Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

調査の永琳

2009/01/31 21:17:26
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永遠亭某日

医師:八意永琳
患者:八雲藍



八意診療所は、健康診断とかもやってるんだって!



次の方どうぞ―


ガラガラッ
「はい、いらっしゃい」
ガラガラッ ぴしゃ!
「こんにちは」
「はいこんにちは、これから診察を担当します八意永琳です」
「あ、はいよろしく」
「立ち話も何なんで、そこにかけて」
すとんっ
「今日は朝ごはんは食べてきましたか?」
「いえ、食べてません」
「はい…それじゃ口の中を見るから口を大きく開けて」
あーん
「んーっ、OK!じゃあ次は心臓の音を聞かせてね」
「わかりました」
「あ、全部脱がなくていいからね?」
ちっ……
「何で舌打ちしたのかしら?」
「気にしないで下さい」
「ふーん……」
ぺた……ぺた……ぺた……
「よしっ、次は反対向いて」
くるっ
ぺた……ぺた……ぺた……
「はーい、もういいですよ」
かりかり……
「…っと、それじゃあ次は耳を動かしてもらえる?」
「はぁ」
ぴくぴくっ
「前に向けて」
ぴくっ
「横に向けて」
ぴく
「うなだれさせて」
しなっ…
「はい!ありがとう」
「あのー……」
「何?」
「今の検査は何を見てたんですか?」
「ああ、可愛いなぁって思ったから」
「やらせただけかぃ!」
「やぁねぇ~冗談よ、冗談、じゃあ次に行こうかしら」
かりかりっ

一通りの診察も終わり問診へと入った。
「じゃあこれから色々質問していくから」
「はい」
「最近体調が悪いコトとかはあります?」
「体がちょっと張ってますね」
「あらあら、じゃあ前に大きな病気とかは?」
「それは無いですね、大怪我はちょいちょいやりましたけど」
「例えば?」
「いや、まぁ……その、こういう商売柄ですから…ね」
主人の虐待なんてコトは言えない……
「なるほど、じゃあ次の質問、私の事好き?」
「はいはい……はぃ?」
「好きかなのか、どうかしら?」
「それも冗談ですか?」
「いえ、真剣よ」
「あの、質問の意図が……」
「好きか嫌いかだけでいいわ」
何を言っているんだろうこの人は。
「……好きです」
「ライクかラブか?」
「……ライクで」
「ふむ、消極的」
「どういう意味!?」
表情一つ変えずカルテに書き込む永琳。
「まぁウチでは必要な内容なのよ」
「だからどういう風に…」
「続いての質問!何故ウチを選んだんですか?」
「いや、他に無いし」
「後悔はしてない?」
「どういう質問ですか!?ちょっとずつ後悔し始めてるのは否めないけど!」
「うーん、頑張り屋と」
「それってもう問診とかじゃないですよね?」
カルテにペンを躍らせる永琳。
「友達はどれくらい居る?」
「だからそれをどうカルテに役立てるんですか!?」
「必要なんだって、こういうのが後々重要になってくるのよ!当日のキャンセルはこっちがバタバタするの!」
「なんですか、キャンセルって!」
「ああもう、とりあえずあなたの式を一人とカウントしておくわ!」
「橙は関係ないでしょう!?」
「じゃあ次!何で前の仕事を止めてウチに?」
「ちょっと待てぃ!!」
思わずストップをかける私。
「何かしら?」
「明らかに問診じゃなくなってるでしょう!?」
「まあいいじゃない」
「いいコトあるか!!それに紫様の式を辞めた訳じゃない!」
「でも冬だからちょっと暇だ、と……」
「書くなー!!」
「でも事実でしょ?」
「それはそうだけど……」
確かに紫様の冬眠中は暇だ。
と、言うより式の仕事そのものが結構暇だ。
「あ、そう言えば写真が無いわね」
「いや、写真はあなたが撮るものだろう?息を吸ってー吐いてーとかで」
「違うわよ、顔写真よ」
「必要ないだろう!」
「しかし、経歴も資格もたくさんあるわねぇ……」
「何でそんなコトを知っているんですか!?」
「あなたが朝書いたヤツよ」
「受付でやたら長いアンケートがあったのはその為か!?」
永琳の手元にはそのアンケートが握られていた。
よく見たら一番上に履歴書とか書いてある。
気付け私!!
「しかし、何でそのアンケートを姫さんが丁寧に説明してたんだ!?」
「フグの調理まで出来るのね、凄いわね」
「話を聞けー!!って言うか、これもう問診じゃ無いよな!?」
「ちなみに、これの傷病欄には足りないものがあるの、何か分かる?」
「た、足りないもの?また急に医者っぽい事を」
「そう、足りないもの」
何だろう……
口に手を当てて考えてみる。
「分からない?」
「……むぅ」
「正解はね……『恋の病』」
……
「理由は、分かる?」
「……なるほど、どんな医者にもそれは治せないと言う訳か」
「いや、ただ単にそんな項目入れても仕方ないから」
「現実的!?」
「とりあえず、ちょっと夢見がちなところ有りっと……」
「だから逐一書くなって!!大体カルテは5年保管するものだろう?変な事ばかり書くな!」
「ウチの患者は妖怪が多いからもっと長いこと保管するわ!!」
「余計悪いわ!!」
「よしっ!」
ぱんっと手を叩く永琳。
「これでとりあえず問診は終わり!それじゃあ説明していくわね」
カルテを横に置き、こちらへと向き直る永琳。
「是非とも説明をお願いしたい、ここまでの問診で何が分かったのかは非常に興味がある!」
「まずウチは末締めの25日払い」
「何の話!?」
「さっきも言ったけど、休むときは早めに姫か私に言うのよ、シフトは姫が組んでるから」
「姫にシフトって!いや、それ以前にシフトって!!」
「いや、ウチは即戦力が欲しかったから助かるわ~」
「ちょっと待てーい!!!」
思わず大きな声を出してしまった。
「ど、どうしたの?」
「色々聞きたい事がある!」
「ああ大丈夫、希望によっては20日払いでもOKよ!」
「違う!その話じゃない、私は診察を受けに来たんだ!!」
「私は面接をしに来たのよ!!」
「やっぱりそうかあぁー!!もういい、帰る!」
「ちょっと待ちなさい!」
「何だ!?」
「研修は明日の二時からだからね!」
「誰が行くか!!」


(終)
久々なので書き方を忘れた八意診療所シリーズ。
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欠片の屑
コメント



1.時空や空間を翔る程度の能力削除
で、二時に藍さんが現れるのですね、わかりますwwwwww
2.名前が無い程度の能力削除
なんか姫様、裏方の仕事が多いなww