Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

モヤモヤの正体

2009/02/05 03:32:10
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「深夜の一コマ」の続きです、読んでない方は先にそちらをお読みください。


霖之助との会話後、何故か行きづらくなり二か月行ってない、前は二週間に一回くらいのペースで行っていたのだが、そんなわけで博霊神社にて紫は霊夢の入れたお茶を飲んでいた、辺りは鳥のさえずりと、かすかに風で揺れる木の葉の音だけ、それだけしかしない静かな空間、しかし
「…やっぱり、違う」
ポツリとつぶやいた一言、しかしそれを霊夢は確かに聞きとっていた。
「何が?」
「いえ、こっちの話」
「ふ~ん」
それ以上霊夢は何も聞いてこなかった、また静寂が続く、そこへ、
「よう霊夢、おっ、紫もいるはないか」
「魔理沙か、あんた、その手に持ってるもの…」
「おう、香霖のところから借りてきたんだぜ!」
笑って霖之助の事を話す魔理沙、やれやれといった感じで肩をすくめる霊夢、いつもの会話、それだけのはずなのに、紫の心にはまたモヤモヤが現れる、何故か嬉しそうに霖之助の事を話す魔理沙が嫌だった。
紫の葛藤など知ったことではない霊夢は空を見ていた、そこにメイド服に身を包んだ咲夜がいた。
「あっ、咲夜だ」
「ホントだぜ、おーい咲夜ー!」
魔理沙の声に気づいたのか、咲夜は神社の方へと向かってきた。
「なに?仕事があるから早く帰らなきゃならないんだけど」
「ああ、ちょっと呼んで見た…咲夜、お前何持ってるんだ?」
「これ?石鹸よ、さっき霖之助さんのところで買ってきたのよ」
咲夜はかごの中を見せる、その中には石鹸がたくさん入っていた。
「なんで香霖のところで、石鹸なんて人里に売ってるじゃないか」
「あそこの方が安いのよ、値引きもしてくれるし」
「値引き?私の時にはそんなものないぜ」
「あんたは買うんじゃなく、盗って行くんでしょ」
「違うぜ、借りてるだけだぜ、死ぬまでな!」
人間三人は霖之助のことで盛り上がっているのを紫は聞いている、もうモヤモヤどころではなく、何故か無性にイライラする、楽しそうに霖之助の話をしている霊夢たちを見ていると、どうにかしてしまいそうだった。
「紫、どうしたの?」
霊夢に言われ気付く、他の二人も不思議そうに紫を見ていた。
「なんでもないわ、ごめんなさい、もう帰るわね」
「えっ、帰るの?なんで?」
引き止めてきた霊夢に若干イラッとする、霖之助ならばそんな事はしない、もっとも霖之助になら止めてほしい気もしたが…
「ちょっとね、藍に橙の修行を見るように頼まれたのよ」
言うが早いか、サッと隙間を開くと、誰も呼び止めないうちに帰って行った。
もちろん修行の事など嘘だった。



マヨヒガに帰った紫は、イライラしながらちゃぶ台を小刻みに叩いていた。そこに式である藍がお茶を持って来た。
「お茶です紫様、どうかなされたんですか?」
いつもと違う紫の雰囲気に、藍は思わず声をかける。
「いえ、なんでもな…」
なんでもない、と言おうとして紫は考える、藍にこのモヤモヤの正体は何なのか聞いてみようかと、確かに病気の類なら永琳に聞いた方がいいのだが、何故か気が引けたのだ。
「…ねえ藍、最近自分がおかしいのよ」
お茶を受け取り、ゆっくりと話し出す、それを藍は静かに聞いていた。
「変だなって思い始めたのは、前に霖之助さんのところに行ったとき、最初はあの店の雰囲気が好きなんだと思ったの、でもそれはなんだか違って、霖之助さんがいるあの店の空間がなんだか心地よくて、霖之助さんの事を考えると胸が苦しくなる、でも他の人が楽しそうに霖之助さんの事を話していると何故か無性にイライラするの、ねえ藍これって何なの?何かの病気なの?…藍?」
藍はポカンとしていた、紫の悩みだから何かとてつもないものだろうと思っていたが、それがまさか恋の悩みだったとは、しかもそれを本人は分かっていない、藍はクスッと笑ってしまった。
「ちょっと藍、なんで笑うの!?私は真剣なの!」
「すみません紫様、それはですね紫様…恋です」
今度ポカンとしたのは紫だった、
「ゴメン藍、もう一回、私が何?」
「だからですね紫様、紫様はあの店主殿に恋をしているんですよ」
「ちょ、ちょっと、嘘でしょ!?私は大妖怪八雲紫よ!?それなのになんであんな冴えない男、しかも半妖に恋なんてするの?理由がないじゃない!」
大声で一気に喋る、紫は顔を赤くし「ハー、ハー」と息をしていた、対して藍は涼やかな顔であった。
「紫様、誰かを好きになることに理由なんていりません、好きだから好き、それでいいじゃないですか」
藍はそう言うのだが、紫はいまいち納得できないでいる、と言うのも大妖怪である紫は、恐れられ避けられてはいたが、好意を持って接してきた者などほんの一握りしかいなかった、しかもそれらはすべて女性で、男など人妖どちらも近寄ってこなかった、なので紫にとって霖之助は初めて心を許せた男性と言える。なので恋などしたことなどもちろんない。
そんなわけで、自分が霖之助に持った感情が恋だとは分からないでいた。
「でも、恋だなんて…どうすればいいの…」
「言ってしまえばいいじゃないですか、「好きです」と、もしかしたら店主殿も「いい」と言ってくれるかもしれませんよ?そしたら後はキスなりなんなり…」
「き、キス!?霖之助さんと、キ、キ、キ、キスするの!?私が霖之助さんと初めての…」
どうやら紫は思っていた以上に純情だったらしい、その事を藍は初めて知った、どうやらこの恋は思っていた以上に難解らしい。
「しかしですね紫様、気持ちを伝えるには直接言わないと、今日の夜にでも行ってみては?」
「で、でも、こんな状態でまともに話せるかどうか…」
「別に無理に話さなくても、少しづつ慣れていく感じで行ってみては?」
藍の言葉に紫はゆっくりとうなずく、
「そうね、頑張ってみるわ、なんたって私は大妖怪八雲紫ですもの!」
「その意気です紫様」
そうして、意気込んだ紫はその夜、香霖堂に行くのだが…


おまけ
二週間に一回のペースで来ていた紫が最近まったく姿を見せないことに、霖之助は若干の寂しさを覚える、家に閉じこもっているのかと思えば、霊夢たちからは会ったと聞く。
「我ながら、たった一人の女性にこうも心を乱されるとは…」
ふう、っとため息を吐き、霖之助は窓から外を見たのだった。
紫霖の続き書いてみました、
書いてるうちに紫が純情?なキャラに、もう少し大人にしたかった、
少しでも期待に応えれたらいいのですが…
般若
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
ウブい。ウブいぜゆかりん。でもそんなあなたが好きだ!!!(作者含める)
別ルート
藍「紫様…それは更年期障g(オレニスキマガ!?)
2.名前が無い程度の能力削除
なんという少女www
最近霖之助がブームな俺にドンピシャなものが…!!

しかし藍は男女の機微に関しては幻想郷一なイメージがある。
これから紫の恋愛の師匠として指導していくんですね、わかります。
3.名前が無い程度の能力削除
某所じゃバッキバキに折られまくってる乙女ゆかりんのフラグだが、この霖之助には脈がある!
頑張れゆかりん!負けるなゆかりん!
4.名前が無い程度の能力削除
乙女ゆかりんいいよ乙女ゆかりん
5.名前が無い程度の能力削除
脈はあるぞ、頑張れ紫!
続きを楽しみに待っています!