外は真っ白い世界。
雪が積もることは珍しいため、どこか幻想的な雰囲気をよりいっそう醸し出す。
鈴仙は、あまり雪を見たことが無かったために、非常に物珍しそうに、眺める。
「凄いですよ！ 積もってますよ！」
子供の様に無邪気な笑顔で永琳に話しかける。そんな鈴仙の様子に、永琳は小さく溜め息を吐く。
永琳としては、雪が積もろうが、さほど興味は無い。
というか、寒いから部屋に入りゆっくりお茶でも飲みたい、というのが永琳の本音だ。
「師匠！ 外、散歩しません？」
「却下」
「えぇ～行きましょうよ。せっかくの雪ですよ？」
「私にとっては興味の対象にはならないわ」
永琳がその後に、それに寒いし、と付け加える。
すると鈴仙は、下を向いて何かを考えてる様子をした。む～、とでも聞こえるんじゃないかと思うようなくらいに、考えこんでいる。
しばらくすると、何かを思いついたのか、突然立ち上がり永琳の手を無理矢理引っ張って縁側から外に出た。
「ちょっと、ウドンゲ！ 寒いでしょ！」
外はやはり寒い。空からは未だに降り止むことのない、冷気を帯びた白い粒が永琳と鈴仙を包む。
明らかに不満を全力で顔に表す永琳に対して、鈴仙は笑顔で永琳の方へ向き――
「こうすれば温かいですよ」
ギュッと、永琳の右手を両手で包みこみ、握った。
普段、手を繋いだりというものは全く無いため、永琳は自分でも体に、顔に、熱が集まってゆくのが分かる。
「ちょ、ウドンゲ！？」
「あ、すみません。やっぱり嫌ですか？」
永琳は別に嫌というわけじゃない。ただ恥ずかしいだけだ。
永琳が黙っていると、鈴仙がそれを肯定と取ったのか、手を離した。
お互いの手からは、一気に先程まで感じていた温もりが失われていった。しかし──
「師匠！？」
今度は永琳から繋いでやった。鈴仙は戸惑っている様子だが、永琳は知ったことではないといった態度だ。
「ほら、散歩……行くんでしょ？」
永琳が溜め息を吐きながらそう言うと、鈴仙は笑顔を再び取り戻した。そして──
「はいっ！」
笑顔で、そう。見てる永琳でさえもが照れるくらいな、明るい満面の笑顔で答えた。
たまには弟子とのこんなのも悪くは無いかもしれない。永琳はそんなことを考えながら、二人で白い道に足跡を残して行く。
勿論、繋いだ手は離さないままで――繋いである手のひらからは、いつまでも互いの温もりを感じていた。
身も、心までもが、温かかった。
雪が積もることは珍しいため、どこか幻想的な雰囲気をよりいっそう醸し出す。
鈴仙は、あまり雪を見たことが無かったために、非常に物珍しそうに、眺める。
「凄いですよ！ 積もってますよ！」
子供の様に無邪気な笑顔で永琳に話しかける。そんな鈴仙の様子に、永琳は小さく溜め息を吐く。
永琳としては、雪が積もろうが、さほど興味は無い。
というか、寒いから部屋に入りゆっくりお茶でも飲みたい、というのが永琳の本音だ。
「師匠！ 外、散歩しません？」
「却下」
「えぇ～行きましょうよ。せっかくの雪ですよ？」
「私にとっては興味の対象にはならないわ」
永琳がその後に、それに寒いし、と付け加える。
すると鈴仙は、下を向いて何かを考えてる様子をした。む～、とでも聞こえるんじゃないかと思うようなくらいに、考えこんでいる。
しばらくすると、何かを思いついたのか、突然立ち上がり永琳の手を無理矢理引っ張って縁側から外に出た。
「ちょっと、ウドンゲ！ 寒いでしょ！」
外はやはり寒い。空からは未だに降り止むことのない、冷気を帯びた白い粒が永琳と鈴仙を包む。
明らかに不満を全力で顔に表す永琳に対して、鈴仙は笑顔で永琳の方へ向き――
「こうすれば温かいですよ」
ギュッと、永琳の右手を両手で包みこみ、握った。
普段、手を繋いだりというものは全く無いため、永琳は自分でも体に、顔に、熱が集まってゆくのが分かる。
「ちょ、ウドンゲ！？」
「あ、すみません。やっぱり嫌ですか？」
永琳は別に嫌というわけじゃない。ただ恥ずかしいだけだ。
永琳が黙っていると、鈴仙がそれを肯定と取ったのか、手を離した。
お互いの手からは、一気に先程まで感じていた温もりが失われていった。しかし──
「師匠！？」
今度は永琳から繋いでやった。鈴仙は戸惑っている様子だが、永琳は知ったことではないといった態度だ。
「ほら、散歩……行くんでしょ？」
永琳が溜め息を吐きながらそう言うと、鈴仙は笑顔を再び取り戻した。そして──
「はいっ！」
笑顔で、そう。見てる永琳でさえもが照れるくらいな、明るい満面の笑顔で答えた。
たまには弟子とのこんなのも悪くは無いかもしれない。永琳はそんなことを考えながら、二人で白い道に足跡を残して行く。
勿論、繋いだ手は離さないままで――繋いである手のひらからは、いつまでも互いの温もりを感じていた。
身も、心までもが、温かかった。
いいっすよね、この空気。寒いからこその暖かさ。
個人的に好きな雰囲気です。
残りの８８％は暖かさですね
そして50作目おめでとうございます。
気に入ってもらえてなによりでぃす！
>>2様
はい！ 甘さよりもほんわかぬくぬく度のが高いでぃす。
>>紅葉様
あやややにゃ、それは嬉しい限り！ ありがとうございます！
>>4様
ありがとうございます！ 実はこの作品は、登場したキャラの名前を他のキャラに変えても大丈夫な風に作ってあります。だから、永琳と鈴仙にしたのは気紛れなのですｗ(当初は他キャラの予定だった)
私は皆さんのコメントに支えられたからこそ、50作品まで書けました。
『親しみ易く、読み易く、短く纏める』を心掛けてきましたが、どうだったでしょうか。
しがない平凡作家ですが、これからも書き続けていきますので、よろしくお願いします。
だがそれよりも問題なのは喉飴さんの鈴仙嬢が永遠亭のフラグへし折り兎に見えて来る事……！
喉飴氏の作品は『短く纏める』と言っているように全体的に短めですが、
小腹がすいたときにサクッと食べられる感じで読めるので個人的に好きです。わふっ。
＞実はこの作品は、登場したキャラの名前を他のキャラに変えても大丈夫な風に作ってあります。
道理でパチュこあやさと燐に脳内変換しても違和感が出ないわけだ、納得。
鈴仙は天然でフラグを折ってきそうな気がしますｗ
>>名前を表示しない程度の能力様
そう言ってもらえると嬉しいです。わふっわふっ。
名前脳内変換+台詞脳内変換で完璧ですｗわふっわふっわふっ。
それでいてしっかり外側と内側書けているからしっかりしてる。
わりあいなんて、きにするものか
そう言ってもらえると、凄く凄く嬉しいです！
読んで下さってありがとうございました。