Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

御守り

2008/12/18 00:22:49
最終更新
サイズ
4.87KB
ページ数
1

分類タグ

「わふぅ……」

朝日が登り始めた頃、眠そう目を擦りながらあくびをする白狼天狗こと犬走椛は
妖怪の山を見回っていたのだが……

「(今日は非番だったのにいきなり代わってなんて……)」

そう、本来ならば今日は休みだったのだがその日の当番の白狼天狗が体調を崩し
てしまい、急遽代わって欲しいと頼まれ、渋々引き受けたのだがやはり至福の睡
眠を起こされたのはちょっと嫌な気分だったのか愚痴を漏らす始末であった。

「朝の侵入者は無し、っと……」

朝早く、この妖怪の山に侵入してくる者は居ないだろうと思い、どうせ、侵入し
てくるのは白黒魔法使いかなと朝の見回りを終え、とりあえず滝の裏へ帰ろうと
しようとした際、遠くながらに自然の音では無い草木の擦れるが椛の耳に入った










「どうして子供がこんなところに?」

侵入者かと思い現場に向かった椛の目の前に居たのは二人の子供であった。

それは十歳くらいの女の子と一回り小さい男の子が女の子の背に隠れてしっかり
と抱き締めてる様子であったがきっとこの二人は兄弟なんだな、と認識するには
十分だったと思われる。

だからこそ、どうしてこの兄弟がこの妖怪の山にいるんだと口にするしかなかっ
た。






「それで、この山の奥にある神社に用があり、そこの御守りを買いにこの妖怪の
山を登っていたと」

目の前の兄弟から事情を聞き、用件の中身を復唱するとコクコクと頷く兄弟に納
得した。

そう、一年くらい前にこの妖怪の山に突然神社を構えた事件が起こったのである
。結果的には紅白の巫女、黒白の魔法使いの活躍のおかげで結果的には山の神様と
天狗の頭領と友好関係になったことで事は丸く収まった。

だがそれ以来、たまにだがその神社に参拝しに行くという者が現れ、今までは来
るもの全ては追い返す、という行動を少しは緩和したのだ。

だが……





「ただ、子供だけとなるとさすがにこの先には行かせれないからね……」

その言葉を聞くと今にも泣き出しそうな二人に椛は更に言葉を付け足して

「私が保護者として連れて行くなら別ですけどね」


その瞬間にパァッ、と明るい顔になり「お姉ちゃんありがとう!」と言って抱き
締められた椛はちょっぴり顔を赤めながら子供たちを抱き直して目的の神社へと
向かった。










「そういえば、早苗さんは起きてるかな……」

山の神社にへと到着した一行はまだ朝早いということに気付き、子供と一緒に境
内を歩きはじめた。

するとふと、どこからともなく流れくる音楽を耳にした椛はそこへと目指すと体
操している早苗を発見したのだったのだが……



「あ、蛙さんの絵がいっぱい~!」

「えっ!?はわわわわわ!」

男の子が指差す所には可愛らしい蛙のデフォルトの絵がたくさん描かれているパ
ジャマ姿の早苗がおり、早苗は早苗で突然の来客にいつもの巫女姿では無いのに
パニックモードになってしまった。

「こ、こらっ!指で人を指さない、ジロジロ見ないって親から教えられたでしょ
!」

とっさに背を向けるよう促す椛に子供たちは素直に従い、早苗はパタパタと神社
の中へ駆け込んでいった。







「え、えと、この御守りでよろしいですか?」

巫女姿に着替えた早苗は先程の出来事でまだ顔を赤めていた。

そして椛は子供たちが嬉しそうにその御守りを受けとる姿を見て。

「可愛かったですよ。蛙のパジャマ姿」

その一言を言われてボッと顔が赤くなる早苗は椛の肩をしっかり掴んで

「絶対に他の人には言わないでくださいよ!もうあんなことが他の人に知られた
ら……」


必死に説得をする早苗に乙女心は複雑なんだな感じた椛は子供たちのことを里へ
と送り届けたのであった。











「わふぅ……」

子供たちの御守りを買い見届けてから二週間近く経った頃、山の見回りで眠たそ
うにあくびをする椛がいた。

「あの……すまないがあなたが椛さんかな?」

「わぅ?」


そして突然声を掛けられた椛が振り向くと里の守護者と言われる上白沢慧音がい
たのだ。そして話を聞くとこの間の子供の件でお礼を代わりに言いに来たらしい
のだが……

「それにしてもどうしてその手伝いをしたのが私がわかったのですか?同じ白狼
天狗は沢山いるのにこんな的確に探せるなんて」

「いや、子供から『剣と盾を背負ってるお姉ちゃん』と聞いていてな、それにた
またま里に降りていた射命丸に話を聞いたら君の名前がすぐ出てきてね。これで
大分目星は付けれた、というわけだ」

「なるほど……それで、先程言っていたお礼とは何でしょうか?」

「そういえばそうだったな、とりあえずこの間の子供の世話を感謝する。あの子
たちの母親が丁度子供が産まれる頃合いだった故か自分たちで何か出来ることは
無いか、って思ったらしく、山の神社に安産の御守りを買いに行くという行動に
結び付いてしまってな、あなたの優しさには本当に感謝する」


いえいえ、と遠慮がちに答える椛に慧音は二つの小包を渡した。

「子供たちがあなたに渡して欲しいと言われたものでな、どうか受け取って欲しい




椛は慧音から渡された小包をその場で開けると所々に綻びがあり手作りだとわか
る健康の文字が縫われている一つの御守りと手紙が入っていた。





お姉ちゃんへ

この間はありがとうね。最初は怖い犬さんかと思ってたけどとても優しかったし
、一緒に居て楽しかったです。私の家族にも新しい弟が出来たので時間があった
ら遊びに来てください。




「良かったな、優しい『犬』に見られて」

「私は犬じゃありません!」

そういって吠える椛に慧音は笑みを浮かべながら私はこれで失礼、と言って里に
帰っていった。



「わぅ……私は犬じゃないのに……」

そう呟く椛だが手にした御守りを剣にくくりつけ、今日も一日頑張りますかなと
思いながら山の見回りを再開する椛であった。
お久しぶりです。

突如色んな意味で携帯から投稿が出来なくなったことにかなり動揺しましたがなんとかこの作品を投稿することが出来ました。

椛の口調って結構難しいなぁ、とこれを書いてて思ってたんですがこれで『俺の椛はこんなのじゃねぇ!!』なんて思いましたら申し訳ありません。

それでも、一人でも楽しめたらいいなと思いますがご感想ご批判などあればどんどんとお願い致します。
ててろ~
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
すーぱー和んだです・・・。

早苗さん、かえるパジャマなんだ・・・ww