Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

お早う

2009/02/09 22:11:56
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んーーーっ。
朝日を浴びつつ背伸びをする。
うむ、今日も良い天気だ。
朝日に一日の活力を貰った気になり、今日も一日頑張ろうと決心する。
さて、取り敢えずは紫様と橙を起こすとするか。
二人を起こす行為は決して楽なものではないはずなのに、何故か寝室に向かう私の足取りは軽い。
何故だろうか?そこで私は思考を止めた。
負の感情ならともかく、今の様な感情に理由を求めることに意味など無い。
楽しいなら楽しい。嬉しいなら嬉しい。それだけで十分だろう。


寝室の襖を開けると紫様と橙が寝ている。
昨日は、紫様の突然の提案で三人一緒に寝ることになったのだ。

そういう訳で二人並んで寝ている。
二人共良い夢を見ているのか、寝顔を見ている方が微笑ましくなるような顔をしている。
う~む、眼福眼福。
橙においてはよだれまで垂らかしている。どうやら、食べ物の夢でもいるのだろう。しかしなんというか、情けない…。
まぁ、まずは起こさないと始まらないので、この寝顔を壊してしまうのは名残惜しいが、起こす為に声をかける。

「起きろ橙。もう朝だぞ。
 ほら、紫様も起きて下さい」

「ふぅあ…、藍しゃまおはようごじゃいます………」

橙は目をごしごししながら、挨拶してくる。

「こらこら、ちゃんと目を覚ますんだ。顔でも洗って、目を覚ましてきなさ  い」

「でもまだ眠いでしゅ…」

また寝そうなので仕方なくもう一押ししてやる。

「ふぅ…。
 ちなみに朝御飯は焼き魚だよ」

「にゃっ!?
 今すぐ顔洗ってきます!」

私の言葉で、跳ね上がる様に布団から飛び上がり、洗面所に駆けて行った。

「ちゃんと着替えるんだぞー。
 ったく、食べ物につられるなんて、我が式ながら情けない。
 さて、次は紫様か…。はぁ…」

紫様の方向を向く。

「紫様、起きてください。
 もう、朝食の準備も出来ています故」

「まだ眠いわ……。
 あと、5…」

おや、今日は返事がある。いつもよりましだな。
嬉しい誤算である。

「分かりました。
 では、5分後にもう一度起こしに来ますので」

紫様に一度背を向けて居間に戻ろうとすると、後から更に声がする。

「…むにゃ…あと5……時間…」

(って、時間ですかっ!!!)

ガン!!

「ーーーーーーっ
 うう…、頭痛い…」

あまりにも予想外の言葉に、私としたことが壁に頭をしたたかぶつけてしまった。

「もー、人が寝ているのにうるさいわよ、藍」

「あ、起きて下さりましたか」

頭をさすりながら言う。

「実を言うと、大分前から起きていたわ」

えっへんと胸を反らせながら偉そうに言う。っていうか、まったく偉くありませんよ…。
待てよ。じゃあさっきの言葉は確信犯か!

「ならすぐ起きて下さいよ~」

「ちょっとちょっかいだしたくなっちゃったのよ」

その言葉に非難めいた目で応えることにする。
ったく、本当に痛かったというのに。

「じょ、冗談よ冗談。だから、そんな目で見ないでよ。
 ふざけたのは謝るわ。ごめんなさいね。
 本当はね。藍に起こしてもらいたかっただけなのよ」

素直に謝るとは、これまた珍しい。
しかも、嬉しいことを言ってくれる。しかしそんなんじゃ、私の機嫌は良くなるはず………あった。どうしてか不思議に心が浮きだった。

「そうでしたか。お褒めの言葉、ありがたく受け取らせて頂きます」

「藍の機嫌も良くなったことだし、それじゃあ、いきましょう。
 あの子も待っているんでしょう?」

「そうですね、橙も待っていることですし」

「藍さまー、ご飯まだですか~?」

そこに丁度良く橙の声がしたので、居間の方を向いて言う。

「橙はもう待ちきれないみたいですね」

視線を紫様の方を戻すと、そこには普段着の紫様が。
ははっ、まったくかなわない。
いつでも私の一歩先以上を行っている。

「それでは着替えも済んでいることですし、いきましょうか」

「その前に、藍」

「何でしょうか?」

紫様がこちらを向いて言う。

「お早う」

その言葉に私も心を込めて返す。

「お早うございます、紫様」


ああ、今日もマヨイガは平和である。嬉しいことだ。
ん?そういえば、橙にお早うと言ってなかったな。
橙に会ったらまずお早うと言おう。
そう、心に決めた。
一応2作目、啼烏です。

朝起きてふと思いついた話です。
少しでも楽しんでいただければ、と思います。

ではでは
啼烏
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
お早うの一言にほのぼの感が高濃縮で配合されてて良かったです。
2.名前が無い程度の能力削除
これは良いほのぼの。