~紅魔館~
月の光りがぼんやりと地上を照らす夜のことである。
「クックック…今日はもう寝るわ」
「はい、お嬢様」
吸血鬼が夜に寝るのはおかしいかもしれない。
しかし別の角度から見てみよう。これは至極当然なことなのだ。
吸血鬼は眠った。
しばらく後、銀髪メイドが音も無くベッドの側にあらわれた。
「ふふ。この日のお嬢様の寝顔はとびきり最高の寝顔ですわ。
これだけでお腹いっぱい」
そう呟きながら、側に掛けられた大きめの靴下の中に小箱を入れる。
「この中には、きっとお嬢様の望んだものが入っていることでしょう。
だって、お嬢様なんですから」
大きな仕事でも成就させたかのような、緩んだ顔で廊下を歩いていると、中華風の娘と鉢合わせた。
「あら、美鈴」
「あ、咲夜さん」
「これからお茶にしようと思ってたの。
あなたもご一緒どうかしら?」
「ふふ、もちろんいただきますよ」
~~~
「でですね、妹様の寝顔ときたら…」
「わかるわ。お嬢様もとても可愛らしくて」
「これが役得ってやつですね」
「ええ」
~けーねともこたん~
「おーすけーね」
「おお、もこ」
「けーねの家なんて久しぶりだなぁ」
「そうだな。久しくもこが訪ねてくれなかったからな。
私から呼んだ」
「悪い悪い。最近ちょっぴり忙しくてね」
「もこが?珍しいな、何か仕事でもしてたのか」
「ちょっとね」
「言えないようなことか…?
はっ!そういうのは大抵水商売とか…」
「違うわっ!」
「じゃあ何か、喧嘩買ってたとか」
「古いよ、なんで私がそんなことするんだよっ」
「それじゃまさか…!!」
「なんだよ!いや、言わなくていいけど!」
「私はな…ただ妹紅のことが心配で…
最近妹紅に会えなかったせいで夜しか眠れなかったんだぞ!」
「夜寝れればいいだろがっ!」
「妹紅、のどが渇いただろう。ほらこれを飲め」
「うん…」
「もこは素直で可愛いな」
「何さ…で、これ何?地味に美味し」
「媚薬」
「ぶーっ!げほげほっ!」
「冗談だ」
「慧音ならやりかねないと思っちゃったよ…」
「両者合意ならおっけーね。モーまんたいってやつだ」
「何がOKなの!?それとうまいこと言ったつもり!?」
「まぁそういきり立つな。妹紅を呼んだ理由はこれを楽しむためだからな」
慧音は立ち上がり、奥の台所から大きくはない、白い箱を持ってきた。
「これだ。そろそろ妹紅も疲れてきたろう」
白い箱から姿をあらわしたのはショートケーキであった。
「わ、美味しそう。疲れも吹っ飛ぶよ」
「だろう?さあ、いただきます」
「いただきます」
「慧音」
「むぐむぐ、ん?」
「これ…」
妹紅はきれいにラッピングされた袋を慧音に手渡す。
「開けてみてもいいか?」
「うん」
「これは…」
でてきたのは白いスカーフであった。しかもシルクっぽい。
「ちょっと忙しかったってのはこれを買うためでさ…」
「妹紅…」
がばぁっ。
「け、慧音、嬉しかった?」
「ああ!すごく嬉しい!だから今日一緒に寝ような!」
「…いいよ」
「おやすみ、慧音」
「いただきます、妹紅」
「…ん?」
~勇儀とパルスィ~
緑眼の橋姫は今日も妬む。
「ああ妬ましい…こんな行事で皆桃色ムード、ああ妬ましい…」
そこへ一本角の鬼がやってきた。
「それなら私とこのイベント、楽しまないか?」
「うるさい。あっち行け」
「素直じゃないなぁ?」
一本角の鬼が緑目の橋姫に絡む。
「やめてったら!」
「つれないな。いいじゃないか」
「大体あなたなんか…」
「そう、いうなって」
ぐいっ。
鬼が橋姫の手を引き体を引き寄せ、抱きしめる。
「!?」
「ははっ、ちょっとびっくりしちゃったかな?」
「っ…!」じわっ
どんっ。
「っ…っ…」
橋姫は座り込んで泣き出してしまった。
「お、おい…?泣くほど嫌だったのか?」
「……」
「(ん…悪いことしちまったなぁ…)
あー…その…すまなかった」
鬼は背を向け去ろうとした。しかしそれは阻まれた。
橋姫が鬼の服の裾をつかんでいる。
「…かない、で」
「ん?」
「行かないで」
「ん、ああ…」
鬼が橋姫を包む。今度はやさしく、やさしく、全てを包むように。
「今日は、忘れろよ」
こんな日くらいは妬ましさを忘れたっていい。
まずお嬢様でほのぼの。
で、けねもこに腹筋崩壊させられましたwww
そして最後の勇パルに萌えた。
のうかりん自重www
ていうかのうかりんwwwwwwwwwwwwwww
けねもこは……ご愁傷様です(違
自重を知らないのうかりんを相手に、幻想郷の明日はあるのか!!
気になって夜だけしか眠れない。
全てのコメントにのうかりんが入っております、本当にありがとうございました。
>1番目の名無しさん
ハロウィンも見ていただけたということでしょうか?嬉しい!
けねもこが何とか受けたようで幸いです。
のうかりんはとどまるところを知りません。
>2番目の名無しさん
やっちまいました。
やはりのうかりんは愛されているんですね!(
>名前を表示しない程度の能力さん
甘々していただいて嬉しい限り。
ぱるしーだってたまには甘えたっていいはずだっ!
いきなりデレるという展開の強引さがちょっと不安でした。
のうかりんパワーはとどまるところを知らない!
明日後ろに立っているのはのうかりんかもしれない。
夜だけでも眠ってください。