「お姉ちゃんただいま」
「あら、こいし。珍しいですね」
「うん、ちょっとね。お姉ちゃんに用事があったの」
「私もこいしに用事があります」
「ふにぇ? お姉ちゃんが私に?」
珍しいことだった為に、こいしは驚いた。
「はい。絵本を作ってみたのです」
「絵本?」
「はい。最近地下に来た黒い人間が落としていった絵本を見て、昔を懐かしく思ったのです」
昔、寝る前によくさとりがこいしに絵本を読んであげていた。こいしはそれを思い出し懐かしく思う。
「だから、その落としていった絵本を参考に作ってみました。こいし、昔みたいに読んでみていいですか? 貴女だけのために」
「……うん。読んで欲しいな」
「では、ベッドへ行きましょう」
「わざわざ?」
「昔みたいに……ね?」
「うん、そうだね」
二人でベッドに横になる。ふと、二人の視線が交わり、少しくすぐったい気持ちになる。
「では、読みます。『桃太郎~the world~』」
「何そのサブタイトル?」
「参考にした絵本にはサブタイトルがありましたから」
「ふーん?」
『むか~し、むかし、おかし、かかし、つくし、こけし』
「いつ始まるの?」
『ある所に、お爺さんとお爺さんがいました』
「両方お爺さんってどういう関係?」
『お爺さんAは樹海に芝刈りに、お爺さんBは滝へ洗濯しに行きました』
「AとかBとかで表すんだね。というかAは確実に帰って来れないね」
『おB爺さんが、滝で選択していると』
「どこにB付けてるのさ。あと滝で何選んでるのよ」
『滝から大きな桃が7、8個? 流れてきました』
「その桃を選択してたの?」
『お爺さBんは、桃を辛うじて一つ取れました。しかし、他の桃は滝の下へ流れていき、滝の下はピンクと赤でいっぱいになりました』
「Bの位置は安定しないの? そして明らかに滝下で他の桃太郎がこの世から消えたよね?」
『お爺さんBIGは桃を持って帰り、Aが帰って来なかったために、一人で割ることにしました』
「お爺さん桃入手して大きくなった。茸で大きくなるとかじゃ無いんだね。そしてAはやっぱり帰って来れなかったんだ」
『お爺さんが九頭龍閃を放ちましたが、桃は割れませんでした』
「桃凄い強度だね」
『さらにメラミを唱えましたが、燃えません。お爺さんは言います。「今のはインパスではない。メラミだ」と』
「うん、だろうね」
『耳を澄ませると、桃の中から声がします』
「みにゃみにゃ」
『社会は僕を見捨てたんだ! と声がします』
「え、桃太郎引き籠もりなの?」
『お爺さんは驚きました。「中に人入ってる! キモッ!」と』
「お爺さんの感覚は普通の人くらいなんだね」
『お爺さんは桃を割るのをやめ、再び滝から流しました』
「わぅわぅ」
『滝下で、他の桃と同じ運命に辿り着きました』
「BAD ENDすぎだよぉ」
『MEDETASHI☆HAMIDASHI』
「何がはみだしてるのさ」
「どうでしたか、こいし?」
「猿犬雉は?」
「みんなの心の中に居ますよ?」
「……なんか、お姉ちゃん変わったね」
「そう?」
「うん、なんか残念になったよ」
「はぅ!?」
妹の淡々としつつ毒を帯びた言葉にさとりは砕け散った。
「わ、私は……やっぱり駄目な姉なんですね!?」
「いや、駄目とは言ってないよ。残念って言ったけど」
「うぅ……」
落ち込むさとりに対して、こいしは何やらポケットをまさぐっている。そして、何かを取り出して、さとりに突き付ける。
「ん」
「え、と、何ですか?」
「私の用事、これ」
「えと……」
「いいから受け取る!」
「は、はいぃ!」
珍しいこいしの態度に、思わず逆らえないさとり。
「――これは?」
「地上で手に入れてきた指輪」
「何で、私に?」
「別にーただお姉ちゃんに似合いそうだと思ったから」
「え、と……」
プレゼントを貰うなどという慣れないことに、戸惑うさとり。
「い・い・か・ら、受け取る!」
「は、はい!」
「ったくもぅ……」
「あの、こいし」
「も~なに?」
「ありがとう。本当に、ありがとね」
「――っ!」
久し振りに見る、さとりの笑顔。こいしは、これが見たかったのだ。
姉に、ただただ喜んで欲しかった。
それは、見事上手くいった。
「ねぇ、お姉ちゃん」
「なんですか?」
「このまま、寝ちゃお?」
「……そうですね」
二人でクスクス笑う。何がおかしいのか何て分からない。ただ、二人は幸せを感じていただけ。
手を絡ませ、額を合わせる。吐息を感じる程に、近い距離。視線が交わって、またクスッと笑う。
「お姉ちゃん」
「なんですか?」
「好き、だよ」
「私も、ですよ」
そのまま、二人は眠った。その幸せオーラを放ちながら眠る姿を、ペットたちは誰も邪魔をしなかった。
さとりの指には、貰った指輪がキラり光っていた。
この雰囲気はパチュリーとフランじゃ出せなそう。
ところで、かかし以上こけし以下ってつくしのことだったんですか?
あのまま桃太郎さんが何も反応しなければ尼懸泣閃(あまかけるりゅうのひらめき)フラグだったりするのを桃太郎さんはバシラバシラ御存じバシラー?(まぁんな訳は無いのですが)
そして絵本ネタ。喉飴さんの代名詞になりそうな予感です。
きっと新しい何かが生まれるに違いありません。(生むという行為までにアレな要素は含みません)
面白いとは思ったのですが、少々マンネリ化しているような気がしました。
お一人でここまでのボケと突っ込みを考えておられるのでしょうし、
ご本人様が没ネタとおっしゃられていますので仕方のないことかもしれませんが。
喉飴さんの修行の成果が見られる日を心から楽しみにしています。
なんというか、妹キャラがツッコミ入れてる姿は容易に想像出来てしまうのです。
>>2様
同じツッコミでも被らないように注意してみました。フランよりも冷めたツッコミにしてみました。
それはもう忘れて下さって結構ですwあまり深い意味はありませんからw
>>謳魚様
久し振りにお師匠が出て来るシーンが読みたくなりましたw
>>紅葉様
さすがにそろそろ本気で絵本は自重します。1パターンですしねぇ。
>>荒河 軒持様
楽しんで下さってなによりです!
>>名前を見せない程度の能力様
やはり投稿すべきかは微妙でしたかね。このマンネリ化を抜け出すべく修行中ですが、今みたいに毎日短いのをちまちま投稿しないで、やはり修行にちゃんと戻りたいと思います。
ギャグが苦手すぎる私には難題でぃす。
ネタは無限にあるので、それを上手く料理出来る技量を身につけるため、修行してきます。
妹様も、これを覚えれば、パチェに仕返し出来るのにw
はい、冷静に冷めた感じでツッコミますw
フランはやはり全力ツッコミですw
もう君はツッコミ喉飴(激甘)とでも名乗った方がいいんじゃないかwww
こいし以外の子が相手だと、心読めるから突っ込み発言不要、
傍から見たら物凄い寒い光景に見えるんだろうなぁ。
全くでござるの巻、でもそんなさとりも愛してる!!
このお爺さん二人も頑張ったけど子を授かれなかったんですね。
そうして絶望したお爺さんAは樹海に…
これはほのぼのギャグに見せかけたドロドロシリアスSSですね。
これだけで撃墜されたのは言うまでもない……ティーチャーですか喉飴さんは
喉飴は残すんですかww次は激甘書きたいと考えてますw楽しんで下さって幸いでぃす。
>>11様
だからさとりの場合はこいしが必須になりますw
>>12様
さとりん可愛いよさとりん
>>13様
嫌な頑張りww
ジャンルが180度変わってしまったw
>>敬称略様
毎回相槌を考えるのに必死でぃすww
なんと嬉しい言葉を……わふっわふっわふっ☆
明日、修行中に生み出した新しく挑戦の激甘を投稿予定でぃす!
喉飴さんのギャグのレベルは着実に上がっていますね、羨ましいことです。
面白いSS、ありがとうございました。
最後に、もちろん、指輪は左手の薬指なんでしょうね?
>「うん、だろうね」
ここで我慢の限界でした。どう見てもメラミ以外の何物でもないwww
しかし全力突っ込みなフランやアリスと違って静かな突っ込みのこいし、
この三人がニュークリアフュージョンすれば核反応制御不能なことだってやってのけるはずだ!(意味不明
修業してパワーアップした後にはぜひパチュリー・魔理沙・さとりVSフラン・アリス・こいしの対決が見てみたいんだZE!
楽しんで下さったようでなによりです! 私はあなたの文章が羨ましいですよ?
流石、分かっていらっしゃる!
>>名前を表示しない程度の能力様
修行してパワーアップor新しいことにチャレンジ出来るようになったら書きたいです!
この話で言えば桃太郎の話、これ東方関係ないですよね?ただあなた自身のネタを東方キャラに語らせ東方キャラにツッコませてるだけですよね?
つまりこれは東方SSとは言えないんじゃないかと言いたいのです。
あなたの話にはそういう話が多すぎる。
ツッコミにキャラらしさが出てるかと言えばそうでもないし。いたってテンプレートなツッコミ方。
漫才をやりたいのであれば芸人になってご自身で演じてください。ここは東方の小説を発表する場なので場違いです
長々と失礼しました。次は東方の小説を投稿してくださいね。期待しています
貴重な御意見ありがとうございます。
今までに指摘を受けなかったため、気付かないで長々とこういう作品を多数作ったことにより、あなたに不快感を与えたことを深く謝罪します。
別に漫才をやりたかったわけでは無く、一つのギャグとして確立したかったのですが、私の未熟な技量では不快感のみを与えてしまったようですね。
今回は一つのけじめとして、なるべく早くに、今までの絵本シリーズ・ツッコミシリーズに該当すると思われる作品を全てを削除致します。時間の都合上、1週間程かかってしまうかもしれませんがご了承下さい。
そして、楽しんで下さった方々には感謝の限りです。
本当にどうも、ありがとうございました。
ここでしなければ、創想話はプチの意義どころか、そもそも2次の意義でさえ失ってしまうと感じるからです。
喉飴さん、早まるな。確かにあなたのSSに東方分が足りないという人もいるだろう。
だけど、フランやパチュリーが馬鹿話をして笑っているのを幸せに感じる読者もちゃんといるんだ。だから、簡単に消そうとしちゃいけない。
あなたはあなたの東方に誇りをもっているんだろう。あなたはあなたのキャラクターのあり方に誇りを持っているんだろう。確かにあなたのキャラクターが好きだという人間もたくさんいるんだ。確かにそれを嫌う人間もいるが、あなたがたくさんの人を笑わせてきたことは事実だし、あなたの東方のキャラを好きになった人間もたくさんいるんだ。
だから、早まるな。私はあなたの東方のキャラクターが好きだし、こんな馬鹿な幻想郷でもいいと思う。だから、消すなんてことしてくれるな。
2次は批判されやすい。だが、それでももうあなたはそのキャラクターを生んでしまったんだ。本当のところ、もうあなただけの問題じゃないんだ。私の中にあなたのキャラクターの要素は確実に宿ってるんだ。
だから、よく考え直してほしい。
喉飴さんのギャグセンスは本当にさえていますw
いやー、いつ見ても面白い。面白いから消さないでー
御意見ありがとうございます。確かに私は、誇りを持って書き上げています。簡単に消してしまっては、今まで楽しんで下さって、コメントを残して下さった方々にも失礼だと、あなた様の意見により考えさせられました。
あなた様の意見も、深く受け止めてみます。
>>sirokuma様
ありがとうございます。
もう一度、しっかりと考えてみようと思います。
皆様貴重な御意見ありがとうございました。とりあえずは削除発言を撤回したいと思いますが、今後も不愉快と感じた方が多数いらっしゃった場合には、削除もやむを得ないかもしれません。
>>21様、削除をすると言っておきながらも、削除しないことを謝罪致します。
21様には不快感を与えてしまい、本当にすみませんでした。
そして無在様とsirokuma様、拙い作品ですが、好んで下さり、本当にありがとうございます。
重要なのは他で出来るかというよりその状況をそのキャラがやって意味が通るかだと思う。
その点、氏の掌編は脳内できちんと東方キャラ達の情景が思い起こされるので良作に部類するかと思う。
勿論以上はあくまで個人的な感想である。
私見というものは大切だが、提供している根源以外の個人が、場を代表して語るものでは無いと愚考する。
要約するとボケ供給過多な喉飴氏の幻想郷が好きです。
感じ方は人それぞれでしょうが、私は「東方の小説」として楽しんでます。
場違いだったら毎回こんなに沢山のコメントはつかないとおもいますし。
凄く応援してます。がんばって!フランとアリスとこいしの共演を楽しみにしてますw
ありがとうございます。
貴重な御意見として深く受け止めさせていただきます。
本当にありがとうございます。
ただいまマンネリ化脱出に向けての修行中であります。新しいアイディアネタでボケを昇華させたい方向です。
読んで下さってありがとうございます。
DのあとのEが抜けてないかな?「MEDETASHI」。違ってたらスマン。
ご指摘ありがとうございます。訂正致しました。