レ「いろいろトラブルがあったけどもう大丈夫よっ」
フ「と、言うわけで何事も無かったかのように投下します」
レ「過去の汚点は忘れて頂戴」
フ「今回はたぶん大丈夫と思って投下するよ」
レ「では、始まるざますよ」
フ「いくでガンス」
咲「ふんがー」
美「なんで私此処にいるんでしょう??」
レ「咲夜同様穴埋め」
フ「始まるよっ♪」
「ずずずー」
あー、お茶が美味しいです。
たまにはこうやってのんびりするのもいいですね。
「雛ーーーーっ、凄いの、凄いのできたよーーーっ」
スッパーーーーンと人の家の障子を開けて部屋に現れたのはにとり。
流れるように障子を閉めるとこたつの中へ。
「見て見て、ほらこれ」
「…………茶筒??」
「オネダンイジョウ」
なにやら言葉を話したような気がします。
が、外見茶筒に一枚板のような手足が付いている不思議物体。
それににとりそっくりのツナギを着せてます。
こんな物体が喋るだなんて、きっと気のせいですね。
「これぞ私が作り上げた血と汗と涙の結晶っ、その名もメカにとりっ」
「とりあえず自分の名前を入れるのはどうかな……、あと茶筒にしか見えないよ」
「雛っ、これが茶筒にしか見えないなんて目が腐ってるんじゃないの??」
「いやいやいや、円筒型の体に手足とが付けられて顔が書かれてるだけじゃん!?」
「はぁ~、天災の作品は凡人には理解して貰えないのかなぁ~」
天、災??
いや、あながち間違ってないからそれはいいとしよう。
別ににとりが作ったストーブから出火して火事に成りかけた事を怨んでいるわけじゃないよ。
「で、それ何??お茶葉入れ??」
「ちっがーーーーう、歩けるロボットっ」
ロボットって何??
それよりその一枚板のような足で歩けるの??
「ほら、見ててよ」
そう言ってにとりが畳みの上にメカにとりを下ろすと、不思議と歩き始めた。
どういう構造してるんだろう。
「ほらっ、凄いでしょう」
「そうだねー、すごいねー」
折角バイト休みなんだからゆっくり、まったり過ごしたいのに。
あぁ、厄い。
スッパーーーーン
「おじゃましますよー」
バキャァッ
「痛っ!?」
突然文さんが入って来たかと思うとメカにとりを潰していた。
あまりの出来事ににとりは顔がハニワになっている。
たぶん私自身はきっとにとりを笑えない位にマヌケな表情だと思うけど。
「………なんですか、これ」
「ああ、ああぁ。むきゅう」
「にとりっ!?」
文さんが足元から拾い上げたガラクタ、もといメカにとりを見てにとりは失神しちゃいました。
………ダメですね、幸せな別世界に逃避してます。
「これ、なんです」
「あー、実はですねー」
十分後……
「最近姿を見ないと思ったらこんなガラクタを……」
「いや、ガラクタに変えたのは文さんですけどね」
「でもこのままじゃマズイですよねぇ」
「でしょうね、にとりさんが先ほどから苦しみの無い世界に行ったきりです」
「とりあえず直せそうな人を探しましょうか」
「居ますかねぇ………」
「人里ならそういう事が出来そうな人の一人くらい居るでしょう」
「何故に」
「妖怪でこういう事が出来るのは河童だけですけど、にとりがこの様じゃあ」
………他の河童に頼んだら魔改造、もしくはバラバラに分解されそうですね。
にとりでも一緒ですけど。
「つまり、人里に希望を抱くと」
「そういう事です」
「居なかったら??」
「土下座しかないでしょう、古来より伝わる東方流の謝罪の仕方です」
「パワーアップして焼き土下座ってのもありますよ」
嬉々として幽香さんが屋台で話してました。
十分に熱した鉄板の上でやる豪快な土下座だそうです。
文さんがやったらチキンになっちゃいますかね??
「さー、人里に行きますよー(焼き土下座はダメですね、チキンになっちゃいますよ)」
「え、私も??」
「当然です(こうなれば道連れあるのみっ)」
あーれー、私の安らかな休日がぁー。
「………………ようやく終わった」
「文さん、やめません??物凄い負のオーラを感じます」
ええ、もう厄が駄々漏れ状態ですよ。
勿論本業ゆえに回収しますけど。
「いいえ、ここで諦めたら試合終了です。行きますよっ」
「私は試合参加してないんですけど……」
「たのもーーーっ」
部屋を開けて中に入ると、そこには紙の束に埋もれる慧音さん。
中には紙、そしてガラス瓶の山。
「んー、用事かー、残念だが今は無理、力になれないー」
おそらく来客用に用意していたであろう返答を間延びしながら言うと、慧音さんはひらひらと手を振った。
帰れという意思表示以外の何物でもないでしょうね、これ。
「お願いします慧音さんっ、壊れた物を直せる人を教えてくださいっ」
「何か壊れたのかー??それなら元さんに直してもらえー、大工だから大丈夫だろ」
………大工ってロボットも作れるんですか。
普段からプーな人だと思ってましたけど、少し尊敬します。
「わかったら帰れー、テストの採点で疲れてるんだー」
「それじゃあ失礼します」
「ありがとーございましたー」
文さんはパシャッと燃え尽きた慧音さんを写真に取ると先に部屋を出て行った。
なんて抜け目無いんでしょうね、明日の新聞に載ってなきゃいいですけど。
「さーて、元さんにあいましょうかねー」
「なんですかその写真は」
「報酬です」
「写真で釣るつもりですかっ!?」
「大丈夫ですよ、私でも危ない橋を渡った一級品ですから」
パッと見た感じ。
フランちゃんの着替え写真。
無防備な寝顔をさらす妖夢さんの写真。
仲良くこたつで眠る紫さん、藍さん、橙ちゃんの写真。
寝ぼけて映姫さんに襲い掛かる小町さんの写真。
そしてバイト先で失敗して店長に怒られる私の写真。
……………。
とりあえず最後のは没収ですね。
過去の汚点は焼却です。
「あー、何するんですかっ」
「プライバシーの侵害ですよこれはっ」
「いいじゃないですか、別に問題ないKENZENな写真ですよっ」
「フランちゃんのはスレスレですけどね」
少なくともロリーな人は発狂しそうですよ、これは。
とりあえず写真は後で回収して焼却してしまおう。
「情熱の~、あっかい薔薇ぁ~」
いた。
真昼間から里の中をぷらぷらしてますよあの人。
どう見てもダメ人間でしょう、これは。
「すみませーん、頼みたいことがあるんですけどー」
「なんだい文ちゃん、新聞は取らないぜ」
「即答ですか、そうですか。って違います、これ、直してください」
「………………ガラクタ??」
ええ、私もそう思いますよ。
でも違います。
たぶん、にとりの血と汗と涙の結晶です。
「大体元の形が解らないと直しようがないぜ」
「それもそうですね、雛ちゃん、教えたげて」
「えーと、茶筒に手足がついて顔が書かれてました」
「……………わかった(ような気がする)」
大丈夫でしょうか。
すこぶる不安です。
「それじゃあお願いしますね、これは前払いです」
「…………バッチリパーフェクトに仕上げてやるよ」
そっ、と渡される写真達。
そして元さんはそれを即座に懐にしまいメカにとりを持って立ち去りました。
本当に大丈夫なんでしょうか??
「これでもう安心ですねー♪」
「ほんとかなぁ」
一週間後
「…………………」
「……なん…だと??」
フルフルフルフルフルフル
一週間経って元さんから送られて来たのは異常な速さで頭の動くこけしでした。
何故にっ、私の説明が悪かったですか??
確かに体は円筒ですね、そうですね。
でも手も足も無いじゃないですかっ。
挙句になんでこんなに高速で頭を振ってるんですか。
「こ、これで完成」
「何をおっしゃる兎さん、んなわけないでしょう」
「で、ですよね。だってどう見てもこけし……」
「そ、それにメカにとりは喋りましたよっ」
「…………マズイですね、このこけしで騙し通すのはほぼ不可能」
「ほぼじゃなくて不可能でしょう」
一発でばれますよ、こんなだけ頭振ってたら。
メカにとりに振る頭さえ無かったのにっ。
フルフルフルフルフルフル
「………どうしましょう、かねぇ」
「というか持って行ったパーツは何所に??」
フルフルフ…………パァーーーーーンッ
「「弾けたっ!?!?」」
な、何が………。
まさか自爆装置??
お約束と言えばお約束ですけどこけしに装着しなくても……。
「う、うーん」
「まずいです、にとりさんが実に一週間ぶりに目が覚めちゃいましたよ」
「今までどれだけやっても起きなかったのにっ」
「メカにとり昇天を嗅ぎ付けちゃいましたかっ」
「あー、昇天しちゃったんだ」
と、現実逃避は此処までにしてこたつの上に散らばった残骸をゴミ箱に。
何か、何か誤魔化す方法は??
「その茶筒をっ」
「解りましたっ」
とっさに文さんに茶筒を渡すと、もうヤケクソで茶筒に絵を書いていく文さん。
素晴らしい速さで書きあがったそれは、実物を見てない割には見事な完成度です。
「これを此処に置いてと」
「あー、なんか相当ショックな事が起きた気がする」
「お、おはよーにとり」
「んー、おはよー。あれ、文も来てたんだ」
「え、ええ、お邪魔してます」
「あ、私のメカにとりは??」
「それなら此処に」
文さんの指さした先には例の茶筒。
誤魔化せるか??
これで誤魔化せなかったらメカにとりはこけしに進化して爆散しましたと説明しなければならない。
うん、どう考えても頭がおかしいとしか思われない。
「あー、よかったー。文に踏み潰されるのは夢だったんだね」
「何言ってるんですかもー(マズイ、顔まで見られていたのかっ)」
ああ、文さんが面白い位に汗を流してます。
でも茶筒でごまかせれるなんて……。
「と、とりあえずお茶でもどうですか??」
そう言って文さんは例の茶筒を開けて急須にお茶葉を流し込んだ。
たぶん、もう自分でも何してるか解ってないんでしょうね。
にとり、固まってますよ。
「あ…………」
「……………」
ザーーーーー
何時まで急須にお茶葉を入れてるのさ文。
さてっ、巻き込まれないうちに逃げようかなっ。
では、ごゆっくりーーーー。
スーーーーーピシャ
<文が、泣くまでっ、殴るのをっ、やめないっ
<ひぃーーーん、ごめんなさぁーーーい
…………今日は店長の家に泊めてもらおう。
ヴァイオレンスに始まる恋もあるからしてちょいとアプローチが変化球なにと文と予想。
文ちゃんは実は全部計算済みでこの展開に持って行ってたり。
んなわきゃ無いっすね。
にとりんは最初のはしゃぎ様とか中盤の幻想逃避とか最後の御仕置とか全部ぐっじょぶ。
むしろにとりんが居るだけで幸せ(もう駄目だこいつ)
紅魔さんとタイトルだけでにとりに萌えると思っていたのに!
怒られる雛や無防備な寝顔の妖夢やフランに萌えてしまった!
紅魔さん……恐ろしい人!
映「有罪ですね」
小「裁判抜き!?」
映「そんな勿体無い、間違えて天国に行ったらどうするんですか」
小「ああ、映姫様が黒い……」
2>
なるほど、つまりにとりをもっと書け。
此処まで読みましたが違いますか??
3>
あ な た も か。
にとり大人気。
でもここで人気に乗らない私。
メカにとり、恐ろしい筒ッ!
>焼き土下座
最近は一緒に土下座すれば怖くない『ドゥゲザー』が流行ってるらしいですぜ。
>…………今日は店長の家に止めてもらおう。
一緒に泊まりたい気持ちは山々なんだが、『止めて』じゃなくて『泊めて』かな……
雛「私は悪くないんです」
雛「何が悲しくて私まで土下座なんですか」
に「ってかその『ドゥゲザー』ってルーっぽい」
マ「よく誤字を指摘してくれたわね、お礼にプロテインをあげるわ」
6>
鬼才現る。
元さんはメカにとりを、
銀○のジャスタ○ェイに改造するねかと思ったが、違ったか。
と言うことは余ったパーツで自分をメカに改造するんですよね?!
甘いっ、誰かがジャスタウ○イと言うと思っていた。
だからこそのこけし、ゆえにこけし。
なお、メカにとりは正解です。
餅は餅屋、のことですかね??
そりゃあ餅屋は餅屋でしょうけど。
元「あんた、あんな見たことも無いものを直すってのは不可能だぜ。
それに俺の本業はあくまで家とかを建てることだぜ」
11>
に「でん、どう??」
文「大変ですよ、にとりの珍しい物レーダーが反応してますっ」
雛「とりあえず後から首を手刀で」
文「とうっ」
に「はうっ!!」