Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

休伽羅亭食堂 クリスマス編

2008/12/24 08:37:20
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 里の片隅にある小さな食堂

 『休伽羅亭食堂』

 普段は殆ど閉まっているが

 極々稀にお店が開いている事がある

 そこには四人居るとされる職人が優しく貴方を… 

「魔理沙の馬鹿~!(怒)」
「アリスちゃんの薄情者~!(涙)」
『あわあわ~(あたふた)』

 どうやら今日は迎えてくれそうにないみたいである   

 今日は12月24日…クリスマスイブ
 
 食堂の中に明かりがついているが、

 雪が降っている今日はお店に人が来ることはない

 そんな中、休伽羅亭の店長達である四人の家の三人がお店の中で飲んでいた


「…せっかく…せっかく魔理沙にお土産を持って行ったのに…」

「今日は私の誕生日だから…アリスちゃん来てくれると思っていたのに」

『こくこく』 

 上から祟り神、魔界神、スケッチブック
 
(以下略してスケブ)を持った女性の順番である

 普段なら祟り神はお店に来たお客の悩みを聞いてあげ

 魔界神はお客に悩みに一言と一緒に優しく抱擁してくれ

 スケブを持った女性はお客に不器用ながら一生懸命料理をしていた 

「「クリスマスなんて大ッ嫌い(よ)!」」
『あわあわあわ!?』
  
 だが、今日は魔界神と祟り神がお互いに愚痴を言いまくって

 手元にあるワインを空けていた
 
 因みに、スケブを持っている女性は飲めないのでジュースである

「せっかく…魔理沙の家に行ったのにさ…(ミシッ)」

「お母さん…アリスちゃんと一緒にクリスマス楽しみたかったのに(パキッ)」

『がくがく…プルプル』 

 祟り神と魔界神が背中から目で見える位の負のオーラが見え始め

 手に持っていたグラスに罅が入ったのを見て

 スケブを持った女性が涙目で縮こまる 

 そんな縮こまる女性を無視して、祟り神と魔界神が愚痴をこぼし続ける

「邪魔なら邪魔だとはっきりと言ってくれればまだいいのに!」

「はっきりと『歩いて帰って!』なんて言わなくても!」

 二人がそう言って手に持っていたグラスを完全に握りつぶした

 二人とも、自分の溺愛している娘達の下で
 一緒にクリスマスを楽しもうとしていたのだが
 素っ気無く拒否されたのでこうして自棄酒を煽っていたのだ

「ちくしょう!クリスマスである今日を祟ってやる!」
「そうね!アリスちゃんと一緒に入れないクリスマスなんて意味が無いわ!」
 魔界神と祟り神がお酒に酔った勢いで椅子から立ち上がると
「よし神綺!クリスマスを台無しにしに行くよ!」
「ええっ!今こそ、旧作キャラの底力見せてやる時ね!」
 背中に全力の証である六枚の羽を全開にする

 旧作六ボスの二人が遂にお店を出て幻想郷中で暴れようとした時

(ぱしん!ぽこん!)
「イタッ?」
「あたっ?」
 何者かが神綺と魅魔の頭を鈍器で叩いた
 叩かれた神二人が後ろを振り向くと

『クリスマスを滅茶苦茶にしたら駄目!』
 そう書かれたスケブを開いて
 額に青筋を立てて涙目で怒っている女性…
「「ご、ごめんなさい…サリエル」」
 サリエルに対して頭を下げる魅魔と神綺であった 
『…わかればいいの…』
 頭を下げられたサリエルは、スケブを見せてから
 両腕を組んで頷くと 
『二人ともしばらく椅子に座って待っているの!』
 そうスケブに書き残して、お店の奥に戻っていった 


「それじゃあ、仕方ないから座るとするかい?」
「そうね…またワインでも飲みましょうか?」
 言われたまま、魅魔と神綺が椅子に座ると
 神綺が自分の能力でグラスを作り出して
 そのグラスに魅魔がワインを注いでグッと飲み干す

「そういえば…岡崎の奴はどうしたんだい?」
「え~とね…」
 頬杖をつきながら気だるそうに魅魔が
 もう一人居るはずの店主の名前を告げると
 神綺が指を口に当てて考えてから
「そうそう、助手の方と一緒にどこかに行っちゃったわね」
「…畜生、四人の中で一人だけ楽しいクリスマスかい」
 魅魔が悔しそうにそう告げる

 神綺が娘であるアリスに振られて
 魅魔が愛弟子である魔理沙に振られたのだが
 岡崎夢美は助手であるちゆりと一緒に出かけているのだ
「…ふぅ…なんか寂しいクリスマスね魅魔…」
「そうだねぇ…そとで男漁りでもして来るかい?神綺…」
 ワイン片手にテーブルにぐでーっと両腕を伸ばす二人

 因みに誰も見ていないが、
 二人ともお酒が入っていて頬が少し赤くなっているうえ
 テーブルの上で胸が潰れている姿は大変色っぽい
 これを写真に撮っていたら多分売れたであろう


(ぱたぱたぱた)
 そんなアンニュイな二人の元に
 お店の奥からサリエルが何かを持って現われた

(よたよた…)
 二人の前に現われたサリエルは
 両手に大きな皿を持って歩いてくる
「お、おいおい…危ないよ?」
「持つの手伝うわね」
『あ、ありがとうなの』
 だが、その足は頼りなさそうにフラフラしていたので 
 魅魔と神綺が慌ててサリエルの持っているお皿を持ってテーブルに置く
 両手が開いたサリエルがスケブを二人に見せる 

「おや?」
「あ、これは…」
 魅魔と神綺がお皿の上の物を見つめる
『クリスマスだから頑張って作ったの』
 サリエルがそう言って胸を張って作った物は

「ホットケーキかい?」
「しかも、沢山重なっているけど…」
『今から仕上げに入るの』
 積み重ねられたホットケーキであった
 サリエルがそう言うと今度は台所からホイップクリームを持ってくる
「ははぁ…なるほど」
「それじゃあ、私達も手伝うわね」
『お願いするね』
 それを見た魅魔と神綺もホイップクリームを手に取ると
 サリエルが作ったホットケーキにクリームを塗っていく

「神綺、溝の方任せた」
「それじゃあ、魅魔は平坦にするのよろしくね」
『あの…私は?』
「「飾りつけよろしく」」
『まかせるの!』

 魅魔も神綺も娘を育ててきたいわば主婦
 料理を作ってきた事があるので
 このような芸当はお手の物であった
「よし、これで完成だ」
「うふふっ、久しぶりにやると楽しいわね」
『二人とも…プロ?』

 ホットケーキにクリームを塗っただけだが
 そこには即興で作ったとは思えない程の代物が出来ていた
 ただ、上には何も乗っていない真っ白であったが
「でもトッピングが足りないね」
「そうね…なにか足りないわね」
 魅魔と神綺がそう言うと、サリエルが胸を張って伝える
『大丈夫!足りないものはもうすぐ来るの』
 そうスケブで伝えると同時にお店ドアが開かれる
 そして中から姿を現したのは

「教授!急がないとクリスマスが終っちまうぜ!?」
「ま、待ちなさいちゆり!苺はデリケートなのよ!走ったら潰れるじゃない!」
「あれ?教授と助手じゃないか」
「デートじゃなかったの?」 
 一緒に何処かに行っていたはずの夢美とちゆりであった
「デート?そんな楽なもんじゃないぜ!」
「このクリスマスだからこそ!苺ババロア豆腐が売れるんじゃない」
 二人が居なかったのは、二人が作り出した
 人気のフルーツである苺ババロア豆腐を売りに行っていたのだ

(なんだ…結局夢美も私達と変わらないわけかい)
(ええ、そうみたいね魅魔)
 ちゆりと夢美の二人を見て、魅魔と神綺が頷いた
 そんな二人を尻目に、サリエルがスケブを夢美に見せる

『ケーキの仕上げに苺をお願いするの』
「苺!?任せておきなさい!苺が無いケーキはケーキにあらず!…ちゆり!」
「用意してあるぜ、小さくってもこれは必殺の苺だぜ!」

 夢美の指示で、ちゆりが持って来た苺を台所の奥に持っていく
(違う!もっとカッティングに注意しなさい)
(もっと大胆に行かないと食べ応えがないぜ!)
『二人とも、相変わらずなの』

 台所から聞こえる声にサリエルがそう伝えると
 魅魔と神綺が口元を押さえながら笑った 



「出来たわ!これこそ苺の極み!」
「完成だぜ!」
「お~…思っているよりも立派なケーキだね」
「あらあら、美味しそうにできたわね」
『皆、よく頑張ったなの!』

 五人の目の前にあるのは、ホットケーキを台座にした
 苺のショートケ―キ
 それを見た魅魔が手の平をポンと叩いた
「そうだ神綺、シャンパン用意してただろ?」
「そうそう、用意してあるの忘れてたわ」
 魅魔に言われた神綺が人数分のグラスを用意して
 その中に、シャンパンを入れる 
『では、皆椅子に座るの』
 サリエルのスケブを見た四人が椅子の上に座る
 それを見届けたサリエルがシャンパンが入ったグラスを手に持って宣言した

『めりーくりすまーす!』
「「「「メリークリスマス!」」」」



  




 今日はお客が来ないので、店主達だけのクリスマス
 今日の特別メニューは、ホットケーキで作った
 心が暖まるような五人の合作のクリスマスケーキであった
 どうも、脇役です!メリークリスマス!
 よし!今日はバイトだ頑張ろう!
 テストもあるから頑張らないと!
 …それでは、今からテスト受けに行ってきますね!
 
 せめて…旧作のキャラ達だけでも…幸せに(涙)

 おまけ




「でも、食べきれないねぇ」
「そうね…サリエルったらちょっと作りすぎよ?」
『頑張ったの』
「やっぱり苺は美味しいわね」
「教授…食べ過ぎると太るぜ?」


「ふぉふぉ…お邪魔するのう」
「おお!玄爺じゃないかい?まあまあ一杯飲みな」 

「見つけましたよ神綺様!」
「あっ、夢子ちゃん?」
「今、皆こっちに向かっていますから」

「匂う…こっちから科学の匂いが!」
「えっ?理香子!?」
「ああ、あの一番安い教科書あげた…」

『やあどうも、近くを通りかかったもので』
『あ、コンガラさん?お久しぶりなの!』
『うんうん…あげたスケブ、使ってくれて何よりだ』


 今日は旧作キャラが一つのお店に集まるようだ
 それは、ある意味一つの奇跡であった
脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
サリエル様可愛いよサリエル様
と思ってたらコンガラまで!?
2.謳魚削除
旧作キャラよ永遠なれ……!
理香子さんが来た!
これで勝てない訳がない!
3.名など無い削除
コンガラに理香子に玄爺……旧キャラ盛りだくさんでお送りしておりますなぁ
そのうち明羅や小兎姫にも出番が回ってくるのだろうか………
4.名前が無い程度の能力削除
彼女たちは永遠に不滅だぁぁぁぁああ!!
5.名前が無い程度の能力削除
ああ、彼女らが祝うのなら私も祝おう。
6.名前が無い程度の能力削除
今からでも食堂に行きたいけどものすごい魔力によって家から一歩も出られません。
7.欠片の屑削除
苺ババロア豆腐かぁ… 喰いてぇ……
8.名前を表示しない程度の能力削除
旧作キャラに幸あれ!!
しかしサリエルのスケブはコンガラのものだったのかw
9.名前が無い程度の能力削除
すっかり忘れ去られている夢幻館の住民達南無…
10.思想の狼削除
コンガラ様だけかと思いきや、玄爺まで!
本当に奇跡の夜ですね。メリークリスマス!
11.名前が無い程度の能力削除
ちょっとまてッ ゆうかりんと夢幻姉妹がハブられてるんだが