美鈴がいつもどおり門番をしているとメイド長の咲夜が現れた。
美鈴がちゃんと仕事をしているか見に来たのだろう。
その時、遠くから馬の足音が聞こえてきた。
美鈴は万が一に備え身構えると、馬がこちらに向かって走ってきている。
馬の上にはレミリアがいて見事な手綱さばきで咲夜の前で馬を止まら「止まれ、止まりなさい、止まりなさいってば。止まってくださいお願いします~」せずに彼方へと消え去った。
「しょうがないですね」
次の瞬間、咲夜は馬を止めていた。
きっと時を止めて追いついたのだろう。
「咲夜、この馬は駄馬ね。人の言うことを全く聞かないわ」
レミリアは自分の身長より大きい白毛の馬の腹を触りながら文句を言っている。
自分の技術不足だとは微塵にも思っていなさそうだ。
「そうですか。一応サラブレッドだったんですが。ではこちらのポニーでどうぞ」
レミリア達がいなくなったので美鈴がいつもどおり門番をしているとメイド長の咲夜が現れた。
さっきのを無かったことにして始めからやり直しているのだろう。
遠くから馬の足音が聞こえてきた。
美鈴が警戒することも無くそちらの方に目をやると、馬がこちらに向かって走ってきている。
馬の上にはレミリアがいて見事な手綱さばきで咲夜の前で馬を止まら「咲夜、お願い止めて~」せずにまたしても彼方へと消え去った。
「またですか」
咲夜はため息をついて馬を止めにいった。
「咲夜、この馬も駄目。もっといいのは無いの?」
「これではどうでしょうか」
美鈴がいつもどおり門番をしていると、パッカラパッカラと馬の足音……の真似をした人の声がしたので、笑いを堪えながら目をやると咲夜が四つんばいになって歩いている。
咲夜の上にはレミリアがいて見事な手綱さばきで美鈴の前で咲夜を止まらせた。
暴れん坊レミリア
レミリア・スカーレットは毎日遊んでいると思っている人も多いが実は何気に忙しい。
普段は夜に起きて朝眠るという生活なのだが、自分の食料である人間の血の質が落ちないよう昼に視察に出かけることがあるのだ。
「変装用の眼鏡をかけて日傘を持って、さあ行くか」
そして紅魔館から出るときは正門はもちろん使わない。
誰にも知らていないはずの秘密の抜け道から外へ行くのだ。
レミリアは誰にもばれていないつもりだが、気づいてないのはメイド妖精達だけのようで秘密の抜け道の掃除は咲夜がいつもしている。
レミリアは人里に着くと最初に寺子屋へ向かった。
子ども達はれみりゃだれみりゃだと騒いでいるし、寺子屋の先生である慧音もれみりゃと呼んでいるがレミリアは特に気にしていない。
それもそのはずでレミリアは変装中は峠茶屋の三女、れみりゃと名乗っているのだ。
里の大人達は特に害も無いためか、れみりゃの正体を知っているがレミリアに付き合ってあげている。
それどころか最初はびくびくしていたが、今ではそろそろ職を見つけたらどうだいと声をかける人もいる。
レミリアは子ども達の健康状態に満足がいったのか寺子屋を離れ人のおおい通りを見て回った。
道行く人々から店の中にいる人などの肌、食生活、肥満度などを確かめ、時にアドバイスをしていく。
レミリアは夕方になるまでこの作業を続けたが、その間あちらこちらで人々が何事か相談しているのを見かけた。
気になったので、道行く人に尋ねてみるともうそろそろクリスマスという日らしくその日に限りサンタが現れ欲しい物を置いていくというのだ。
きっとさっき相談していた人達はそのサンタとやらに困らされているのだろう。
事件の匂いを感じ取ったレミリアは急いで紅魔館に戻り、咲夜にサンタという人物を調べさせた。
次の日咲夜からの報告をまとめると
サンタとはサンタクロースの略。
誰も姿を見たことはないのに赤い服を着て赤い帽子をかぶり白いひげを生やしている。
クリスマスの日の夜、皆が寝静まった時に現れる。
プレゼントがもらえるのは良い子だけ。
ソリに乗ってトナカイに引かせ、空を飛ぶ。
煙突から入っていく。
子ども達が欲しい物が何故か靴下に入っている。
煙突の無い家からも入り、靴下に入らないプレゼントすらプレゼントするという荒業をやってのける。
夜活動している妖怪すら見たことが無い。
「夜の妖怪ですら見たことが無いとはサンタは凄腕のようね」
「お嬢様、一つ質問いいですか?」
「ん、何?」
「これって何か困りますか?」
たしかにこの報告だけでは、特に害はなさそうだろう。
しかしレミリアの考えは違った。
「親が我慢を覚えさせるために買わないでいる物を子ども達に与えている。それは悪だよ」
「そうですか。失礼しました。ところでお嬢様はプレゼントをもらえるとしたら何がいいですか?」
「私だったらさらなるカリスマね」
「上げるのは難しいですが頑張ってください」
「て咲夜、私を子ども扱いする気か」
「いいえ、ただもらえるならお嬢様は何が欲しいのかと。それでこのサンタはどうしましょう?」
「クリスマスの日にしか現れないというのなら現場でとっ捕まえるしかないでしょう。フランの部屋に現れるのは間違いないから罠を仕掛けなさい」
「それは去年やりましたが?」
「え? 去年?」
「はい。去年も同じ事を言って、罠を仕掛けましたが、誰も引っかからずにプレゼントだけが残っていました。お嬢様にもプレゼントがありましたが」
レミリアは去年の事を思い出そうとして
「あー、あったあった。あれか、はいはい。サンタめ私を子ども扱いして」
全く思い浮かばなかったので適当に相槌を打っておく。
そこで疑問に思ったことを一つ。
「じゃあ咲夜は、サンタの事は知っていたの?」
「ええ」
「じゃあ昨日の時点で教えなさいよ」
「新たに追加情報が入ってないか確認したかったので。サンタと直接関係あるか分かりませんが、香霖堂に泥棒が入り真っ赤な服や帽子、靴、付け髭が盗まれたようです。しかし何故かお代は置いてあったそうです。」
「ふーんそう」
レミリアは腕を組みぶつぶつ言っているが一つの案が浮かんだようで咲夜に命令をした。
「咲夜、その日はフランの部屋に隠れて待機。パチュリーやメイド妖精などいつでも出撃できるように準備させておきなさい」
「分かりました。それでお嬢様、犯人は分かったのでしょうか?」
「ああ、これだけ情報があれば十分だよ。後は現場で捕まえて言い訳ができないようにするだけ」
クリスマス当日、日も昇っていない早朝に赤い服を着たサンタはフランドールの部屋に音も無く現れた。
そして担いでいた白い袋から何かを取り出しフランドールの枕元に
「そこまでだよ」
サンタの足元にナイフが突き刺さる。
「おのれ、何奴!?」
「私の顔を見忘れたか?」
そこにはたった今起きたかのような顔をしたレミリアがいた。
どうやらサンタが出たら咲夜に起こしてもらうようにしていたみたいだ。
「お嬢様!?」
レミリアは咲夜の袖を引き、屈ませて耳打ちした。
「咲夜、私が思う犯人は私の事をお嬢様なんて呼ばないはず。それに身長が違う気がする」
「一度言ってみたかったんじゃないですか? 身長だってきっと厚底でごまかしているのでしょう」
「なるほどね。サンタクロースこと古明地さとり、他人の心が読めることをいいことに子ども達にプレゼントをし親を困らせ、不法侵入、それより何より私を子ども扱いした事は断じて許しがたい。潔く腹を切りなさい」
「おのれ~。であえであえ! 良い子のお嬢様がこんな時間まで起きているはずが無い! こやつはお嬢様の名を騙る不届き者だ! 斬れい、斬り捨てい!」
「咲夜、さとりのはずなのに門番隊が言う事を聞いてるわよ?」
「きっとさとりにトラウマを見せるぞと脅かされたんでしょう」
「そう、ならしょうがないわね」
レミリアはグングニルを構えるとサンタに向かって静かに歩いていく。
逃げてるとは思えないスピードで後ずさるサンタ。
門番隊は一人一人攻撃するがグングニルに防がれあっという間にやられていく。
レミリアは門番隊を何人か倒したところでサンタを壁に追い詰める。
「くっ彩符『彩光風鈴』」
「ふふん、美鈴ごときを想起したって無駄だよ。成敗!!」
レミリアがサンタの攻撃を避け一喝すると咲夜がサンタを倒していた。
「さて後は誰か分かりやすいように帽子と付け髭をとってって美鈴!?」
レミリアが倒れたサンタの帽子と付け髭をとるとそこに現れたのは美鈴であった。
「咲夜、どういうことか分かる?」
咲夜は今思い出したかのように
「ああ、そういえば一つ言い忘れていたことが」
「何?」
「子ども達は欲しいものを紙に書いて枕元に置くそうです」
「それ大事なことだよね? その報告があればさとりではないかもって分かったよね?」
「サンタの事ばかり報告していたのでつい子ども達の行動は忘れてしまいました」
「はあ、まあいい。美鈴は牢屋に入れて厳重注意。私はもう寝る」
これでサンタによって血の質が落ちることは二度とないと安心し、枕を高くして眠るレミリアであった。
その日の夜
レミリアが起きると枕元にはでかい靴下があった。
サンタはもう現れないはずなのに思い恐る恐る靴下に触ってみると硬い。
どうしようか迷ったが覚悟を決めて靴下の中へ手を入れ中身を取り出してみると一冊の本があった。
『カリスマを得るためには』
「咲夜ー」
「何でしょうかお嬢様」
「サンタが現れた」
「そんなはずは。美鈴は今牢に入っていますよ」
「でもほら。靴下と私が欲しがってたカリスマを得るための本」
咲夜は少し考えて一つの可能性を口に出した。
「おそらく美鈴を捕まえたことにより第二のサンタが現れたのでしょう」
「そんなことあるの!?」
「本のシリーズ物ではよくありますから」
「くそっサンタめ。来年こそプレゼントなんてできないようにしてやる」
打倒サンタと決意に燃えるレミリアであった。
「咲夜さんひどいですよ。サンタ服着てお嬢様にやられろだなんて」
「ああしないとお嬢様は熟睡しないと思ったからね」
「だからって本気で攻撃したり牢に入れたりしなくても」
「いいじゃない貴方の欲しがってた物をあげるんだから。はいメリークリスマス」
咲夜は美鈴に大きな靴下を渡した。
美鈴がちゃんと仕事をしているか見に来たのだろう。
その時、遠くから馬の足音が聞こえてきた。
美鈴は万が一に備え身構えると、馬がこちらに向かって走ってきている。
馬の上にはレミリアがいて見事な手綱さばきで咲夜の前で馬を止まら「止まれ、止まりなさい、止まりなさいってば。止まってくださいお願いします~」せずに彼方へと消え去った。
「しょうがないですね」
次の瞬間、咲夜は馬を止めていた。
きっと時を止めて追いついたのだろう。
「咲夜、この馬は駄馬ね。人の言うことを全く聞かないわ」
レミリアは自分の身長より大きい白毛の馬の腹を触りながら文句を言っている。
自分の技術不足だとは微塵にも思っていなさそうだ。
「そうですか。一応サラブレッドだったんですが。ではこちらのポニーでどうぞ」
レミリア達がいなくなったので美鈴がいつもどおり門番をしているとメイド長の咲夜が現れた。
さっきのを無かったことにして始めからやり直しているのだろう。
遠くから馬の足音が聞こえてきた。
美鈴が警戒することも無くそちらの方に目をやると、馬がこちらに向かって走ってきている。
馬の上にはレミリアがいて見事な手綱さばきで咲夜の前で馬を止まら「咲夜、お願い止めて~」せずにまたしても彼方へと消え去った。
「またですか」
咲夜はため息をついて馬を止めにいった。
「咲夜、この馬も駄目。もっといいのは無いの?」
「これではどうでしょうか」
美鈴がいつもどおり門番をしていると、パッカラパッカラと馬の足音……の真似をした人の声がしたので、笑いを堪えながら目をやると咲夜が四つんばいになって歩いている。
咲夜の上にはレミリアがいて見事な手綱さばきで美鈴の前で咲夜を止まらせた。
暴れん坊レミリア
レミリア・スカーレットは毎日遊んでいると思っている人も多いが実は何気に忙しい。
普段は夜に起きて朝眠るという生活なのだが、自分の食料である人間の血の質が落ちないよう昼に視察に出かけることがあるのだ。
「変装用の眼鏡をかけて日傘を持って、さあ行くか」
そして紅魔館から出るときは正門はもちろん使わない。
誰にも知らていないはずの秘密の抜け道から外へ行くのだ。
レミリアは誰にもばれていないつもりだが、気づいてないのはメイド妖精達だけのようで秘密の抜け道の掃除は咲夜がいつもしている。
レミリアは人里に着くと最初に寺子屋へ向かった。
子ども達はれみりゃだれみりゃだと騒いでいるし、寺子屋の先生である慧音もれみりゃと呼んでいるがレミリアは特に気にしていない。
それもそのはずでレミリアは変装中は峠茶屋の三女、れみりゃと名乗っているのだ。
里の大人達は特に害も無いためか、れみりゃの正体を知っているがレミリアに付き合ってあげている。
それどころか最初はびくびくしていたが、今ではそろそろ職を見つけたらどうだいと声をかける人もいる。
レミリアは子ども達の健康状態に満足がいったのか寺子屋を離れ人のおおい通りを見て回った。
道行く人々から店の中にいる人などの肌、食生活、肥満度などを確かめ、時にアドバイスをしていく。
レミリアは夕方になるまでこの作業を続けたが、その間あちらこちらで人々が何事か相談しているのを見かけた。
気になったので、道行く人に尋ねてみるともうそろそろクリスマスという日らしくその日に限りサンタが現れ欲しい物を置いていくというのだ。
きっとさっき相談していた人達はそのサンタとやらに困らされているのだろう。
事件の匂いを感じ取ったレミリアは急いで紅魔館に戻り、咲夜にサンタという人物を調べさせた。
次の日咲夜からの報告をまとめると
サンタとはサンタクロースの略。
誰も姿を見たことはないのに赤い服を着て赤い帽子をかぶり白いひげを生やしている。
クリスマスの日の夜、皆が寝静まった時に現れる。
プレゼントがもらえるのは良い子だけ。
ソリに乗ってトナカイに引かせ、空を飛ぶ。
煙突から入っていく。
子ども達が欲しい物が何故か靴下に入っている。
煙突の無い家からも入り、靴下に入らないプレゼントすらプレゼントするという荒業をやってのける。
夜活動している妖怪すら見たことが無い。
「夜の妖怪ですら見たことが無いとはサンタは凄腕のようね」
「お嬢様、一つ質問いいですか?」
「ん、何?」
「これって何か困りますか?」
たしかにこの報告だけでは、特に害はなさそうだろう。
しかしレミリアの考えは違った。
「親が我慢を覚えさせるために買わないでいる物を子ども達に与えている。それは悪だよ」
「そうですか。失礼しました。ところでお嬢様はプレゼントをもらえるとしたら何がいいですか?」
「私だったらさらなるカリスマね」
「上げるのは難しいですが頑張ってください」
「て咲夜、私を子ども扱いする気か」
「いいえ、ただもらえるならお嬢様は何が欲しいのかと。それでこのサンタはどうしましょう?」
「クリスマスの日にしか現れないというのなら現場でとっ捕まえるしかないでしょう。フランの部屋に現れるのは間違いないから罠を仕掛けなさい」
「それは去年やりましたが?」
「え? 去年?」
「はい。去年も同じ事を言って、罠を仕掛けましたが、誰も引っかからずにプレゼントだけが残っていました。お嬢様にもプレゼントがありましたが」
レミリアは去年の事を思い出そうとして
「あー、あったあった。あれか、はいはい。サンタめ私を子ども扱いして」
全く思い浮かばなかったので適当に相槌を打っておく。
そこで疑問に思ったことを一つ。
「じゃあ咲夜は、サンタの事は知っていたの?」
「ええ」
「じゃあ昨日の時点で教えなさいよ」
「新たに追加情報が入ってないか確認したかったので。サンタと直接関係あるか分かりませんが、香霖堂に泥棒が入り真っ赤な服や帽子、靴、付け髭が盗まれたようです。しかし何故かお代は置いてあったそうです。」
「ふーんそう」
レミリアは腕を組みぶつぶつ言っているが一つの案が浮かんだようで咲夜に命令をした。
「咲夜、その日はフランの部屋に隠れて待機。パチュリーやメイド妖精などいつでも出撃できるように準備させておきなさい」
「分かりました。それでお嬢様、犯人は分かったのでしょうか?」
「ああ、これだけ情報があれば十分だよ。後は現場で捕まえて言い訳ができないようにするだけ」
クリスマス当日、日も昇っていない早朝に赤い服を着たサンタはフランドールの部屋に音も無く現れた。
そして担いでいた白い袋から何かを取り出しフランドールの枕元に
「そこまでだよ」
サンタの足元にナイフが突き刺さる。
「おのれ、何奴!?」
「私の顔を見忘れたか?」
そこにはたった今起きたかのような顔をしたレミリアがいた。
どうやらサンタが出たら咲夜に起こしてもらうようにしていたみたいだ。
「お嬢様!?」
レミリアは咲夜の袖を引き、屈ませて耳打ちした。
「咲夜、私が思う犯人は私の事をお嬢様なんて呼ばないはず。それに身長が違う気がする」
「一度言ってみたかったんじゃないですか? 身長だってきっと厚底でごまかしているのでしょう」
「なるほどね。サンタクロースこと古明地さとり、他人の心が読めることをいいことに子ども達にプレゼントをし親を困らせ、不法侵入、それより何より私を子ども扱いした事は断じて許しがたい。潔く腹を切りなさい」
「おのれ~。であえであえ! 良い子のお嬢様がこんな時間まで起きているはずが無い! こやつはお嬢様の名を騙る不届き者だ! 斬れい、斬り捨てい!」
「咲夜、さとりのはずなのに門番隊が言う事を聞いてるわよ?」
「きっとさとりにトラウマを見せるぞと脅かされたんでしょう」
「そう、ならしょうがないわね」
レミリアはグングニルを構えるとサンタに向かって静かに歩いていく。
逃げてるとは思えないスピードで後ずさるサンタ。
門番隊は一人一人攻撃するがグングニルに防がれあっという間にやられていく。
レミリアは門番隊を何人か倒したところでサンタを壁に追い詰める。
「くっ彩符『彩光風鈴』」
「ふふん、美鈴ごときを想起したって無駄だよ。成敗!!」
レミリアがサンタの攻撃を避け一喝すると咲夜がサンタを倒していた。
「さて後は誰か分かりやすいように帽子と付け髭をとってって美鈴!?」
レミリアが倒れたサンタの帽子と付け髭をとるとそこに現れたのは美鈴であった。
「咲夜、どういうことか分かる?」
咲夜は今思い出したかのように
「ああ、そういえば一つ言い忘れていたことが」
「何?」
「子ども達は欲しいものを紙に書いて枕元に置くそうです」
「それ大事なことだよね? その報告があればさとりではないかもって分かったよね?」
「サンタの事ばかり報告していたのでつい子ども達の行動は忘れてしまいました」
「はあ、まあいい。美鈴は牢屋に入れて厳重注意。私はもう寝る」
これでサンタによって血の質が落ちることは二度とないと安心し、枕を高くして眠るレミリアであった。
その日の夜
レミリアが起きると枕元にはでかい靴下があった。
サンタはもう現れないはずなのに思い恐る恐る靴下に触ってみると硬い。
どうしようか迷ったが覚悟を決めて靴下の中へ手を入れ中身を取り出してみると一冊の本があった。
『カリスマを得るためには』
「咲夜ー」
「何でしょうかお嬢様」
「サンタが現れた」
「そんなはずは。美鈴は今牢に入っていますよ」
「でもほら。靴下と私が欲しがってたカリスマを得るための本」
咲夜は少し考えて一つの可能性を口に出した。
「おそらく美鈴を捕まえたことにより第二のサンタが現れたのでしょう」
「そんなことあるの!?」
「本のシリーズ物ではよくありますから」
「くそっサンタめ。来年こそプレゼントなんてできないようにしてやる」
打倒サンタと決意に燃えるレミリアであった。
「咲夜さんひどいですよ。サンタ服着てお嬢様にやられろだなんて」
「ああしないとお嬢様は熟睡しないと思ったからね」
「だからって本気で攻撃したり牢に入れたりしなくても」
「いいじゃない貴方の欲しがってた物をあげるんだから。はいメリークリスマス」
咲夜は美鈴に大きな靴下を渡した。
だが、成敗!!
成敗!!
紅十字の風が吹くってな。
さくめいごとき従者共に、彼女の命を渡すわけにはいかんのだ!
潔く(さらに読み手の)腹を切れぃ!!
訳:咲夜と美鈴にカリスマを持ってかせるとは実にけしからん。もっとヤレ。
・・・と終始腹筋をブレイクされ続けた俺が言ってみる。