深夜の香霖堂、居間では霖之助が本を読んでいる、
聞こえる音は本をめくるかすかな音だけ、そこへ
「深夜にごめんなさい」
と突然侵入してきたのは大妖怪の八雲紫であった、しかし霖之助は慌てる様子はない、
「いらっしゃい、いつものでいいかな?」
「ええ、お願いするわ」
本を閉じ、台所へと向かう、少し経つとお盆に湯呑を二つと急須を持って戻ってきた。
お茶の入った湯呑を一つは自分、もう一つは紫の元へと置いた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
お茶を一口飲むと霖之助は再び本を開くが、紫はこれといって何もせず、ただ座っている。
ふと、霖之助が紫に尋ねた、
「…なぜ君はたまにここに来るんだい?それも深夜に…」
「あら、霖之助さんは迷惑かしら?」
「いや、ただ気になっただけさ」
「そうね…」
お茶を一口飲み紫は語りだす、
「安らぎがあるから…かしら」
「安らぎ?」
「ええ、安らぎ…」
「君の家にはその安らぎがないのかい?」
「あるわよ、でもあの家の安らぎとここは違うの、
確かに藍や橙は可愛いわよ、私の代わりに家事だけじゃなく仕事もしてくれる藍には感謝の気持ちもある、橙も、必死に私や藍に追いつこうと努力してる姿は頑張れって言いたくなる、
そして何より、三人で過ごす毎日はすごく愛おしい、それはいわば動の安らぎ」
一度言葉を切りお茶を一口飲むと、静かに続きを話し出した。
「それに対してここは静かな静の安らぎ、何も音のしない静かな空間、でもけして苦痛ではない空間、
それはけして霊夢や幽々子にはないこの店にしか…」
ふと紫は考える、この静かな空間はホントにこの店のもだろうかと、たとえば霖之助だはなく、魔理沙や萃香がこの店にいたらこの空間はできるのか?それは無理だ、
仮に霊夢ならばどうか、少しは出来るかもしれないがそれでも霖之助とは違う、霖之助でなければこの空間はできない、と言うよりも霖之助でなければ嫌だった。他の誰でもない、霖之助だからこその空間、
そこまで考えると自分の中にモヤモヤしたものが現われた。
「どうかしたのかい?」
霖之助の声で、意識を戻す、どうやら長いこと考え込んでいたようだ。
「…いえ、とにかく私はこの空間が好きなの」
「そうかい」
「ええ、そう」
そしてこの話は終わった、紫の話はよくわからなかったがそれもいつものこと、と霖之助は再び本を読む、紫はと言えば、心に出来たこのモヤモヤの意味を考えていた。
気がつけば時計は午前三時を指していた。
「そろそろ失礼するわ」
「ああ…また来るといい」
「ええ、ありがとう」
隙間を開き家へと帰る、寝ようとするが先ほどの霖之助の声が蘇る、また行ってもいい、そう思うと紫は何故かすごく嬉しかった。
これが恋だと気付くのはもう少し先の話…
聞こえる音は本をめくるかすかな音だけ、そこへ
「深夜にごめんなさい」
と突然侵入してきたのは大妖怪の八雲紫であった、しかし霖之助は慌てる様子はない、
「いらっしゃい、いつものでいいかな?」
「ええ、お願いするわ」
本を閉じ、台所へと向かう、少し経つとお盆に湯呑を二つと急須を持って戻ってきた。
お茶の入った湯呑を一つは自分、もう一つは紫の元へと置いた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
お茶を一口飲むと霖之助は再び本を開くが、紫はこれといって何もせず、ただ座っている。
ふと、霖之助が紫に尋ねた、
「…なぜ君はたまにここに来るんだい?それも深夜に…」
「あら、霖之助さんは迷惑かしら?」
「いや、ただ気になっただけさ」
「そうね…」
お茶を一口飲み紫は語りだす、
「安らぎがあるから…かしら」
「安らぎ?」
「ええ、安らぎ…」
「君の家にはその安らぎがないのかい?」
「あるわよ、でもあの家の安らぎとここは違うの、
確かに藍や橙は可愛いわよ、私の代わりに家事だけじゃなく仕事もしてくれる藍には感謝の気持ちもある、橙も、必死に私や藍に追いつこうと努力してる姿は頑張れって言いたくなる、
そして何より、三人で過ごす毎日はすごく愛おしい、それはいわば動の安らぎ」
一度言葉を切りお茶を一口飲むと、静かに続きを話し出した。
「それに対してここは静かな静の安らぎ、何も音のしない静かな空間、でもけして苦痛ではない空間、
それはけして霊夢や幽々子にはないこの店にしか…」
ふと紫は考える、この静かな空間はホントにこの店のもだろうかと、たとえば霖之助だはなく、魔理沙や萃香がこの店にいたらこの空間はできるのか?それは無理だ、
仮に霊夢ならばどうか、少しは出来るかもしれないがそれでも霖之助とは違う、霖之助でなければこの空間はできない、と言うよりも霖之助でなければ嫌だった。他の誰でもない、霖之助だからこその空間、
そこまで考えると自分の中にモヤモヤしたものが現われた。
「どうかしたのかい?」
霖之助の声で、意識を戻す、どうやら長いこと考え込んでいたようだ。
「…いえ、とにかく私はこの空間が好きなの」
「そうかい」
「ええ、そう」
そしてこの話は終わった、紫の話はよくわからなかったがそれもいつものこと、と霖之助は再び本を読む、紫はと言えば、心に出来たこのモヤモヤの意味を考えていた。
気がつけば時計は午前三時を指していた。
「そろそろ失礼するわ」
「ああ…また来るといい」
「ええ、ありがとう」
隙間を開き家へと帰る、寝ようとするが先ほどの霖之助の声が蘇る、また行ってもいい、そう思うと紫は何故かすごく嬉しかった。
これが恋だと気付くのはもう少し先の話…
紫霖は大好きなので続きを待ってます
続きを、続きを書いてください!!