新年に入って余計に寒さが身に染みるこの季節
「チェストー!」
シンと静まり返った守矢神社の裏手から気合の入ったかけ声が
それに続いて、バシンバシンと言う音が聞こえて来た
「一つ!二つ!三つ!」
かけ声の主は、守矢神社の神の一人である八坂神奈子
「四つ!五つ!六つ!」
それだけなら大声を出した程度で済むのだろうが
少々何時もと様子が違っていた
「七つ!八つ!九つ!」
まず、何時も背負っている注連縄が無い
まあ、これは良くあるので珍しくは無い
問題はその格好としている行為であった
「とおっ!」
神奈子がそう叫ぶと同時に手に持っていた木刀で
先ほどから左右に叩いていた物に真正面から一撃を加えて
額についている汗を指で掃った
「さて、ボツボツ身体も暖まってきた」
神奈子がそう言って笑みをこぼすと
木刀を再び大上段に構える
普段は纏めている長い髪の毛を下ろして
下は袴に素足、上に至っては胸元にサラシを巻いているだけの姿
その姿で目の前にある『オンバシラ』の前に立ち尽くす
しばしの深呼吸の後…閉じていた目を見開く
「『御柱立木打ち』禊の千本!」
そのかけ声と同時に、目の前の御柱に対して
猛然と木刀を打ち始めたのだ
昔は良く神奈子はこうしていたのだ
数年に一度、その年の始めに自らの御柱についた
垢や汚れを掃い、己自身を見つめる為に自らの分身に近い
御柱と一対一で向き合う儀式なのだ
「105!106!107!」
雪が振っては居ないとはいえ冬と言う季節と
高い山の上と言う場所であるが故に
辺りの温度は身を切るように冷たい
「108!109!110!」
だが、そんな温度などまるで関係ないかのように
神奈子の体から湯気が上がっていた
額から流れる汗も拭かずに
ただひたすら御柱に向かって木刀を振り続ける
(…これをするのはどれだけ振りかなぁ)
一心不乱に木刀を振りながら
神奈子が昔の事を思い出していた
諏訪子との戦いを終え洩矢の地を征服した時
ガラにも無く喜んでいる自分を落ち着かせる為に御柱を打った事
(あの時は確か100回程だったかな?)
領土を手に入れたのは良いが問題が大量に起こり
信仰がどんどん薄れて行った時の事
(…あの時は頑固だったからねぇ)
イライラが募っていた時、諏訪子に後方から蹴り飛ばされ
農耕について一から教わった時の事
(初めから諏訪子にまかせときゃあ…いや、それは駄目か)
無事に農耕が出来るようになり
諏訪子との和解を経て…信仰についての和解案が出た時の事
(洩矢の名前ではなく新たに『守矢』としての名前による信仰
…諏訪子と私の両方の面目が守れるようにするのを考えるの大変だったな)
それから、数年に一度…新年の初めの月に
数年分の己の甘さを見つめる為に
自らの御柱と一対一での会話をする事にしたのだ
だが、月日は流れて信仰も著しく減ってしまった
そのためにこの数十年はこの儀式をしていなかった
「799!800!801!」
今は幻想郷で自らの姿を取れるほどまでに信仰が集まった
その上、長らく使う事が無かった御柱を使う機会も出てきた
最近の数十年よりも、幻想郷に来た1年の方が
記憶に残る事が大量にあった
「934!935!936!」
その記憶も思い出しながら神奈子は木刀を振り続け
「1000!」
御柱に対して1000本目になる一撃
大上段からの一振りを振り終えた
流石に千本も全力で打ち終えると
肩で荒い息をつき、背中からは湯気が上がっていたが
神奈子は笑顔で御柱の前に立ち
姿勢を正してから御柱の表面にポンと手を当てて
「今年もよろしく頼むよ」
そう言って笑いかけると
神社の中に神奈子は戻って行った
後に残されたのは、表面に着いた汚れを落とされて
代わりに新しい記憶を数十年ぶりに刻み込み
昇ってきた朝日に照らされて金色に輝く御柱の姿であった
「チェストー!」
シンと静まり返った守矢神社の裏手から気合の入ったかけ声が
それに続いて、バシンバシンと言う音が聞こえて来た
「一つ!二つ!三つ!」
かけ声の主は、守矢神社の神の一人である八坂神奈子
「四つ!五つ!六つ!」
それだけなら大声を出した程度で済むのだろうが
少々何時もと様子が違っていた
「七つ!八つ!九つ!」
まず、何時も背負っている注連縄が無い
まあ、これは良くあるので珍しくは無い
問題はその格好としている行為であった
「とおっ!」
神奈子がそう叫ぶと同時に手に持っていた木刀で
先ほどから左右に叩いていた物に真正面から一撃を加えて
額についている汗を指で掃った
「さて、ボツボツ身体も暖まってきた」
神奈子がそう言って笑みをこぼすと
木刀を再び大上段に構える
普段は纏めている長い髪の毛を下ろして
下は袴に素足、上に至っては胸元にサラシを巻いているだけの姿
その姿で目の前にある『オンバシラ』の前に立ち尽くす
しばしの深呼吸の後…閉じていた目を見開く
「『御柱立木打ち』禊の千本!」
そのかけ声と同時に、目の前の御柱に対して
猛然と木刀を打ち始めたのだ
昔は良く神奈子はこうしていたのだ
数年に一度、その年の始めに自らの御柱についた
垢や汚れを掃い、己自身を見つめる為に自らの分身に近い
御柱と一対一で向き合う儀式なのだ
「105!106!107!」
雪が振っては居ないとはいえ冬と言う季節と
高い山の上と言う場所であるが故に
辺りの温度は身を切るように冷たい
「108!109!110!」
だが、そんな温度などまるで関係ないかのように
神奈子の体から湯気が上がっていた
額から流れる汗も拭かずに
ただひたすら御柱に向かって木刀を振り続ける
(…これをするのはどれだけ振りかなぁ)
一心不乱に木刀を振りながら
神奈子が昔の事を思い出していた
諏訪子との戦いを終え洩矢の地を征服した時
ガラにも無く喜んでいる自分を落ち着かせる為に御柱を打った事
(あの時は確か100回程だったかな?)
領土を手に入れたのは良いが問題が大量に起こり
信仰がどんどん薄れて行った時の事
(…あの時は頑固だったからねぇ)
イライラが募っていた時、諏訪子に後方から蹴り飛ばされ
農耕について一から教わった時の事
(初めから諏訪子にまかせときゃあ…いや、それは駄目か)
無事に農耕が出来るようになり
諏訪子との和解を経て…信仰についての和解案が出た時の事
(洩矢の名前ではなく新たに『守矢』としての名前による信仰
…諏訪子と私の両方の面目が守れるようにするのを考えるの大変だったな)
それから、数年に一度…新年の初めの月に
数年分の己の甘さを見つめる為に
自らの御柱と一対一での会話をする事にしたのだ
だが、月日は流れて信仰も著しく減ってしまった
そのためにこの数十年はこの儀式をしていなかった
「799!800!801!」
今は幻想郷で自らの姿を取れるほどまでに信仰が集まった
その上、長らく使う事が無かった御柱を使う機会も出てきた
最近の数十年よりも、幻想郷に来た1年の方が
記憶に残る事が大量にあった
「934!935!936!」
その記憶も思い出しながら神奈子は木刀を振り続け
「1000!」
御柱に対して1000本目になる一撃
大上段からの一振りを振り終えた
流石に千本も全力で打ち終えると
肩で荒い息をつき、背中からは湯気が上がっていたが
神奈子は笑顔で御柱の前に立ち
姿勢を正してから御柱の表面にポンと手を当てて
「今年もよろしく頼むよ」
そう言って笑いかけると
神社の中に神奈子は戻って行った
後に残されたのは、表面に着いた汚れを落とされて
代わりに新しい記憶を数十年ぶりに刻み込み
昇ってきた朝日に照らされて金色に輝く御柱の姿であった
それにしてもさらしに袴で真面目なことをするなんて流石神様。
一心で儀式に励む神奈子様が素敵
よし、とりあえずネガを頂こうか(粥責め
あ、これが例のネガですねありがtメチャッ(オンバシラ
思わず幸運にも入手したこの写真を家宝にして奉りたくなりましt(神祭「宝永五年のエクスパンデットミシャグジ」
見えるよ…神奈子が外で汗かいてる間もコタツでぬくぬくしてる諏訪子様が…
太腿の横の辺りがかなり大きく、ぱっくり開いてるんだぜ……
くそ、見てえ。