最初に感じたのは、土の風味だった。
次に感じたのは、鈍い頭の痛み。
意味を順に追っていくと、自分が地面に横たわっている事には気づいた。
土を食べる気にはならないので、とりあえず口の中の土を吐き出す。
思い返せばまるで反吐が出そうだが、
結局はふとした気の緩みだったのだろう。
気の許せる相手などというのは、
こちらの思い込みに過ぎなかったという事だ。
私は痛む頭をおさえ、はじめてそこにべっとりとした感触があることにも気付いた。
なんだ、今日はたいした厄日だな。
ふざけてやがる
--
いつにない軽やかな足取りで、楽しげにホウキを振り回しながら彼女が歩く。
思わず鼻歌もこぼれる。機嫌はどんどん上昇して、そのうち思わず踊りだす。
くるくると回りだした所で、その足を急に止めた。
「おっと、もうお目覚め?おはようございます」
「ご機嫌よう。ただのいたずらにしちゃ、度が過ぎてるね」
藍はポツリとそう漏らした
--
狂った現実の断片がそこにあるというのなら、
その狂気と現実の境目を作り出すのは自分自身だろうとは思う。
他者からの評価など、自身の境目には何の影響も無いのだから。
それならば、それゆえに、それでも…
現に今自分の目の前に起こっている現実は、
紛れもなく幻想のような現実の断片に他ならず、
その意味を他者に問いただしたところで、真実を作り出せるのは自分だけなのだ
--
軽く怯えを見せる彼女に向かい、
藍はもはや一瞬の躊躇もなく、その手をあげ―
--
この世界とは自分を中心とした一連の流れに過ぎない。
つまり、この世界とは自身を体現してるとも言えるだろう。
だからこそ、この世界がもし明日終わる事になったとしても、
その時に悔いがあったか、等と考えるような事ではいけないのだ。
時間は時間を待たない。気付けば皆いなくなる
--
―まっすぐ橙の頭の上に振り下ろす。
ごちん。鈍い音が響く。
「いたーーーい!」
「橙!人がいるところで振り回したら危ないって言ったでしょ!」
「違うもん!違うんだよ!これはホウキが勝手に」
「そんな言い訳通用するもんですか!ほら!ケガしたでしょ!
人に迷惑をかけたらまずゴメンナサイ!」
「うわーん!紫さまー!藍さまがいじめるよー!」
「こらっ!橙!待てっ!」
--
幻想郷は今日もただ平和なだけだ
次に感じたのは、鈍い頭の痛み。
意味を順に追っていくと、自分が地面に横たわっている事には気づいた。
土を食べる気にはならないので、とりあえず口の中の土を吐き出す。
思い返せばまるで反吐が出そうだが、
結局はふとした気の緩みだったのだろう。
気の許せる相手などというのは、
こちらの思い込みに過ぎなかったという事だ。
私は痛む頭をおさえ、はじめてそこにべっとりとした感触があることにも気付いた。
なんだ、今日はたいした厄日だな。
ふざけてやがる
--
いつにない軽やかな足取りで、楽しげにホウキを振り回しながら彼女が歩く。
思わず鼻歌もこぼれる。機嫌はどんどん上昇して、そのうち思わず踊りだす。
くるくると回りだした所で、その足を急に止めた。
「おっと、もうお目覚め?おはようございます」
「ご機嫌よう。ただのいたずらにしちゃ、度が過ぎてるね」
藍はポツリとそう漏らした
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狂った現実の断片がそこにあるというのなら、
その狂気と現実の境目を作り出すのは自分自身だろうとは思う。
他者からの評価など、自身の境目には何の影響も無いのだから。
それならば、それゆえに、それでも…
現に今自分の目の前に起こっている現実は、
紛れもなく幻想のような現実の断片に他ならず、
その意味を他者に問いただしたところで、真実を作り出せるのは自分だけなのだ
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軽く怯えを見せる彼女に向かい、
藍はもはや一瞬の躊躇もなく、その手をあげ―
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この世界とは自分を中心とした一連の流れに過ぎない。
つまり、この世界とは自身を体現してるとも言えるだろう。
だからこそ、この世界がもし明日終わる事になったとしても、
その時に悔いがあったか、等と考えるような事ではいけないのだ。
時間は時間を待たない。気付けば皆いなくなる
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―まっすぐ橙の頭の上に振り下ろす。
ごちん。鈍い音が響く。
「いたーーーい!」
「橙!人がいるところで振り回したら危ないって言ったでしょ!」
「違うもん!違うんだよ!これはホウキが勝手に」
「そんな言い訳通用するもんですか!ほら!ケガしたでしょ!
人に迷惑をかけたらまずゴメンナサイ!」
「うわーん!紫さまー!藍さまがいじめるよー!」
「こらっ!橙!待てっ!」
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幻想郷は今日もただ平和なだけだ
蒸し暑い夏の夜の夢みたいな世界観、結構好きです。
ありがとうございます