Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

恋人の祟り神(後編 終)

2009/01/29 23:18:59
最終更新
サイズ
41.9KB
ページ数
1

分類タグ

(ちゅんちゅん…)
 
「…?」
 外から聞こえる鳥の鳴き声で、霖之助は目を覚ました
(ああ…朝か)
 ぼんやりとした頭で、朝が来た事を知る
 そして、しばらくの間ぼんやりとしてから
「朝!?」
 昨日の晩にあった事を思い出して、起き上がろうとする
 身体は鉛のように重たいがそれでも上半身を起すと
 昨日の夜に消えかけていた自分の片手を見つめる
「…あるな」
 透けていると思っていたが今此処に自分の手は存在している
 その事実にホッとしていると、部屋の扉が開かれた

「よかった…目が覚めたようだね」
 部屋に入ってきた魅魔が霖之助の目が覚めたのを見て
 ホッとした表情で霖之助の傍に寄ってくると
「…腕は動くかい?」 
 昨晩透けていたはずの霖之助の腕を掴みながら
 真剣な顔でそう伝えてきた 
「いや、動くも何も…」
 真剣な顔でそう伝えてくる魅魔に見せるように
 掴まれた腕を動かす霖之助
 力は入れにくいが、腕が動く事を見せる
「そうか…動かないわけではないんだね」
「疲れているせいか、少々力が出しにくいがね」
 動く事を確認した魅魔がホッとした表情で霖之助を見つめて
 霖之助の寝ているベッドの上に座り込む
「…とりあえず…」
「なんだい?」
 魅魔が笑顔で片手を握り締めると

「このバカ野郎!」

 有無を言わさずに霖之助の頭に拳骨を落とした
「っ~~!?い、いきなり何を…」
 思っていなかった一撃を受けて、痛む頭に手を当てながら
 魅魔に苦情の一つでも言おうとしたが思わず口が止まった
「バカ野郎…」
 魅魔が自分の胸倉を掴み、肩を震わせていたからだ 
「…なんでこんな状態になるまで黙っていた」
 静かな口調で霖之助にそう告げてきた

 しばらくの間、二人とも黙ったままだったが
 その沈黙を先に破ったのは霖之助だった
「…この症状の原因を知っているのかい?」
 霖之助の言葉に魅魔が静かに頷くと原因を語り始める

「始めに私と会った時の姿を覚えているかい?」
「あ?…ああ…覚えている」
 あの時の魅魔も確かに透けていた
「もっとも、私の場合は悪霊であるのもあるから余計にだったけど」
 魅魔がそう伝えてから更に話を続ける
「こっちの世界で魔力が足りない話は前に教えたね」
 霖之助が首を縦に振って肯定の意を示す
「…私は魔力が足りなくてあんな姿で居たけれど
 もう一つ、こっちの世界で存在するのに大切な物があるんだ」
「…その大切な物とは?」
 霖之助の疑問に魅魔がはっきりと答えた
「『名前』と言う名の存在だよ」
「名前?」
 そのまま鸚鵡返し呟いた霖之助に魅魔は頷く
「個人の名前では無くて…広い意味での名前さ」
「広い意味での…」
 そこまで話されて、霖之助の頭の中に答えが見え始めてきた

「たとえば私なら魅魔の名の他にもう一つの名前がある」
「…『祟り神』だな?」
 自分が伝えようとした事を霖之助に先に言われて
 魅魔がちょっとだけ驚くがそのまま話を続ける
「正解だ…それが神であろうが、妖怪であろうが
 その名前を持っていて、初めて認知されて存在が出来る」
 
 妖怪なら妖怪の名前が、神ならその神様の名前があるから
 人間は『妖怪』や『神』として認知する

「つまり、僕が一体何の妖怪かわからないから…」
 半分は人間であるがもう半分の部分
「…ああ、お前の体の妖怪の部分がこの世界から消えようとしているんだ」
 妖怪の部分が身体が透けると言う症状が起こっているのだ
(そうか…つまりこの症状は) 
「この世界に居る限り治る事はない…」
 霖之助の言葉に魅魔が頷いて更に付け足す 
「…そしてどんどん進行していくよ」  
 今まで理不尽な事にはある程度慣れていたが
 治療方法が無い病気にかかるとは思っても居なかった
 
「だから今から急がないといけない」
「急ぐ?…なにかいい方法があるのか?」
 霖之助の言葉を聞きながら魅魔が
 部屋から出るためにドアを開ける
「今から薬の精製を徹夜で進めるよ」
「薬の精製?…そうか…幻想郷に帰れれば…」
 
 幻想郷に帰れば霖之助の身体が消える事は無くなる
「そうだ、幻想郷に帰れればすぐに良くなるだから今からすぐに…」
 魅魔がそう伝えて部屋から出ようとしたとき
「げほっ!げほっ!?」
「霖之助!?」 
 再びあの発作が霖之助を襲う
 魅魔が再び霖之助の傍に戻るとその背中を擦り始めた
「痛むかい?」
「だ、大丈夫……まだ耐えれる」
 霖之助が痛みを耐えながら自分の手を見つめる
(肘まで消えているか…)
 昨日の夜のように手が消えるだけじゃなく
 肘まで透けてきていた手の平に関しては
 既に完全に輪郭が消えてしまっていた
(大丈夫…まだ耐えれる)
 額に汗を流しながらも激痛に耐える霖之助にとって
 背中を擦ってくれる手がとても有難い支えであった


「も、もう…大丈夫だ…」
 しばらくの間の苦痛を耐えていると体の痛みが薄れて行くのを感じて
 霖之助が手を上げて痛みが引いた事を報告する
「…そうかい」
「すまないな…少し横になるよ」
 そのままベッドの上で横になり目を閉じた 
(お休み…) 
 意識が無くなる寸前に優しい声が聞こえた気がしたが
 それよりも今は体が疲れを取る為に休息を求めていた




 意識を無くした霖之助に布団を被せて
 額の汗を拭いた魅魔は倉庫の中で準備していた薬の材料を
 霖之助の部屋に運んでいた
 部屋に運ぶ理由は何個かあった
 一つは倉庫に作った部屋に比べて広い事
 もう一つは寝ている霖之助に何かあった際に
 すぐに駆けつけれるためである

(…早くしないと)
 部屋に荷物を運んだ魅魔はベッドで寝ている霖之助の姿を見て
 大急ぎで薬草や魔力を込めた鉱石を用意し始めた
 意識が失った霖之助には見えなったようだったが
 寝ている霖之助の手は薄れていた
(見立てでは後数回の発作で…消える) 
  

 霖之助のお店の倉庫を調べまわって
 何種類かの使えそうな物を見つけていた
 だが、それだけでは到底魅魔の魔力を回復させる事は出来ない
 そこで魅魔が考えていたのが数種類の薬の調合である

(此処にあるだけの薬草と鉱物から私の魔力を回復させるためには)

 時間をかければ効き目が跳ね上がる物も中にあったが
 今、そんな悠長な時間は無い
 それらを除外して、何とか幻想郷に帰るだけの魔力と時間を  
 頭の中で調合のために必要な時間を計算する
「最低でも3日はかかるか…」
 これでも調合の時間としては短すぎるほどであるが
 後ろで眠っている人物からしてみればギリギリな時間である 
「愚痴を言ってる暇はないね…」
 眠っている霖之助の顔を一目見てから
 魅魔は手元にある薬草を調合し始めた






「……」
 霖之助の意識が覚醒し始める
(寝てたのか…)
 数瞬の後に先ほどの痛みを思い出す
(ああ、そうだった…)
 体が動くかどうかを調べる為に腕を上げる
 だが、手に布団が当たる感覚は無い
 霖之助が不思議に思いながら起き上がり自分の片手を見つめた
(そうか…感覚が無いわけだ)
 見つめたその手は透けていた
 予想はしていたので、そこまで取り乱す事は無かったが
 片手が使えない事はやはりショックだった

「目が覚めたかい?」
「魅魔?」
「ちょっと待ってな今、調合の一段階目が終るから」
 ベッドのすぐ傍から魅魔の声がしたので霖之助が辺りを見渡すと
 部屋の半分が薬草や訳のわからないフラスコ等で埋め尽くされていた
「何時の間に僕は倉庫に来たんだ?」
「いや、此処はお前さんの部屋だよ」 
 魅魔が後ろを振り向かずにそう伝えると
 手に持っていたフラスコを振る

「…どれだけ僕は眠っていたんだ」
 その様子をしばらく見ていた霖之助が声をかけると
 魅魔が手にしていた最後のフラスコを振りながら答える
「ちょっと待ってな…とりあえずこれでよし」
 最後のフラスコの中の色が変わり始めたのを見て
 魅魔が作業を止めて霖之助の傍に歩いてきた
「丸一日…って所かな…」
「そんなに寝てたのか…」
(ぐぅ~)
 そう言うと同時に霖之助のお腹が鳴る音が聞こえた
 その音を聞いた魅魔が霖之助の顔を見て笑う
「…どんなときでも体は正直らしい」
「何か食べれるなら当分は大丈夫だ」
 霖之助が苦笑いしながらベッドから起き上がると
 部屋のドアの方に向かう
「今から何か軽い物でも作ってくるよ」
「了解…フラスコでも見ている事にするさ」
 魅魔が笑いながら台所に向かっていった
 




「大体3日程かかる計算だ」
「3日か…」
 霖之助の部屋の中で魅魔と霖之助が
 コーンスープを啜りながら今後の予定を話し合っていた
「後数時間でフラスコで調合した物の熟成が終るんだ
 それまでは待たないといけない」
「その数時間で何をするんだい?」
 霖之助の質問に魅魔がフラスコの隣にある箱を取り出した 
「今度はあの鉱物を仕分けしないといけない」
「仕分けか…」

 
 同じ鉱物でも、大きさや純度によって
 調合した際に効果にばらつきが出てくる物がある
「それじゃあ僕も…」
「お前さんは眠ってな」
 霖之助も仕分けの作業を手伝おうとしたら
 魅魔がそれをさえぎった  
「体力を消耗したらその分だけ発作が起きやすくなるからね」
 もとより、霖之助を助ける為に薬を作っているのだ
 霖之助が手伝った為に発作が起きたとなれば元も子もなくなる 
「それは…困るなあ」
 流石にそう言われると霖之助は何も出来ない
「まあ、気持ちだけは受け取っておくさ」
 そんな霖之助の顔を見て魅魔が満足そうにそう告げると
 鉱物を仕分ける作業をするために椅子に座る
「よし、作業を始めると…ふぁ~あ」
 魅魔が作業をしようとしたとき、口を開けて欠伸をした
 そこで霖之助がとある疑問に気がつく
「なあ、一つだけ聞いても良いか」
「あん?」
 魅魔が鉱物を仕分けながら答える
「…君は何時寝たんだい?」
 
 考えれば、激痛で倒れていて気がつかなかったが
 霖之助が倒れている間中も魅魔は起きていた
「少なくとも、丸一日起きてはいるね」
 しれっとそう伝える魅魔に
「寝ておかないといけないだろう」
 霖之助がベッドから半身を起す
「大丈夫だよ…徹夜は魔女の基本だからね」  
「…魔理沙が良く徹夜している理由が良くわかったよ」
 そのような会話をしながらも魅魔は作業を止めない
「それに時間も余りないからねぇ」
「いや、本当は眠いんだろう?」
「…大丈夫、眠くなんか無…」
 そこまで言った瞬間、魅魔が大きな欠伸をする 
「なあ…」
「だ、大丈夫だ!起きていられるから」
 魅魔が必死に霖之助に大丈夫だとアピールする
 
 そんな魅魔に霖之助が提案を出す
「少し仮眠を取った方が良い」 
「い、いや…だけどねぇ…」
「しばらくしたら僕が起すから」
 霖之助の言葉に魅魔が作業をする手を止めてしばらく考え込むと
「三十分だけ…」
 少し頬を染めると小さな声でそう告げてきた







「…すぅ……すぅ…」
「やはり眠かったんだな」
 魅魔が仮眠を取るといって30分後
 少しだけ横になると言って
 近くにあった椅子の上で目を瞑っていた魅魔は
 すっかり寝息を立てて眠っていた
(まあ、丸一日以上起きていたんだ…仕方がない)
「さて…しばらくの間交代だ」  

 その様子を見ていた霖之助がベッドから起き上がると
 椅子に寝ている魅魔を抱きかかえて
 自分が寝ていたベッドに横にさせて布団を被せる
 そして鉱物が置いてある机の前に座ると
「…三つ程の大きさに分けておけば良いか」
 魅魔の代わりに鉱物の仕分けをする作業を開始した
  
 伊達にお店の店主をしているわけではない
 条件さえわかれば、仕分ける作業は霖之助には簡単だ
 幻想郷に帰る為にできる事が少ない霖之助にとって
 少しでも魅魔の手助けになることをしておきたかったのだ 

(これで魅魔が寝る時間ぐらいは出来るだろう)
 しばらくの間、静かに聞こえる寝息を聴きながら
 淡々と大きさや純度を調べて分けていく作業をこなしていった



 

「こんなもので良いかな?」
 霖之助が箱の中の鉱物を全て仕分けをし終えると
 既に数時間が経っていた
 久しぶりの単純作業に少々疲れたが
(あれ以上ベッドで横になっているのもなあ)
 横になっていろと言われても
 寝すぎるというのも返って大変なのだ

「代わりにベッドで横になる必要がある人もいるしね」
 そう呟きながらベッドで横になっている魅魔を横目で見る 
 心底疲れていたのだろう、完全に熟睡しているようであった
「そうだな…今の間に何か食べれるものでも作ろうか」
 いまだ寝ている魅魔を気遣って
 部屋からそっと出て台所に向かった
 
 

「……」
 落ちていた意識が半分覚醒する
(ああ…寝てたのか)
 ぼーっとした意識の中でそれだけを確認する
「……」
 いまだ完全に覚醒しない意識で辺りを見渡す
 気がつけばベッドの上で横になっていて
 隣の机を見れば、そこにはもう少しで熟成が完了しそうなフラスコの中身が
「――…!?」  
 それを確認してから、一気に意識が覚醒した
 大急でベッドから跳ね起きて、思いっきり後悔した
(こ、この時間が無いって時に!)
  
 30分どころか数時間も横になっていたのだ
 大急ぎで仕分けの作業を開始しようと椅子に座ると
「…終ってる」
 そこには綺麗に分けられた鉱物が並べられていた
(私は何時の間に作業を終えて…)
 とそこまで考えてから思い当たる節が一つだけ思い浮かぶ  
(あの馬鹿…寝てろって言っていたのに)
 そして思い浮かぶと同時に部屋から出た

 





「やあ、起きたみたいだね」
 そして台所に着くと同時に
「30分で起せって言ったじゃないかい!」
 自分の代わりに作業をしてくれた人物に怒鳴り込んだ
 そんな魅魔に対して霖之助が笑いながら答えかけた
「いや、随分気持ち良さそうな寝顔だったから起すのがためらわれてね」
「ば、馬鹿!今は時間が無いんだからそんな事…」 
 魅魔が真っ赤になって霖之助を怒ろうとした時
(ぐぅ~)
 魅魔のお腹が鳴る音が聞こえてきた
「~~っ!」
 思わずお腹を押さえる魅魔に対して霖之助は口元をニヤつかせると
「丁度良かった、今料理が出来るから座って待っていると良い」
 そう告げて魅魔の前にお皿を用意し始めた
 その様子を何かを言おうとしたが
「それにお腹が減っては効率も落ちるだろう?」
「…確かに一理ある…」
 霖之助にそう言われて渋々だが椅子の上に座る事にした



「適当に作ったの物ですまないな」
 テーブルの上に霖之助がドンと鍋を置くと鍋蓋を外した
「水炊き…?」
「残っていた物を適当に鍋に入れただけだがね」
 お互いにお皿に鍋の中に入っている物を皿によそうと
 両手を合わせて、二人とも久しぶりに明るい雰囲気で食事をし始めた
 時々魅魔が『肉が少し硬い』とか『出汁が少し濃い』など言っていたが
「ん、これなら何とか合格点だね」
「やれやれ手厳しいな…」
 結局食事が終わる頃には鍋の中身は綺麗に空になった

「なんだかんだで綺麗に食べてくれたじゃないか」
「お腹が減っている時はどんな物でもうまいものさ」
 空になった鍋を見て霖之助がそうからかうと
 魅魔がお皿と鍋を洗面台で洗いながらそう切り替えし
「次は私がもっと美味い鍋を作ってやるよ」
 口元をニヤつかせて逆にそう返すと
「ああ、楽しみに待つことにしよう」
 霖之助は降参するように両手を挙げて呟いて
 部屋に戻ろうと立ち上がる
「むっ?」
 だが立った瞬間、足の力が一瞬抜けた感じがしてよろめく
 思わず床に倒れそうになる
「おっと…」
 倒れそうになった霖之助に魅魔が抱きかかえる
「歩けるかい?」
「…すまない、ちょっと肩を借りる…」

 魅魔に肩を借りたまま部屋まで戻ると
 そのままベッドの上で倒れこむ
「やっぱり…少し疲れたみたいだ」
「ほ~らいわんこっちゃない…」
 ベッドの上で横になった霖之助を
 魅魔が心配そうに見つめて布団を被せた
「熟成も終った事だし、後は私に任せて眠りな」
「ああ…そうさせてもらおう」


 それから数十分もしないうちにベッドから寝息が聞こえて来た
「…さあ、此処からは私の番だ」
 霖之助が眠ったのを確認すると
 鉱物とフラスコの液体を調合させる作業を始める

 別の容器の中にフラスコの中身を数本注ぎ
 その中に仕分けた鉱物を入れて
「それを特定の温度で煮詰める」
 フラスコの液体から不純物と水分を飛ばし
 その上で、鉱物に入っている物質を熱で溶かすのだ
(…これで二段階目か)
 本来なら、フラスコから水分を飛ばして
 その上で鉱物を溶かすという
 二段の工程を経るのだが
(今回は時間が無いからね…)
 その二つを同時にこなせる辺りに魅魔の知識と経験の量を物語っていた
「さて、準備はこれでよし」
 目の前にあるフラスコに火を入れる為の道具
 そして、鉱物を入れた容器を準備して魅魔が腕を捲くると
「…さて始めるとするかね」
 薬の精製二段階目の作業を開始する

 4種類の容器の中に薬剤と鉱物を入れて
 一つ一つの容器の温度を調節している間に魅魔が思った事は一つだった
(……寝ておいて良かった) 

「…どんな感じだい?」
 作業を開始してから6時間程たった頃
 眠りから覚めた霖之助がベッドの上で半身を起してきた
「目の前にある容器とのにらめっこさ…暇で暇でかなわないよ」
「じゃあ、僕とつまらない話でも聞かないか?」  
 一人だけただ容器を見つめるのが少々辛くなって来た頃だったので
 その提案は魅力的であった
「ん~…お前さんの話は逆に眠くなりそうだ」
「む、それは酷いな…」
 いつものようにお互いにからかいあいながら…

「パソコンと言う式で色々できるそうだ」
「式ねぇ…一体何に使うんだい?」
「…君と見てきた『映画』も見る事が出来るそうだよ?」
「――!?そ、そうかい…」
「…そういえば…十三日の金曜日って名前の…」
「み、ミマ~!(耳を両手で押さえて肩を震わせて目は涙目)」  
 二人とも尽きることなく会話を楽しみながら
 五つの容器を見つめる作業をこなしていた




「…これで二段階目が終了だ」
 煮詰める作業が半日ほど経過した時点で
 大き目の容器になみなみと注がれていた液体は
 水分である9割ほどが蒸発して
「…殆ど残らないんだな」
「ああ、だが効果は何倍にも増えている」
 容器の底の方に少し粘度が増した液体を残していた
 これだけの量でも、幻想郷の中で取引するとしたら
 物凄い額の値段が動く事になる
「無事に幻想郷に帰れたら、錬金術でもしてみないか?」
「『ミマのアトリエ』ってところかい?…ははっ考えても良いかもしれないね」
 魅魔が笑いながら、その容器の底に残っている
 液体を一つ一つビンに詰める
「これで数時間程落ち着けさせて、最後にもう一度調合すれば」
「完成かい?」
 霖之助の言葉に魅魔が頷くと
 ビンを4本机の上に置いて椅子に座り込んだ
「これであと少し…だけどちょっと疲れたね」
 流石に丸々半日集中し続けるのは精神的に消耗する
「お疲れ様、今お茶でも入れてこよう」
「あ~…お願いするよ」
 
 本当なら余り霖之助に動いてもらいたくないが
 今は少々疲れているので
 椅子に座ったまま霖之助の提案に頷いた
「それじゃあちょっと行って来るよ」
「ああ…お茶請けもよろしく頼んだよ」
 部屋から霖之助が出て行ったのを見届けてから
 
 休憩できる時には取っておく方が良いと判断したので
「ダーイブ!」
 ベッドの上に魅魔が倒れこむ
(あ~…一休み一休み)
 ベッドの上で横になって目を瞑り始めた時


(かしゃん!)
「!?」
 部屋の外から何かが割れる音が聞こえた
 その音が聞こえると同時に、横になっていたベッドから跳ね起きると
 部屋のドアを大急ぎで開けると台所に走った

 
 台所にたどり着いた魅魔が見たのは 
「――っ!っく~!」
「霖之助!?」
 台所の床にうずくまって荒い呼吸をしている霖之助の姿であった
「しっかりしな!」
 魅魔が隣に来たのがわかったのか
 霖之助が首を縦に振る
「待ってろ!今まで部屋まで運んでやる」 
 魅魔がそう言うと、霖之助を運ぶ為にその肩を支えた時
 霖之助の身体に起きている新たな異変に気がついた
(軽い!?)
 いくら痩せているとはいえ、霖之助は男性である
 女性である魅魔では肩を貸して歩かせるのが精一杯である
 だが、今は魅魔が両手で担げるぐらいまでに軽くなっているのだ
(…なにか嫌な予感がする)
 大急ぎで部屋に戻るとベッドの上に霖之助を寝かせる

「大丈夫かい!?」
「…ぃ…意識は…大丈夫…」
 喋るのも辛いのか搾り出すような声で魅魔に告げる
「痛みは!何か辛い事は!?」
「…て…手ぇ…足…がっ…」
 霖之助の言葉を聞いて、魅魔が改めて手を足を確認すると
(なんて事だい…)
 霖之助の両足の先端が透けて来ていて
 片手にいたっては肩の付け根の方まで透けてきていたのだ
(此処まで進行が進んでいたなんて)
 想像以上に霖之助の体の透明化が進んでいる事に魅魔が焦る

「うぐぁ!?がはぁ!」
 そんな時に霖之助が再び発作の激痛に苦しむ
「おい!大丈夫かい!?」
 ベッドの上で激痛でうずくまる霖之助の背中を
 魅魔が必死に擦る
「ぐぅあぁぁぁ!」
「しっかりしな!霖之助!」
 だが、今度の発作は中々治まる気配を見せない
 霖之助が痙攣を起し始めるのを止める為に
 魅魔がその背中を抱きかかえるが
 その間にも霖之助の体の透明化が進行していた 
 既に足の透明化は膝の方まで進んでいた
(くっ…このままだと…)
 ほんの少しの猶予も無い
(考えろ…何か…何か方法が…)
 辺りを見渡した魅魔の目にある物が映った
(…そうか!もしかしたら…)


 魅魔が霖之助の体の拘束を解くと
 ある物を手に掴んだ
(私の考えが正しければ!)
 そして、それを自らの口に含ませると
(手荒い方法だが我慢しなよ!)


 霖之助の顎に手を当てて顔を固定して…
「ん!」
「んむっ!?」
 その口を魅魔が己の口で塞ぎ、そのまま
 口に含ませた物をゆっくりと霖之助に飲ませた
「んっ…ぷはっ…」
 口に含ませた物を全て霖之助に飲ませたのを
 魅魔が確認してから口を離すと
 霖之助が徐々に落ち着きを取り戻していき
 そのままベッドの上で眠りに着いた
(…これで…とりあえずこれで最悪の事態は免れた)
 
 霖之助の容態が落ち着いたの見て
 魅魔は最悪の事態は回避できた事を確認する
(…よかった…透明化が酷かった足も戻ってる)
 そして、次に起きた問題について考える
 手に持った空になったビンを見て







(此処は?)
 霖之助が目を覚ますとベッドの上だった
(確か僕は…)
 朦朧とした意識の中で霖之助は先ほどまでの記憶を思い出す 
(お茶を入れるために台所に向かったはず…そこで…)
「…倒れたのか?」
 その時、台所で激痛に襲われた事をようやく思い出す
 全身の痛みと共に四肢の末端が消えていく感覚を思い出し
 大急ぎで手と足を確認しようとして

「よかった…意識が戻ったみたいだね」
「魅魔?」
 椅子にもたれて憔悴している魅魔に声をかけられる
「僕は…」
「台所で発作を起したんだよ…」
 魅魔が霖之助に倒れた時の事を話し始める
「皿が割れた音がして台所に行ったらお前さんが倒れていてね…」
「すまないな此処まで運んでもらって…重かっただろう?」
 霖之助の労いの言葉に魅魔が少し話すのと止める
「軽すぎるくらいだったさ…」
「そうかい?」
「…両手と両足が消えかけていたからね」
 魅魔の言葉を聞いて、霖之助が自分の体を確認する
 相変わらず片手は透けていたが両足は無事であった
「ふぅ…余り驚かせないでくれよ」
「消えかけていたんだよ…」
 冗談だと思って苦笑している霖之助に魅魔が静かに伝える
 普段と違う雰囲気に霖之助が口ごもる
 口ごもった霖之助に魅魔が更に続ける
「…足だけじゃない、両腕も消えかけていたんだよ」
「だ、だけど現に今僕の身体は…」
 霖之助が魅魔に対して自らの両手を見せようとした時
「ほら…」
「おっと?」
 魅魔が何かを投げつけた投げられた物を霖之助が掴む
「…ビン?」
「そいつを使ったんだ…」
 手渡された空のビンを見てしばらく霖之助が考え込む
 そして魅魔座っている椅子の奥に見えるテーブルの上にも 
 同じサイズのビンが3本…これから導き出される答え

「まさか…」
 その答えに魅魔が無言のまま頷いた
「…精製する前の段階でもお前さんの消えた部分を一時的に止めるには十分さ」
 魅魔が苦笑して告げたその言葉で
 当たって欲しくない予想が的中した事を知った
「なんでそんな事を…戻るために必要だったのだろう!?」
 霖之助が帰るための貴重な薬を使った事を
 問いかけると魅魔が答える
「当たり前だろう!?お前さんが消えてしまったら元も子もない」
「だ、だが…せっかく作ったのに…」
「あ~うるさいねぇ!お前が消えたら幻想郷に帰る意味がなくなるじゃないか」
「意味がなくなる?」
「―っ!?と、とにかく!私はお前に薬を使ったことは後悔してない」   
 魅魔の答えに霖之助が何か言おうとしたら魅魔が強引にそれをさえぎる
「それに…私にお前が消える姿を見れと言うのかい?」
「それは…」
 目の前で知っている人が消えるのをじっと見ている
 それは消える人よりも見取る人の方がずっと辛い
「だから…薬を使ったことは正しかった…それで良いじゃないか」
「…すまない…」
 魅魔の言葉を聞いて霖之助が頭を下げる
「ごほっ…ごほっ…」
「…まだ疲れているんだもう少し横になってな」
 それと同時に再び霖之助が咳き込む
 そんな霖之助の背中を魅魔が擦ると再びベッドの上で横にさせる
「…すまない…君には迷惑をかけてばっかりだな」
「……」 
 霖之助の言葉に魅魔が無言になる
「どうした?」
「ごめん…」
 その様子に霖之助が不思議に思っていたら
 魅魔が申し訳なさそうな顔で謝る
「…お前を幻想郷に送れないかもしれない」
「そうか…」
 薬を使ったと言う事から少なからず覚悟は出来てはいた
 だが、面向かって言われると霖之助とは言え流石に堪える



「……」
「…魅魔?」
 思っている以上に深刻な事態に霖之助が固まっていたら
 魅魔がベッドの傍に寄って来た
「…本当にすまない」
 そうつぶやくと霖之助の胸元を軽く掴む
 
 急な事に霖之助が驚いていたら
 魅魔が霖之助の胸元に額を当てて話を始めた
「私が…もっと早く『名前』と言う名の呪いに気づいておくべきだったんだ…」
「いや、それは違う…」
「違わないさ」
 魅魔が俯きながら話を続ける
   
「おまえが半分人間だからと見過ごしていた…」
 それは、霖之助が半人半妖であると魅魔に話した時の事
「すぐにでも魔力を回復させる薬を作るべきだった」
 それは、此方の世界が楽しいと思った理由を考えていた時の事
「わ、私が…もう少しこの世界の事を知りたいなんて言わなければ…」
  
 そこまでが限界だったのだろう
 目に浮かべていた涙が流れ始める
「すまない…本当にすまない!」
 霖之助の胸に額を当てて泣く魅魔
「…謝る事なんてなにもないだろう?君が居なければ
 もっと早く消えていたんだ、僕の方が感謝しないといけない」
 ひたすら謝る魅魔の頭を霖之助が静かに撫でる
 魅魔も静かにそれを受け入れて頭を撫でられる  

 そこにいるのは百戦錬磨の魔法使いでも
 神社で祭られている神の姿でもなかった
 今まで誰も見た事のない『魅魔』と言う名の女性の姿だった

「…なあ魅魔」
 無言で頭を撫でていた霖之助が声をかける
「…本当に幻想郷へ帰る事は出来ないのかい?」
 頭を撫でられて少し落ち着いた魅魔が答える 
「幻想郷へ戻るための結界に道を開くのなら何とかできるんだ」
「開くだけ?…道を開く以外に魔力を使うのかい?」
 その言葉に魅魔が頷く
「お前さんの身体に対して魔法を張り続ける必要があるんだ」
「僕の身体に?」
 驚く霖之助の傍に魅魔が近づくと
 透けかけている手にそっと手を乗せた
「…今のお前の身体は凄く不安定なんだ…
 今の状態のお前がそのまま結界を越えようとしたら
 …下手したらそのまま消えるかもしれないんだ…」

 幻想郷に戻るまでの間、霖之助に魔力を張り続けないといけない    
 そのための魔力が足りないのだ
「…だから…すまない」  
 帰れない理由を改めて霖之助に伝え終えると謝る魅魔
 そんな魅魔に霖之助が更に問いかける
「僕に張るべき魔法が必要ないとしたら…戻れるのかい?」
「それは…」
「出来るのかい?」
 霖之助の意図は読めないが、やれるという事を示す為に首を縦に振る
「そうか…なら良いんだ」
「…何が良いんだよ?」
 その様子を見た霖之助が嬉しそうに微笑む 
「君が幻想郷に戻れるだろう?」
「…お前さんを置いて…私に幻想郷に行けと?」
 驚く魅魔に対して霖之助が頷く
「馬鹿なことを言うんじゃないよ!」
 頷いた霖之助に魅魔が怒りをみせる

「私がこの世界に残るのならまだ良い…だけど霖之助!
 お前がこの世界に残るっていう事は確実に死ぬんだよ!?」 
「…だけどこのままだと二人とも幻想郷に戻れなくなる」
 怒る魅魔に対して霖之助が静かに声をかけた 
「確かに…それはそうだけど…」
 正論を言われて何も言えずに黙る魅魔
 この世界に居る間は霖之助の症状は治ることはない
 そして霖之助が消えそうになる度に薬を使用し続ける事はできない
 それならば、せめて片方でも幻想郷に戻れる方が理にかなっている
 
「それと、君に幻想郷に行ってやってもらいたい事があるんだ」
「…聞くだけ聞いてやるよ」
 魅魔が言葉に耳を傾けると霖之助が軽く答えた
「なに簡単な事だよ、霊夢や魔理沙がへこんでいると思うから
 僕はこっちの世界で楽しくやっていると伝えて欲しいんだ」 
 それが嘘だと言うのはわかっている   
 だが、それでも生きていると言うの事になれば
 霊夢も魔理沙も罪悪感が少しは薄れるだろう
       
「それと、八雲紫…彼女には真実を伝えてほしい」
「誰だい?そいつは…」
「隙間妖怪って言えば通用するかもしれないね」

 霊夢と魔理沙は魅魔の言葉に納得するかもしれないが
 こっちの世界に来ることが出来る紫には
 本当の事を言わないといけないだろう
「…随分と私がやらないといけない事があるんだね」
「まあね…最後にもう一つだけ」
 魅魔が諦めたようにそう言うと
 霖之助もベッドの上で横になりながら最後のお願いを伝える

「八雲紫に伝えてこのお店を幻想郷に戻してもらってくれ」
「…お店の店主は…どうするんだい?」
 お店が戻っても店主が居ないのなら意味がない
 では、幻想郷にこのお店を戻してどうするのか
「…君にこのお店を任せたい」
 魅魔の疑問に霖之助が答えを述べた    
「私がこのお店を?」
「…ああ、報酬と言ったら変かもしれないけど
 僕が君に残せそうな物と言ったらお店ぐらいしかないからね」

 霖之助の大切にしているお店を任せる
 その意味がどういうことか魅魔にもわかる
「幻想郷に帰って住む場所が無いと困るだろう」
「住む場所なんて…博麗神社があるじゃないか」
「別に住まないでも良いんだ、ただ今の博麗神社は
 少々妖怪が集まってうるさいからね…
 たまに掃除して隠れ家として使ってくれれば良いさ」
 
 一つは魅魔の住む場所の提供、そしてもう一つは
「…頼む、魔理沙と霊夢の面倒を見てやってくれ…」
 魔理沙と霊夢を自分の代わりに見守る役目を魅魔に託そうとしているのだ 
「ごほっ!ごほっ…」
「…お、おい?」
 そこまで話し終えた霖之助が再び咳き込み始めたのを見て
 魅魔が大急ぎでその背中を擦る
「頼む…」
「わかった!だから今は何も言わずに眠りな」
「そうか…ありがとう」
 魅魔の言葉に霖之助が満足したのかベッドの上で寝息をたてはじめた
 その様子を見た魅魔がホッと一息つくと部屋から出て台所にむかった
(ありがとう…か…自分が消えるかもって時に…この御人好しは…)



 
 部屋で眠っている霖之助を部屋に置いて
 魅魔は台所で考え込んでいた
「…制限時間は半日あるかどうか…って所だね」
(魔力は5~6割…あいつを生かせるためには…)
 
 魅魔が考えていたのは幻想郷に帰る事ではなく
 霖之助が消えるのを止める事であった
(あの御人好しは…自分が消えるって時まで他の人の事を考えて…)
 霊夢と魔理沙の事を頼まれた事を納得したわけではなかった
 無論、魅魔自身も幻想郷に戻りたい気持ちはある
 だが、今はそれよりも霖之助に生きて欲しい気持ちの方が強い
(全くあの馬鹿は…自分が消えた時に周りが
 どれだけ悲しむのかをほとんど考えていないじゃないか)
 いざと言う時に自分よりも他の人の事を優先させる御人好し
 そんな霖之助だからこそ、なんとしても生きて欲しかった
(…あの御人好しが居ない幻想郷は…きっとつまらないだろうしね)
 
 一瞬だけ優しい顔に戻った魅魔が椅子に座って考え始める  
 どんな手を使ってでもいいから霖之助を助ける方法を 

(一番の方法はあいつを幻想郷に送る事)
 だが、そのために必要な魔力は今の魅魔には足りない
(…せめて奴が消えないようにする事)
 霖之助の妖怪としての名前を見つける事で消えずに済むのだが
(駄目だ、時間が足りなさ過ぎる…)
 半日しかない状況で霖之助の名前を見つける事はほぼ不可能に近い
(何か…何か別の方法が…)
 
 魅魔が持っている知識と使える魔力を使ってやれる事を
 最大限までやれる事を考え続ける 
(一か八か強引に幻想郷に送る?…駄目だ…下手したら
 幻想郷にあいつが戻れないまま結界に阻まれて魂すら残らない)
 
 できる事、できない事を考えて
 テーブルの上に紙を置いて計算して
 駄目なら別の方法を考えて助ける方法を模索する
 そんな事が夜が開け始める頃まで続けられた

 そして鳥が鳴き始めた頃に
「駄目だ…」
 魅魔がテーブルの上に突っ伏した
 テーブルの周りには乱雑に散らかった計算用紙が捨てられていた
 考えに考え抜いて出た結論は無情なものであった
「…どうやってもあいつを救う手段が出てこない!」 
 やり場の無い怒りを突っ伏しているテーブルに叩きつける 
 
(畜生!何が祟り神だ!大魔法使いだ!半人半妖一人救えないなんて!)
 しばらくの間、テーブルを叩いていたが
 そのうち、何もせずにテーブルの上で目を瞑っていた
(…頼む、誰でも良いあいつを…あの御人好しを救ってやってくれ)
 机に突っ伏しながら目から熱い物が流れるのがわかる
 目の前の人を救いたいのに、何もする事が出来ない自分が情けなくて
(霊夢…魔理沙…お前達ならこんな時どうする?)
 魅魔の脳裏に霊夢と魔理沙の顔が思い出される 


「待てよ?」
 その時、魅魔の目が見開かれた 
 椅子に座った魅魔の脳裏に
 これと同じような事で悩んだ事が思い出される
(どこだ!?思い出せ…)
 霊夢と魔理沙で何か思い出しそうになる

(博麗の巫女と初めて戦った時?)
 陰陽球をぶつけられて凄く痛かったがこれではない
(霊夢に戦いを挑んだ時?)
 試合には負けたが魔理沙に友人ができたのは喜ばしいことだった
(…幽香に殴りこみかけた時?違う!もっと後)  
 魔界侵攻した時の事でも、異世界の教授が来た時の事でもない

(…違う、異変でなくって…)
 魅魔が必死に考える、異変でなくてもっと大切な…
「そうだ…思い出した…あれなら!」
(移動手段ばかり考えていて忘れていた!)

 魅魔が大急ぎで紙にその計算を書き始める
 そして数十分の時間の後、魅魔が嬉しそうに微笑んだ後
「…さて寝ようか」
 口を開いて欠伸をしてから台所から移動を始めた  











 霖之助が目を覚ます  
(もうこんな時間か…)
 昨日の夜の事を思い出して無事に意識が戻った事に驚く
(もしかしたらこれで最後かもしれないしね)
 最近横になっている事が多かったせいか体の節々が痛む
 もっとも、体の末端部分が透け始めているので
 満足に動く事が出来ないのだが…
(魅魔は…台所か?)
 首だけで部屋の様子を見るが何処にも魅魔の姿が見えない
(じゃあ、お店の中を見てくるか)
 これがお店の見納めになるかもしれないと思って
 霖之助がベッドから起き上がると

「すぅ…すぅ…」

 布団を捲くった隣で緑の髪をした祟り神が…
 つまり、先ほど探していた魅魔が眠っていた  
(ど、どういう状況だ!?)
 隣で気持ち良さそうに寝ている魅魔を見て流石の霖之助も固まる
「…ん~…んっ?」
 固まっている霖之助を他所に
 布団を剥がれて寒くなったのか魅魔が目を覚ました
「…寒いじゃないか…布団を戻しておくれよ」
「あ、ああすまない…」
 魅魔に言われて急いで布団を戻す霖之助
 先ほどと同じような姿勢に戻ると
「よっと…」
 魅魔が布団から顔だけを出して
 霖之助の腕を枕代わりにして横になる
 余りにも自然な動作に霖之助もしばらく固まっていたが 
「…それじゃあお休み」
「ま、まてまて!」
 声を出されて大急ぎで眠ろうとしている魅魔に声をかける
「すまない、ちょっと聞きたいのだが」
「ん…眠いから手短に…」
 本当に眠そうにしながら声を出す魅魔に
 霖之助が質問をしていく
「な、なんで隣で眠っているんだい?」
 その疑問に対して魅魔が一言で答える
「ああ、寒かったから」
「いや、寒かったからって…」
 慌てる霖之助の事など知らないように
 魅魔が目を閉じようとする 
 その姿を見て、霖之助がため息を着くと
 魅魔に枕代わりにされている自分の手を引き抜こうとする
「ベッドから退くから手を放してくれ」
 ベッドを魅魔に譲ろうとしてそう伝えると 
「ん、嫌」
「い、嫌って…」
 素っ気無く反対された挙句に更に腕を掴んで固定される
 その様子に霖之助も諦めてもう一度布団に包まる事にした

「…それでよし」
「…何時に無く我侭だな」
「いいじゃないか…最後になるかも知れないんだから」
 その言葉に霖之助が目を瞑って笑う
「そうだね…それじゃあ二度寝をするとするか」
「ん、それじゃあ改めて…ふぁ~ぁ」
 もう一度眠ろうとした魅魔が霖之助に呟く
「今夜、私が居た神社の中で月見をするよ…」
「…ああ、わかった」 

 多分それが此方の世界で一緒に飲める最後の酒になる
 それが直感でわかったので、霖之助は素直に頷いた
「…だから…それまで…お休み」
「お休み…」
 本当に眠かったのだろう
 数分もしないうちに魅魔が寝息を立て始める
 しばらくの間、自分の腕を枕にして
 無防備に寝る祟り神の頬を突付きながら
(…僕も寝るか)
 再び込み上げてきた眠気に身を任せることにした



「ん~!良く寝た」
 夕方に近くなってきた頃、
 今度は霖之助よりも先に魅魔が目を覚ます
 そしてベッドから出ようとして
(もう少しだけ惰眠を貪りたい気分だねぇ…)
 自分の隣で眠っている人物を見つめてその頬を軽く突付く
 しばらくの間、そのように心地の良い時間を過ごしていたが
(…もう少しこのままで居たいけど…準備をしないとね)
 魅魔が名残惜しそうにベッドから起き上がると
 霖之助を起さないように部屋から出て行く

 それからしばらくして
「…おはよう」
 霖之助が目を覚まして台所に下りてきた
「おやおや…思ってたよりも早く起きたねぇ」
「これはまた…」
 霖之助が台所で見た光景は魅魔が用意した
 テーブル一杯の大量のお酒の姿であった
「今夜は久しぶりに飲むからね」
「それにしてもこれは多すぎじゃないか?」
 二人ともそれなり以上にお酒を飲むが
 流石に二人分でこの量は少し多い気がしたが
 魅魔が豪快に笑い飛ばす
「大丈夫だ、幻想郷の人間の肝はそんな柔じゃない」
「…お手柔らかにお願いするよ」
 霖之助が苦笑してそう答える
 何時もは前後不覚にならないようにしているのだ
(今日は、限界まで魅魔に付き合うことにするか)
 
「後は酒の肴を用意するだけだから、しばらく待っててくれるかい?」
「ああ、わかった」
 その言葉の通りに魅魔が酒の肴になりそうなものを料理し始めた
 その姿を見た霖之助も、何かを思い出したかのように準備をし始めた



「準備は出来たかい?」
「ああ…もう大丈夫だ」
 空が暗くなり始めて来た頃、二人はお店の前に居た
「それじゃあ…お店を閉じるよ?」
 魅魔が幻想郷に帰る事になれば
 しばらくこのお店は誰も居ない事になる
 そして、霖之助自身もお店に帰れるとは思ってない
「頼んだ」
 霖之助の頷きを確認した後
 魅魔が扉の前でなにやらしばらく呟いてから振り返る
「…これで私かお前以外の者がこの扉を開ける事は出来ない」
「そうか、なら安心だ…それじゃあ行こうか」
 鍵が閉まった事を確認した二人が
 お店に裏にある無人の古びた神社に向かう

「はぁ…はぁ…久しぶりに歩くと少々疲れるな」
「だらしないねぇ」
「病人に…無茶させないでくれ」
 流石に此処最近寝てばかりだった霖之助に
 この荒れた道は少々辛いものがある
「ほら肩つかみな」
「すまないな」
 魅魔の肩を借りて何とか神社までたどり着く

「たどり着いたよ」 
「…久しぶりだな此処に来るのも」
 相変わらずボロボロになっている神社だが
 この場に居ると少しだけ体が楽になった気がした
 霖之助が呼吸を整えている間に
 魅魔が持って来たお酒や肴を並べていた
「さあ、今夜はとことん飲むよ!」
「…お手柔らかに頼むよ」
 手渡された此方の世界のお酒である
 麦酒の入った缶を霖之助が受け取ると
「「乾杯」」
 二人とも手にした缶で乾杯してお酒を飲み始めた


 そしてお酒を飲みながら此方の世界での思い出話を進めていく
「そういえば、最初に会った時も月が出ていたっけ」
「ああ、いきなり弾幕を仕掛けられたっけ」
「…そんな昔の事は忘れたよ」
 出会ってすぐに魅魔に攻撃された事 

「今度は酔いすぎるなよ?」
「大丈夫大丈夫、そんなに柔じゃないさ」
「…今度は背負って戻れそうに無いからね」
 魅魔が此方の世界で実体を取った時の事 

「また映画を見に行こう…」
「…悪霊も幽霊も出ないやつならね」
「ははっ、天丼も食べに行かないと」
「今度はそこで待ち合わせかな?」
 二人で映画を見に行った時の事

「しかし、温水プールにいけないのは悔しいな」
「おや?私の水着姿を見れなくてかい?」
「いや、純粋に知識的な意味…いひゃいいひゃい!?頬をふねるな!」
「周りから乙女心がわからないと言われた事ないかい!?」
 行く事が出来なかった温水プールの事 

 二人ともこの世界であった事を肴にして
 手元にあるお酒を飲んでいった
「…おや、お酒はどうした?」
「持って来た分はこれでお終いだね」
 だが、楽しい時間が過ぎるのは実に早い
 気がつけば手元にあるお酒は既に無くなっていた
「仕方が無い、後しばらく月でも見ているか」
 魅魔がそう言うと杯に入れていた残りのお酒をグッと飲み干した
「君が持って来た分はね」
「私が持って来た分?」
「…どうせなら、のんびり月を見る時に飲もうと思ってね」
 お酒を飲み干した魅魔の目の前で
 霖之助が懐からなにやらビンを取り出した
「おお?良いものを持ってるじゃないか」
「幻想郷に居た頃でも中々飲まない取っておきの代物だ」
 霖之助そう言うと魅魔の杯にそれを注いだ
 お互いの杯になみなみと酒を注ぎ

「乾杯」
「ああ、乾杯」
 お互いに月を見ながら杯に口をつける
「…へえ、甘口じゃないか」
「ああ、長い時間をかけて熟成しないと人も妖怪も飲めないお酒でね」
 しばらく二人はそのお酒をちびちびと飲み月を眺めていた
 静かな雰囲気のまま、お互いに何も言わずにいたが
 不意に魅魔が口を開いた
「…なあ霖之助…」
「…なんだい?」
「今から独り言を話す…聞き流してくれると嬉しい」
 それが何か大切な話なのだろう
 霖之助は何も言わずに頷いた

「この神社はね…大結界が張られる前に作られた
 博麗神社の古い分社だったんだよ」
 その言葉に霖之助が手に持っていた杯が一瞬止まる 
「…もうボロボロになっているけどねぇ…
 微量とは言え今だに霊脈が流れて来てくれる」 
 だから魅魔がこの場に長らく生きてこれたのだろう 
 そして、霖之助もこの場に来て少し楽になった気がしたのだろう 
「…だから、此処で儀式をすれば少しでも成功する確率が増える」
 その意味は霖之助もわかっている
 これで魅魔ともお別れになる
「月が一番高く見える時まであと少し…だから昔話をしようと思う」
 魅魔が手元に取り出したのはあの三つのビンを合わせた物
 それを魅魔がグッと飲み干した
「…あるとき、ある神社の巫女に恨みを持った一人の悪霊がいました」

『その悪霊はその神社の巫女と戦おうとしていた時に
 一人の女の子と出会いました…
 その子には魔法を使う才能がある事をその悪霊は見抜き
 自らの弟子にして、巫女と戦わせる手駒にしようと考えました』

「…それが魔理沙なんだね?」
 霖之助の言葉に魅魔は目を瞑ったまま話を続ける

『ところが、その少女に魔法を教えていく内に
 悪霊の中で神社の巫女に対する恨みが薄れて行きました
 神社の巫女を怨む気持ちよりも
 弟子である女の子を慈しむ気持ちの方が強くなっていったからです
 結局、巫女との戦いに悪霊は負けてしまいました
 ですが悪霊は悔しくありませんでした
 自分の可愛がっていた弟子に友達が出来たのですから』


「…魅魔?」
 気がつけば魅魔の背中には二枚の黒い大きな羽が
 驚く霖之助を他所に魅魔が更に話を続ける

『巫女との和解も成立して
 幻想郷の異変の解決に悪霊と弟子も一緒に動く事になりました
 悪霊にとって、それは実に楽しい時間でした
 ですが…楽しい時間はすぐに終ってしまいます
 最後の異変が終った後、神主が伝えてきたのです』 

「…まさか…」
 霖之助の言葉に魅魔が頷く

『次の異変からスペルカードシステムを採用する…
 すなわち、今までの幻想郷で戦ってきた者達は
 全て居なかったものにされる…
 幸い主人公である霊夢はそのまま出演する事が決まり
 幾人かは魔界や別の世界に避難しました
 そして、悪霊にも次の異変に出番があると言われました』

「…待ってくれ…なら魔理沙は?」
 その言葉に魅魔が微笑みながら頷きました

『ですが悪霊の弟子には出番は無いと神主が言いました
 その言葉に悪霊は悲しみました、自分が可愛がってきた弟子です
 居ない事にされるなんてそんな酷い事は出来ない
 …そして、悪霊は一つの決断をしました』

 そこまで話すと、霖之助の体の周りが光り始めた
「魅魔?」
 驚く霖之助の前に魅魔が立つ
「…もう少し話して居たいけど…もうそろそろ時間だよ」
「な、なにを言ってるんだ!?君が帰るんだろう?」
 霖之助の言葉に魅魔が首を横に振った
「…私は今の幻想郷から居ない存在なんだよ…」
 魅魔がそう言うと境内から表に向かって歩き出す
「だけど、霖之助…お前は戻らないといけない」
「だ、だが…魔力が足りないって…」
「ああ、でもね…これから使う大魔術は魔力はそこまで要らないんだ」
 魅魔が優しくそう伝えて手に杖を持つ
   
「これから行なうのは呪い…そして奇跡」 
 魅魔がそう言って満月の下で両手を広げる
 それと同時に霖之助の周りの強さが光りを増す

「そしてその代償は…魔力でなく使用者本人」

「術者本人…!?ま、待て魅魔!」
 その言葉を聞いた霖之助が急いで魔法を止めようと
 魅魔の傍に向かおうとするが、その光り中から出る事が出来ない
 そんな霖之助に魅魔が優しく微笑む
「…本当に楽しかったよ…此方の世界に来て…
 こんな楽しい思いが出来るなんて想像すらしなかった」
「すぐにこの魔法を止めるんだ!そして君が幻想郷に戻るんだ!
 僕よりも君が戻ったほうが霊夢や魔理沙が…んむっ!?」 

 そこで霖之助が喋るのが止まる
 魅魔のキスによって口を塞がれたからだ
「んっ…」
 そして魅魔が口を離すと呟いた
「…魔理沙や霊夢は関係ない…
 私がお前を幻想郷に戻したいからこうするんだ」
「だ、だが…」
 それでも何か言おうとする霖之助の頬に魅魔が手を当てる
「それに…お前が居ない幻想郷に行っても意味が無いじゃないか」
「それは…どういう意味だい?」
 魅魔がその言葉にやれやれといった感じでため息を着くと
 霖之助の背中に抱きついて呟いた
「この朴念仁…霖之助…お前の事が好きだって事だよ」

 魅魔の言葉を聞いて霖之助が完全に動きを止める
 その間に魅魔が霖之助の背中から離れると
 霖之助の真正面の位置で満月が見える位置取りで魅魔が飛翔する
 背後に見える満月よりも存在感を持ったその姿に一瞬霖之助も見とれるが

「…また次の縁で会いたいものだよ…さよなら…霖之助」
「魅魔!」
 魅魔の声でハッとすると大急ぎで霖之助が手を伸ばす
 だが光りの中からは出る事が出来ない
 そんな中、魅魔が片手に持った杖を掲げる 
「さあ…博麗神社の祟り神『魅魔』一世一代の大魔術をその目に焼き付けな!」
 魅魔がそう言うと魔法の完成のための最後の一言を告げた
「ま、まて!」

 魂の再来『リーインカネーション』

(待ってくれ…魅魔…)  
 最後の言葉と共に霖之助の周りの光りが更に眩しさを増した
 目を開く事すら出来ないその光りの中  
 霖之助は目を閉じる、そして気がついたら意識が消えていた

 
 





 
「…ぃ…ぉ…ん!」
「ぉ……ぃ……!」
 気がつけば微かな声が聞こえてくる
(声?)
 声を気がついて霖之助の意識が少し覚醒する
(…此処は…)
 ぼんやりとした意識の中でうっすらと目を覚ますと

「起きろよ!こーりん!」
「魔理沙、落ち着きなさい」
「紫!永遠亭に運ぶ準備して」

 魔理沙と霊夢と紫が自分を見て慌てていた
 その様子に霖之助が再び目を瞑ろうとする
(なんだ…また三人とも何かしたな?…全く仕方が無いなあ…なあ?魅魔…)
 そして、目を瞑ろうとして…
「魅魔!?」
 一気に覚醒した
 
「こ、こうりん!?」
「霖之助さん!?」
 目を覚ました霖之助を見て霊夢と魔理沙が驚くと同時に
「うわ~ん!こーりん!」
「心配したんだから!」
 魔理沙と泣いて、霊夢がホッとした表情で安心して
「本当に心配だったんだから」 
 八雲紫がドサクサ紛れて霖之助に抱きついていた
「紫!」
「こーりんから離れろ!隙間!」
「あら怖い?」 
 紫に対して霊夢と魔理沙が追いかけっこを始める
 

(…僕だけが…幻想郷に戻ってきたのか…)
 外の世界から慌しい幻想郷に戻って来た実感を感じてはいた
 だが、そんなどたばたは今の霖之助には関係なかった
(酷いじゃないか魅魔…僕にこんな祟りを残すなんて)
 三人の追いかけっこが終るまでの間
 霖之助は目から流れそうになる物を押さえるのに精一杯だった 
  
 ひゃっほう~!強い者の味方の脇役だよ!

 魅魔様のお話もこれで終わりさ
 結局、魅魔様は幻想郷に帰ってこれないのさ
 くぅ…悲しいねぇ…今までハッピーエンドだったのに
 今回に限ってバッドエンドだなんて 

 祈ってみるかい?
『魅魔様が幸せになりますように』って
 コメントに祈ってみれば良いさ
 

(どうも、脇役ですサブCPUが変な豚に乗っ取られたので
 CPUじゃなくて本人が書かせてもらいます
 …凄い難産でした…此処まで書くのに一日数行しか書けなくって…
 美鈴とレティの鬼退治(勇儀vs二人)書こうと思って我慢したり
 他にも数個案が出るたびに我慢して一日数行ずつ…
 とりあえずは、これでお終い…なのかな?

 みんなの祈りで次が出るとしたら…
 伏線回収と、魅魔様が魔理沙を救う為に取った方法を…
 最後に、BGMはリーインカネーションのオルゴール版で)
脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
魅魔さまかえってこいや~~
2.フォアランナー削除
みぃぃぃぃまぁぁぁぁさぁぁぁぁまぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!カンッバーーーーーーーッッッック!!!!!
3.名前が無い程度の能力削除
ラワーーーーン
魅魔様が幸せになりますようにーーーー!!
4.名前が無い程度の能力削除
泣いた;;
魅魔様株が俺の中で急上昇だ
5.イスピン削除
魅魔様ぁーーーーーーーーーーーー!!
BGM・リーインカーネーション/From蓬莱人形
6.名前が無い程度の能力削除
ありえん
いやありえん
ありえん

みまさまがしあわせになりますようんい
7.名前が無い程度の能力削除
魅魔さまがしあわせにならないとかありえないですjk・・・

かむばあああアあああああああああああああっっく!!
8.名前が無い程度の能力削除
魅魔さm-------------------------------------------------
9.名前が無い程度の能力削除
そんな祟りはいらないです魅魔様……
魅魔様が幸せになりますようにお願いします
10.名前が無い程度の能力削除
なん・・・だと・・・
きっと完結編で幸せになるってあたい信じてる!
11.名前が無い程度の能力削除
み、ミマーーー!ミマサマーーーー!
魅魔様が幸せになりますように!
魅魔様が幸せになりますように!
魅魔様が幸せになりますように!
12.名前が無い程度の能力削除
じ、冗談だよな?
これで終わりだなんて…
13.謳魚削除
ちぃスマブラXボスめがしゃあしゃあとっ!
だが、魅魔様がこんな所で終わる筈が無い……!
BGM~空色デイズ~


……あれ、間違えた?……まぁ良いや。
14.名前が無い程度の能力削除
ハッピーエンドになるって信じてる。
ハッピーエンドになるって信じてる。
ハッピーエンドになるって信じてる。
ハッピーエンドになるって信じてる。

小さくなってでも帰ってきてくれーーーー!!!!
(ってこれは昔のネタですね)
15.てるる削除
語呂的にはミマーのアトリエの方が合ってそうな気がする。
み、ミマ~!(目を両手で押さえて肩を震わせて涙目)

いや、大丈夫!魅魔のターンはまだ終わってないはずだ!
俺は祈り続ける!ああミマサマミマサマミマサマミマサマ(ry
16.フーキ削除
旧作キャラだってメインに昇格できるんだぞ!?幽香を思い出せ!彼女は復活した!
ならば魅魔様が現れない道理は無い!!
17.名前が無い程度の能力削除
魅魔様が幸せになりますように。
魅魔様が幸せになりますように。
魅魔様が幸せになりますように。
18.名前が無い程度の能力削除
本当に魅魔様が幸せになりますように。
19.名前が無い程度の能力削除
魅魔様が本当に幸せになれますように。
20.名前が無い程度の能力削除
みんな落ち着け!
これは霖之助が外の世界に行く口実が
また一つ加わったと考えるんだ!
21.名前が無い程度の能力削除
続き待ってたよ
魅魔様と店主が幸せにハッピーエンドをむかえられますように
22.名前が無い程度の能力削除
魅魔様ならきっと大丈夫さ!
23.名前が無い程度の能力削除
この作品のおかげで生きる元気を貰えた
辛い事ばかりの毎日だけど
このお話がハッピーエンドで終了するまでは
頑張って生きてみようと思う
ありがとう

魅魔様と霖之助が幸せになりますように。
24.名前が無い程度の能力削除
魅魔様が幸せになれない筈が無い。
俺は信じてる。
25.名前が無い程度の能力削除
霖之助が外の世界にいって魅魔様とラブラブする恋人の祟り神が終わり
魅魔様が幻想郷にいって霖之助とイチャイチャする恋人の古道具屋が始まるんですね
26.名前が無い程度の能力削除
ちょっと神社に賽銭入れてくる。

魅魔様が幸せになりますように。
27.削除
魅魔様が幸せになりますように!と言うより、物語ではせめて幸せになってくれ!!!
これはこれで良いけれど、ハッピーエンドを望んでしまう。
28.欠片の屑削除
3作とも楽しませて頂きました!ありがとうございます!!
29.名前が無い程度の能力削除
おいおい、魔道書は全部ハッピーエンドでなかったらいけないんだぜ。

魅魔様が幸せになりますように。
30.名前が無い程度の能力削除
魅魔様…ありえないんだぜ
魅魔様が幸せになりますように!魅魔様が幸せになりますように!
31.名前が無い程度の能力削除
魅魔さまが幸せになりますように
魅魔さまが幸せになりますように
魅魔さまが幸せになりますようにミマサマガシアワセニナリマスヨウニ
32.名前が無い程度の能力削除
魅魔様が幸せになりますように
魅魔様が幸せになりますように
魅魔様が幸せになりますように
なって欲しい・・・
33.名前が無い程度の能力削除
う、嘘だ、俺は信じないぞ……。み、魅魔サマァーーーー!!!!!!
魅魔様が幸せになりますように。魅魔様が幸せになりますように。
魅魔様が幸せになりますように。魅魔様が幸せになりますように。
魅魔様……幸せになって……くれ……。
34.名前を表示しない程度の能力削除
あまりの魅魔様の人気ぶりに思わずワラタw
だが俺も魅魔様カムバック派の一人だぁぁぁぁぁぁぁ!!

魅魔様が霖之助と幸せになるまでッ 祈るのをッ やめないッ!!!
35.名前が無い程度の能力削除
魅魔さまが幸せになれますように