「に~と~り!」
「うわっ!?」
にとりが機械を弄っていると、背後から文が抱き付いてきた。
にとりは思わず手元が狂ってしまいそうになる。
「人の家に勝手に入るな!」
「まぁそう言わずに。私とにとにとの仲じゃないですか」
「どんな仲だ! ていうか、にとにとって言うな!」
「まぁ冗談はさておき」
「本当に腹立つなぁ」
にとりが何を言っても文は軽く流す。にぱーと笑顔で、自分のペースを決して崩さない。
「アンケートに協力を――」
「断る。帰れ」
「即決!? それは酷くないですか!?」
「私は忙しいんだ。機械を弄るのに」
「なら報酬として私の体を弄っても良いですから」
「もー本当に帰って~」
「流された!?」
にとりは文の口調が記者モードの時点で、何となくこういう展開は予想していた。
だからこそ、冷静に流せる。
「今回の新聞にはアンケートが必要なんです! にとり様~」
「様を付けるな!」
「にとり殿~」
「殿でも駄目」
「なら最終手段です」
文が突然にとりを強く引き寄せ、抱きしめる。
にとりは烏天狗の力に逆らえるわけもなく、文に抱き締められたまま動けない。
「文、離して~」
「にとり」
文は抱き締めた状態から、顔をにとりの耳元に近付け――
「にとり、可愛いですね」
「――っ!? な、なな!?」
囁いた。耳に息がかかる度に、にとりはゾクっとした。さらに文からの言葉、この状況、非常に恥ずかしかった。
「うわぁぁぁ離せ! 離して! お願い文!」
「にとり、あぁにとり。愛しいにとり。可愛いです、本当に」
「ふわぁ!?」
必死の抵抗も力の前では無力で、ひたすら愛を囁かれ続けたにとりは、もう力が体から抜け落ち、顔が真っ赤になっていた。あまりこういうのに免疫が無いにとりには恥ずかしすぎた。
「さぁ、にとり」
「……なんだ」
「あと72時間この状態なのとアンケートに協力するの、どっちが良いですか?」
「……アンケートに協力」
「強情ですね。まだアンケートに協力しませんか。では囁き続けてあげます」
「協力するって言ってるのに!?」
その後、1時間たっぷり愛を囁かれ、抱き締められ、耳元に息を吹かれ続けた。
「さぁ、にとり。アンケートに協力しますか?」
「……もう協力させて下さい」
「返事が0.8秒遅かったからあと5時間このままです」
「この鬼! 悪魔!」
「残念、私は烏天狗です」
愛してる、可愛い、もう二度と離さない、好き、などなどの甘く鬱陶しい台詞を囁かれ続けた。
正直なトコ、文は何か楽しくなって、ただにとりを苛めたかっただけである。
「さぁ、にとり」
「協力協力協力協力協力する!」
「ふむ、流石にこの辺りで止めときます。ではアンケートに移ります」
文から解放されると思い、安堵したのも一瞬。文は予想と違い、にとりを離さなかった。
「おい文」
「なんです?」
「何故離さないんだ」
「このままでもアンケートは出来ると思ったからです」
「私は今、何故お前と友達なのかが本当に理解出来ない……」
「まぁまぁ、早くアンケート終わらせれば良いだけの話ですよ」
何を言っても文には無駄だった。
にとりは、せめて早く終わることを望んでいた。
「ではアンケートです。このアンケートは妖怪の山付近のにとりを中心に聞いているアンケートです」
「私だけじゃん!」
「では最初の質問です。あなたは女ですか、男ですか?」
「女だよ!」
「では次の質問です。生きていて恥ずかしかった時はいつですか?」
「今現在」
「では次の質問です」
「淡々と進むんだな」
「射命丸文をどう思いますか?」
「嫌い」
「えーと、大好き……っと。次の質問です」
「目の前で回答捏造するな!」
「機械を弄るテクニックは、他のことにも使えますか?」
「あぁまぁ、手先が器用にはなるよ」
「ふむふむ。夜に一人でアレするときに使える……っと。次の質問です」
「おいこら! それ新聞載せたら絶交だぞ!」
「一人のときはよく何をしてますか?」
「あぁ、やっぱり――」
「はい、一人であんなことをしている……っと。では次の質問です」
「まだ答えてすらいないよ!?」
「好きな色はなんですか?」
「ん~緑?」
「緑色の下着が好き……っと。では次がラストです」
「質問内容変えるなよ! ていうかやっと終わりか……」
「今、キスしても良いですか?」
「ふぇ!?」
にとりが驚いて顔を上げると、文が顔を近付けてきた。焦るにとり。
「ちょちょちょ!? 冗談もほどほどにしなきゃ怒るよ文!」
「最初から言ってるじゃないですか」
「何を――」
「可愛い、愛してますっ、てね」
「ちょ、ま――」
にとりの言葉は、遮られた。柔らかく温かい、敏感な部分を互いに重ねているから、声は発せられなかった。
にとりは目をギュッと閉じて、顔に紅葉を散らす。
そんなにとりを、より愛しく感じた文は、さらに強く抱き締める。
にとりも恐る恐る文の背中に腕を回して、そっと抱き付く。
しばらくして、どちらともなく唇を離した。
「にとり、可愛いですね」
そんな文の言葉に、にとりは先程とは違う恥ずかしさが込み上げてきた。
そして小さな声で精一杯の言葉を言う。
「責任とれ……馬鹿」
「ええ、もちろんですよ」
二人はそのまま、しばらくの間抱き合っていた。
にとりは赤くなった顔を見せないため文の胸に顔を埋め、文はそんなにとりを愛しげに思い、強く、強く抱き締めた。
糖分70%とか詐称だろこれ。
ちょっと糖分の意味調べてきます
しかもおたがいに!?
残り30%が気になる。
これが成分の偽装表示ってやつですね、分かります
>「まぁそう言わずに。私とにとにとの仲じゃないですか」
>「どんな仲だ! ていうか、にとにとって言うな!」
>「まぁ冗談はさておき」
この手の流れはどのペアでも健在なんですね。
あと、嘘はいけません。タグの変更を要求します。
70%……だと……?
私にとっては70%くらいだと見積もっていたのですがそれ以上でしたかw
>>2様
楽しんで下さってなによりです!
>>3様
もちろん唇ですよw無駄に危ない表現にしましたがw
残り30%はキュウリかなんかです。
>>NEOVARS様
あー全く考えてませんでしたw
>>5様
そんなに足したら夜伽行きになっちゃいますw
>>6様
それかキュウリですw
>>7様
甘かったですか。良かったです。偽装は良くないですよね。
>>名前を見せない程度の能力様
にとりは格好良いのです。ただ、可愛くもあります。
最早私の定番になってしまってきている流れですね。次回は改善したいです。
嘘では無いのです。100%で夜伽行き、85%でディープな甘さを描写になってしまいますから。
>>敬称略様
甘さを感じて下さってなによりでぃす!
はい、70%です。多分w
『烏天狗と河童、熱愛発覚』な感じの見出しで。
残りの30%は、千里眼持ちのわんこの心境でしょうか。
撃沈余裕でしたにとりん可愛いよ!
くっそう、私が……私が……第五、第六回の投票でにとりんをプッシュしたのを(当然御存じ無いと委細承知ですが文の流れ的に)知っての所業かにとりん可愛いよ!
にとりんの妹様の「うにゅ」みたいな台詞に一々萌えるよにとりん可愛いよ!
喉飴さんたらこんなSS書かれてもうもう!いいです!もっとヤってください!
でもにとりんは朴念仁な攻めだと信じてるにとりん可愛いよ!
いくら喉飴氏とて成分の偽装表示とは許せまい、即刻成分表示の改訂を要求する!!
無論「糖分120%」に。
>「あと72時間この状態なのとアンケートに協力するの、どっちが良いですか?」
三日間丸っと囁かれ続けられたら精神的に憔悴し切るwwww
あと関係ないですが72という数字を見て「ぱるぱる☆ゆうぎ」のくすぐり前半戦72分を思い出したw
そしてアンケート内容で腹筋崩壊ですw
甘→ギャグ→甘の流れが見事です
椛は動かし易い反面、ベタになりそうなので登場させませんでしたw
>>謳魚様
にとりメインの甘いSSってないなぁと思ったのがきっかけで書きましたw楽しんで下さったようでなによりです。
>>名前を表示しない程度の能力様
120%にしちゃうと夜伽で書かなきゃならなくなりますwww72という数字を何故か使ってしまいますw
>>コメ10様
ギャグはアンケート部分だけに使いましたwそれ以外は甘く甘くしましたw
脳みそがとける・・・
糖分取りすぎ注意ですw近いうちにこれ以上を書きたいと考えています。
サッカリン以上ですかwww糖分とりすぎたら体に悪いでぃす。
エロなんて飾りです!偉い人には、それが分からんのです。
わふっ! 楽しんで下さったようでなによりでぃす!
そうです、エロなんて飾りなのですよ!
ラグドゥネームが70%なのか!
(※あと30%はサッカリン)
甘あまな百合あじゅじゅしたー