Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

腹黒ウサギのかわいい悪戯

2008/12/24 23:07:40
最終更新
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3.56KB
ページ数
1
初SSです。
お見苦しいところがあるかと思いますが、ご了承お願いします。


今日も霖之助はイスに座って本を読んでいた、そこに
「てーんしゅ!」
の叫び声と共にドアを勢いよく開け入ってきたのは…
「君か、もう少し静かに入ってきてくれると嬉しいのだけどね、てゐ」
「気にしなーい」
と、頭の兎耳を揺らしながら、てゐは霖之助に近づいていく。
「今日は何を買いに来たんだい?」
手にしていた本に栞を挟み、てゐと向き合う。
実はてゐ、悪戯用の道具を香霖堂で仕入れることも少なくない。大方、今日もその用で来たんだろうと思っていた。しかし
「ふっふ~ん、今日は違うんだな~」
と人差し指を霖之助の前で左右に揺らし笑う。
「ほー、では何の用かな?」
「実は、半妖でも普通の人と同じ分幸せにすることがわかったのよ!
 という訳で、霖之助を幸せにしてあげる!」
てゐ『人間を幸運にする程度の能力』を持つ、しかし霖之助は半妖、
ゆえに、半分しかその恩恵を貰えないのだ。
霖之助もそのことを聞いていたので、またてゐの悪戯だと思った。
「はぁ~、君が言ったんじゃないか、半妖は半分しか幸せになれないと、まぁ、僕は今のままで十分満足なのだがね」
「ちょ、ちょっと、ホントに!?ホントに幸せにならなくていいの?」
本を読もうとする霖之助の腕を掴んで、激しく揺らす、
それを霖之助は振りほどいた。
「あ~もう、僕は今のままで十分だと言っただろう?それに、君はいつも悪戯をしている、
 仮にそれが本当だとしても悪いが信じれないんだよ」
そう言って読みかけだった本を読もうとすると、
「…ウック……ヒック…」
と泣き声が聞こえてきた、見るとてゐが泣いているではないか、
霖之助は困ってしまった。てゐのことなので、怒って罵声を浴びせながら
行ってしまうと思っていたので、まさか泣かれるとは考えてなかったのだ。
「す、すまなかったてゐ、少し言い過ぎたかもしれない、謝るから、許してはくれないか?」
「…うぐっ、なら…信じてくれる?」
「ああ、信じるとも!だから泣き止んではくれないか?」
「じゃあ幸せにさせてくれるよね!」
てゐの言葉に霖之助は即答できないでいた。
もちろん、幸せにはなりたいがてゐのこと、幸せにした後、なにか要求してくるかもしれない。
しかし断ればまた泣かれるかも知れない、迷っていると、
「やっぱり…信じてくれないの?」
とまたもや泣きそうな顔になる、霖之助はどうにでもなれ、との思いで
「わかった!もう幸せにでも何でもしてくれ!」
と叫んだ、その言葉を聞き、てゐはニコッと笑う、
しかし、霖之助にはそれが悪魔の微笑みに見えた、がもう遅い。
「なら目をつぶってほしいな」
「えっ、目を?何故…」
「いいから!」
渋々目をつぶる霖之助、てゐが見えないので少々、ではなくだいぶ不安だ。
(何をするんだ?物音はしないし、てゐも動いた気配もないから何も盗ってはいないだろう、
 そもそも、悪戯はするが金はきちんと払ってくれる、悪戯が玉に瑕だが、
 全く、黙っていれば可愛いのに…って、僕は何を考えているんだ!)
軽く頭を振り、先ほどから何もしてこないてゐに、言葉をかける。
「てゐ?いつまで目を閉じてればい…」
突如、霖之助の口が、何か柔らかいもので塞がれる、突然のことに驚き、
目を開ける、そこにはアップで映ったてゐの顔、
(えっ、なんだ?なぜてゐの顔が目の前に、もしかして今僕の唇に触れているのは…)
霖之助が色々考えていると、てゐがゆっくり目を開ける、霖之助と目が合うと、
先ほどよりも大きく目を開け飛び退く、しかし霖之助に背を向けているので表情はわからない。
「て、てゐ?今のは、一体…」
「だ、騙されたわね!私は嘘吐き兎の因幡てゐよ!?半妖を幸せにすることなんて
 できるわけないじゃない!」
そう叫んで逃げるように店を出た瞬間てゐが止まった。
「…ちなみに、私、その、さっきみたいなの、初めてだから…」
それだけ言うとてゐはまさに脱兎のごとく走り去った。
あとに残された霖之助は、
「半妖は幸せにできないか…全く、何を言っているんだ。
 十分すぎるくらいだよ」
とつぶやき、自分の唇を指でなぞった。




永遠亭に帰ったてゐはというと…
「はう~、なんであんなことしちゃったんだろ~、もう霖之助に会えないよ~」
と布団の中で顔を真っ赤にしうずくまっていた。
始めまして、般若といいます。
いかがでしたか?何分初めてでお見苦しかったとは思いますが、
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
誤字・脱字などありましたら連絡ください。
般若
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
なんだこの・・てぬ・・可愛い・・・いい意味で
でも小悪魔分が足りないな。やっぱり悪戯成分が足りないと
てぬとしての魅力が欠けてます。

初SSとしては十分な内容だけど、補完としての続きが読みたい
期待の新人的な意味で
2.名前が無い程度の能力削除
期待の新人ktkr
続きはアルヨネ?
3.般若削除
暖かい感想ありがとうございます。
続きは考えてなかったんですよ、これで終わる気でしたから(^_^;)
でも頑張って考えてみますので、気長にお待ちくださるとありがたいです。
4.名前が無い程度の能力削除
新たに霖乃助を書きつずる勇者がまた一人誕生か・・・。
あと小説を書くときに一番大切なのは
書こうとする対象へのキャラ愛だって、てゐが言ってた。