいだー」
「けいねせんせいだー」
「けいねせんせいはなじだしてるよー」
「ほんとだー」

子供たちの声が聞こえたような気がした。けれどきっと気のせいだ。

「慧音、慧音。ちょっとここ押さえるわよ」

隣の薬師が私の鼻の頭を抑えて布を鼻につっこんでいるような気がしたが、きっと気のせいだ。
気のせいだと思う。

そんなことよりてるもこ合戦である。
さっきから二人は道の真ん中で取っ組み合いをし続けている。
時々はだける服が非常にエロス・・・・・・・いや、ちがうんだよ? 先生至って健全だからね。
おほん。
道端でバトルを始められては通る人にとって迷惑だろう。先生として、ここは注意をしなくてはならない。

「おい、ふたりとも! 取っ組み合いなら帰ってからいくらでも」
「「だまれ」」























「うっ、ぐずっ、ぐずっ」
「ご、ごめんってば慧音」
「ぐずっ、ぐずっ、妹紅のばか」
「悪かったよ。つ、つい本気になっちゃって」
「だまれだなんて、だまれだなんて」
「わざとじゃないんだよ。別に慧音が嫌であんなことしたわけじゃ」
「父兄にだって言われたことなかったのにぃ!」
「そりゃそうだろ! ってちがうよ、違うんだよ? ちょっと突っ込みたくなっただけだからね? ちょ、けーね? けーね? どこ行くのけーね! そっち行くとてるよん家だよ!」










In博麗神社

さっきはちょっと悲しい出来事があったが、妹紅の必死の介抱のおかげで、なんとかここまでやって来れた。
あのあと3回ぐらい竹林を回っていたらしい。記憶に全くない。
隣で歩いている妹紅は、少しばつが悪そうだった。

「けーね、ごめんね。私ってばすぐに頭に血が上っちゃって」
「いいさ、もう気にしてないからな。折角のお正月だ。楽しもうじゃないか」
「でも・・・・・・」

さっきから気にしていないと言っているのに。
だけど、そんな風に気を使ってくれる妹紅が好きだ。
ますます好きになってしまう。

「私は怒っていないよ」

俯いている妹紅の頭に、ポンと手を置く。すると、妹紅は上目遣いに私を見つめてくる。

「本当に?」
「ああ、本当だ」
「ならいいんだけど」
「大丈夫だよ、どんなことがあっても、妹紅のことを嫌いになったりなんかしないさ」
「本当?」
「ああ、本当だ。大好きだよ、妹紅」

はっ、勢いあまってこんなことを言ってしまった。
これではまるで愛の告白みたいなものではないか。
まずいまずい、突っ走ってしまった。
妹紅は目を丸くしてこちらを見ている。それもそうかもしれない。いきなりあんなことを言われても、当人はびっくりするだけだ。
どうしよう、どう言い訳したらいいんだ。ああもう、私のバカ!ハクタク!













「えへへっ、ならいいんだ」














ズキュウウウウン!!












本日二回目の波が来ました。
はにかむように、それでいてちょっと照れくさそうに笑う妹紅。
なにこれ。
なにこの可愛さ。

「けーね? どうしたの?」
「だ、大丈夫! 大丈夫だから!」

いけない、いけない。興奮しすぎだ。
また鼻血が出てしまうではないか。

「本当に大丈夫!?」
「平気だ、先生は至って平常心だ!」
「そりゃわかっているけど」
「はっ、違うんだ! そうじゃなくって至って健康だ!」
「い、いや、知ってるよ?」

ここはお神酒でも浴びて、頭を冷やさなくては。
あとで神社の巫女に頼んでみよう。

「とととりあえず、上行こう、妹紅!」
「でもだいじょ」
「大丈夫だ!」
「そ、そう?ならいいんだけど」

大丈夫、大丈夫。冬の風は冷たいのだから。
すぐに頭も冷えるだろう。
もしもだめなら、積もっている雪のなかに顔を突っ込もう。そうしよう。









階段を上がると、沢山の人で神社は溢れかえっていた。
正月早々大盛況である。

「わー、すごい!」
「元旦だからな」

妹紅もはしゃいでいる。まるで子供のようだ。
そんな姿を見るとつい、頬が緩んでしまう。
やっぱり妹紅は可愛い、とっても可愛い。
このままぎゅっと抱きしめて、にゃんにゃんしたくなっちゃうぐらい可愛い。
はっだめだ。
白昼堂々、なんと破廉恥なことを考えているんだ私は。
いかんいかん。先生はいつも健全なのだ。こんな時はきゅうりを数えよう。
1きゅうり、2きゅうり、3きゅうり。
よし、これで大丈夫。

「ここって人来ないかと思ってた」
「確かにな」
「よくみんな来るよなあ」
「何が人来ないよ」

ごっすん。

誰かが妹紅の後頭部を叩いた。

「いっつう!」
「明けましておめでとう、慧音、妹紅」

そこにいたのは博麗の巫女こと、博麗霊夢だった。
ちょっと不機嫌そうである。
後頭部を叩かれた妹紅は、ちょっぴり涙目になっている。
そんな表情もまたイイ!そそる!もっといじめたくな(ry
じゃなくって、まずは新年の挨拶をしなければ。

「霊夢か。明けましておめでとう」
「なにすんだよ! いきなり!」
「あんたが変な事言うからでしょ」

いかにも不機嫌ですみたいなオーラを発している巫女。
普段から彼女は愛想がいいとは言えないが、今は更に度を増している。
忙しくて寝不足ということもあるのかもしれないが、それにしたって目つきが悪い。

「夜には除夜の鐘に人を取られていたけどね、本当は毎年こんな感じよ」
「そうなんだ」
「昼間には妖怪が来ないからな」
「そういうことよ」
「でも山の麓の分社みたくちゃんと結界とか張っていればもうちょっと」
「うるさいわね!人手がなかったのよ!人手が!妖怪来るし!」
「そういえば、なんか怒っているみたいだけど」
「何かあったのか?」
「べっっっつに」

「おー、あけましてだぜー、二人とも」
「あ、魔理沙」
「魔理沙だ」

続いて奥から出てきたのは、白黒魔法使い・霧雨魔理沙。
普段の魔法使いの姿ではなく、巫女っぽい服装をしている。
色は白と黒なのですぐに本人だとわかる。

「どうしたんだよ、こんな格好で」
「そりゃあれだ、霊夢が人手が足りないからって言ってきてな。毎年こうやって手伝っている訳なんだ」
「へー」
「なかなか似合うじゃないか」
「へへっまあな」

和装なんて新鮮だが、金髪の髪に案外よく合うものだと感心する。
もともと顔立ちは日本人だからかもしれない。

「ところで魔理沙、新年早々博麗の巫女がご機嫌斜めなのだが」
「あー、それはだなあ」

ニヤニヤしている魔理沙に対し、しかめっ面の霊夢。
おそらくこの二人の間に何かがあったのだろう。

「言わなくていい」
「負けちゃったからなー」
「あ、あれは、ただの事故っていうか」
「負けたって?」
「ああ、毎年恒例の弾幕合戦やっていたんだけど」
「言わなくていい」
「こいつったらある奴を見つけた途端」
「むそーふーいん!」



ぼこお



「痛い、ひどいぜ」
「フン」
「つまりは魔理沙に負けてご機嫌斜めという訳なんだな」
「魔理沙には悪いが、珍しいな。お前が負けるなんて。一体どうして」
「ああ、だからそれは、ある奴がギャラリーに居て、それを見た途端」
「むそーてんせい!」



ばきい



「ひどい、ひどいぜ」
「あんたが変なこと言うからよ」
「だって事実だろ・・・・・・わ、わかった、悪かったからその棒を振り回すのはやめてくれ!」
「それでさあ」
「何よ」
「誰を見たの?」









間。










あ、あれ。妹紅がそう聞いた瞬間、巫女の顔がみるみる赤くなっていく。
それを隠すようにそっぽを向く巫女。
だけど耳まで真っ赤なので、あまり意味がない。
なにこの乙女な反応。
普段のやる気のない表情とは大違いだ。思春期真っ盛りの生徒を思い出してしまう。けーね先生みなぎってきちゃう。じゃなくって。

これ、聞いちゃいけない話題だったんじゃないだろうか。

「あー、えっと」
「言いたくないなら別に、な」
「うん」
「そうだよな、妹紅」

必死にたしなめる私達。
ちょっとここは空気を読んでおいとますることにしよう。
そうしよう。うん。

「予想はついてるし」
「!!!!」

もこおおおお!
何言ってんのもこおおおお!
瞬間巫女はとんでもない速さでこちらを振り向いた。そして札を出して今にも私たちに襲い掛かろうとしている。

「お、落ち着けって霊夢!だれもマフラーのことなんて喋ってないから!」
「マフラーって何?」
「あんたはいちいち喋りすぎるのよおおおお!つーかなんで知ってんのよ!?」
「えーだって本人が嬉しそうに送るのーって」
「!!」
「で、どうしたんだ?その送られたマフラーは」
「な、んな物貰っていないわよ!てか何であんたあいつに会っていたのよ!」
「え、会いたかったのか。そりゃ悪かっ」
「んなわけないでしょ!」


「慧音、慧音」
「何だ」

妹紅が耳元でこそこそ話しかけてくる。

「そろそろ行こうよ」
「あ、ああそうだな」

格闘を始めた巫女達を後に、私たちはとりあえずお参りとお守りを買いに行くことにした。
















チャリーン
パン、パン
ペコリ、ペコリ

「けーね、けーね、何お願いしたの」
「言えないな」
「なんでー?」
「だって願い事は人に言ったら叶わなくなるんだぞ」
「そっかあ」

その通り。でも願い事が何かなんて妹紅にはわかってしまうかもしれない。
ちなみに今年ももこたんとハッスルしたいとか、あんなことやこんなことをやっちゃいったいとか、そんなことは願ってない。
上白沢慧音、至って健全な先生である。
今年ももこたんの萌え萌えな姿が見られますように、とかそんな事は願ってない。
願ってないのだ。

「そういう妹紅は?」
「ああ、私?」

私がそう聞くと、妹紅はいたずらっ子のようににやりと笑う。













「へへっナイショ!」
















ズキュウウウウウウン!!












やっヴぇ
マジやっヴぇ。
なにこの破壊力。
先生の第一の願い事叶っちゃったよ、一日目にして。
いかん、また鼻からヴォルケイノしてしまうっ!
抑えろ、抑えろ!

「けーね?」
「ななな何だ妹紅」
「だ、大丈夫?」

だ、だめだ、抑えられない!
まずい、これはまずい!こんなときはどうすればいいんだ!
さっきから妹紅がじーっと私を見ている。
心配してくれるのは嬉しいが、逆効果!逆効果だから!

「けーね?けーね?」

そんな声で呼ばないで。貴方のことしか考えられなくなっちゃうから。
でも普段から、貴方のことしか見えていないんだけどね☆
はっ、違う。
じゃなくって。
この状況をどうにかしなくては・・・・・・!
こんなときは、こんなときはどうすれば!

「ちょ、本当に大丈夫?けーね」

そうだ、あれがあった。
お神酒だ。
神社にはお神酒があったじゃないか。
それを浴びればきっと熱も冷める筈!

「え、ちょ、けーね!? どこ行くのけーね!?」

もこたん待ってて!
先生ちゃんと生きて戻るから!








「なー、霊夢」
「なによ」
「この絵馬さあ、慧音に似てない?」
「だって今年は丑年でしょ」
「お前なあ、だからってまんま慧音にしなくても」
「それよりアンタ、さっきはよくもやってくれたわね」
「なんのことだかしらないぜ・・・・・・ちょ、やめ、苦しい苦しい!マフラー苦しい!折角貰った物を凶器に使う気かよお前は!」
「あんたが変なこと言うからでしょ」



どどど。


「ん? なんだ?」
「変な音がするわね」
「嫌な予感がするぜ」
「あら偶然、私も」


どどどどど。


「ね、ねえ、だんだん大きくなっていない?」
「そ、そうだな、逃げたほうがいいんじゃないか」
「そうね」


どどどどどどどど。



「あーんだ、丑年だあ」
「あれが丑だっちゃ」
「ありがたや」
「ありがたや」
「手ぇあわせておくべ」
「ありがたや」
「ありがたや」
「ありがたや」


どどどどどどどどどどど


「ってあ、あれは!」
「え、絵馬の」
「まさに絵馬のごとし!」
「ほ、本物の丑!?」



どどどどどどどどどどどどどどどどどど


「じゃなくって慧音じゃん!」
「やばっ、絵馬にそのまま描いたことがバレた!?」
「最悪だなお前!やっぱり慧音だったのかよ!」
「だっててるよに脅されたんだもん! 今年の絵馬をあのハクタクにしてくれたらお米10俵くれるって脅されたんだもん!」
「それ脅しじゃねえし! 賄賂だし!」
「おまけに売り上げが前年比1.5倍」
「そうなのか!?」


どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど


「やばい、猛スピードでこっちに来る!」
「きっとお前が紅い服着ているからだ! じゃあな霊夢!」
「あ、こら魔理沙まてい! アンタだけ助かろうと思ったら大間違いよ!」

ぎゅう。

「ぐえ!」
「ふふふ、あんたを道連れっていうか、あんたを囮にしてやるわ」
「この外道巫女! マフラー使って引き戻すなんて卑怯よ!・・・・・・やっべ今昔の口癖が出たじゃんか! この外道巫女」
「それ私関係ないじゃん」




どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど


「じゃなくってどうすんだよアレ!」
「えー、どうしよっか」
「なんでお前はいつも平常心なんだよ! あいつの前では平常心じゃないくせに!」
「うっさい! それ言うな!」



どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど



「でたー!」
「キター!!」
「うわ鼻血出してる」



「お神酒を浴びさせろおおおおおおお!!!」


「「これでも浴びろ!」」




ばっしゃーん。

























それから後のことはよく覚えていない。ただ聞いた話によると、あれから私は勢いよく酒樽に突っ込み、飲みすぎて倒れてしまったらしい。
寝込んでいた私を、献身的に妹紅が看病してくれたようだ。
ついでに言えば、私はしばらく神社に奉られていたらしい。

「ありがたや、ありがたや」
「ありがたや、ありがたや」

まあ、妹紅の萌え萌えな姿が見れたので、きっと今年も良い年になるだろう。
というか、今年ももこたんにハアハアできますように。







・・・・・・・。先生、本当にそんなこと、願ったわけじゃないからね?
妹紅「けーね、けーね! しっかりして!死んじゃやだ!」
慧音「ぶぶっ!? 妹紅!? (私今抱きつかれている!? すっごい幸せ!!)」


てるよ「・・・・・・チッ」


あけましておめでとうございます!
今年は丑年ですね!
慧音の年ですね!
二月になっても作者の脳内はお正月!
めでたいねってよく言われます。


あああバレンタインss間に合いそうにないいい
sirokuma
http://sirokuma.turubeotoshi.com/
コメント



1.謳魚削除
先生は今年もフルスロットルで空回り、霊夢さんは超絶乙女ティック、そして永江の\キャーイクサーン/、と。
流石はアリパチュの一風変わった凄い人、やってくれる!
取り敢えず涎付羽衣下さい。枕カバーにしますので。
2.名前が無い程度の能力削除
だめだこの教師早く何とかしないと・・・

まあ、もこたんならしゃあないな。